バイオエンジニアリングは、工学と医療・生命科学の境界に位置する融合的な学問分野です。
このスプリングスクールは、専門を学び始めた大学生や、これから進路を考える高校生が、バイオエンジニアリング研究の最前線にふれる機会を提供します。広い視野と深い専門性の双方の重要性を実感し、研究者・大学院生・参加者同士の交流を通じて、この分野の奥深さと可能性を体感してもらうことを目的としています。
今年で5年目となる本スプリングスクールは、生体分子工学、再生医療、バイオイメージング、バイオ医薬品といったテーマを含み、生命工学、材料、化学、精密工学、機械、物理、情報、電気電子など、多様な専門領域の研究室が企画・実施しています。先駆的な研究に直接触れることで、分野横断的な学びの広がりを感じられるでしょう。さらに、全国から集まる意欲的な学生との交流は、将来の学びや研究活動の大きな刺激となります。
このイベントでの経験が、皆さんの知的探究心を高め、今後の学びやキャリアの指針となることを願っています。
2026年3月7日(土) 10:00~17:00
【講演】
「見えないを、見えるに。~生命を見るバイオイメージングの挑戦~」
(東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 中川桂一先生)
バイオイメージングは、光・音・X線・磁場などを駆使して、微細な細胞の構造や生きた体の中を“見る”技術です。超音波診断、X線CT、光学顕微鏡など、医療や生命科学の最前線で活躍するこれらの技術は、まさに「極限計測」。本講演では、生命の見えない世界に挑むバイオイメージング研究の魅力を紹介し、これらの技術が切り拓く未来の医療と生命科学の姿を、一緒に考えていきます。
「ナノ粒子が照らすカラダの変化~機能性ナノ粒子で切り拓く新たな医療診断~」
(東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 太田誠一先生)
ナノメートルとは、髪の毛の太さの 10万分の1 という、想像もつかないほど小さな世界の長さです。金属や半導体、磁性体などの材料をこのサイズにまで小さくすると、光ったり色が変わったりと、ふつうの大きさでは見られない特別な性質が現れます。本講演では、こうした「機能性ナノ粒子」を使って病気の兆しを見つけ出す、新たな診断技術を紹介します。ナノの世界がどのように病気の早期発見に役立つのか、一緒に覗いてみましょう。
【研究体験】
1テーマにつき90分間、実際のバイオエンジニアリングの研究現場で行われている内容を見学したり自分の手を動かして体験したりできます。
参加者のみなさんには、合計2つのテーマを体験していただきます。
体験テーマ
• AIロボットで細胞を操作してみよう
• 内視鏡でハイドロゲルを注入してみよう
• 医療診断用ナノ粒子を作ってみよう
• 高分子のかたちと触り心地について科学する
• フォトサーマル療法のためのナノ医薬品
• 物体の内部を透かして見てみよう
• 脈波計を自作してみよう
• 材料表面の濡れ性と生物汚染
• 体ガス測定で知る自分の体調
• 電気泳動でタンパク質を見分けてみよう
• 超音波診断で自分の体の中をのぞいてみよう
なお、参加人数との兼ね合いで、必ずしも希望どおりのテーマになるとは限りません。あらかじめご了承ください。