文学研究科
教育学専攻
教育学専攻
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文学研究科 教育学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(教育学)(筑波大学)
【専門分野】
教育制度・行政学、比較教育学、人権教育
【研究キーワード】
移民、フランス、人権、インクルージョン
【研究内容】
かつては国際化と言われ、現在では社会のグローバル化と言われるようになってずいぶんと経つ。それに対応すべくさまざまな教育活動(多文化教育、異文化理解教育など)も行われてきている。にもかかわらず、人々の多様性は尊重されるどころか、むしろヘイトスピーチをはじめとして世界のさまざまなところで差別や人権侵害が多発している。このことは、人類社会にとって極めて深刻な事態と言わねばならない。
そこで、まずは社会の多文化状況と教育との関係について理解を深めていく必要がある。このような関心に基づき、フランスの移民教育政策について研究を続けてきた。フランスに着目する理由は、古くから移民を多く受け入れてきた文化的に多様な国でありながらも、多文化主義を標榜せず、あくまでも共和国としての文化的統一性を強調することで、1789年の革命以来、人権保障の国として知られているからである。そこには、アメリカやオーストラリアなどをはじめとする英語圏の国々が多文化主義の原理で国や教育を機能させようとしていることとはかなり異なる多文化共存の原理がある。
また、多文化社会は多宗教社会でもある。この点で、フランスではイスラームをめぐって多くの事件が発生している。イスラームの「スカーフ」着用を公立学校では禁止するという法律もつくられた。宗教的中立(非宗教性、フランスでは「ライシテ」と言われる)を守るためには、いっさいの宗教的シンボルを公的空間に入れてはならないという主張である。しかし、教育実践は、子どもたちの生活背景を理解しなければ成り立たないのであるから、この措置は多文化共存の教育の実現にはつながっていかないのではないか。
この「共存」という発想は、今日ではインクルージョンと呼ばれる。日本では障害児教育と同義に使われることが多いが、本来は、さまざまな違いを前提として誰をも排除しない社会(inclusive society)の構築を目指す概念である。性別、人種、民族、宗教、障害はもちろんのこと、貧富の違いや学力の違いなどによっても学ぶ場所を分けていくことを差別として告発し、共に過ごすための工夫をみんなで考えようとすること、これがインクルーシブ教育なのである。現在の研究テーマの一つは、このインクルージョンに関するものであり、この概念を支える人権理論の研究を、教育実践の分析も含めながら、また日仏比較をしつつ、進めている。より具体的には、差別問題への教育的対応のあり方、とくに日本においては部落差別問題に焦点を当てている。この関心の延長上で、道徳教育も研究対象としている。なお、そもそも学校教育自体がもつ原理的問題性(個人の権利保障の場であると同時に国策としての教育の場でもある点)についても議論しようとしている。
【主な論文・著書】
●『学校で育むアナキズム』(単著)新泉社、2023年4月
●『学びの本質を解きほぐす』(単著)新泉社、2021年4月
●「インクルージョンという教育理念のあり方」『現代フランス教育改革』(共著、フランス教育学会編、第14章)明石書店、2018年1月
●『「特別の教科 道徳」ってなんだ?』(共著)現代書館、2018年1月
●「ゆらぐ『共和国』と市民形成ー岐路に立つフランスの挑戦」『グローバル時代の市民形成』(共著、北村友人編著、岩波講座 教育 変革への展望7、第7章)岩波書店、2016年10月
【メッセージ】
安心して学べる環境、子どもたちが「がんばらなくていい」学校を考えていくために、法令や条約等の理解を基盤として制度の全体像を把握し、かつ批判的に検討し、権利保障としての教育制度のあり方を(人々の教育意識の傾向にも注意しつつ)模索していきましょう。
【担当科目】
教育学総合演習A、教育行政学特講、教育行政学特殊研究A
【問い合わせ先】
kikeda002y●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 教育学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(教育学)(中央大学)
【専門分野】
教育哲学、教育思想史
