私たちの研究室では、“生命はどのように形づくられるのか”という根本的な問いに対し、原腸形成・ゲノム進化・組織再生という3つの視点から研究を行っています。
両生類(ツメガエルやイモリ)をモデルとして、細胞の動き、遺伝子の働き、そして再生能力の仕組みを解明し、生命の設計原理に迫ります。
私たちの体は、1個の受精卵から始まり、わずかな時間で複雑な構造を持つ個体へと発生していきます。その最初の重要な段階が原腸形成です。この過程では、細胞が大きく移動しながら再配置され、将来の体の基本構造が作られます。
この研究室では、この原腸形成における細胞の動きや遺伝子の働きを、両生類を用いて詳しく解析しています。顕微鏡観察により、細胞が形を変えたり、移動したりする様子を直接捉えるとともに、特定の遺伝子がいつ・どこで・働くのかを明らかにします。[ムービーはこちら]
さらに、異なる生物種を比較することで、発生の基本原理と多様性の両方を理解しようとしています。同じ脊椎動物であっても、発生の進み方や遺伝子の使い方には違いがあり、その違いが進化や形態の多様性を生み出している可能性があります。
生物の進化の過程では、全ゲノム重複と呼ばれる現象により、遺伝子が丸ごと倍になることがあります。このとき、重複した遺伝子の一部は失われますが、残った遺伝子は元の機能を分担したり、新しい機能を獲得したりします。
この研究室では、比較的最近この全ゲノム重複を経験したアフリカツメガエルを用いて、遺伝子進化の過程を解析しています。同じ起源を持つ遺伝子同士でも、発現する場所やタイミング、さらには機能が異なることが明らかになってきています。
また、次世代シーケンサーやゲノム編集技術(CRISPR/Cas9)を活用することで、数千規模の遺伝子の発現を比較し、進化の中でどのように遺伝子が変化してきたのかを網羅的に調べています。
この研究は、新しい機能はどのように生まれるのかという進化の本質的な問題に迫るものであり、発生異常や遺伝子疾患の理解にもつながります。
ヒトはケガをすると傷跡が残りますが、イモリやサンショウウオは失った手足や皮膚をほぼ完全に再生することができます。この違いはどこから生まれるのでしょうか。
イモリでは、損傷後に再生芽と呼ばれる未分化な細胞の塊が形成され、そこから新たな組織が作られます。この過程では、細胞が分化状態を一度リセットし、再び組織を作り直すという高度な制御が行われています。
この研究室では特に、免疫細胞であるマクロファージに注目しています。マクロファージは通常、異物を除去する役割を持ちますが、再生においても重要な働きをしていることが分かってきました。これらの細胞の機能を操作することで、再生の進行が大きく変化することが明らかになりつつあります。
また、皮膚再生の研究では、両生類では組織構造まで完全に再構築されるのに対し、哺乳類では瘢痕が形成されるという違いにも注目しています。この違いの理解は、将来的な再生医療の実現に向けた重要なステップとなります。
•イベリアトゲイモリ中胚葉関連遺伝子の網羅的解析 ,甘蔗 太郎 (2026)
•アフリカツメガエル幹細胞研究のための遺伝子導入動物の作製,平山 一葉 (2026)
•アフリカツメガエルcxcl12 同祖遺伝子の発現解析,千葉 匡士郎 (2026)
•ネッタイツメガエル皮膚再生におけるCsf1r阻害剤の影響について,大藪 令佳 (2026)
•イベリアトゲイモリ原腸胚の形態学的変化について,古嶋 優 (2025)
•ネッタイツメガエル皮膚再生におけるCsf1r陽性細胞の局在,廣明 結香 (2025)
•マクロファージ研究のための部位特異的トランスジェニックネッタイツメガエル樹立の試み,奥 快都 (2025)
•イベリアトゲイモリCsf1r陽性細胞の四肢再生における分布ついて,松本 悠大 (2025)
•CRISPR-Cas9を用いたアフリカツメガエルcxcl12 同祖遺伝子の解析,太田 速斗 (2024)
•イベリアトゲイモリCSF1R陽性細胞の分布と再生における役割について,鈴木 悠 (2024)
•ネッタイツメガエル皮膚再生時のCsf1r陽性細胞の抗体染色による同定,和田 澪香 (2024)
•イベリアトゲイモリ原腸胚の遺伝子発現領域解析,山崎 芽衣 (2023)
•アフリカツメガエルcxcl12同祖遺伝子の解析,森山 祐佳 (2022)
•イベリアトゲイモリ単球マーカー遺伝子csf1rの発現について,長谷部 ももこ (2022)
•マクロファージ・マーカー遺伝子のツメガエル相同遺伝子の同定,栁澤 マリア (2021)
•ビブラトームを用いたイベリアトゲイモリ原腸胚の形態学的観察,原田 菜花 (2025)
•イベリアトゲイモリ幼生の尾部再生における軟骨形成のメカニズム解析,宮内 大和 (2025)
•胚への異所的な力の付加による細胞内シグナルへの影響の調査,吉崎 絢香 (2025)
•アフリカツメガエル神経堤領域の分化に対するlimk1の影響,髙橋 諒丞 (2025)
•初期発生におけるアフリカツメガエル同祖遺伝子の網羅的発現量解析,綿井 美歩 (2025)
•アフリカツメガエル初期発生でのgsx1同祖遺伝子の発現と機能解析,井口 和香 (2025)
•イベリアトゲイモリ原腸胚期における骨形成因子(BMP)の機能解析,藤井 咲希 (2025)
•イベリアトゲイモリ皮膚再生の組織学的観察とCSF1R阻害剤の影響,齊藤 亜実 (2025)
•アフリカツメガエルbrachyuryの中期原腸胚における発現パターンの観察,小林 新 (2025)
•アクチビン処理による自己組織化を利用した幼生様構造作製の試み,花房凌一郎 (2025)
•アフリカツメガエル初期発生におけるcxcr7同祖遺伝子の機能解析,平田 凜 (2025)
•アフリカツメガエルの後期原腸胚期における中軸中胚葉関連遺伝子の発現パターンについて,山本 逸太 (2024)
•イベリアトゲイモリ中胚葉関連遺伝子の発現領域について,河西 萌 (2024)
•イベリアトゲイモリの皮膚再生へのcsf1r阻害剤の影響,山田 結菜 (2024)
•ツメガエルマクロファージの培養系の確立の試み,眞下 鈴平 (2024)
•アフリカツメガエル初期発生におけるgsx1同祖遺伝子の解析,中田 凜音 (2024)
•アフリカツメガエルハードケラチン祖先遺伝子の解析,高野 誠人 (2024)
•イベリアトゲイモリ特異的遺伝子の解析,林 雅晴 (2024)
•再生中のネッタイツメガエルにおけるマクロファージの局在について,大藪 令佳 (2023)
•イベリアトゲイモリの中胚葉関連遺伝子の解析,甘蔗 太郎 (2023)
•後期原腸胚期での脊索分化に伴うbrachyury遺伝子発現変化の解析,小池 悠人 (2023)
•アフリカツメガエルにおけるcxcl12 同祖遺伝子の解析,千葉 匡士郎 (2023)
•アフリカツメガエルを用いた幹細胞におけるCXCR4の役割について,平山 一葉 (2023)
•力学刺激によるフィブロネクチンのCXCL12に対する結合の変化について,村山 航己 (2023)
•イベリアトゲイモリ皮膚再生の組織学的観察,山本 千紗 (2023)
•イベリアトゲイモリマクロファージの局在について,松本 悠大 (2022)
•bait法を用いたネッタイツメガエルマクロファージの同定,奥 快都 (2022)
•皮膚におけるネッタイツメガエルマクロファージの局在について,廣明 結香 (2022)
•アフリカツメガエル初期発生期におけるcxcl12同祖遺伝子の発現解析,樋渡 政都 (2022)
•アフリカツメガエル神経胚におけるcxcr4同祖遺伝子の局在について,吉田 壮汰 (2022)
•イベリアトゲイモリ原腸形成運動の形態学的観察,古嶋 優 (2022)
•ネッタイツメガエル原腸胚細胞核の3次元構築 ,井上 哲 (2022)
•イベリアトゲイモリ原腸形成時の中胚葉関連遺伝子の発現パターンについて,荒木 良介 (2022)
•アフリカツメガエルgsx1同祖遺伝子の解析,味噌井 智哉 (2022)
•両生類原腸胚の遺伝子発現領域解析,樋上 麗 (2021)
•bait法を用いたネッタイツメガエルマクロファージの同定,徐 子涵 (2021)
•再生芽特異的に発現するケラチンの機能解析,岸 絵理 (2021)
•ネッタイツメガエル原腸胚の3D構築,小川 遥士 (2021)
•アフリカツメガエル初期発生におけるcxcr4同祖遺伝子の解析,関根 壮一郎 (2021)
•アフリカツメガエル初期発生におけるgsx1同祖遺伝子の解析,高橋 陸 (2021)
•アフリカツメガエル初期発生におけるcxcr4同祖遺伝子の発現パターンの解析,岡田 凜太郎 (2020)
•アフリカツメガエル初期発生におけるcxcr7同祖遺伝子の発現パターンの解析,牧野 翔斗 (2020)
•アフリカツメガエル初期発生におけるcxcl12同祖遺伝子の発現パターンの解析,太田 速斗 (2020)
•アフリカツメガエル初期発生におけるgsx1同祖遺伝子の発現パターンの解析,井深 滉子 (2020)
•イベリアトゲイモリのコロニー刺激因子1受容体(Csf1r)遺伝子発現パターンについて,鈴木 悠 (2020)
•抗体染色によるネッタイツメガエルcsf1r陽性細胞の同定,和田 澪香 (2020)
•bait法を用いたネッタイツメガエルマクロファージの同定,吉澤 智香子 (2020)
•ネッタイツメガエル原腸胚の3D構築,増田 晴美 (2020)
•イベリアトゲイモリ原腸胚の3D構築,川和 祐大 (2020)
•イベリアトゲイモリの四肢切断後におけるトランスクリプトームデータの解析,中里 太河 (2020)
•マクロファージ関連遺伝子の発現パターン解析,越塚 直弥 (2019)
•bait法を用いたネッタイツメガエルmrc1発現細胞の同定の試み,芝原 俊祐 (2019)
•アフリカツメガエル初期発生におけるgsx1同祖遺伝子の解析,八木沼 航平 (2019)
•アフリカツメガエル初期発生におけるcxcr7同祖遺伝子の解析,友澤 祐介 (2019)
•アフリカツメガエル初期発生におけるcxcr4同祖遺伝子の解析,窪田 梢 (2019)
•CXCL12によるイベリアトゲイモリの予定脊索前板外植体遊走の制御,林 卓也 (2019)
•イベリアトゲイモリ原腸胚における遺伝子発現領域解析,山崎 芽衣 (2019)
•アフリカツメガエルHoxクラスター遺伝子ゲノム改変による機能分化の解析,中村 真一郎 (2018)
•アフリカツメガエル同祖遺伝子の機能解析:ケモカイン受容体cxcr4について,宮田 歩実 (2018)
•ツメガエル同祖遺伝子cxcr7同祖遺伝子の形態形成への影響について,山下 大聖 (2018)
•アフリカツメガエル非筋ミオシンII同祖遺伝子の解析,森山 祐佳 (2018)
•CXCL12によるイベリアトゲイモリの予定脊索前板外植体遊走の制御,伊藤 柾 (2018)
•イベリアトゲイモリ原腸胚の中胚葉形成関連の遺伝子発現領域解析,難波 櫻子 (2018)
•イベリアトゲイモリ原腸形成における遺伝子発現の解析,鳥海 夏葉 (2018)
•ツメガエル肝臓由来組織常在性マクロファージ培養の試み,古作 瑛菜 (2018)
•イベリアトゲイモリ組織常在性マクロファージの同定,長谷部 ももこ (2018)
•ツメガエルの皮膚幹細胞の同定,谷川 実優 (2018)
•ツメガエル皮膚常在性マクロファージの同定の試み,石毛 香帆 (2018)
•アフリカツメガエルのHOXクラスター遺伝子の機能分化の解析,大堀 拳斗 (2017)
•ケモカイン関連遺伝子cxcl12およびcxcr4のゲノム改変による形態形成への影響,唐木 美祐 (2017)
•ケモカイン受容体遺伝子cxcr2およびcxcr7のゲノム改変による形態形成への影響,林 直樹 (2017)
•アフリカツメガエル非筋ミオシンmyh9およびmyh10の発現パターンとその役割の調査,山田 圭悟 (2017)
•両生類組織常在性マクロファージの培養方法の検討,久保田 悠太郎 (2017)
•アフリカツメガエルマクロファージマーカー遺伝子のクローニング,栁澤 マリア (2017)
•アフリカツメガエルcsf1およびcsf1受容体の発現解析,佐藤 妃奈乃 (2017)
•イベリアトゲイモリの原腸形成の解明:brachyuryおよびfgf8遺伝子の発現パターンの解析,中野 沙紀 (2017)
•イベリアトゲイモリの原腸形成の解明:nodalおよびgoosecoid遺伝子の発現パターンの解析,門屋 揮一朗 (2017)
•イベリアトゲイモリの原腸形成の解明:chordinおよびbmp遺伝子の発現パターンの解析,近藤 智之 (2017)
•イベリアトゲイモリの原腸陥入運動におけるケモカインシグナルの役割,中山 優希 (2017)