*************** 開催報告 ***************
開催日時:2025年11月11日
本日は、スタンフォード大学医学部教員のスティーブン・マーフィー・重松先生、MindHeart AI CEOのサラ・ヤファ・キング氏およびCPOのキアースティン・グレイ氏をお迎えして、「AIが人々のメンタルヘルスに貢献するために、祖先の智慧(Ancestral Wisdom)を統合する」という取り組みとその意義についてお話を伺いました。
スティーブン・マーフィー・重松先生
まず、マーフィー先生のガイドによるマインドフルネス実践から始まりました。その後、先生はご自身とおばあさまとの間の体験や、「一期一会」「慈悲」「感謝」など、日本でもなじみ深い感覚をもって、本日のトピックのひとつである「祖先の智慧(Ancestral Intelligence)」についてご説明くださいました。もうひとつのトピックであるAIについては、その目覚ましい発展・普及の中で、メンタルヘルスの問題に関する質問がOpen AIに投げかけられている現状と、そのリスク・危険性について、特にOpen AIの回答が、自殺を考えている人が専門家につながることを妨げる可能性があることが共有されました。
キング氏からは、Open AIに個人の内面に関する相談をすることのリスクについて、提示される回答はインターネットにあげられたストーリーに基づいたもので、誰のものなのかは知り得ないこと、そして、それらは必ずしもウェルビーイングに良いストーリーとは限らないことが指摘されました。そして、エクササイズを通して、祖先からの智慧は、AIと比較して私たち一人ひとりに語りかけられるものであること、その温かな質感を体験しました。
グレイ氏は、AIが世界に貢献できるようにしていくには、コミュニティと実際に触れ合うような感覚が必要であるとおっしゃいます。MindHeart AIでは、個人に根付いたストーリーを共有し、つながっている感覚が得られるものを目指して開発しているとのことです。
左から キング氏、グレイ氏
ディスカッションでは、参加者の皆様のAIを利用した体験をもとに、私たち人間とAIとの今後の関係について興味深い議論がなされました。素晴らしいお話と実践をしてくださった講師の皆様、ご参加された皆様、ありがとうございました。