9月29日(月) 4年2組・テーマ授業研究(社会科)
先日、5年2組がテーマ研究授業で社会科での学習を行いましたが、4年2組の森先生も社会科に挑みました。そして同じく社会科の導入における学習問題づくりの場面でした。単元は「災害から身を守る」の学習です。
最初に登場した資料は、朝倉で2017年に起きた大水害における氾濫した河の写真でしたが、2か所隠された状態での提示でした。「ここには何があったでしょうか。」の問いに、「車!」と声が上がりました。この資料の正体を知らなかった校長の私も「多分、車かな。」と思いましたが、「?」の覆いが外されると、そこにはなんと “家” が流されていました。2つの家屋が…です。「え~っ!!」これはかなりインパクトがありました。地図で、香椎浜から南東に当たる朝倉市の位置を確かめ、更に動画で災害時の様子が映されました。臨場感があり、当時の様子がよく伝わる資料でした。
その家屋まで流れた2017年の災害時の雨量は130mm、翌年も豪雨となりましたが、この時の雨量は47mmと、前年ほどの量ではありませんでした。そして、それぞれの年の「避難者数の比較」のグラフが提示され、雨量が130mmの時の避難者数は784人、対して翌2018年は…。グラフの青い線が下から上に伸びていき、前年の2017年をすぐに超えました。「多分、目盛りの上まで行くな」と多くの子が思ったことでしょう。そして青い線はあっという間に上まで延びただけでなく、多くの人の予想を超えて、次の上のページへ延びるように進んでいき、その避難者数は2005人と前年よりも圧倒的に多い人数を示しました。子どもたちの反応も良く、食い入るように資料に向き合う姿がありました。
子どもたちはこの資料から、「2018年の朝倉市では、2017年より時間水量が減ったのに、なぜ避難者数が増えたのだろうか」という学習問題をつくることが出来ました。
9月27日(土) 番外編「香椎浜校区人尊協・PTA主催・人権講演会」
例年実施されているこの講演会は、今年は公民館で開催されました。講師は「あおばクリニック前院長・伊藤瑞子 先生」です。伊藤先生は、昨年度末の紅白歌合戦で紅組のトリを飾った歌手「MISIA(ミーシャ)」さんのお母さんでもあります。
今回の話は特にMISIAさんに特化した話ではなく、「『育児の共有』から新しい家族のかたち、そして未来へ」という演題の下、長年医師として活躍しながら子育てをしてきたご自身の経験、そして後半は数々のグラフ・データ等をもとにしたジェンダーや少子化の問題等についてお話していただきました。
医者・母親としてのご自身の話では、両親と離れた長崎の地で親の支援を受けられない状況の中で、病気になった長女が「(自分が病気になったことで母親に負担をかけて)ごめんなさい」と謝られたのが親として辛かったという話や、対馬という離島における病院のシステムで、当時としても画期的だった「院内24時間保育所」があったことがとても助かったというシステムとしての話などがありました。
後半の話は前述のとおり膨大なグラフ・データが出てきて、子育てに対する男女や国別・調査年別の意識の違いなどが示され、いろいろと考えさせられました。講話の後に聴衆の中の幾人かが質問をし、自分も感想をお伝えしました。今、福岡市も男性職員の育児休暇取得を推奨しており、前任校でも、そして今の香椎浜小学校においても、男性職員が育児休暇を取得している実態があります。 自分自身は土日にできるだけ子どもと遊ぶようにはしていたものの、平日は遅くまで仕事をし、おいしいところだけもっていくような関わりしかできていなかったこと、2人の息子は既に成人しているが、仮に今小さな子が家にいたとしたら、自分自身が育休を取ろうという発想をもてるかどうか分からないことなどをお伝えしました。子育てを終えた世代の男性陣の多くは「反省」が多いかもしれません。
人権課題全てに共通するのは、この ①社会のシステム・啓発等の問題と ②個人の意識改革の問題 があると考えます。今から60年前に国が出した「同和対策審議会答申」にある2つのキーワード ①国の責務 と ②国民的課題 がまさにそれを示していると言えるでしょう。
9月25日(木) 番外編「学校長のKBC取材」
この日、事前に取材の要請があったKBCテレビのディレクター・佐々木 努(ささきつとむ)さんが校長室を訪れました。香椎浜のお隣のアイランドシティができて今年20周年ということで、そのための取材です。来月放送の「アイランドシティ20周年・20の実は!」という特番で、アイランドシティにまつわる20の実話を取材・放送する番組ということでした。