【研究キーワード】
フロイト、精神分析、戦後教育学
【研究内容】
私は教育哲学・教育思想史を専門としております。
(1)私の研究の原点は、S・フロイト思想と精神分析理論です。大学受験の際は教員になろうと思って教育学を選んだのですが、高校生の頃から哲学や心理学の本を読むのが好きでした。フロイトや精神分析は、思春期から青年期に抱いた「自分とは何だろう」という問いに答えを出してくれるように思われました。また、私が高校生の頃は「ポストモダン思想」と呼ばれる新しい哲学のブームがありました。高校生の頃はさっぱりわかりませんでしたが、大学で少しずつ本を読んで多少は理解できたかな、と思います。
大学院では、フロイトとフロイト以後の精神分析理論の展開を「子ども」という観点から研究しました。博士論文は、いわば精神分析+現代思想といったテーマでした。
現在はフロイト思想の研究によって、これまでの教育理論や人間形成論を問いなおすことが出来るのではないかと模索しています。
(2)研究のもう一つの柱は、戦後日本の教育学がどのように展開してきたかです。かつて教育哲学や教育思想史には、教育が目指すべき理念を示すという役割が求められてきました。しかしその役割は、1990年頃を境に大きく変化しています。
かつて教育哲学や教育思想史は、教員養成において必須とされる中心的科目でしたが、現在はそうとはいえません。ではそのような転回はどのように生じたのでしょうか。この過程を問いながら、同時に、「よい」教員になるためには、学校現場のことを知るだけでは足りず、教育哲学や教育思想を学ぶ必要があるのではないかと考えています。
【主な論文・著書】
● “Beyond the Trauma Principle in Education: Does Freud’s Concept of “Nachträglichkeit” imply Possibility of“Retroactive
Education”?“, E-journal of Philosophy of Education: International Yearbook of the Philosophy of Education Society of
Japan, Volume 6, June, 2021
●「外傷原則の彼岸―― フロイト「事後性」論の教育学的転回」『教育哲学研究』第123号, 2021年5月
●「教育学のフロイト受容を問いなおす」『近代教育フォーラム』(共著), 2020年9月
●「「学び続ける教員」を教育学で育てる――中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上につい て」(2015)の批判的検討」『教育学雑誌』第54号, 2017年12月
●「教師教育の改革動向をどううけとめるか」『教育学研究』第85巻第1号, 2018年3月
●『〈精神分析的子ども〉の誕生 ――フロイト主義と教育言説』東京大学出版会, 2006年12月
●『教育思想のポストモダン――戦後教育学を超えて』勁草書房, 2016年12月
●『教育学年報 第11号』(共編著)世織書房, 2019年 9月
●『教育思想事典 増補改訂版』(共著, 教育思想史学会編)勁草書房, 2017年10月
● 게시 아키라(下司 晶), <포스트모던 교육사상>, 최승현(trans.), 박영스토리, 2020年9月
【メッセージ】
学校や教育について「何かおかしい」と感じたことはありませんか? 私は高校まで、学校のあり方にずっと疑問を感じていました。教育哲学・教育思想研究では、そうした違和感を突き詰めて考えることができます。私たちは誰しも教育を受けるなかで自己を形成していますから、教育を知ることは、自分を知ることでもります。「巨人の肩の上」からは、現在の教育はどのように見えるでしょうか。ぜひ一緒に考えましょう。
【担当科目】
教育学総合演習B、教育哲学演習、教育哲学特講、教育哲学特殊研究A、教育哲学特殊研究B
【問い合わせ先】
gakira001u●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 教育学専攻 准教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(教育学)、東京大学
【専門分野】
社会教育学、生涯学習論、教育行政学
【研究キーワード】
社会的学習、社会関係資本、ネットワーク、コミュニティ、公民館、シティズンシップ
【研究内容】
