文学研究科
東洋史学専攻
東洋史学専攻
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文学研究科 東洋史学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了 博士(文学)(東京大学)
【専門分野】
戦国期~宋代の天下秩序・政治思想・官僚制度・車服制度/門闕・神道の装飾物からみた左右空間配置とその世界的伝播・展開/歴史理論・歴史哲学/孫呉西晋簡からみた江南の社会と経済
【研究キーワード】
中国史、天下、印綬、車服、礼制、左右観、獅子像、長沙呉簡、調布
【研究内容】
「専門分野」として挙げている内容は多岐に亙りますが、関心の中心は「世の中の秩序のかたちと、その背景となっているもの」にあります。そうした問題関心と具体的な研究内容の関係とを整理して述べると、以下のようになります。
1)中国の天下秩序と官僚制度
戦国時代に官僚制が出現して以降、中国では、都やそれに近い地域は官僚制によって治められ、その外延に広がる地域は封建制によって支配を受けるという、重層的な世界観が定着していきました。両者はあらゆる面において「区別」されていましたが、官僚も封建領主も君主の臣下として位を授かる以上、その身分・立場の高下は、同じ位階制度の中において相互に比較可能なように定められていました。この点に注目し、位階制度やそれを可視的に示す車服(乗り物・衣服・アクセサリー)の制度を手がかりとしながら、国家を構成する多様な人々がどのようにして/どのような論理の下で統合されていたのかを研究しています。位階制度・車服制度は時代によっても大きく異なり、それを支える思想についても時代ごとに変化しましたので、一時期のことだけをみても、歴史的な特質は理解できません。よって、戦国時代から唐宋期まで研究対象を幅広く設定し、その中での制度・思想の推移を検討することで、国家構造・天下秩序全体の長期的な動きをみるという研究方法をとっています。
こうした問題について考えることで、中国ひいては東アジアの人々の世界観や、その根底にある価値観について明らかにすることができます。また、上述した「世界観」「価値観」は、現代日本社会にも極めて強い影響を及ぼしていますから、現在の日本について理解するうえで有益な示唆を得ることもできます。もちろん、現代中国を理解するためにも、こうした作業は必要不可欠です。
2)門闕動物像からみた空間配置
世界各地の公的施設や宗教施設などの前に左右一対で置かれた装飾物、とくに動物像(狛犬、獅子像など)を手がかりに、「左右」に代表される二元的世界観が現実世界にどのように反映されていたかを探っています。その「反映」の方法は一通りではありませんが、各地の様式の間には一定の相関関係があるようです。そうした「相関関係」をとおして、二元的世界観の伝播や展開の過程を追うことができないか、模索している最中です。文化や制度の違いを越えた人類の交流や、その結果として生みだされた共通意識について論ずることで、「中国ひいては東アジアの人々の世界観や、その根底にある価値観」を相対化することが、この研究の究極の目的です。
3)その他
簡牘資料をとおして江南社会の地域性や3世紀という時代の特質を検討することで、「中国」やその歴史の中にある多様性について考えています。また、研究の基礎・前提となる問題意識・方法論の立て方じたいについても、研究の対象としています。
【主な論文・著書】
●『印綬が創った天下秩序 漢王朝の統治と世界観』(単著)山川出版社、2024年5月
●『漢代の天下秩序と国家構造』(単著)研文出版、2022年11月
●「漢代における即位儀礼・郊祀親祭と「天子之璽」」、『歴史学研究』第1022号、2022年5月
●「南朝陵墓神門石獣の陰陽表現をめぐって」、『中央大学文学部紀要』〔史学〕第67号、2022年3月
●『中国史で読み解く故事成語』(単著)山川出版社、2021年4月
【メッセージ】
学生には、以下の3点を徹底するようお願いしています。
○他人の受け売りではなく、史料に直接あたって考えること。
○現代人の目線からではなく、当時の、現地の人々の目線で考えること。
