Color of Memory

〜記憶の色〜

  2022/06/18  

    2021年の夏、カラー化写真と音楽のコラボレーションによる平和の伝え方に挑戦しました。

    

    カラー化写真を「観る」ということに加えて、音楽を「聴く」という五感を通して、より感性に響くことで、戦争や平和について「自分ごと」として想像してもらう空間を創りたいと考えたからです。


    きっかけは、書籍『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(光文社、2020年)を出版した直後に、広島出身のシンガーソングライター HIPPYさんが、毎月6日に開催している「原爆の語り部〜被爆体験者の証言の会〜」に、濵井德三さんとゲストとして呼んでいただいたことです。(当時の様子はこちらからご覧いただけます。)

    

     カラー化写真集を通してイメージを膨らませながら、HIPPYさん、ピアニストで作曲家のはらかなこさんとともに、楽曲「Color of Memory〜記憶の色〜」を、映像作家の達富航平さんとMVを、一緒に考えながら制作していきました。


      楽曲の打ち合わせ最初の日に、かなこさんがデモ音源を作ってくださいました。それがイメージピッタリだったので、私はこれまで濵井さんや中島地区の方から受け継いだ想いを「ことば」にして、音にあてはめていきました。そこに、HIPPYさんが素敵な「ことば」を加えてくださって、歌詞が完成しました。


     MVは、HIPPYさんと航平さんと何度も構成を話し合いながら制作しました。みんなで夜遅くまで、ロケーション探しをしながら辿り着いた経験は、最高の宝物です。

     戦後70年までお墓が建てられなかった濵井さん。平和公園を訪れるときは、地面の下に、たった一発の原子爆弾で一瞬にして命の灯火が消えてしまった両親兄弟やたくさんの人が眠っていることを、想像しながら歩いてほしい。「濵井さんの想いを、濵井さんの声で残したい」。その航平さんから提案いただいたシーンにも注目していただきながら、ぜひ6分間、ご覧いただけたらと思います。



     

     

「Color of Memory 〜記憶の色〜」歌詞

「Color of Memory ~記憶の色~」

作詞:庭田杏珠 / HIPPY

作曲:はらかなこ


ひとりぼっちの モノクロの世界

すべての時がまるで止まって見えた


だいすきなお兄ちゃん お洒落なお父さん

アルバムの中で 微笑んでる…


ある日のことさ あなたと出会い

対話重ねて 想い通わせるたび

凍りついていた モノクロの記憶 

少し少しずつ溶けてった


「Color of Memory」だいすきな家族にはもう会えないけど

「Color of Memory」しあわせだった記憶はよみがえる


ひとりぼっちの カラーの世界

あの日止まった針が刻みはじめた


自慢のお姉ちゃん やさしいお母さん

いつも近くに感じている


「Color of Memory」だいすきな家族にはもう会えないけど

「Color of Memory」しあわせな「イマ」の記憶 紡いでいこう


ひとりぼっちの あおいろの地球

宇宙でひとつ かけがえのない 命 

 

「Color of Memory」だいすきな家族にはもう会えないけど

「Color of Memory」しあわせな「未来」へ記憶 つないでいこう


「Color of Memory」この星に刻まれていく ひとつ ふたつ

「Color of Memory」しあわせな記憶めぐりめぐっていく


いつの日かまた あなたと出逢い

その時は 地球とみんなが笑ってるかな