公教育の中になぜ社会教育という領域が存在するのか、そしてそれがどのように存在すべきなのかについて関心を持っています。社会教育制度の意義が学校教育および一般行政(主にコミュニティ政策など)との関係の中でどのように理解され、どのように変遷してきたのかを研究してきました。多様な主体間の連携・協働を推進する昨今の教育政策動向の中で、ガバナンスやネットワークの実態や変化を調査しています。社会教育の「社会的な文脈の中で学ぶ」側面に焦点を当て、関係論的に捉えていく上では、「社会関係資本」概念が有用であり、特により良い社会の構築につながる社会関係資本の生成においては、生涯学習が重要な要素になると考えています。
現代社会は大きな転換点にあると言われています。「人生100年時代」を迎え、同時に「VUCA」と言われるような不確実、複雑、不透明で曖昧な社会情勢となり、生涯学習の重要性はますます高まっています。その中で、Society 5.0の実現に向けて、私たちは今改めて「学習」の理念・定義・方法等について捉え直す必要に迫られています。とりわけ2020年以降、COVID-19感染拡大により人と人との直接的な接触が制限される中で、学校教育のみならず、社会教育の事業や活動にも著しい停滞が生じた一方で、そのような制限を乗り越え、草の根的にオンラインでの社会教育活動が立ち上がる様子も観察されました。「いつでも・どこでも」学ぶことのできる生涯学習の社会を実現していく上で、オンラインを積極的に活用しつつ、学習実践への参加の障壁をどう取り除いていくかにも課題があります。
参加の障壁の一端を理解する上では、各コミュニティの中に存在する非公式の「制度」や、その中で生じる社会文化的な状況・文脈を捉えることも重要です。公式の制度だけでは捉えられないながらも実質的な学習への参加に強い影響を与えるのが、学習者間の相互行為、特に対話を中心とするコミュニケーションと言えるでしょう。社会的な学習活動の中でこの相互行為が教育的意図をもってどのように組織化されているのか、あるいは組織化されるべきかを今後も探究していくつもりです。
【主な論文・著書】
●『学習するコミュニティのガバナンス : 社会教育が創る社会関係資本とシティズンシップ』明石書店,2014年.
●「オンラインによる学習空間の拡張と社会教育へのインパクト:『尼崎オンライン公民館』の取組を事例として」,『日本公民館学会年報』第17号,2020年.
●『公教育制度の変容と教育行政:多様化、市場化から教育機会保障の再構築に向けて』(共編著)福村出版,2021年
●『社会関係資本:現代社会の人脈・信頼・コミュニティ』(共訳、ジョン・フィールド著)明石書店, 2022年.
●「コミュニティにおける対話と学習環境デザイン:対話的学習実践にみるコミュニケーションの課題と戦略」,『地域教育経営論:学び続けられる地域社会のデザイン』(荻野亮吾・丹間康仁編)2022年
【メッセージ】
私たちが学ぶ上で、たしかに学校は重要な教育機関ですが、しかし私たちは「学校だけ」で学んでいるわけではありません。社会的な視点に立って、学校と学校外を連続的に捉えつつ、日常に埋め込まれた学びを批判的に見つめ直し、また実践的に編み直すことで、人生も社会もより豊かになります。大学院で学び研究するというのは簡単なことではありませんが、そのような社会的な学びについて強い動機と高い志をもって探究してみたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
【担当科目】
教育学総合演習A、生涯学習論演習、生涯学習論特講、生涯学習論特殊研究A、生涯学習論特殊研究B
【問い合わせ先】
こちらのフォームよりお問い合わせください。
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 教育学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:名古屋大学大学院教育学研究科博士課程(後期)教育学専攻単位取得退学
【専門分野】
日本教育史、教育社会史
【研究キーワード】
優生学・優生思想、受胎調節・家族計画、母子保健
【研究内容】