○歴史的事象そのものだけでなく、その事象が「いかなる歴史的条件の下でそのようになったか」、「現在にどのように影響しているか」を考えること。
【担当科目】
史料教材研究Ⅰ、中国古代史演習A、中国古代史演習B、中国古代史特講A、中国古代史特講B、中国古代史特殊研究A、中国古代史特殊研究B
【問い合わせ先】
yukiabe●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
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文学研究科 東洋史学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(文学)(東京大学)
【専門分野】
近世朝鮮外交史
【研究キーワード】
朝鮮王朝、外交史、外交文書、ハンコ、政治思想史、韓国、朝鮮
【研究内容】
朝鮮時代(1392-1897)、特に14世紀末~17世紀前半の朝鮮王朝の外交史について研究しています。14世紀末~17世紀前半は、中国では明代、日本では室町時代中期から江戸時代初期に当たります。当該期は、朝鮮半島への倭寇の侵攻も続いており、また、17世紀前半には、朝鮮半島北方の女真人の勢力が台頭してきて、ついに明清交替が起こります。朝鮮にとっては外交の難しいかじ取りが常に要求される時代でした。そうしたなかで、朝鮮が外国勢力に対してどのような外交を展開したのかを研究してきました。とりわけ、朝鮮が明との間の冊封関係(君臣関係)を維持しながら、日本・琉球や女真勢力に如何に対応したのかという問題を軸にして研究してきました。なぜならば、「中国」(あるいは「中華」)である明は、ときに「父母の国」とも形容されたように、当時の朝鮮にとって明は最重要国であり、しがたって朝鮮の外交には、明との冊封関係に配慮しつつ行われた側面があり、そうした側面に照明を当てることで、東アジアにおける朝鮮の国際的立場・位相が見えてくると考えられたからです。
具体的な研究方法としては、例えば、朝鮮が外交で使用した印鑑に注目しました。というのも、朝鮮は日本や琉球との外交において、官印ではなく、「図書」と称される私印形式の印(ハンコ)を用いたからです。例えば、朝鮮が日本・琉球に送った外交文書に捺印された印鑑は図書でした。つまり、朝鮮は外交文書という公的文書に私印形式の図書を用いたわけです。この点は私にはとても不可解なことに思えました。そこで私は、なぜ朝鮮が外交文書に私印形式の図書を用いたのかを考えました。その結果、朝鮮の外交文書に図書が用いられたのは、朝鮮が明の「侯国」(明から冊封された諸侯国)としての立場を重視していたことと関係していたことが分かってきました。すなわち、明の「侯国」としての立場に立つと、日本や琉球との外交が「私交」(明の許可なく勝手に外交すること)として不当なものになりかねなかったため、朝鮮があえて外交文書に私印形式の印を用いたということが見えてきました。「私交」問題(「侯国」の外交が「私交」として宗主国の問罪の対象になり得るという問題)が朝鮮の外交をどこまで規定していたのかという問題は、現在も私の大きな研究テーマとなっています。
また、朝鮮の外交と密接に関連してくる、朝鮮の政治思想についても、研究を行ってきました。1637年、朝鮮は満洲族の王朝である清との間に冊封関係を結び、1644年には明が滅亡しますが、その後においても、朝鮮の崇明思想(明を崇拝する思想)はなくならないどころか、強まっていきました。そうしたなか、朝鮮は明遺民(朝鮮居住の明人の子孫)に対する優遇政策を行います。私はそのことに注目して、朝鮮の明遺民に対する優遇政策が、朝鮮の王権強化と密接な関係があることを指摘しました。
【主な論文・著書】
● 「朝鮮初期における室町幕府への遣使の目的」『朝鮮学報』、255、2020年
● 『朝鮮王朝の侯国的立場と外交』、汲古書院、2021年
● 「朝鮮王朝の二つの対馬認識―15世紀後半を中心として―」『日韓の交流と共生―多様性の過去・現在・未来―』(九州大学韓国研究センター叢書 第5巻)(森平雅彦他編)、九州大学出版会、2022年
● 「豊臣秀吉の侵攻予告に対する朝鮮の対応―通信使派遣の明への秘匿―」『壬辰戦争と東アジア―秀吉の対外侵攻の衝撃―』(川西裕也・中尾道子・木村拓編)、東京大学出版会、2023年
