2023年12月13日 MRM2023 IUMRS-ICA2023で口頭発表しました。
2023年12月08日 強磁場研究会でポスター発表しました。
2023年09月17日 日本物理学会で口頭発表しました。
2023年03月25日 日本物理学会で口頭発表しました。
2022年12月22日 ISSPワークショップ「カイラル物質科学の新展開」で口頭発表しました。
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2022年02月16日 サイトを引っ越してきました。
パルス磁場中で純良金属の磁気抵抗を測る技術を獲得することは、我々強磁場業界の長年の懸案でした。一般的にある程度以上強い磁場を生成するには、瞬間的な大電流を電磁石に流す方法がとられます。強い磁場中での純良金属の磁気抵抗測定は、信号が小さいためノイズを平滑化するには長時間のデータの積算が必要であり、パルス磁場下での測定は難しいと考えられてきました。そのため、パルス磁場中での磁気抵抗測定は、微細加工によって信号を大きくすることが可能な試料か、あるいは半導体や半金属など元々の電気抵抗が高い物質に限られていました。
本研究グループでは、パルス磁場中での有線測定に特有な主たるノイズが、不均一な磁場を持つ電磁石やプローブ等の機械的振動によって引き起こされた電磁誘導であることを突き止めました。これにより、機械的振動を抑制できれば、純良金属の磁気抵抗を測定する場合でもデータの積算時間は従来考えられていたものに比べれば短くても良いことが導かれます。むしろ磁場発生時間が短くなることで抵抗測定中に試料に電流を流す時間も短くなるため、出力信号を大きくするために電流値を大きくしても試料の発熱量が抑えられるという利点が生まれます。また、電磁石自体もコンパクトになると機械的振動の抑制も容易になります。
一方、磁場発生時間を短くすることに伴い、これに見合う高速測定が必要となります。もし究極的にノイズやバックグラウンドが無視できるならば簡便な直流4端子法で問題ないのですが、現実には諸々の対策を施してもこれらは除去しきれずに残ってしまいます。直流法ではノイズやバックグラウンドの周波数帯域より早い時間応答はできないので高速測定には不向きです。そのため、数値位相検波法を用いた交流4端子法を採用することにより測定の高速化を図りました。( 原著論文を読む... 物性研ニュースを読む... 和文解説を読む... )