なぜアイランドシティの実話に校長が関係するのかと言いますと、実は昨年度アイランドシティの3つ目の小学校として開校した「照葉はばたき小学校」の校歌を作詞したのが私だからです。
主な取材内容は、「なぜ久保田が作詞することになったのか、詞に込めた思い・特別な言葉はあるか」などです。その内容は、よろしければ実際の放送でご覧いただければと思います。ただ、KBCは事前の照葉はばたき小学校の取材で、はばたき小のPTA会長から「久保田校長は、アントニオ猪木を崇めている人ですよ。」といった内容を事前に聞かれていたということで、初めから「闘魂タオルを着用して『元気ですかーーっ!』から始めてください。」という注文をいただいていました。インタビューにはできるだけ真面目に答えたつもりですが、かなりバラエティー色の強い番組になりそうです。
放送日は約1か月後の 10月25日(土)10:30~11:30 KBCテレビ「アイランドシティ20周年・20の実は!」です。香椎浜小学校には関係ない内容になりますが、よろしければご覧ください。番宣(?)でした。
9月24日(水) 3年「キャッチボールキャラバン」
3年生は体育の学習の一環で、「キャッチボールキャラバン」を行いました。ゲストティーチャーとして、(今季・見事リーグ優勝を果たした)福岡ソフトバンクホークスから、「球団統括本部 野球振興部」の東方伸友(とうぼうしんすけ)さんと帆足和幸(ほあしかずゆき)さんが、ボールを投げる能力を高める運動の指導に来てくださいました。
ボールの投げ方は、身体のひねりや足の上げ方を具体的にお手本で示していただき、実際に2人組で向き合って距離を取り、キャッチボールをしてみました。5m、10m、15mと少しずつ飛距離を伸ばす「とんとんスロー」、遠くまで投げる「1・2・3スロー」などを教えていただきました。
投げ方を教えてもらった後は、チームで相対するゲーム「バックホームゲーム」です。野球のように「打つ」のではなく、一人ずつ順に体育館前方から後方に向けて投げます。守備のチームはそれを捕って、キャッチャーの位置にいる東方さんか帆足さんに投げます。ボールが大人に戻るまでに1~3塁ベースの代わりとなるカラーコーンを回ってホームにたどり着いていたら4点。その他は大人への捕球が1~3塁のカラーコーンにたどり着いた時点で、塁の分だけ点がもらえるシステムです。細かなルールはみんなで決めることができ、この時は投げた人が1塁に着く前にボールが捕球されても1点は入るシステムになっていたようで、誰が投げても1点は入ることでその都度「イエーイ!」と盛り上がっていました。
ゲームが終わると、楽しかった「キャッチボールキャラバン」は終わりとなりました。一人一人に「お土産」が渡され、子どもたちも大満足の様子でした。最後にお二人と一緒の学級写真を撮って、楽しい1日はあっという間に終わりました。
9月18日(木)~19日(金) 6年生「修学旅行」
今年も6年生は長崎への修学旅行です。戦後80年という節目の年でもあり、子どもたちは事前学習も行って、先週の学習参観でも班ごとの発表をしたところでした。
どの子も、事前の指導や打ち合わせを行ってこの修学旅行に臨んでいますが、特に実行委員や班長を務める児童は、他の子たち以上に準備をして臨んでいました。
あいにくの雨の出発となったので、出発式は体育館で行いました。実行委員の進行の下、6年生の凛とした気合を感じる空気間の中、学校長の話としては「事前学習したことを実際に現地でしっかり見て・触れて・感じて学んでほしいこと、常に『感謝・思いやりの心』をもって行動してほしいこと」を話しました。その後児童代表の言葉、三村先生の話、引率する先生や添乗員さん・カメラマンさんの紹介、山田先生からの諸注意で、出発式を終えました。
雨にもかかわらず、朝早くからたくさんの保護者の皆様が来られ、またPTA役員さんは「いってらっしゃい」の横断幕(すみません!カメラで撮れていませんでした)で一緒に見送ってくださいました。
バスの中は大変な盛り上がりでハイテンションでしたが、さすがに「人の話を聴くこと」の重要性について日頃から指導を受け、十分意識にできている6年生は、バスガイドさんの話をしっかりと聞いて反応していました。
高速道路を経て長崎に着くと、土産物店が並ぶ坂道を上がって、早速グラバー園へ向かいました。
トーマス・グラバーは幕末に、あの坂本龍馬や長州藩の伊藤博文らとも関わりのあったイギリスの商人。その邸宅を中心としたグラバー園は、長崎市内との間の湾を見下ろすことのできる明治時代の洋館群です。また、グラバー邸からは湾の向こうの稲佐山を臨むことが出来ます。 中を通る石畳にはハート型の石が4つあるそうで、今回はそのうちの3つを見ることが出来ました。グラバー園に入る手前に、「国宝・世界文化遺産」である大浦天主堂の前を通ります。今回は中に入ることはありませんでしたが、ガイドさんからその説明を受け、大浦天主堂をバックに学級写真を撮影しました。
写真撮影の後は、大浦天主堂近くのオランダ館で楽しみの昼食です。本校とほぼ同じ日程で福岡市から数校の小学校が来ており(香住丘小・春吉小・西都北小・野芥小・室見小…)、オランダ館には既に室見小が来ていました。
昼食のメニューは「長崎皿うどん・卵スープ・肉団子・春巻き・ゴマ団子」です。“いただきます” の後に、活動班ごとに大皿からとりわけ合い、楽しく食べることが出来ました。食べ終わると、これも班ごとに同じ皿をきれいに重ね、食堂の方が片付けやすいようにするのも「感謝」の一つです。
次はバスで平和公園に向けて移動です。その途中では(班によっては後で見学する)永井博士がおられた「如己堂」がありました。わずか2畳ほどの小さな家が残されています。
平和公園の地下駐車場から公園内に上がると、そこには巨大な「平和祈念像」が現れました。その平和祈念像の前で再び学級写真を撮ったら、平和集会です。
この頃にはだんだん雨雲も遠のき、かなり日差しがきつくなってきたので、日傘をさしての平和集会です。各学年から預かった、平和への祈りを込めた「千羽鶴」を代表児童2人が合掌造りの「折鶴の塔」へ奉納しました。
次の「原爆資料館」へは徒歩で移動しました。その途中、「長崎の鐘」や「原爆殉教者の碑」、向こうに稲佐山を臨む「平和の泉」などを見て、ガイドさんからの説明を受けました。泉にあった『のどが乾いてたまりませんでした。水にはあぶらのようなものが一面に浮いていました。どうしても水が欲しくて、とうとうあぶらの浮いたままのみました。』の碑を、6年生はどんな気持ちで見たでしょうか。
原爆資料館の手前に「原爆落下中心地」があり、まさに80年前に原爆が落とされたその場所に細長い塔が、原爆が落とされた上空500ⅿを指すようにして建てられています。その近くに展示している、原爆が落ちた時の地層が保管されている崖の場所も、ガイドさんから説明を受けて、資料館へと向かいました。
まるで時空をさかのぼるように、螺旋状の大きなスロープを下りながら80年前の現実へと入っていきました。
原爆が落とされた11:02を指したまま時が止まった柱時計。プロジェクションマッピングで原爆投下とその爆風の広がりの様子を示した説明が聞ける長崎の地形を現したジオラマ。実物大のレプリカとして展示している原子爆弾「ファットマン」。原爆で溶けたガラス瓶にそのまま残った人の手の骨…。6年生は、みんな様々な資料を食い入るように見ていました。
私自身は、これまでに幾度も修学旅行生を引率してきましたが、本校の6年生は今まで見たことないくらいに、一人一人が時間をかけてそれぞれの資料を熱心に見て、触って、感じたこと・分かったことを詳細にしおりに書いていました。実際、このペースは予定の時間内では足りなかったようで、後半は我々教師もせかして前に進ませるしかありませんでした。
原爆資料館見学の後は、いよいよ活動班によるフィールドワークです。班ごとに事前に見学する場所を地図上で決めていたので、6年生は地図を頼りにはじめての地へと飛び出していきました。
校長の私は先回りして、子どもたちのゴール地点で到着した班をチェックする必要があったので、各班の見学の様子は撮ることができませんでした。悪しからず…です。
フィールドワークのゴールは「長崎歴史文化博物館」です。ここでは「奉行所」を中心に江戸時代の資料を見学することが出来ました。
バスで移動し、ようやく「ホテルフラッグス九十九島」へ到着です。各部屋へと荷物を運びこみ、1階の食事会場(普段は結婚披露宴に使われる)へと集合です。食事の前にここで「入館式」です。ここでも実行委員の児童が中心となり、お世話になるホテルの方への挨拶もできました。
そしてお待ちかねの夕食。テーブルには既に美味しそうな料理が並んでいました。『エビフライ・イカリング・唐揚げ・春巻き・フライドポテト・ハンバーグ・シュウマイ・温野菜・生野菜サラダ・コーン・トマトスパゲッティ・カットケーキ&フルーツ』。これに加えて、会場の前でつぎ分けていただける『カレーライス・コーンポタージュスープ』があり、これはおかわりもできました。更に食後のカップの『アイスクリーム』まであり、子どもたちは大満足の様子でした。
食事の後は入浴、そして各部屋での自由時間がありましたが、活動班の班長は就寝前の21:30から「班長会議」に集まりました。その進行も代表の子が行い、一人ずつ今日の振り返りとして「良かった点(成果)」を発表しました。またその後には「課題となる点と、それを翌日にどのように改善するか」について発表しました。
班長一人一人が、この修学旅行でどのように成長しなければならないか、みんなが「感謝・思いやりの心」をどう行動で表していかねばならないか、などを真剣に考えていたことがよく分かり、この班長たちを校長としても本当に頼もしく、そして誇らしく思いました。班長会議で確認したことは、翌朝班員に確実に伝えることを確認して班長会議を終えました。
が、驚いたことに、班長たちは会議で出されたことをどのように班員に伝えるかなどをさらに確認するための、自主的な集まりを行ったのです。班長しての自覚をもって考え、行動する姿に感心しました。 さらに翌朝も同様に班長同士で集まって確認することを決めて、ようやく会議を終えました。
よって、(昔多くの子が経験したような)遅くまで寝ないとか、枕投げなどで暴れて迷惑をかけるなどという部屋は一つもなく、みな翌日のハウステンボスを楽しみにしてしっかり寝てくれました。
翌朝は7:00起床で、7:30からの朝食。和食の朝ごはんでした。楽しくいただいた後は、皿ごとにきれいに重ねるのもあっという間でした。
外は快晴で、ホテル前に整列して学級写真を撮った後、部屋の片づけ・点検を経て、いよいよハウステンボスへと出発です。
ハウステンボスが近くなり洋風の建物が見えてくると、バスの中は大興奮状態。子どもたちが本当に楽しみにしていたのだということがよく伝わってきました。
入口で、添乗員の井上さんからパスポートを受け取って「入国」しました。奥に入って、「出国」時に再び集合するお土産店前で、その後の班行動における確認等を行い、それぞれ班ごとに弾むようにして出かけました。
ハウステンボスは、まるでオランダに旅行しているかのような風景に浸れるテーマパークです。個性あるたくさんの洋館、風車、花畑、3階建ての巨大なメリーゴーランド、高くそびえたつドムトールン、大きなボートが通る水路、大きな白い観覧車、様々なアトラクション…。子どもたちは、各班で時間の限りハウステンボスでの活動を楽しみました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、集合の14:00はすぐにきてしまいました。バスに乗り込んでも興奮は冷めやらず、「また来るよ、ハウステンボス!」「さよなら、憧れの異世界・ハウステンボス!」と名残惜しそうな子どもたちの声が車内に響きました。
学校着は予定時刻より少し遅れましたが、たくさんの保護者の皆さんと教職員が出迎えてくれました。バスを降りると、プレハブ校舎の日影に集まって「帰校式」です。私はこの2日間を振り返り、「(特に原爆資料館で)時間いっぱい調べ学習を行って、見たこと・触ったこと・感じたことを、しおりにびっしり書き込む学びに熱心な姿があったこと」、「『感謝・思いやりの心』をもって、バスやホテルなどの各施設を利用することが出来たこと」、そしてこの2日間が大きな事故なく実のある修学旅行になったのは、「班長らが更に良い修学旅行にするためによく考え、みんなに働きかけたこと」を話しました。
班長だけでなく、各実行委員の児童も本当によく頑張りました。実行委員の子たちも自分たちでこの2日間を振り返っていました。そして山田先生も班長および実行委員の働きを称え、みんなの前で彼らに拍手を送ってくれました。
どの学年の子にも言ってきていることですが、香椎浜小学校の名札を付け学校からひとたび外に出たら、「香椎浜小学校を代表する “顔” 」です。その意味でも、今回の修学旅行は胸を張って香椎浜小学校の6年生だと言える、立派な最上級生の姿でした。山田先生も言われた通り、そんな6年生との修学旅行を共にできたことは、我々にとっても本当に嬉しく、実のある2日間でした。
多くの保護者とともに、PTA役員の方々も今度は「おかえりなさい」の愛あるお出迎えをしてくださいました。多くの方々の「思いやり」に支えられて6年生の更なる成長が見られ “成功” となったことに「感謝」です。
実行委員の代表児童が述べたように、この修学旅行がゴールではなく、ここから次へのステップに進まねばなりません。今度は11月の運動会に向けて、6年生全員がしっかりリーダーシップをとって、運動会を成功に導く姿に期待したいと思います。
9月17日(水) 5年2組・テーマ授業研究(社会科)
行事が多い2学期ですが、学習の方も実り多い秋にしていくために、先生たちは自分で選択した教科を中心に授業改善のための研究に取り組んでいきます。この方法での研究は今年度からの取組で、社会科の他には『国語/生活科・理科/体育/道徳/自立活動』でそれぞれ4名程度の教科グループを構成しています。そして今年度は、どの教科も『児童が主体的に学習に臨むための導入の工夫』に取り組むことになっており、そのほとんどは「学習問題づくり」の場面が中心になるかと思います。
まずはそのトップバッターとして、5年2組の久賀先生が社会科・自動車生産の単元導入で授業公開をしてくださいました。自動車づくりの学習問題づくりの場面でした。
久賀先生は、夏季休業中に教材研究のために学年で自動車工場へ行き、取材等を行っています。子どもたちが自動車に関して知っている知識や生活経験などを引き出しつつ、写真・動画・グラフなどの資料を提示しながら学習を進めていきました。そして5の2の子どもたちは、それらの資料にしっかり反応し、資料から分かることやそこから考えたことなどをノートに書き、友達の意見にしっかり耳を傾ける【さすが5年生!】と言える立派な姿を見せてくれました
1935年には1.5万台だった国内の自動車生産数が、2021年現在では784万台であることをグラフに表したのですが、数字だけではピンときにくいこの違いを、2021年のグラフは下から青い棒がどんどん上に伸びて、画面の上を突き破る感じでその次の(上の)ページへと続くような提示の仕方で見せました。子どもの予想を超えた効果的な提示でした。「うぉ~!!」と素直に驚きの声を上げる子どもたち。「自動車の性能が更に向上しているにも関わらず、なぜこんなに生産台数が増えているのか」という自然な問いを導き出すことが出来ていました。最終的な学習問題としては『日産自動車は、どのようにして性能の高い自動車を大量に生産できるようになったのだろう。』になりました。
9月16日(火) 4年生・総合「ユマニチュード養成講座」
4年生は、総合的な学習の時間を中心に福祉について学んでいます。その一つである「ユマニチュード」の学習は、昨年度から全市の4年生で必須の学習内容として、講師を招聘して実施されています。今年も昨年度に引き続き「福岡市ユマニチュード地域リーダー」の井上良美 先生にお越しいただき、学年全体でお話をしていただき、学ぶことができました。
生きている以上、誰にもいつか必ず訪れる「老い」の中で、脳の機能が低下することによって「認知症」になってしまう場合があります。また、認知症の手間の状態のグレーゾーンの方もおられます。高齢社会となったこの社会の中で、みんながそのことを正しく理解し、ケアを必要とする人に「あなたを大切に思っています。」というメッセージを、本人が理解できる形で伝えることが「ユマニチュード」の考え方・技術であり、誰にでもできることであるということを教えていただきました。
イヌは「舐める」という行為を通して愛情を受け、イヌとして親や仲間を認識し生きていくことができるが、親から舐める行為を受けなかった子イヌは、それだけで命を失うことになります。同様に人は「4つの基本の柱」で人となると言います。すなわち『見る/触れる/話す/立つ』の4つによって人として生きていくことができるということ。この機能が衰えてきた方にどうサポートするのか、「触れる/立つ」についても体験を行いました。相手を立ち上がらせるサポートをする際は、握手のような手の握り方ではなく、腕相撲をするときの手の組み方でゆっくり立ち上がるサポートをすることが必要なのだそうです。
認知症となった方は、実際の視野が狭くなってしまうということで、手を双眼鏡のように筒状にして目に当てたくらいの見え方であると教えていただきました。子どもたちにも体験的に両手で双眼鏡のようにすると、人から声を掛けられるのが視野の外からだと驚いてしまうこと、顔の前で話すことで安心できることなどを実感することができました。
さらに、相手が理解できるためには、ゆっくりと穏やかに、歌うように笑顔で語りかけること、そして相手が嬉しいと感じる言葉をかけて安心できるようにすることが大切だということが分かりました。
ユマニチュードの学習を通して、『相手の目を見て、優しく笑顔で穏やかに話しかける』『やわらかく包み込むように接する』ことで、誰でも “認知症の方の応援団” になれるということを井上先生に教えていただきました。同時にこのことは、認知症の方に対してだけの接し方ではなく、「思いやりの心あふれる優しい街・香椎浜」をみんなで築いていくために、誰に対しても同様であるべきことです。
朝の挨拶運動(だけでなく、日常のすべても含みますが)でも、目を合わせない人・笑顔が無い人・こちらの挨拶にさえ反応しない人… がいると、残念な気持ちになります。どの人に対しても、この日の学びを日常の中で実践していってほしいと思います。
9月12日(金) 日本語指導教室・授業研究会
学習参観を行ったこの日、ほぼ同じ時間帯で本校の日本語指導教室の授業研究会が行われました。これは福岡市教育委員会(教育センター)が主催となり、本校の日本語指導教諭である下家先生・早田先生の授業公開を通して市内外の日本語指導に取り組む先生方との研究を深めようという目的で実施したものです。(それでこの日、外部からの自動車が運動場に駐車する形となりました。)
現在、本校には512名の児童が在籍する中、その約1割が外国籍の児童になります。ただ、そのすべてに日本語指導の必要があるわけではありませんが、13名の児童は「取り出し」の形で2名の日本語指導教諭の指導を受けています。また、全市的な外国籍児童の人数に対する市内の日本語指導教諭の人数が十分とは言えない現状もあり、本校は近隣の小学校から外国籍児童の日本語指導を受け入れており、現在28名の外国籍児童が曜日や時間を決めて本校に通っています。下家先生・早田先生はこれらの児童に対して、日々フル回転でその指導に当たり、ベテランの日本語指導教諭として本市日本語指導の先頭を走っておられます。
この日の授業では、外部からの4名の外国籍児童が来て、「うごきのことばを おぼえよう」というめあての下、「ぼくは はしります。」「わたしは なきます。」などの話型を学習しました。私たちにとっては当たり前の日本語ですが、外国籍の児童にとって母語とは全く異なる日本語学ぶことは、想像以上に難しく大変なことでしょう。
この授業研には市内外から約30名の先生方が来られ、市外からは福津市や糸島市、さらには岡山県教育委員会の指導主事も視察にお越しになりました。また協議会の指導助言をいただくために、横浜市教育委員会の指導主事の先生にもお越しいただきました。授業後の協議会ではこれらの先生方が、本日の授業の中で得られた「共有財産」的価値のある支援の在り方や、これからの日本語指導の在り方などについて意見を交わし、有意義な会となったようです。
9月12日(金) 学習参観(懇談会無し)
2学期が始まって早くも半月が経ったこの日、保護者や地域の方々に日常の子どもたちの姿を見ていただく「学習参観」を行いました。
各学年の各学級、特別支援学級(はまかぜ学級)もそれぞれに授業公開をいたしました。各教科等で取り組む子どもたちの様子、皆様の目にはどのように映ったでしょうか。
9月10日(水) 4年生「福岡市科学館1日学習」
この日、ちょうど子どもたちが登校する時間(8時~8時半くらい)は激しい雨が降り、ずぶ濡れの子も少なくなかったようでした。雨が激しかったので、出発式は3階の渡り廊下で行いました。
4年生がバスで出発する8:40くらいになると少し小降りになり、主幹教諭の髙田先生と城香中学校の志波校長先生に見送られて2台の貸し切りバスで学校を出発しました。
到着するとすぐに「朝の会」です。この日は箱崎小学校の4年生も1日学習でしたので、朝の会と帰りの会、午前中の「プラネタリウム」は一緒に活動を共にしました。
プラネタリウムでは、学校見学用として特別に「香椎浜小学校から見える四方の建物等の様子」がドーム内に投影され、日の入りから星空が現れる様子を分かりやすく見せていただきました。ドーム型の展示室内で星空が広がる様子に、子どもたちは大興奮でした。
午前中2つ目のプログラムは、内容別に分かれて行う実験教室で、1組は「化学実験教室」、2組は「生物実験教室」、そして3組が「物理実験教室」でした。
1組の「化学実験教室」では、同じ物質でも条件によって個体・液体・気体と姿を変えること、その場合に体積が驚くほど大きく異なることを分かりやすく教えてもらいました。そこで、水を熱して水蒸気という気体にすることで大きなエネルギーを発生させ、それを利用して発達したのが18世紀の産業革命における蒸気機関の発明であったことなどを学びました。また、それを自分の目で確かめる実験として、水を熱することで発する力を利用した小さな船を洗面器の中で進ませる実験を行うことができました。なお、この船は一人一人の「お土産」として持ち帰られることになりました。
2組の「生物実験教室」では一人一人が顕微鏡を使ってメダカの観察を行うことから始めました。しかし、激しく動く本物のメダカを使って顕微鏡で見ることは難しいため、本物のメダカと同じように見える「観察用モデル」としての標本を用いての観察でした。まずメダカの目を観察するために、標本と対物レンズをギリギリの距離に近づけた後、接眼レンズで中をのぞきながらハンドルで徐々にレンズの位置を上げてピントを合わせる使い方です。メダカの目がくっきり見えると「あっ、見えた!」と喜ぶ声が聞かれました。お土産用にもなった自作の観察用レンズも好評でした。 メダカの後は、今度は本物の生きている「ミジンコ」をプレパラートに乗せて観察しました。水の中で動く微生物は目や胸脚、中には卵を持っている個体の様子もしっかり見ることができました。この小さな命を通して食物連鎖としての様々な命が保たれる自然の不思議さ・偉大さを感じることができた子どもたちでした。
3組の「物理実験教室」では磁石の不思議を中心に、講師の荒木先生の問いや実験で学んでいきました。ちなみにこの荒木先生は、元校長先生として私の先輩でもありますし、古くは私が教員になる前に背振少年自然の家で指導員をしていた時に、「星の観察」の講師として週に1回自然の家に来ていただいていた現役の先生でした。アニキ的な方で、私は当時からよく可愛がっていただきました。荒木先生はずっと理科を専門に研究されていた方です。
磁石を切り離すとそれぞれにN極・S極ができること、かなり細かく切ってもそれは成り立つが、一番短い限界の長さが0.000015mmであることなどをクイズ形式で教えてくださいました。自分たちで磁石の力を利用してパイプ状の物体を浮かせる実験もあり、これはお土産にもなりました。自然には不思議な力が存在しており、私たちがそれらをうまく利用して今の技術や文化が成り立っていることの一端を知ることができました。
各実験教室が終わると、子どもたちが(私も)楽しみにしていたお弁当の時間です。スケジュールの関係でやや短い時間ではありましたが、子どもたちは実験で驚いたことを友達同士で話しながら、美味しくお弁当を食べることができました。保護者の皆様、ご準備ありがとうございました。
午後のプログラムは、「基本展示室」をグループごとで自由に体験する時間でした。この「基本展示室」は『宇宙/生命/環境/生活/フューチャー』などに分かれていて、それぞれに自然科学の不思議さ・面白さを体験することができました。
「校長先生、これすごいよ!」と初めての体験に歓喜する子どもたち。こうした「驚き・感動」は子どもたちの知的好奇心の表れであり、次の学びへの入り口となるものです。教室ではなかなか得難いこうした「驚き・感動」を、改めて大事にしたいと思った1日でもありました。
最後は再び箱崎小学校の4年生と一緒に「帰りの会」を行いました。お世話になったたくさんの先生方へは全員でお礼を言い、両校からは代表児童が「今日の感想・お礼」を立派に述べてくれました。
貸し切りバスで学校へ戻り、「帰校式」です。司会担当の実行委員が進める中、一日の振り返りを行いました。4年生として良かったのはしっかりと人の話を聞くことができたところや挨拶ができたこと、「はまっこの誇り」をもって集団行動ができたことですが、個別には注意を受けないとその意識が無くなってしまう部分もあり、今後の課題であるという確認ができました。4年生のこれからの更なる成長を見守っていきたいと思います。
9月5日(金) はまっこ日記・番外編「先生たちの『運動会に向けて』」
先生たちは、子どもたちが夏休みであった期間もすべてが休みだったわけではなく、日頃できない作業や会議、2学期に向けての準備や学習を進めるための学習(研修)などもしっかり行ってきました。
そして2学期が始まっても、子どもたちが帰ったら、会議や打ち合わせ、研修の毎日です。
この日は、11月の運動会に向けて「学校の行事の中でも、運動会が一番好きです。」と言ってくださった1年生の学年主任・王丸先生を校内講師にお願いし、運動会に向けた研修をしていただきました。
特に「走競技」で走るのが得意な子も得意でない子もモチベーションを保ちながら取り組むためにどうするか、そして「思いやり」を育むためにとてもいい機会であることの実例等を教えていただきました。また、「表現活動(ダンス等)」も取組を通して子どもたちが自分自身の伸びを感じることができるようにするにはどうするのか、保護者に楽しんでもらうために配慮するにはどう工夫すればよいか、などについて教えていただき、みんなで学ぶことができました。(詳細は『企業秘密』ですので、11月15日の運動会にお越しになって実際にご覧ください。)
先生たちは、11月の運動会で子どもたちがより輝けるようにこれから考え、備えていきます。充実の “実りの秋” に向けて。
9月1日(月)~4日(木) 縦割り清掃
先週末の「縦割り清掃顔合わせ」で文字通り顔合わせした児童(1~6年生)は、早速今週から掃除の時間に取り組んでいます。
子どもたちは、昼休みが終わると各教室や運動場から自分が担当する掃除場所へと行き、そこで横一列に並んでチャイムが鳴るのを待ちます。チャイムと同時に「黙想」で、文字通り無言で気持ちの切り替えを行います。昼休みに遊んでいたハイテンションから、落ち着いて掃除に取り組む心の切り替えをするための黙想です。
まだ低学年の子の中には、運動場から戻るのが遅くて掃除場所に着く前にチャイムが鳴ってしまう場合がありますが、そうした場合でもチャイムが鳴ったら立ち止まり、その場で黙想をするのが本校のルールになっています。
写真は「縦割り清掃」が始まってからここ4日間の様子です。どの場所もリーダーである6年生を中心に、みな懸命に掃除に励む姿が見られます。
チャイムが鳴り終わると同時に、子どもたちはぞうきんやほうきなど自分の掃除道具を手にして「もくもく掃除」に取り組みます。分担内容や掃除の仕方の大体は、「顔合わせ」の時に行っているとはいえ、やはり細部については確認等をすることになって、今のところは少し話し声が出てしまう場面も見受けられますが、早くこのシステムに慣れて「もくもく掃除」として遂行してほしいと思います。
日頃使わせてもらっている校舎等に対する『感謝の心』で自分の分担場所を自分が代表してきれいにすることや、「もくもく掃除」として言葉を交わさない代わりに周りに目を配り、困っている人がいないか、自分が何か手助けできることは無いか… 等を『思いやりの心』で考え、行動することが大切だと考えています。
9月2日(火) 不審者対応避難訓練
2校時に全校で行いました。初めに、担当の榎並先生の話をクラスルームの配信で各教室視聴し、過去の「大阪・付属池田小学校 児童・教師殺傷事件」や「東区不審者(校内に侵入し女児を殴る)事案」などについて話してもらいました。いつ起こるか分からない、自分の命を自分で守るために・学校という集団の場で自分がすべきことは何かなどについて考えてもらいました。
また動画で、不審者が女の子をさらおうとした際の対応に関するビデオも視聴しました。自身でもはっきり拒否する意思を示す対応や、近くの大人に助けを求める対応などです。また校内で起こった際は、不審者を刺激しないために近くの人が「ヘルプカード」をそっと持ち出して隣の学級担任に助けを求めること、教師が廊下で対応・制圧等する隙に児童は隣の学級にさっと避難して内側から鍵をかけ廊下の反対側に静かに集まってしゃがむ…などについて学びました。
そして実際に廊下で「不審者役」の先生が教室に入ろうとするところを担任の先生が対応し、その間にヘルプカードを使って児童が隣の学級に避難することも実際に行ってみました。ほとんどの学級で、緊張感をもって真剣そのものの動き・表情が見られましたが、ある学年が隣の学級に避難したとき、2~3の「クスクスッ」という笑い声のような声が聞こえた時でした。写真を撮っていた私が真剣さを欠いたその児童の方を見た瞬間、担任の先生が「今のこの瞬間に、笑い声があっていいの?それで自分やみんなの命は守れるの?」と毅然とした態度で問いました。笑った児童も反省したと思いますが、周りの児童も改めて集団の中における行動の意味や大切さを理解したのではないかと思います。
それぞれの学級で、今日学んだことや自分たちの行動を振り返ることで、いざという時に大切なことをみんなで学ぶ貴重な時間となりました。
8月29日(金) 縦割り清掃顔合わせ
前日の6年生のリーダー会に続き、今度は全校児童が清掃場所ごとに集まって顔合わせを行いました。顔合わせ… とは言っても、実は6月27日に「縦割り集会」で、グループごとに1時間遊んでいます。
各教室や特別教室、実際の掃除場所等に分かれて、来週からの縦割り清掃に向けて打ち合わせを行いました。さあ、いよいよ来週からは自分たちの担当場所を「感謝・思いやりの心」できれいにしていきます。
8月28日(木) 縦割り清掃リーダー会
長かった夏休みが明けて、昨日始業式を行いました。まだ残暑が厳しいということで、1学期の終業式と同様に校長室からクラスルーム経由で教室の子どもたちに話す始業式となりました。
そして2学期2日目の今日は、来週から本格実施となる「縦割り清掃」に向け、各掃除場所でリーダーとなる6年生全員を集めた “決起集会” を行いました。リーダー会会場とした「音楽室」に集まった6年生は、どの子も「学校のリーダーとしての自覚」、「縦割り清掃に臨むやる気」などを十分に感じさせる視線で私の方を見てくれていましたが、その6年生に改めて次のことを話しました。
話の内容としては、これまでに子どもたちに話してきたことと一貫性のある話にしたいとも思いましたので、「感謝・思いやり」と「手本・高学年としての姿」をキーワードにして話しました。
自分たちがいつも使わせてもらっている学校の各場所を、自分たちの感謝の気持ちを込めて掃除するということ、もくもく掃除として余計な口を開かないため、周りの友達がどうすれば掃除がやりやすくなるかを思いやりの心で察して手助けすること、そしてそうした行動で高学年の姿としてみんなの手本になれるように実践していくこと… を伝えました。
6年生はみな私の話を真剣な眼差しで聴き、「任せてください!」という気持ちをその目線で表しているようでした。来週からの6年生の頑張り、みんなのもくもく清掃が今から楽しみです。