法学研究科
政治学専攻
政治学専攻
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法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(学術)(国際基督教大学)
【専門分野】
政治思想史
【研究キーワード】
イギリス啓蒙;スコットランド啓蒙;アダム・ファーガスン;コモン・センス哲学;プラグマティズム;近代日本の知識人
【研究内容】
私の専門分野、政治思想史とはどのような研究分野なのか少し説明したいと思います。私たちが生きている今日の社会で、価値判断の共通の評価基準ないしは理想型、即ち、規範となっている概念があります。例えば、デモクラシーやリベラリズムといった概念です。しかしながら、デモクラシーやリベラリズムに何を期待するか、それらに基づいてどのような社会をよしとするのかは人によって異なります。それどころか、デモクラシーやリベラリズムについての基本的な理解を共有することは難しいですし、また、デモクラシーとリベラリズムを混同している人がほとんどです。このため、こういった概念に基づいて描き出されている社会をよりよくしていきたいという思いは皆共有しているはずなのですが、共通理解のないまま話し合いをすると平行線をたどったり、混乱したりしてしまいます。
そこで政治思想史では、まずは「そもそも論」によって本質を掴もうとします。つまり、これらの概念は、(1)本来何を意味し、何を目指していたのだろうか、ということを先人たちの思想や哲学から紐解いていきます。そして、(2)時代とともにどのように変化してきたのだろうか、(3)その本質は、今日における問題の所在と関係しているのか、(4)どうあるべきものなのか、というような枠組で研究を進めていくことになります。研究する上で、どういう問題を切り口とし、どういった思想を参照するのかはもちろん自由です。私自身はイギリス啓蒙思想、特に18世紀のスコットランド啓蒙思想のアダム・ファーガスンの国家と市民社会の思想を中心に研究を進めてきました。現在は、スコットランドのコモン・センス哲学とアメリカのプラグマティズムの影響関係を研究しています。アメリカはデモクラシーとリベラリズムを拠り所として発展してきた国で、デモクラシーとリベラリズムの光と陰がくっきりと見えます。そこで、デモクラシーとリベラリズムについての理解を深めるためにも、アメリカの哲学的バックボーンをなしてきたプラグマティズムについての理解を深めたいと思っています。また、明治、大正の知識人についても研究しています。明治・大正の知識人の前向きで晴れやかな思想的態度と時代背景に興味があります。
思想史研究は、難解な文献に内在して読み解く努力と、他者との対話による新たな気付きを重ねながらも、大きな視点や問題意識を持ち続けることに意義があります。また、「そもそも論」に立ち返って物事の本質を考えることは、皆さんが大学院修了後どのような道に進んでも、リーダーシップをとる際の指標になるはずです。大学院での学びと出会いが皆さんの人格を形成し、より豊かな人生の糧になることを願っています。
【主な論文・著書】
●「第1章 アダム・ファーガスンにおけるコモン・センス的リアリズムの検討」、青木裕子・大谷弘編著(2020)『「常識によって新たな世界は切り拓けるか』晃洋書房、pp. 9-28(2020)
●「解説 『市民社会史論』の魅力とその意義」アダム・ファーガスン(2018)天羽康夫・青木裕子訳『市民社会史論』京都大学学術出版会、pp. 427-37(2018)
●「自由貿易」、押村高編『政治概念の歴史的展開』晃洋書房、pp.179-202(2015)
●Adam Ferguson (2015) edited and Preface by Yasuo Amoh, Darren Lingley and Hiroko Aoki, Adam Ferguson and the American Revolution, Kyokuto Shoten.
●『アダム・ファーガスンの国家と市民社会』勁草書房(2010)
【メッセージ】
大学院での学びと出会いが皆さんの人格を形成し、より豊かな人生の糧になることを願っています。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、政治思想史演習1(D)、政治思想史演習2(D)、政治思想史特講1(D)、政治思想史特講2(D)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(政治思想史)、特殊研究2(政治思想史)、特殊研究3(政治思想史)、特殊研究4(政治思想史)
【問い合わせ先】
aohiro.87a●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(商学)(一橋大学)
【専門分野】
公共政策学
【研究キーワード】
政策過程分析
【研究内容】
公共政策学の政策過程論を専門とし、政策過程分析の理論モデルに関する研究と、政策過程の事例分析を行っている。具体的には、前者に関しては、主に政策学習論、知識活用論、アイディアアプローチ、歴史的制度論等について研究を行い、後者に関しては、規制改革、民営化、会計検査制度等について分析を行っている。
【主な論文・著書】
●「政治リテラシーと公共政策学」『年報政治学』2023-Ⅱ号、2023年
●「政府学習の分析枠組みをどのように再構築するか:学習の構造とプロセス」『年報行政研究』56号、2021年
●『公共政策学の基礎 第3版』有斐閣、2020年(共著)
●『入門 公共政策学:社会問題を解決する「新しい知」』中央公論新社、2017年
●『公共政策の変容と政策科学:日米航空輸送産業における2つの規制改革』有斐閣、2007年
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、行政学演習1(B)、行政学演習2(B)、行政学特講1(B)、行政学特講2(B)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(行政学)、特殊研究2(行政学)、特殊研究3(行政学)、特殊研究4(行政学)
【問い合わせ先】
takiyoshi001n●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
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法学研究科 政治学専攻 准教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(文学)京都大学
【専門分野】
リスク社会学、理論社会学
【研究キーワード】
リスク、不確実性、非知、対話、社会システム理論
【研究内容】
科学技術の発展に伴うリスク(risk)、不確実性(uncertainty)、科学的非知(scientific non-knowledge)の問題、それらをめぐる社会的コンフリクト、およびその克服策について、リスク社会学、リスク社会論、非知の社会学の観点から研究を進めています。