個人や家族が子どもを生もうとすることを、「授かる」あるいは「作る」と表現することがあります。今日どちらも使われている表現ですが、子どもの数をコントロールする考え方(受胎調節や家族計画)やそのための技術が普及するにつれて、子どもは神や自然から「授かる」ものというよりも、だんだんと「作る」ものという意識が強くなってきたように思います。この経過は、産業構造の変化や核家族の増大、学校教育の普及といった社会の変容と密接に関わりながら起こったことです。また今日では出生前診断など生殖技術の進展の影響も無視できません。人々が子どもを生み育てていくことに関する制度や意識は、どのように変化してきたのでしょうか。この歴史的様相を明らかにすることが私の研究テーマです。具体的には日本の戦後初期から高度経済成長期を対象に、優生学、家族計画、母子保健をキーワードとして、それらをめぐる動向が、その時代の教育のあり方(特に人々の子ども観や教育観など)にどのような影響を与えていたのかについて調べています。
【主な論文・著書】
●「1960年代から1970年代の農村における出稼ぎ・家族計画・子どもの教育の関係-雑誌『家の光』における「カギっ子」問題を中心に-」
『教育学論集』(中央大学教育学研究会)第64集、2022年4月
●「政府主導の家族計画運動に対する医事評論家・石垣純二による批判-1960年代半ばにおける「生む」(=受胎調節)と「育てる」(=教育)を架橋する
家族計画論の生成-」『教育学論集』(中央大学教育学研究会)第63集、2021年3月
●「雑誌『家の光』にみる農村における家族計画普及の様相-1960年代半ばから1970年代半ばまで-」『教育学論集』 (中央大学教育学研究会)
第62 集、2020年3月
●「1950年代から1960年代前半の農村における家族計画の普及活動-雑誌『家の光』にみる農業協同組合・農協婦人部・家の光協会の関わりを
中心に-」 『教育学論集』 (中央大学教育学研究会)第61集、2019年3月
●「戦後日本の家族計画運動における受胎調節指導の変容-実地指導員としての助産婦の役割拡大と困難化-」『日本の教育史学』第56集、2013年10月
【メッセージ】
研究を志すにあたって、自ら選び取った初発の問題関心は、その後の研究の性格を大きく規定し続けるものです。一方、その問題関心がそのまま研究テーマとして成立することは稀で、仮説・実証・結論に至るための研究手法の基本を踏まえた「開かれた問い」にすることが肝要です。今後、発展的に展開していくことができるテーマとなっているかという点に留意しつつ、みなさんの研究を支援したいと考えています。
【担当科目】
教育学総合演習B、教育史演習、教育史特講、教育史特殊研究A、教育史特殊研究B
【問い合わせ先】
m-takagi.99k●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 教育学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(教育学)(上智大学)
【専門分野】
教育方法学、カリキュラム論、比較教育学
【研究キーワード】
ドイツ、多様性、宗教教育、価値教育、哲学教育、包摂
【研究内容】
人々が国境を越えて移動する今日の世界中の国々では、さまざまな宗教や世界観、文化、言語などの相違の調和を図る試みがなされています。異なる宗教・宗派を信仰する人々と、宗教を持たないとされる世俗的な人々とが一緒に暮らす社会では、どのような共通の価値を形成・陶冶していくかが、平和な共存・共生に向けた鍵になると考えられます。とりわけ、学校教育のなかで宗教教育をどう位置づけ、どのように行うのか、また、宗教や世界観など各種の多様性をどう尊重していくのか、これらの問題をどのように解決していくかという方策のあり方が問われています。そこで、この問題について、これまで主にドイツの初等中等教育のカリキュラムと授業実践に注目して、研究を進めてきました。
あわせて、世界の学校現場において学力格差の問題がどのように解決されようとしているのか、という課題にアプローチすることを目的とする研究チームで活動をしてきました。具体的には、障がいの程度や移民背景、家庭環境等、困難な状況も多様ななかで実施されてきた児童生徒に対するドイツの学校での支援状況と授業を継続的な参与観察から考察し、政策の特徴にも焦点を当てて分析を行いました。
さらに、教員養成課程の学生や現職教員が、自身の教育実践における経験をリフレクションすることによって気づいた実践的な知を、理論枠組みと結びつけることによって学びを深めていく仕組みを教師教育に実際に導入する研究プロジェクトにも携わり、どのようにすれば教師の専門性を向上させることができるのかを模索してきました。
