ミュオグラフィを用いた次世代石油・天然ガス探査の勉強会(第3回)

:南関東ガス田における遊離ガス動態と海域資源ポテンシャルを求めて

主催:東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構

開催日時: 令和2年10月20日(火) 13:15〜17:30

開催場所: オンライン(Zoomウェビナ−:500名定員)

参加費: 無料

参加申し込み(500名定員):以下のサイトより登録して下さい。後ほどZoomのURLをお送り申し上げます。

https://forms.gle/BxdGcprsDg7JSkHs8(お申し込みを締め切らせていただきました)

問い合わせ先:松島 潤 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科):

jun-matsushima"at_mark"edu.k.u-tokyo.ac.jp


開催趣旨:

南関東ガス田は、千葉県を中心として茨城・埼玉・東京・神奈川県下にまたがる微生物起源のメタンガスから成る水溶性天然ガス田である。可採埋蔵量は3,685億立方メートルと評価されており(国内の天然ガス確認埋蔵量の9割)、エネルギー資源として豊富であり戦前より開発が開始され、東京都内でもガス井が掘削され天然ガスの生産が行われていた時期もあったが、現在は千葉県でのみ商業生産が行われている。しかし、東京湾下の調査はこれまで十分に行われてこなかったため、このエリアでのガスの賦存形態が未解明のままである。南関東ガス田の未探鉱エリアである東京湾には陸域との面積比に基づいて約900億立方メートルの微生物起源ガス賦存が期待され、当該ガス田の可採埋蔵量は陸域と合わせて4,585億立方メートルとなり国内の天然ガス確認埋蔵量の9割強の規模となる。さらに遊離ガスの存在領域や存在形態については未解明の部分が多い。

水溶性天然ガス田であるので、基本的には水に溶けた状態で存在していることが想定されているが、浅層部になるほど圧力低下に伴う遊離ガス化が進行することが推測できる(実際に掘削に伴う自噴も観測されている)。都市インフラである東京湾アクアライン連絡道を利用することによるミュオグラフィと弾性波探査との融合的な探査を行うことにより、海底下10メートル程度の極浅層に存在する遊離ガスのトラップ動態をモニタリングすることで、海域ミュオグラフィの有効性を確認し、南関東ガス田の海域における資源ポテンシャルを発見することを目指す。今回の勉強会では、それを実現するための可能性や方法論について議論する。

プログラム:

13:15-13:20

趣旨説明:

松島 潤 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科)

13:20-13:40

講演(1):アクアミュオグラフィで目指すこと、アクアラインのミュオグラフィ装置化に向けた進捗状況

田中 宏幸 (東京大学 地震研究所)

13:40-14:15

講演(2):ミュオグラフィと弾性波探査との融合探査が拓く新パラダイム

松島 潤 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科)

14:15-14:50

講演(3):微生物起源ガスと遊離ガスの形成 - 南関東ガス田などを例として -

金子信行(産業技術総合研究所)

14:50-15:10

休憩

15:10-15:45

講演(4):東京湾の海底ガス - 環境を守るための資源開発にむけて -

鶴 哲郎(東京海洋大学 海洋資源環境学部)

15:45-16:20

講演(5):海域における浅部ガス層を対象とした物理探査(その1) - 微生物起源ガス探鉱における物理探査の役割 -

赤間健一(石油資源開発株式会社)

16:20-16:55

講演(6):海域における浅部ガス層を対象とした物理探査(その2) - 浅部三次元イメージングの解像度向上に向けた地震探査技術の進展 -

阿部進(株式会社地球科学総合研究所)

16:55-17:30

討論会