これまで、ニクラス・ルーマンやウルリッヒ・ベック、ペーター・ヴェーリングが展開したリスクと非知の社会学に注目し、理論的発展と応用研究を試みました。そしてその観点から、2011年に発生した福島第一原発事故と放射線被ばくをめぐる社会的・科学的・政治的な論争と対立に焦点を当て、その構図と背景、意図せざる帰結を明らかにし、対立を乗り越えるための「リスク対話」の方策について構想を進めました。
近年は、無知/非知研究の分野にも取り組んでいます。中でも、「科学的非知(scientific nonknowledge)」、つまり科学的に十分に解明されていない未知のリスクや危険性をめぐり、科学内部にどのような背景からどのような見解の相違や対立が存在するのか、科学内部の非知認識の多元性や階層性は科学技術をめぐる政治的意思決定にどのような影響を及ぼすのか、について関心を持っています。また、「わからない」という非知の状態を、デメリットをもたらす有害な状態として捉えるのではなく、場合によっては多くのメリットをももたらす有益な状態として捉え直そうとする、「非知の有益性」論にも関心を持って研究を進めています。
以上と並行して、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが展開した社会システム理論と現代社会分析が有する現代的意義と応用可能性について関心を持って研究を進めています。最近では、ルーマンが芸術システム論の中で展開した「モノ論」に注目し、アクターネットワーク理論やポストヒューマン論によって進められてきた人文社会諸科学の「存在論的転回」に対して持つ意義と貢献についても検討を進めています。
【主な論文・著書】
●『ポスト3・11のリスク社会学――原発事故と放射線リスクはどのように語られたのか』ナカニシヤ出版、2019年。
●「構築主義論争とルーマン理論」『現代社会学理論研究』第15巻、2021年。
●「日常人類学における共同性と了解」『日常的実践の社会人間学』、(松田素二ほか編著)、山代印刷株式会社出版部、2021年。
●「アグノトロジーと非知社会学」『科学史研究. [第Ⅲ期]』第303号、2022年。
●「知らないでいることの恩恵と価値――規範的非知論の挑戦」『現代思想』第51巻第7号、2023年。
【メッセージ】
大学院での研究は、自分の興味関心をとことん突き詰められる貴重な時間です。研究は孤独で苦しさを伴う営みですが、ぜひたくさんの仲間と議論し、「まだ答えの出ていない問題」に自分なりに納得のいく答えを見つけ出してください。
【担当科目】
政治社会学演習1(A)、政治社会学特講1(A)
【問い合わせ先】
こちらのフォームよりお問い合わせください。
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法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了
【専門分野】
地方自治論(地域政治論)、行政学、政策法務論
【研究キーワード】
地方政府、地方分権、自治体政権、自治体議会、都道府県制度、政策法務・自治体法務
【研究内容】
私の研究の目標は、日本の地方自治を理論と実務の両面から解明することであり、特に最近は次の3つを柱にしています。
第1に、1990年代から進められている地方分権の実態を明らかにして、制度をつくる権限(立法権)の拡充をめざす「立法分権」を進めるための方策を考えることです。
第2に、自治体が法令の自主解釈権や条例制定権を生かして自らの政策の実現を図る「政策法務」の可能性を検討し、自治体の職員や議員の力量向上の方策を検討することです。
第3に、都道府県の機能を分析し、その政策的主体性を展開する条件補探るとともに、人口減少時代の都道府県と市町村関係を考えることです。
【主な論文・著書】
●『立法分権のすすめ』ぎょうせい、2021年(近刊)
●『ホーンブック地方自治(新版)』共著、北樹出版、2020年
●『自治体政策法務講義(改訂版)』第一法規、2018年
●『自治体議員の政策づくり入門』イマジン出版、2017年)
●『知事と権力』東信堂、2017年
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、地域政治論演習1(A)、地域政治論演習2(A)、地域政治論特講1(A)、地域政治論特講2(A)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(地域政治論)、特殊研究2(地域政治論)、特殊研究3(地域政治論)、特殊研究4(地域政治論)
【問い合わせ先】
VZL03166●nifty.com
【リンク】
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法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:Ph.D. (公共政策学) (ヴェネツィア大学)
【専門分野】
公共経営論、公共政策学
【研究キーワード】
eGovernment、行政のデジタル化、スマートシティ、ビッグデータ、AI、スポーツ政策、Co-production、地方行財政改革
【研究内容】
政府がいかに政策を形成し、それを執行するのかについて、政策形成過程および行政組織の経営を研究する。前者の政策形成過程については、都市政策、スポーツ政策、保健医療政策、文化政策などを事例に、ビッグデータやAIを含め、デジタル・テクノロジーの進展を受けて変容する政策形成の方法とその可能性、また政策の受益者である市民が政策形成過程に参加する可能性と方法などについて研究している。後者の行政組織の経営については、省庁・独立行政法人・地方自治体など組織のタイプによる相違、組織における人材の確保および育成の方法、組織マネジメントの手法と改革、そして公共サービスの供給方法などについて研究している。
テクノロジーの進展がめざましい現在、民間企業は適宜それらを取り入れてビジネスに反映させることが出来るが、行政機関は法の支配に基づいて行動するため、変化は容易ではない。しかし、時代の要請に応えるためにはより柔軟で迅速な対応が求められている。このため当該研究は、行政機関が新たなテクノロジーをどのように導入し活用することが出来るのか、また、現行制度との齟齬をどのように解決することが出来るのか、などの疑問に答えるものである。デジタル・テクノロジーとソーシャル・メディアの発達は、市民参加の方法と規模を根本的に変えつつあるが、制度が未整備なために充分に活用されていないが、当該研究はこの点についても方法と可能性を検討するものである。
【主な論文・著書】
●(2024) “Co-production: An Ethnographic Analysis of Local Services with Renewed “Traditional” Methods, in Irvine Lapsley and Peter Miller (eds.), The Resilience of New Public Management, Orford University Press. pp.262-292.
●Park, S. and Kudo.H. (2024), “Cultural institutions as knowledge-intensive public organisations (KIPOs) and their role: how digitalisation can change them providing sustainable and accessible public services”, in Journal of Public Budgeting, Accounting & Financial Management, 36(5): 660-684.
●Aristovnik, A., Kudo, H., Murko, E., Sugawa, T., and Ravšelj, D. (2023), “Investigating public governance models in Slovenia and Japan: a comparative survey on state and local government”, in Administratie si Management Public, 41:6-25.
●(2021) “Right to Security and Safely and the Role of Professionals: Lessons from the Italian L’Aquila Earthquake”, in Brown, D.C.G., and Czaputowicz, J. (eds.), Dealing with Disaster: Public Capacities for Crisis and Contingency Management, IIAS Public Governance Series Vol.2., pp. 395-419.
●Vermiglio, C., Kudo, H., and Zarone, V. (2020), “Making a Step Forwards Urban Resilience: The Contribution of Digital Innovation”, in Bevilacqua, C., Calabrò, F., and Della Spina, L. (eds.), New Metropolitan Perspectives: Knowledge Dynamics, Innovation-driven Policies Towards the Territories’ Attractiveness, Volume 1, Springer, pp.113-123.
●(2020)「地域性を担保するイタリアの行政制度と都市計画-鍵を握る地方自治体、そして諸刃の剣の法制度」『都市計画』347号、Vol.69, No.6,
●(2019) ‘Death of “Open Data”?: How Open Data has been realising and/or not realising Open Government”, in Proceedings of the Central and Eastern European eDemoacry and eGovernment Days 2019, Austrian Computer Society, pp.312-324, (Best Paper Award)
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、"行政学演習1(C)、(Public Governance)"、"行政学演習2(C)、(Public Governance)"、"行政学特講1(C)、(Advanced Introduction to Public Management)"、"行政学特講2(C)、(Advanced Introduction to Public Management)"、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(行政学)、特殊研究2(行政学)、特殊研究3(行政学)、特殊研究4(行政学)
【問い合わせ先】
hirokokd●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学法学政治学研究科博士課程修了・博士(法学)(東京大学)
【専門分野】
比較政治学、比較政治史
【研究キーワード】
政党システム、西欧政治、急進右翼、ポピュリズム、極右
【研究内容】
西欧の急進右翼政党について、政党システム論という理論枠組に従って研究しています。特に、組織構造が政党内部での意思決定に及ぼす影響に注目して、急進右翼が「急進化」するか「穏健化」するかについての検討をしています。
かつては急進右翼政党の台頭が西欧の民主政治を揺るがしかねないと危惧されましたが、中東欧諸国に比べれば、現時点ではその影響は限定的との理解が専門家の間で定着しつつあります。なぜ、西欧では急進右翼の台頭が民主政治の枠内で収まっているのか、それを制度的な配置の観点から検討することは、民主政の根幹を理解するうえで重要な手掛かりになると考えています。
【主な論文・著書】
最近の成果として、共著(ひとつの章を担当)として、以下があります。
●伊藤武・網谷龍介編著『ヨーロッパ・デモクラシーの論点』(ナカニシヤ出版、2021)
●水島治郎編著『ポピュリズムという挑戦』(岩波書店、2020)
●岩崎正洋編著『大統領制化の比較政治学』(ミネルヴァ書房、2019)
●水島次郎編『保守の比較政治学』(岩波書店、2016)
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、政治史演習1(A)、政治史演習2(A)、政治史特講1(A)、政治史特講2(A)、専門導入A(社会人のための計量政治学入門)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(政治史)、特殊研究2(政治史)、特殊研究3(政治史)、特殊研究4(政治史)
【問い合わせ先】
mituokoga.784●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
個人ウェブサイト
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(文学)(東北大学)
【専門分野】
社会学
【研究キーワード】
コミュニケーション、メディア
【研究内容】
これまでの研究で日本のメディア政治に関する理論的研究、事例研究を試みていますが、現代的なメディア環境におけるジャーナリズム(ニュース報道)の役割に関する研究も行っています。
そのような研究から考えたい論点の一つは、政治的コミュニケーションおよび政治報道における道徳性の問題です。本来、政治報道には、政治的に取り組むべき課題の解決に向けた有効な政策的手段について有権者に判断材料を提供することが求められています。しかし、一般のオーディエンスを相手とするマスメディアにとって、技術的、専門的な政策論はともすれば立ち入りにくいものでもあります。そのため、政治報道においては、物事の積極的/消極的な面を論じる際に、政策の有効性という側面ばかりでなく、政治家や官僚の行為の(誰でもが直感的に判断できる)道徳的善悪が有力な報道コンテンツとなる場合があります。このような道徳的善悪に基づく政治報道が盛んに行なわれ、道徳的な政治報道が政権獲得をめぐる権力闘争においてライバル勢力への攻撃材料として活用されるほど、その社会におけるメディア政治はより道徳性を強めることになります。このような構図で展開される道徳化されたメディア政治は、西欧では特に現代ポピュリズム研究の観点からその問題性が指摘されています。
また上記のようにマスメディアを介して一般大衆を対象として展開される(しばしば「劇場」化する)メディア政治とは別に、あるいはそれ以上に、個別具体的な問題解決に指向したメディア利用のあり方に着目し、これを批判的なオルタナティヴとして従来型のメディア政治を相対化する視点を研究に組み込みたいと考えています。例えば、東日本大震災の直後から、オンライン上でボランティア活動に対する募金やボランティアの募集などが積極的に展開されました。こうした動きは、政治報道によって映し出される「永田町政治」とは異なる次元で行われる社会的な諸問題の解決に向けた努力です。現代のメディア環境においては、そうした自治的な取り組みもまた重要な、注目すべき取り組みだと考えています。
【主な論文・著書】
●Observing News and Media in a Complex Society: A Sociocybernetic Perspective, 2024, Brill.
●「市民活動とソサエタルメディア―宮城県所管NPOにおけるメディアの支援的活用の調査から」(『法学新報』、2022年)
●「『形式』としてのニュース―D・ベッカーのコミュニケーション理論とジャーナリズム」(『法学新報』、2021年)
●「公共圏とジャーナリズム―ジャーナリズムの『境界』をめぐるジャーナリズム・システム論の展開と課題」(『法学新報』、2021年)
●"Governing and societal media for building resilience: A sociocybernetic study of the disaster recovery in Japan"(Current Sociology、2019年)
【メッセージ】
人々が一日中メディアを介した情報を大量に消費している現代において、メディアは良くも悪くも人々の視点を規定しています。また、そうした視点から距離を取って別様な視点をとることも難しいといえます。しかし、逆にその点が研究という営みを通して取り組むやりがいのある課題ともいえます。
【担当科目】
コミュニケーション論演習1(A)、コミュニケーション論演習2(A)、コミュニケーション論特講1(A)、コミュニケーション論特講2(A)、研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、特殊研究1(コミュニケーション論)、特殊研究2(コミュニケーション論)、特殊研究3(コミュニケーション論)、特殊研究4(コミュニケーション論)
【問い合わせ先】
ttakahashi.70n●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(法学)(中央大学)
【専門分野】
行政学、公共政策、都市政治
【研究キーワード】
公共政策、行政学、福祉政策、政策調整
【研究内容】
公共政策の研究、特に社会保障政策について研究してきました。近年は農業政策、地域活性化、文化政策など公共政策の全般について研究を進めています。また、内閣調査局や経済安定本部という政府中枢機関の歴史的研究も行っています。
【主な論文・著書】
●『公共政策の文脈』中央大学出版部、2018年
●『政策学講義 第2版2刷』中央大学出版部、2021年
●『行政学』中央大学出版部、2021年
【メッセージ】
大学院が主催するイベントなどに参加して職員の方々などに相談することをお勧めします。
大学院の試験に応募の際には問い合わせフォームなどを利用して、武智へ事前に相談いただければ幸いです。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、行政学演習1(A)、行政学演習2(A)、行政学特講1(A)、行政学特講2(A)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(行政学)、特殊研究2(行政学)、特殊研究3(行政学)、特殊研究4(行政学)
【問い合わせ先】
こちらのフォームよりお問い合わせください。
【リンク】
研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了・博士(法学)(東京大学)
【専門分野】
国際政治学、同盟論
【研究キーワード】
非対称同盟、アメリカ外交史、日米関係、アジア太平洋国際政治、帝国、覇権、冷戦
【研究内容】
【重要】私の指導を希望する場合は、下記の「問い合わせ先」のフォームから可能な限り最も早い段階でコンタクトをとることを強く推奨します。また学術論文執筆には、①学部卒業相当の政治学・国際政治学の知見、②研究論文執筆経験、③院試免除相当の英語能力、④高度な日本語運用能力が必要不可欠です。
「国際政治学」、あるいは「国際政治学者」という言葉を、聞いたことはあるでしょうか? 日本を取り巻く国際情勢が厳しさを増す中、「国際政治学」を枕詞として、様々な立場の人が、いろいろなことを発言する機会が、新聞でもテレビでもSNS でもずいぶんと増えてきたように思います。
その中には、世界で起きている様々な事象を独自の視点で情報収集し、それについての見解を述べている、というものが散見されます。もちろん、ジャーナリズムや官庁といった、様々な実務経験を踏まえての発言であることが多いでしょう。
しかしながら、大学において研究対象となっている「学問分野としての国際政治学」は、こうした実務経験に基づく国際情勢分析とは異なります。第一次世界大戦終結を前後して大学に国際政治学の講座が設置されて以来、徐々に体系化されてきた知的蓄積があり、さらにそれは近代欧米の歴史的経験に淵源を持ちます。こうした知の蓄積を背景に新たな議論を構築する、それも未来に関する政策提言のみではなく、何らかの形で現在・過去の事象に関する分析を行うことが、大学における国際政治学の役割です。
以上のように範囲を絞り込んでも、なお国際政治学の対象とする事象は非常に広大です。時代としては概ね17世紀から現代までを(さらに古い時代を扱うべきだとの主張もあります)、また地域としては世界のほぼ全域をカバーしています。問題領域としては、何らかの形で国家間の関係を扱うという点で共通しますが、これも内政のみを扱うわけでではないという程度の曖昧なコンセンサスしかないと言ってよいでしょう(内戦はこの重要な例外です)。
もちろん、国際政治学の扱う範囲を絞り込むべきという主張もありますし、その範囲から外れる研究を国際政治学と認めないという立場をとることはできます。あるいは、特定の方法論をより「進んだ」ものと考え、そうでないものを「遅れた」ものとみなすこともできます。しかしながら、少なくとも私は、特定の視点から他の研究を外在的に批判する立場をとりません。院生のみなさんの自主性を最大限尊重したいと思います。
とはいえ、一人の教員が指導を担当できる範囲は限られています。そして大学院における学修は、研究を進めるためにあります。私の研究内容を以下に簡単にご紹介しますので、みなさんの関心と合致する研究内容なのか、見極めていただければと思います。
私の専門は同盟論であり、主たる研究対象は、日米関係をはじめとした、冷戦期以降のアメリカと北東アジア・東南アジア諸国の同盟関係です。同盟の根幹は安全保障にありますが、冷戦期以降のアメリカの同盟は、強大なアメリカと、これに比べればより国力の小さい諸国の同盟関係でした。これを非対称同盟と呼びます。そしてこの特徴故に、アメリカの同盟は、安全保障のみならず、経済や価値、そしてアメリカの主導する国際秩序そのものと極めて密接な関係を持ってきました。現代の同盟を理解するためには、帝国や覇権、国際秩序に関する理論的検討との接点を探ることが不可欠となります。したがって私も、実証面では、アメリカと日本の同盟関係の検討にはじまって米比同盟・米韓同盟へと研究対象が広がり、また理論面でも同盟のみならず、帝国・覇権・秩序、さらに国際制度や戦略といった概念と向き合うこととなりました。近年は日本から見た同盟や国際秩序についても視点を広げ、論考を執筆する機会が増えています。
みなさんのご関心と合致するところはあったでしょうか?この文章がみなさんにとって、多少なりとも、より望ましい進学の手引きとなっていれば望外の喜びです。私とのコンタクトを希望される場合は、下記の問い合わせフォームからご連絡ください。
【主な論文・著書】
●「ジャパン・ハンズ―変容する日米関係と米政権日本専門家の視線、1965-68年」『思想』1017号(2009年)。
●「ベトナム戦争をめぐる米比関係―非対称同盟と『力のパラドックス』」『国際政治』第188号(2017年4月)。
●「秩序と同盟―アメリカの『リベラルな国際秩序』戦略」『国際安全保障』第45巻第4号、2018年。
●“Japan's Quest for a Rules-based International Order: The Japan-U.S. alliance and the decline of U.S. liberal hegemony. Contemporary Politics,” Contemporary Politics, Vol. 26, No. 4 (2020): 384-401. https://doi.org/10.1080/13569775.2020.1777041
●『帝国アメリカがゆずるとき―譲歩と圧力の非対称同盟』岩波書店(2024)。
【メッセージ】
国際政治学における研究には、専門の知識のみならず、幅広い分野に対する興味と知見が不可欠です。また日本語、英語、さらに各自の専門分野に関連する言語の十分な運用能力を習得していることが、大学院で研鑽を積むためには必要となります。またテーマとしても、適切に情報が確保できる時代とテーマを選ばなければなりません。大学院進学にあっては研究計画も重要です。とりわけ学部生の方は、所属大学の先生に研究計画についてよく相談してみることを強くおすすめします。みなさんと共に、多様な視点から研究に取り組めることを、楽しみにしています。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、国際政治学演習1(B)、国際政治学演習2(B)、国際政治学特講1(B)、国際政治学特講2(B)、特殊研究1(国際政治学)、特殊研究2(国際政治学)、特殊研究3(国際政治学)、特殊研究4(国際政治学)
【問い合わせ先】
こちらのフォームからお問い合わせください。
【リンク】
研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中途退学・博士(法学)(東京大学)
【専門分野】
日本政治外交史、現代日本政治論
【研究キーワード】
日本政治、日本現代史、政党システム、政党組織、労働政治、日米関係
【研究内容】
日本政治外交史から研究生活をスタートしました。最初は占領期の日本社会党を研究し、続いて1955年体制を内政・外交の両面から包括的に分析する本を出版しました。その後、イギリスとアメリカでの在外研究の成果として、戦後日本の労働政治を国際関係史の視点から実証的に解明する書籍をまとめました。
ここ10年あまりは、現代日本政治の分析に力を入れています。具体的には、自由民主党(自民党)、民主党、日本共産党などを政党組織論などの視角から研究するとともに、連合政権に関する近年の理論的な動向を踏まえて、自公政権の安定性の理由を明らかにしました。大きくいえば、政党を基軸とする民主主義(デモクラシー)の変容がテーマです。労働組合をめぐる政治、日米関係を中心とする日本外交にも関心があります。
もちろん、歴史研究も続けています。上記の現代日本政治の分析は、現在に至る歴史を含むものあり、そこに私の分析の独自性があると考えています。目下の課題は、戦後日本政治史のテキストを執筆することです。また、中学校や高校で使用されている歴史教科書(東京書籍)の執筆にも携わっています。
【主な論文・著書】
● 『日本共産党―「革命」を夢見た100年』中公新書、2022年。
● The Liberal Democratic Party of Japan: The Realities of ‘Power’, Routledge, 2020.
● 『自公政権とは何か―「連立」にみる強さの正体』ちくま新書、2019年。
● 『自民党―「一強」の実像』中公新書、2017年(中国語版、刊行予定)。
● 『自民党政治の変容』NHKブックス、2014年。
● 『現代日本の政党デモクラシー』岩波新書、2012年。
● 『日本労働政治の国際関係史1945~1964―社会民主主義という選択肢』岩波書店、2008年(韓国語版、2017年)。
● 『一九五五年体制の成立』東京大学出版会、2002年。
● 『経済復興と戦後政治―日本社会党1945-1951年』東京大学出版会、1998年。
【メッセージ】
学部学生にとって学ぶということは、既知の知識を習得し、運用できるようになることです。それに対して、大学院で学ぶということは、新たな知の生産者になることです。それは楽しくもあり、苦しくもありの繰り返しです。ただ、一つだけ言えることは、とてもやりがいがあるということです。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、政治史演習1(B)、政治史演習2(B)、政治史特講1(B)、政治史特講2(B)、専門導入B(日本の政治・行政―留学生のための導入)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(政治史)、特殊研究2(政治史)、特殊研究3(政治史)、特殊研究4(政治史)
【問い合わせ先】
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研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:中央大学大学院法学研究科博士課程後期課程政治学専攻単位取得退学
【専門分野】
政治学、比較政治学
【研究キーワード】
制度論、アイディア、フランス政治
【研究内容】
日本国憲法前文は、「主権は国民に存すると宣言」しています。そして「国政が、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」と述べています。通常、国民自身がその権力を直接行使するのではなく、「正当に選挙された代表者」を通して行使することをはっきりとさせるとともに、代表者は、国民の信託に応える責任を負っているとしているわけです。代表者をどのように選ぶのか、代表者が信託に応えないとき、どのようにして責任をとるのか、とらせるのか、そのあり方は、さまざまなルールによって定められています。このルールの束を「制度」と名付けておきます。制度は国や地域、時代・時期によって異なります。
さて、希望する政策は何かを質問した最近の世論調査では、コロナ対策を筆頭に、年金・医療・介護、景気回復、子育て・少子化対策、安全保障など、人びとの暮らしや生命にかかわる政策が上位に並びます。ジェンダー平等を推進する日本の取り組みが非常に遅れているという事実を否定することはできませんし、「Z世代」と呼ばれる若い人たちが地球環境問題の解決が喫緊の課題であると声を上げています。課題が山積しているのに、代表者が課題解決のために迅速にアクションをおこし、私たちの信託に応えようとしないのはなぜなのか?この問いについて、制度のあり方と政治にかかわる人びとの考えや行いとの関係という観点から答をみつけるのが私の研究テーマです。
私が研究の対象にしているのはフランスです。フランスは、近代日本の国の形をつくろうとするときに、参考にされた国の一つです。今日、フランスも日本も、似たような課題に向き合っています。けれども、フランスは大統領と首相が権力を分けあっている「半大統領制」という制度を採用しているのに対し、日本は議院内閣制で、制度の違いもあります。各国の制度と人びとの関係のあり方が、望ましい政策の成否を左右することを論証することを研究ではめざしています。その論証にあたって、現状の認識や政策の望ましさについて、人びとが何をどのように語り、訴えるのかに着目することが鍵を握っていると考えています。
日本でもフランスでも、政治や政治家・官僚に対する不信が広がっていることは、選挙の棄権や白票が増えていることからも明らかです。信託に応えていない代表者ではなく、応えてくれそうな新しい代表者を選ぼうとするのは、民主主義と国民主権を基礎にしている政治において健全なことです。他方、既成政治家への不信をバネに行われる選挙や政治を「ポピュリズム」であると批判することもあります。アメリカで選挙が正当に行われていないと信じる人びとが暴力に訴えたことは記憶に新しいところです。このような事態を招かないような政治のあり方を、研究を通して探究することの意義は小さくないと思います。
【主な論文・著書】
●「不安に覆われた政治のなかで交差するアクター―フランスの『黄色いベスト運動』に関する調査を手がかりに――」『法学新報』128 巻 11・12 号、2022 年
●「選挙の同期化による『コアビタシオン』回避と第五共和制――半大統領制とデモクラシー」(中島康予(編)『暴力・家・ジェン ダー』所収)中央大学出版部、2019 年
●「投票デモクラシーとポピュリズム」中央大学社会科学研究所シンポジウム「ジェンダー・暴力・デモクラシー」報告書(中央大学 社会科学研究所)2018 年
【メッセージ】
大学院で研究・探究する愉しみは、立ち止まって疑い、皮相な事実から距離をとり、熟考を重ね、断定することに慎重である、そのような所作を身につけるところにあるかもしれません。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、政治学演習1(A)、政治学演習2(A)、政治学特講1(A)、政治学特講2(A)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(政治学)、特殊研究2(政治学)、特殊研究3(政治学)、特殊研究4(政治学)
【問い合わせ先】
ynakajima001c●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(法学)、一橋大学
【専門分野】
国際政治史、日本外交
【研究キーワード】
国際政治史、アジア、日本
【研究内容】
第二次世界大戦終結から現在に至るまでの日本とアジアを取り巻く国際政治が主な関心分野です。世界を見わたしても、戦後アジアほど、巨大な変化を遂げた地域は他にはありません。1950年代、60年代のアジアは、貧困と停滞、終わりの見えない戦争と紛争で覆われた地域でした。その中で唯一、日本だけが「経済大国」「平和国家」として先進国への道を歩みました。
しかし、1970年代以降のアジアは、経済成長によって特徴づけられる地域へと変貌し、21世紀においては世界の経済成長センターとなっています。中国の経済規模はいまや日本の4倍、一人当たりの所得で韓国や台湾が近々、日本を追い抜くと見られています。他方でアジアは、朝鮮半島(韓国・北朝鮮)や台湾海峡(中国・台湾)をめぐる安全保障上の緊張状態も抱えています。日本と近隣アジア諸国との関係も、領土問題や歴史認識問題をめぐって、なかなか安定しません。これからの日本は日米同盟を基軸としつつも、アジアとどう向き合うかが最重要課題だといっても過言ではありません。日本を含むアジアのこれまでと今後を考えたいと思います。
また、日本やアジア太平洋地域のさまざまな「ひずみ」が顕著に立ち現れる地域として沖縄にも強い関心を持っています。アジアの国際情勢が安定しているときは、沖縄は魅力ある国際的リゾートとして、アジア各地から大勢の観光客が押し寄せます。一方で軍事的な問題が顕在化すれば、在日米軍基地の7割を抱える沖縄は、強い緊張にさらされます。対外関係や国際政治を多層的に捉えるうえでも、政府をはじめとする中央の論理だけでなく、沖縄のような地域に着目するのは重要なことだと言えるでしょう。
【主な論文・著書】
● 『平成の宰相たち』(編著)、ミネルヴァ書房、2021年
● 『国際協力の戦後史』(共編著)、東洋経済新報社、2020年
● 『現代日本外交史』中公新書、2016年
● 『戦後日本のアジア外交』ミネルヴァ書房、2015年
【メッセージ】
その時代、時代で一見、支配的な言説、ものの見方は、意外に短い期間で変転を繰り返すものです。米ソ冷戦終焉後の国際政治や日本の政治外交を見ても同様です。その時々の時代の波に流され、左右されるだけの存在から脱して、主体的な発想を体得したいと思ったとき、歴史的視座はきわめて重要な手掛かり、拠り所となります。現状を中長期的な時間軸に位置づけて考えてみる、「歴史の中の現在」という観点を持ちたいものです。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、国際政治史演習1(B)、国際政治史演習2(B)、国際政治史特講1(B)、国際政治史特講2(B)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(国際政治史)、特殊研究2(国際政治史)、特殊研究3(国際政治史)、特殊研究4(国際政治史)
【問い合わせ先】
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研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:中央大学大学院法学研究科博士後期課程政治学専攻(所定単位取得)博士(政治学)(中央大学)
【専門分野】
福祉政治論、政治過程論
【研究キーワード】
福祉国家、生活保障、社会的包摂、福祉と雇用のまちづくり
【研究内容】
社会保障と雇用の保障を併せて生活保障と言います。私たちの生活は、私たちが働き続けることができて、なんらかの事情で勤労所得を得ることが難しくなった時には、社会保障や福祉の制度で、所得を補ったり、また仕事に戻るための支援を得て成り立ちます。
生活保障は現代政治の中心的な争点です。政治のあり方で、生活保障のかたちは大きく変わります。また、生活保障の仕組みによって、私たちのライフサイクルも大きく異なってきます。
たとえば、現在の日本では、教育を終えて働き、定年で退職するというサイクルが一般的です。日本の生活保障は、現役世代は会社の年功賃金で家族を養っていくことが前提になっていたため、高齢世代の年金や医療にとくに力点が置かれてきました。
これに対して、国や自治体が若者の転職や学び直しを支援したり、体が弱った人たちの社会参加へ支援が手厚いスウェーデンでは、一度働いてから大学に入ったり、あるいは一時期は仕事から離れて休息し、改めて働き始めるという場合も珍しくありません。
日本を一方通行型社会とすれば、スウェーデンは交差点型社会といってよいでしょう。
スウェーデンのように生活保障が若者の支援に力を入れるところでは、若者も政治や政策に関心を強めるようになります。18歳から29歳までの国政選挙における投票率を比べると、スウェーデンの若者の投票率は日本の若者の投票率の倍くらいです。
ただしスウェーデンもすべてがうまくいっているわけではなく、これまでの生活保障のかたちをグローバル経済とAIの時代に合わせて刷新していく必要に迫られています。
こうしたなかで私の研究は、第一に、いかなる政治の違いがこうした生活保障の相違を生み出していくのかを検討することです。第二に、日本の地域社会を交差点型社会に近づけていくにはどうすればよいか、様々な事情を抱えた人々が地域社会に参加していく条件をいかに構築するかを考えることです。そして第三に、北欧においても旧来の制度の見直しが求められるなか、21世紀中盤にふさわしい新しい生活保障のかたちを構想することです。
【主な論文・著書】
●『貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ』朝日新聞出版、2021年
●『アンダークラス化する若者たち 生活保障をどう立て直すか』宮本太郎・佐藤洋作・宮本みち子編、明石書店、2021年
●『共生保障 支え合いの戦略』岩波新書、2017年
●『転げ落ちない社会 困窮と孤立を防ぐ制度戦略』宮本太郎編、勁草書房、2017年
●『リアル・デモクラシー ポスト「日本型利益政治」の構想』宮本太郎・山口二郎編、岩波書店、2016年
【メッセージ】
研究指導の場ではともかく厳しくありたいと思っています。仕事全般について言えば、自信をもつことはむしろ+となる場合が多いように思いますが、研究について言えば、根拠のない自信は明らかに命取りです。自分の研究を冷静に自己評価できて、なおかつそこに手応えややりがいを見出すことができることが大事です。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、政治学演習1(C)、政治学演習2(C)、政治学特講1(C)、政治学特講2(C)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(政治過程論)、特殊研究2(政治過程論)、特殊研究3(政治過程論)、特殊研究4(政治過程論)
【問い合わせ先】
tmiyamoto001q●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
法学研究科 政治学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院法学政治学研究科修士課程・法学修士(東京大学)
【専門分野】
現代政治理論
【研究キーワード】
民主主義、ナショナリズム、フェミニズム、グローバリゼーション
【研究内容】
現代世界ではグローバル化が進み、空間的な距離を飛び越え、また瞬時に人々が結びつく社会になっています。しかし、同時に国内でも、国境を越える形でも宗教や人種、民族、性の在り方をめぐる対立や分断が深まっています。ロシアとウクライナの戦争、イスラエルによるパレスチナ人の迫害や虐殺のみならず、アメリカと中国の対立も懸念されています。こうした現代世界において、いかにして多様な人々が共存する社会を作ることができるか、を研究しています。
その方法の一つとして、民主主義という仕組みに目を向けています。民主主義を「人々が自らの社会を自己統治していく過程」といったように幅広く捉え、多様な人々が相互に話し合って共存していくプロセスの可能性と限界を探っています。人々が自明と思っていたことを議論の中で問い返すことで、他の社会の在り方や生き方もあり得る、という点に民主主義の可能性を見ています。例えば、自分一人の問題と考えて苦しんでいたことが、一人の力では解決できない、「構造的」な人種差別問題や経済格差問題、性差別問題として捉えることで、社会全体で問題の解決に取り組み、新たな社会や生き方に開かれる可能性を探る事が可能かもしれません。
同時に、こうした民主主義の過程が、普段は当然と思われている様々な仕組み—例えば国際政治と国内政治の区分、公と私の区分など-によって、制約されていることにも注意を向けています。「民主主義が機能するのは国内だけである」「経済や家庭といった私的な領域では、民主主義は馴染まない」といった「常識」に対して、今ある形の民主主義とは違った形の民主主義を探り、あるいは民主主義がない所に、民主主義を根付かせていく可能性について考えていきます。
取り組む問題の対象は、ナショナリズム、レイシズム、資本主義(とりわけ新自由主義)、家父長制、異性愛秩序、社会的排除、政治体制、国際秩序と多岐にわたります。一人でこうしたことを成し遂げることは不可能なので、隣接分野(例えば政治思想、比較政治学、国際政治学、社会学、哲学など)の知見に学びつつ、時に専門を異にする様々な分野の人々と交流を重ねたり共同研究をしていくことで、新たな形の社会や人々の生き方を創造していく民主主義の在り方を探っています。
【主な論文・著書】
●「自由主義対権威主義?-『政治的なもの』あるいは民主主義の再生に向けて』」『年報政治学』2023-Ⅱ、2023年。
●「自由民主主義とBLM/右派運動—ベンヤミンの暴力論の視座から」『民主主義に未来はあるのか?』法政大学出版局、2022年。
●「コロナ危機は自由民主主義を変えたのか」『自助社会を終わらせる-新たな社会的包摂の提言』岩波書店、2022年。
●「『成熟社会論』から『ケアの倫理とラディカルデモクラシー論の節合』へー「新自由主義―権威主義」への対抗政治構想」『年報政治学』2019―Ⅱ、2019年。
●「二一世紀に自由民主主義体制は生き残れるか?-正統性の移行と再配置される暴力」『国際政治』194号、2018年
【メッセージ】
現代社会は、今まで当たり前と思われてきた「常識」が揺らぎ、どのように「常識」が異なる人々と共存していくか、があらゆるレベルで問われる世界になっています。自分をはじめ、身近な範囲から世界の人々に至るまで、生活、働き方、家族の形、国の在り方、世俗と宗教、性の在り方といったことに対して、どのような考え方をもっているのか、を学びながら、人々が共存して生きていく技法を一緒に探っていきましょう。
【担当科目】
研究指導論、研究報告論1、研究報告論2、研究倫理・研究方法論(政治学)、政治学演習1(B)、政治学演習2(B)、政治学特講1(B)、政治学特講2(B)、特殊演習(政治学系)、特殊研究1(政治学)、特殊研究2(政治学)、特殊研究3(政治学)、特殊研究4(政治学)
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