近年は、日本とドイツの双方の学校現場の先生方と共同で、多様性を包摂する授業モデルの構築を目指した研究に取り組んでいます。そこでは、宗教、民族、文化、あるいは移民の背景等の多様性のみならず、一人ひとりの子どもの個性が生きる学習がどのように展開されうるか、特に教室の中でのコミュニケーションの可能性に注目しつつ考えています。
【主な論文・著書】
● 『海外の教育のしくみをのぞいてみよう』(共著、園山大祐編著、第5章)明石書店、2024年
● 『新道徳教育全集 第2巻 諸外国の道徳教育の動向と展望』(共著、日本道徳教育学会全集編集委員会編、第15章)学文社、2021年
● 『現代ドイツの倫理・道徳教育にみる多様性と連携―中等教育の宗教科と倫理・哲学科との関係史』風間書房、2020年
● 『シリーズ・学力格差4 国際編 世界のしんどい学校―東アジアとヨーロッパにみる学力格差是正の取り組み』(共著、志水宏吉監修、第6章、第13章)明石書店、2019年
● 『世界の教科書シリーズ46 ドイツの道徳教科書―5、6年実践哲学科の価値教育』(監訳)明石書店、2019年
【メッセージ】
多様な価値観や考え方が尊重・承認される公正な社会や学校教育の実現に向けて、「あたりまえ」を問い直しながら、教育方法やカリキュラムのあり方について一緒に考えてみませんか。
【担当科目】
教育学総合演習B、教育方法学演習、教育方法学特講、教育方法学特殊研究A、教育方法学特殊研究B
【問い合わせ先】
こちらのフォームよりお問い合わせください。
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 教育学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:京都大学修士(教育学)
【専門分野】
教育社会学
【研究キーワード】
ジェンダー、ライフコース、職業教育、キャリア教育
【研究内容】
これまでは、学校教育と社会に出てからのライフコース(人生)の関係について、主にジェンダーの視点から研究をしてきました。学歴もジェンダーも、社会的な地位に強い影響を与えています。しかし、この二つの関係は、単純ではなく、ジェンダーは学歴達成に影響もしますし、学歴の効果はジェンダーによって異なります。また、学歴の影響は学校卒業後すぐだけではなく、長期的な影響を見ていく必要もあります。これらの点について、実証的にとらえようとしていました。
あわせて、小中学校から高校までの学校経験において、ジェンダーにかかわって生徒たちがどのような経験をしてきたのか、それがどのように進路選択に影響しているのかについての研究チームで活動をしてきました。
近年は、これまであまり教育学の領域で取り上げられてこなかった職業教育、具体的には専門学校についての研究を行っています。専門学校を卒業したことが、その後の職業人生にどのような影響を及ぼしているのかについての研究からはじまり、現在は専門学校の生徒や学生にもアンケートやインタビューを実施して、職業について学ぶことの中で、その仕事に必要な能力がどのようなものとして捉えられ、伝えられ、学ばれているのかについて、専門分野とジェンダーの結びつきなどを踏まえながら研究を進めています。
【主な論文・著書】
● 専門学校生の進路選択・学校生活の関係-分野とジェンダーに着目して」『教育学論集』66集2024年
● ファッション・調理系専門学校の進路選択-ジェンダーの視点から」『教育学論集』64集、2022年
● 新谷康浩・眞鍋倫子「教員の職務の無限定性とジョブ型教育改革のねじれ―学級担任の職務の日英比較を中心にして―」『教育デザイン研究』第4号、2017年
●「女性のキャリアに対する専門学校卒業の効果 : 就業構造基本調査の分析より」『教育学論集』58集、2016年
●「大学教育とキャリアをつなげること : 芸術系の大学へのヒアリングから」『教育学論集』55集、2013年
●「子どもたちの将来像とジェンダー」『教育学論集』50集、2008年
【メッセージ】
大学院では、ただ教えてもらうだけではなく、先行する研究を自分なりに踏まえて、自分の課題を見つけていくことが必要になります。苦しいこともありますが、自分で分かった、書けたと思える瞬間はとても素晴らしい瞬間でもあります。自分もそういう瞬間を求めますし、みなさんにもそういう瞬間が訪れることを祈っています。
【担当科目】
教育学総合演習A、教育社会学演習、教育社会学特講、教育社会学特殊研究A、教育社会学特殊研究B
【問い合わせ先】
rinko●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース