人間の脳は、知覚や行動・思考などの高度な計算を実現します。これは、脳にある数千億個の神経細胞(ニューロン)をはじめとする神経系よって実現します。生物が神経系を用いてこのような高度で柔軟な計算を行う原理には、とても複雑な背景があります。このような神経系の動作原理を考える分野として、神経科学があります。この勉強会において想定される活動として、脳や神経細胞の生理学特性、数理モデルの基礎があります。
カールソン神経科学テキスト
著者:Neil R. Carlson
監訳:中村克樹
丸善出版、2022
解剖学・生理学・心理学・行動科学・生物学・遺伝学・生化学などの視点から、生物の行動に脳がどのように関与するかを紹介している本。分厚い本ですが、その分深い内容を扱っており、自分が興味がある分野を選択し、勉強するといいと思います。
出版社サイト:https://www.maruzen-publishing.co.jp/book/b10121868.html
はじめての神経回路シミュレーション 1ニューロンからヒト全脳モデルまで
著者:山﨑匡、五十嵐潤
森北出版、2021
ニューロンやシナプスの電気特性などを数理モデル化し、コンピュータ上でシミュレーションするための基礎を説明している本。書籍内ではC言語で実装するためのコードが記述されています。また、数値解析の基礎の記述もあります。
ChatGPTなどの生成系AIや、自動翻訳、画像認識、音声認識などの人工知能に使われている技術には、ディープラーニングを始めとするような機械学習技術が用いられています。機械学習は、対象に潜むルールなどをコンピュータが自動で獲得するようなシステムであり、その背後には、複雑な数学的な背景によって実現します。この勉強会において想定される活動として、データサイエンス入門(1年生後期選択授業)では省略されたような、データサイエンスと機械学習の数学的基礎があります。
パターン認識と機械学習
原書タイトル:Pattern Recognition and Machine Learning
著者:Christopher M. Bishop
監訳:元田浩、栗田多喜夫、樋口知之、松本裕治、村田昇
丸善出版、2012
回帰、クラス分類などの機械学習の基本技術を網羅した機械学習分野における(おそらく)最も有名な本。
出版社サイト:https://www.maruzen-publishing.co.jp/book/b10111651.html
はじめてのパターン認識
著者:平井有三
森北出版、2012
機械学習のうち、パターン認識、クラス分類に重きを置いた基礎的な位置づけの本。『パターン認識と機械学習』よりも入門には適しているかもしれません。
わかりやすいパターン認識 第2版
リザバーコンピューティング
統計的学習の基礎