【メッセージ】
歴史学という学問は、史料に基づいて、自分の解釈や主張を組み立てていく学問です。もちろんそれは、なかなか簡単なことではなく、苦労はつきものです。しかし史料と格闘しながら、自分なりの結論にたどり着いたときは、その苦労以上の喜びが待っていることでしょう。周りにも意見を求めながら、様々な角度から検討し、諦めることなく、ねばり強く研究することが肝心です。
【担当科目】
史料教材研究Ⅰ、中国近世史演習A、中国近世史演習B、中国近世史特講A、中国近世史特講B、東洋史学特殊研究(朝鮮史)A、東洋史学特殊研究(朝鮮史)B
【問い合わせ先】
tkimura769●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
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文学研究科 東洋史学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位修得退学
【専門分野】
中央ユーラシア史
【研究キーワード】
中央ユーラシア、オアシス地域、近現代
【研究内容】
新免は、中央ユーラシアの歴史・文化について、とくに近現代の歴史的状況と諸民族の社会・文化に関心をもって研究しています。
具体的には、19~20 世紀における中央ユーラシア中央部(中国新疆、中央アジア)のオアシス地域の歴史的変容について、主 要な住民である諸民族の動向を軸に、さまざまな側面からアプローチしてきたほか、当該地域における宗教文化、とくにイスラーム 聖者墓廟参詣の実態と特徴について、現地での実地調査を踏まえて考察しました。また、近年では、近現代の中央ユーラシアを またぐ広域的な移動・交流と地域の状況変化に注目して、タタール人のディアスポラと中央ユーラシアの社会・文化変容について プロジェクトを組み、研究を進めているほか、ウイグル文化への視点として、民間歌謡や基層文化、知識人の思索などについても 関心をもって調べています。
利用してきた史料としては、現代より前の時代に広域的に使用されたテュルク系言語であるいわゆるチャガタイ語、また、20 世紀 以降に使用されるようになった各民族語の史料を軸に据え、中国語・ロシア語などの史料も交えつつ、さまざまな歴史的事象につ いて検討を加えてきました。中央ユーラシア在住の諸民族により、彼ら自身の言語で記された史料は、当該地域の歴史について 検討する上での基本的な材料であり、大学院の授業でもその点を重視しています。
近年の中央ユーラシアは、旧ソ連領の独立諸国家がその発展に応じてユーラシアにおけるプレゼンスを高めていることや、中国の 一帯一路構想の主要な対象地域となっていることなど、現代世界における注目度が高まっています。現代の当該地域にまつわる 諸問題を見ていく上でも、そこに居住する諸民族の歴史・文化の実相についてたしかな知識を取得し、理解を深めていくことが必 要になります。
【主な論文・著書】
●「シルクロードにおけるマザール参詣の諸相」『日中社会学研究』第 25 号, 2017 年
● “The Historical Development of Ürümchi: Focusing on Nanliang District from the Late-19th to Mid-20th Centuries,” Onuma Takahiro, David Brophy and Shinmen Yasushi, eds., Xinjiang in the Context of Central Eurasian Transformations, Tokyo: The Toyo Bunko, 2018
●「中国新疆における歴史書『東方五史』の「アルティ・シャフル」章について」『中央大学アジア史研究』第 42 号, 2018 年
●「ウルムチの歴史的変容と「洋行街」」妹尾達彦編『アフロ・ユーラシアにおける都市と社会』中央大学出版部, 2020 年
●「中国新疆のイリ地域におけるウイグル族の「歴史歌謡」について」新免康編『ユーラシアにおける移動・交流と社会・文化
変容』中央大学出版部, 2021 年.
