学校長挨拶
本校は、高知県の中央部にある土佐市戸波に位置し、全校生徒 16 名の小規模の中学校です。近年、生徒数は 60 名前後で推移してまいりましたが、ここ数年の少子化の波は、本校にも押し寄せ、今後、更に生徒数の減が見込まれる状況にあります。
戸波は、土佐市西部の中山間部に位置し、人口は 2200 人程度、生姜や文旦等の生産地として、また、うつぼのたたき発祥の地としても有名な地域です。生徒たちは、地域の方々やご家庭の保護者の皆様の温かい愛情のもと、のびのびと育っており、落ち着いた環境の中、学校生活を送っています。
しかしながら、過去には荒れも経験し、進路保証において大変厳しい状況もありました。
『戸波の未来を 戸波の子どもたちに』・・この言葉は、1997年(平成 9 年)6 月に発足した「戸波あったか教育推進会議」の合言葉です。「戸波の子どもたちに未来をたくしていける町づくりをしていくために、保護者、保育・学校、地域がひとつになって、すべての子どもたちに関わりながら育てていこう。また、そのことにより、地域全体の心のつながりを深め、あったかな戸波の町づくりにつなげていこう」との理念のもと、作られた言葉でもあります。
この推進会議が中心となり、保育園・小学校・中学校・児童センター等の職員による合同職員会をはじめ、保・小・中間の連携、保護者や地域の方々のご支援・ご協力をいただいた結果、生徒たちの姿は大きく変容し、授業や行事等においても、生徒たちの輝く笑顔が日常的に見られるようになっています。
一方、時代は今、大きく変化しつつあり、科学技術の進展によるソサエティー5.0 の社会へと変化しつつあります。モノのインターネット(Internet of Things=IoT)化が飛躍的に進み、人工知能(AI)がいたるところで活用されるような時代へと変わりつつあります。
しかし、いかに時代や社会が変わろうとも、機械や AI には変わることのできない人間としての普遍の価値を、私たちは教育を通して子どもたちに受け伝えていかなければなりません。
本校では、人権教育を核として「人として生きる値打ち」を育むとともに、学校教育目標である「笑顔あふれる生徒の育成」を目指し、将来の社会を力強く生き抜いていける力=知、徳、体の調和のとれた力を育てることができるよう、日々、教育実践を進めていきたいと考えております。そして家庭、地域とのつながりを大切にし、地域ぐるみで子どもたちを育てることをベースにして、教育活動を進めてまいりたいと考えております。
土佐市立戸波中学校長 矢野 芳恵