研究

研究対象

安心安全を支える未来技術としてエネルギーデバイス、特定分子計測センサを研究しています。(Research Mapをご参照ください。)

研究スタイル

電気化学を主な研究手段として利用しています.電気化学とは主に電子やイオンの挙動をあつかいます。溶液を含む系に電気を流すような電気がからむ化学現象を理解するために必要な知識と技術を扱う学問です。電気化学計測技術を用いると電極/溶液界面における物質輸送や電子移動反応を別々に制御したり評価したり出来ます。従って、エネルギーデバイスや特定分子計測センサ用の電極を作製したり材料の特性や材料を用いて作製したデバイスの性能を評価することができます。材料の評価にはそのほか、30万倍以上の観測が可能な走査型電子顕微鏡、およびX線光電子分光法、X線回折法をはじめとする各種分光法らを利用しています。

プロジェクト

本学着任前は有機薄膜修飾電極界面における物理化学現象を研究し、微細な化学構造が物理化学現象に及ぼす影響に向き合い新しい化学センサデバイスや動く材料の作製法を提案してきました。現在は、電気化学、界面科学、材料科学らの分野における知識や実験技術をエネルギーデバイスおよび化学センサデバイスへの展開を指向した材料開発に活かす研究を行っています。電気化学反応はエネルギーデバイスや化学センサデバイスに活用することが可能です。電気化学反応が材料が提供する界面の微細な化学構造に大きな影響を受けます。これらの繊細な化学構造を見つめ,これらの影響を理解し活用することで新たな材料やデバイスに関する、以下に例を示すような研究開発を行っています。

<代表的助成金、補助金>

・2005年〜2008年「有機単分子膜修飾ゲートFETを用いたオンラインキラル識別センサの構築」、日本学術振興会特別研究員促進費

・2013年「雰囲気制御サブナノメートル表面解析システム」、私立学校施設整備費補助金(研究装置)


材料開発研究

三次元構造体の構造と界面をデザインし電池やセンサの電極を作製しています。

「キーワード:ナノカーボン、シリコン、酸化チタン、酸化亜鉛、プラチナ等」

<代表的助成金、補助金>

・2013年4月〜2015年3月「カーボンナノ材料を界面設計した三次元構造体により高性能エネルギー蓄電•発電デバイスの構築」

 中央大学共同研究プロジェクト


エネルギーデバイス

材料開発研究で得られた知見を生かし、デバイスを作製するだけでなく、交流インピーダンス等を使用し、電池利用における安全性の向上や、電池の延命化を目指した診断法の研究も行っています。

「キーワード:鉛蓄電池の延命化・診断技術、リチウムイオン電池異常検知」

<代表的助成金、補助金>

・2013年5月〜2015年5月「産業用蓄電池の劣化診断技術及び蓄電池延命化技術ならびに関連するシステム・装置の開発研究」、委託研究費


化学センサデバイス

病気の臨床診断や環境変化診断にも利用が期待される物理化学変化を迅速に電気シグナルへと変換する電気化学センサの高感度化,高いシグナル-ノイズ比化に有効なセンサ素子材料を研究しています。主に最も識別が難しいと言われる鏡像異性体の識別およびセンシングに取り組んでいます。次世代センサへの展開にむけて,センシング対象も常に模索しており、新しい対象を目指した共同研究も募集しています。

「キーワード:キラルセンサ、グルコースセンサ、多孔質電極」

<代表的助成金、補助金>

・2014年4月〜2017年3月「多孔質Pt薄膜を用いた超高効率不斉触媒電極の作製」、科学研究費補助金(日本学術振興会・文部科学省):若手研究(B)