【メッセージ】
私がいまの仕事をしていて良かったと思うことの一つは、色々な国々の、色々な民族の人々と触れあい、いっしょに仕事ができたこ とです。皆さんも、学生としての生活や就職後の仕事の中で、世界のさまざまな民族の人々と知り合うことでしょう。その際、背景に ある歴史や文化に関する勉強が、きっと役に立つはずです。
【担当科目】
イスラーム文明と現代世界、史料教材研究Ⅰ、中央ユーラシア史演習A、中央ユーラシア史演習B、中央ユーラシア史特講A、中央ユーラシア史特講B、中央ユーラシア史特殊研究A、中央ユーラシア史特殊研究B
【問い合わせ先】
y.shinmen●gmail.com
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 東洋史学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(学術)、東京大学
【専門分野】
近現代エジプト政治史
【研究キーワード】
エジプト、中東、名望家、議会、ナショナリズム、革命
【研究内容】
近現代エジプトの政治史を専門にしています。テーマは、近現代エジプトにおける伝統的な有力家族、名望家の政治的、社会的 役割の考察です。エジプトの議会では、日本でいう世襲議員のように、一族で議席を占有し続けている名望家がおり、現地では 「議会家族」と呼ばれています。しかし、「議会家族」という言葉はあるものの、それが一体誰なのか、どのような人々なのかこれま で研究されてきませんでした。私は、この議会家族とはどのような人々で、近代以降の変化の激しい時代のなかで、どのような役割を果たしてきたのか研究しています。
最初に取り組んだのが、「議会家族」の特定です。考察の結果、「議会家族」のルーツが実に多様であることが分かりました。マム ルークに起源をもつ家族もいれば、19 世紀に新たに台頭した家族もいます。また、ウラマーとよばれるイスラーム宗教指導者を 代々輩出してきた家族もいます。このように、家族の背景は様々ですが、19 世紀になりエジプトが世界経済に組み込まれると、ほ ぼ全ての「議会家族」が莫大な富を蓄え、大地主や中規模地主となり、その影響力を背景に議会で議席を占有するようになりまし た。さらに研究を進めると、「議会家族」が婚姻などを通して独自のネットワークを駆使し、数々の政治弾圧を生き延びる、したたかな存在であることも明らかとなってきました。
最近は、これまでの研究をさらに発展させるかたちで、数世紀前にエジプトに移動してきたアラブ部族にルーツをもつ「議会家族」 に焦点を当てています。今読み込んでいるのは、近代エジプトの独立運動に寄与した、エジプト中部のとある「議会家族」の蔵に眠 っていた私文書です。この家族は、アラブ部族に起源をもつ他の有力家系と同様に、国境という境界線を越えるアラブ・アイデンテ ィティーを強くもつ家族です。このようなアイデンティティーをもつこの家族が、どのようにして国境で領域が規定された近代国家の 構築に携わったのか、入手した史料から精査しています。現段階で、大地主でもある彼らが、西欧など列強諸国と共有する経済 的な利害と、強まるナショナリズムとの間で葛藤する姿が浮かび上がってきました。これからどのような史実が明らかになるのか期 待を膨らませています。
【主な論文・著書】
●「エジプトのリビア介入の諸要因:グローバルな危機の拡大とその影響」『「境界」に現れる危機』(松永泰行編)岩 波書店、2021 年
●「現代エジプト 憲法における宗教条項」『イスラームは特殊か』(柴田大輔、中町信孝編)勁草書房、2018 年
●『「アラブの春」後のエジプトにおける混乱と平和構築:チュニジアとの比較から』『人間の安全保障と平和構築』(東大作編)日 本評論社、2017 年
●「数千年の歴史が溶け込む エジプト」『世界の名前』岩波新書1598、2016年
【メッセージ】
歴史は役に立たない、暗記するだけと思っていませんか。歴史は、先人たちが残した貴重な足跡です。現代は歴史の延長上にあ り、歴史を知れば変化が激しく先が見通せない現代社会の行く先が見えてきます。また、歴史を学べば、これからの人生が豊かに なります。世界を旅しても、目の前の風景に重なるように、古の人々の暮らしが立体的に有機的に見えてくるでしょう。さあ、皆さん も、壮大な学問である歴史学の扉を開いてみませんか。
【担当科目】
イスラーム史演習A、イスラーム史演習B、イスラーム史特講A、イスラーム史特講B、イスラーム史特殊研究A、イスラーム史特殊研究B、史料教材研究Ⅰ
【問い合わせ先】
こちらのフォームよりお問い合わせください。
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研究者情報データベース
文学研究科 東洋史学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(史学)(中央大学)
【専門分野】
東南アジア近現代史、カンボジア地域研究
【研究キーワード】
カンボジア、フランス統治時代、官僚制、ポル・ポト政権、内戦と社会復興
【研究内容】
私の研究テーマは大きく二つに分かれています。
第一は、フランス統治期のカンボジア王国における政治社会体制の解明です。具体的には、19世紀以降のカンボジア保護王国における政治社会体制の実態を、中央政府の形成過程、官僚組織の変遷、人事制度の特質、地方社会の変化などの観点から研究しています。主に、カンボジアのプノンペン国立公文書館に所蔵されているフランス理事長官府の報告書、人事ファイル、官報などの文書類の読解・分析を通じて研究を進めてきました。
1863年から1953年までの90年間、カンボジア王国はフランスの保護国として統治されました。90年間にわたるフランス支配の歴史的な経験は、いったい何を意味するのでしょうか。近代カンボジアの政治社会の仕組み、法体系、教育制度などは、フランス統治期に形成されました。そして、独立以降のカンボジアの政治社会体制も、フランス統治期に作られた政治的社会的な枠組みを基本的に踏襲して現在に至っていると言えます。したがって、現代カンボジアの諸問題を考察する際は、フランス支配期に確立された政治社会体制の実態を明らかにする必要があると考えられます。こうした理由から、フランス統治期の研究を進めてきました。
第二は、1953年以降、特に1975年のポル・ポト時代からヘン・サムリン政権にかけての社会変化の実態を明らかにすることです。現代カンボジアの社会復興の経緯を、政治経済体制の変遷、内戦下の社会教育問題、文化復興などの観点から、フィールドワークも行いつつ研究してきました。
1970年~1991年にかけてカンボジアは二度の内戦を経験しました。その間、クメール・ルージュによる住民大虐殺(ジェノサイド)、ベトナム軍の侵攻・駐留、難民の発生など、激動の時代が続き、多くの人びとの命が失われ、政治社会制度やインフラストラクチャーが破壊されました。国連平和維持活動(PKO)による国政選挙の実施を経て、1993年に新生「カンボジア王国」が誕生し、約20年ぶりに平和を取り戻しましたが、「失われた20年」の検証は現在も進行中だと言えます。20年の間に「破壊」された諸制度がどのように「復興」されてきたのか、混迷の時代を人々はいかに生きてきたのか、を明らかにしたいと思い、現代カンボジアの社会復興の個別の問題について研究を進めています。
【主な論文・著書】
●「カンボジアのクメール・ルージュ裁判」阿曾村邦昭・今川幸雄編著『カンボジアの近代化』文眞堂、2022年12月
●「シハヌーク国王とカンボジアの近代化」阿曾村邦昭・今川幸雄編著『カンボジアの近代化』文眞堂、2022年12月
●「内戦と文化政策」新免康編著『ユーラシアにおける移動・交流と社会・文化変容』中央大学出版会、2021年3月
●「インドシナ半島の近現代」アルボムッレ・スマナサーラ編著『ブッダの聖地2』株式会社サンガ、2020年6月
【メッセージ】
1990年、内戦下のカンボジアで大学教員としてのキャリアを開始しました。当時、首都プノンペン市内は戒厳令が敷かれ、再開されたばかりの大学内には張り詰めた空気が漂い、緊張の毎日でした。ですが、そこは「学ぶ喜び」に溢れていました。この時の気持ちを忘れずに、研究と教育に向き合い、学生と共に学び続けたいと思っています。
【担当科目】
史料教材研究Ⅰ、東南アジア史演習A、東南アジア史演習B、東南アジア史特講A、東南アジア史特講B、東南アジア史特殊研究A、東南アジア史特殊研究B
【問い合わせ先】
kskoumei●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース