10月31日(金) 5年2組・テーマ授業研究(理科)
5年2組は、担任の久賀先生が先日社会科で授業研究に取り組まれましたが、この日は理科専科の深浦先生が5年2組の子どもたちと一緒に理解の授業に取り組み、公開してくれました。
「もののとけ方」という水溶液について学ぶ学習です。まず「とける」とはどういう概念でとらえるかを考えました。「算数が解ける」や「氷・チョコレート・鉄が融ける」は「塩・砂糖が溶ける」とは異なる「とける」であることをみんなで確認しました。
さらに「水に溶ける」ことを具体的に確かめるために、深浦先生は理科室前方のスクリーンで手元のビーカーによる実験の様子をダイレクトに見せました。実験として示したのは、「食塩を水に溶かす様子」と「黄色の絵の具を水に溶かす様子」です。子どもたちは「本来粒々で存在する食塩が見えなくなったこと」、「絵の具を溶かした水は、黄色く濁っていること」を確かめることが出来ました。深浦先生は、水溶液の定義として「水に物が溶けた透明な液体のことを『水溶液』という」と教えました。つまり、絵の具を溶いた水は溶けたように見えても透明ではないので、水溶液とは言えない液体ということになります。
実際に食塩がどのように水に溶けるのかを観察するために、深浦先生は各班の観察用の道具をあらかじめ準備していました。ティーパック式の食塩を割りばしに結んでつるし、ビーカー内の水の中でどのような感じで溶けだすかを観察するものです。ティーパックから溶け出す様子はすぐに終わってしまうので、各班でタブレットを用いて動画で記録することも指示されました。モヤモヤっと塩が溶けだす様子をうまく動画に収められた班がありました。その様子を図と言葉で記録するように指示が出され、子どもたちは四苦八苦しながら(?)タブレット内に記録をしました。
「さてビーカー内で、食塩はどこにあるのでしょうか?」子どもたちなりに考え始めました。
次の時間には、この観察の様子から学習問題にたどり着くことが出来るはずです。
10月29日(水) 運動会全体練習①
今年度の運動会は、11月15日(土)福岡市・共育の日に実施いたします。既に空気がひんやりするようになっていますので、当日は児童用テントを張らず、逆に個々人が出番待ちの際の防寒用の上着を準備することになります。
この日は第1回目の「全体練習」でした。表現活動(ダンス)や走競技などの練習は、既に各学年で取り組んでいますが、全体練習では「開・閉会式の入退場」やその中における「紅白交礼・準備運動としてのラジオ体操・応援団長らによる選手宣誓や優勝旗返還…」などを行いました。
中でも、全体を通して「挨拶・返事」の元気の良さ、「行進・移動・整列」におけるキビキビとした行動、全体で座っているときの話の聴き方など、今の学年になって成長した姿を、そうしたところで保護者や地域の方々に見ていただくべく練習を行いました。
全体練習はもう1回予定されていますが、今回はその予告として「全校競技・玉入れ」の隊形確認を一部の学年で簡単に行いました。2回目の全体練習では、この全校競技と応援団を中心とした応援合戦に取り組みます。練習の最後は、トラック内の石拾いを行いました。
今回も次第に声が出せるようになってきましたが、話の聴き方や整列はまだまだ及第点には遠い感じです。「学校長の話」では、成長の姿を見ていただくことが日頃の「感謝」を示すことであり、仲間と協力する中に必ず「思いやり」の心が必要である、と話しました。そうしたことを心にとめて意識を高めていけたらと思います。
10月28日(火) 3年2組・テーマ授業研究(社会科)
この日、指導教諭の大津先生が社会科「安全なくらしを守る(消防)」の導入における学習問題づくりの場面を公開してくださいました。
初めにインパクトのある規模の大きな火災とそれを消火する消防士の映像を視聴し、また6月の社会科見学で実際に行った「福岡市民防災センター」における消火体験の写真で振り返りを行いました。さらに火事の際にどのくらいのスピードで火が燃え広がるかの資料を提示し、消火が一刻を争うことの重大性をもつことを実感させてくれました。
子どもたちは瞬く間に燃え広がる火災の恐ろしさを目の当たりにし、小さな火元からたった3分で壁に大きく燃え広がり、10分後には家全体が燃えてしまうことに大変驚きました。
子どもたちは資料から気づいたことや思ったことを発表した後、次なる資料を提示されました。福岡市における火災による被害の大きさを「年間の焼失面積」と「年間の被害額」の2つの側面から知ることになります。ここで大津先生が資料提示として行った工夫は、焼失面積や被害額が3年生の子どもたちにも理解しやすいように「燃えた広さが、教室でいうと『21教室分』」として絵で示し、年間被害額の1億5000万円は『(子どもたちが大好きな)ゲーム機・約3000台』として、これも絵で示されました。また、それら面積や額の数値だけでなく、生活が出来なくなるとはどういうことかを「家族そろっての食事やそうするための調理、日頃当たり前としているお風呂やトイレ…」などをイラストで提示し、生活が失われることの怖さを再認識しました。
そしてそうした火災を最小限に食い止める消防士の活躍を振り返り、そこからみんなの疑問を集約した結果、学習問題は『消防士さんたちは、どのようにして火災からわたしたちの生活を守っているのだろう。』となりました。これから、子どもたちが予想を立て、様々な資料をもとにこの疑問を解決すべく調べ活動を行っていくことになります。
10月24日(金) 番外編・先生たちの「指導力向上研修」
月に1回行っている、先生たちの研修です。子どもたちが帰った金曜日の放課後、先生たちは研修をしております。毎回、校内から(得意分野等をもつ)先生が講師となって先生方の研修を担当します。
今回は講師が私の番で、先生方からのリクエストにより、子どもたちの学力差を生まないための取組という難しいお題をいただきました。そうした場合、もちろん理解が進まない子などへの個別の指導というアプローチもあるわけですが、今回私が話したのは「あの手この手」を使った日常の授業改善です。学力向上の「特効薬は無い」という前提で話したのは、子どもたちが担任の先生と学習する中で「楽しい、分かった!できた!もっとやってみたい!!」という積み重ねをつくっていくことが、学力の底上げにつながるという話です。私の実践も各教科における板書等を紹介・説明しました。
研修後の先生方のアンケートでは、「日常の授業づくりを見直したい/子どもたちが、分かる・できるを実感できるような指導を目指したい…」といった、前向きな感想を多くいただきました。一人でも多くの子がそのように感じてもらえる学校を目指したいと思います。
10月23日(木) 6年・社会科「租税教室」
現在の6年生・社会科は「歴史学習」を行っていますが、1学期に行った「政治学習」の内容で「税」に関する学習を改めて行いました。今回は、福岡県東福岡県税事務所の3名の方々にお越しいただき、プレゼン資料による写真やクイズ、「もし税金が無い世の中だったら…」という世界を描いたアニメのDVDなどを見せていただきながら、楽しく学習することが出来ました。
最後は現金・1億円の重さを実感するために、『レプリカの1億円のかたまり』をジュラルミンケースから取り出し、一人ずつ実際に両手で抱えてみました。「重っ!」と本当に抱えきれない子、辛うじて抱えるもほとんど持ち上がらない子、それとは反対に「全然(重くないよ)…」とやせ我慢的に持ち上げて見せる子など、様々でした。
10月21日(火) 4年生・総合「己書(おのれしょ)」
4年生は来月の運動会の表現活動で「南中ソーラン」を踊ります。この時に(不織布の)法被を着るのですが、その背中に「自分だけの一文字」をデザイン風に書きたいということで、「己書(おのれしょ)」の指導をしてくださる大谷亜矢 先生をゲストティーチャーにお招きしました。大谷先生の日頃の本業は歯科衛生士で、実は私がかつて香椎浜小の6年担任をしていた時の隣の学級の保護者だった方でもあります。
書道とは異なり、筆順や逆から書くことなども自由、デザイン的に線や線の端をクルクル丸めたり点のように●をくっつけたりするのもOKです。「(自分の)心のままに、自由に書く」という己書の斬新な考え方を指導していただき、みな絵の具の筆を使って「自分の名前からとった一文字」や「自分の好きな字」を選んで、筆を進めていきました。
しっかり「作品」をつくる時間をいただいた後、最後は各班ごとに全員の作品を見せ合いました。大谷先生は一人一人の作品、ほぼすべての児童のよさをマイクで紹介してくださいました。「大きく、グルグルを使って書けているね。/ダイナミックな字だね。/オリジナルの字で見やすいなぁ。/ここはわざと隣の線にくっつけないで離しているのがいいね。/風が吹いている感じだね。/水が流れるイメージがよく出ているね。」など、それぞれのよさをたくさん褒めてくださいました。
11月15日(土)はこの法被を着て、南中ソーランを踊ります。オリジナルの自慢の字も見どころとして見ていただき、頑張る4年生を応援していただけるとありがたく思います。
10月20日(月) はまかぜ学級・テーマ授業研究(自立活動)
この日「はまかぜ」では、『心パワーグループ』の自立活動の学習を行いました。心パワーグループでは、子どもたちが様々な活動に落ち着いた気持ちで取り組んだり、状況に応じた行動を考えたりします。主に3つの活動に取り組みました。
①「他者紹介をしよう」では、隣の友達の話をよく聞いて「○○が楽しい△△さんの隣にいる●●が楽しい□□です。」と発表しました。
②「同じ人だーれ?」では、「ねぇ、ねぇ」「○○さん」と声をかけて、自分と同じカードを持っている友達を探します。前回までは果物や動物のカードを使っていましたが、今回は「泣いている男の子/怒っている女の子」など表情を示したカードでした。「私は[笑っている女の子。]○○さんは?」と聞き返し、自分と同じカードのペアを見つけることが出来ました。
③「自分だったらどうする?」では、いろいろな困っている場面の絵を見て、自分だったらどうするか考えます。実際にペアで発表して、みんなの意見を聞き合いました。どうすればよいか、よく考えて発表することができました。
日頃どの学年でも、自分の気持ちをうまく相手に伝えることが出来なくて、あるいはどう伝えればよいかが分からなくて、適切なかかわりが出来ずにトラブルを起こしたり、場面の状況にあった行動をどうすべきか考えきれずに心を乱してしまったりすることは、よくあることです。はまかぜ学級では、そうした場面を想定した自立活動の学習を積み重ねていきます。先生たちの手だての素晴らしさを誇らしく、恥ずかしがりながらも頑張る子どもたちの姿を嬉しく感じた時間でした。
10月16日(木) 運動会応援団「結団式」
昼休みの時間、来月の運動会に向けた応援団の「結団式」が体育館で行われました。
9月の修学旅行で、長崎に地において立派に香椎浜小学校の顔として行動した6年生、今月の自然教室で、脊振の山の中で班や学年で協力して力を合わせ大きく成長した5年生。体育館に集まったのは、その中から次の大きな目標となる本年度の運動会を成功に導くために応援団に立候補して集まった精鋭たちでした。体育館に集まった精鋭たちの姿勢・眼差しから、凛とした空気感・応援団としての誇りややる気がみなぎっていました。
事前に担当の吉田先生から「校長先生から一言お願いします。」という依頼を受けていたので、修学旅行と自然教室のことを振り返った上で「秋の味覚と言えば、…栗ですね。」と1枚の写真を提示しました。「・・・ん?」と半分くらいの子が首をかしげました。「・・ウニじゃない?」
そうです。そしてもう1枚の写真で種明かし。もう1枚は本物の「クリ」です。このように見た目に似ていても中身が全く違うということを『似て非なるもの』と言うと教えました。 応援団は嫌でも目立ちます。目立つこと自体、全く問題ありませんが、目立つことを目的に応援団員になるのと、下級生を引っ張って運動会を盛り上げ成功させるために応援団員になるのとでは『似て非なるもの』であると説明しました。また、そうした姿が下級生の「憧れ」であってほしいという校長の願いを伝えました。彼らの姿勢・返事・眼差しがそれを約束してくれていました。
応援団長となった2人の男子からは団長としての意気込みが語られました。担当の吉田先生・大﨑先生からも応援団に対する期待について話がありました。「史上最高の運動会」を目指して、しっかり頑張ってくれると期待しています。
10月16日(木) 1年・タブレットの「ドリルパーク」
1年生は、日頃の学習でノートに鉛筆で書き込む基礎的な学習をすることが主ですが、この日はタブレットを使った学習に取り組みました。ICTサポーターの木原先生が、3クラスそれぞれの時間に指導に来てくださり、使い方の全体指導をしてくださいました。
説明があっても「先生、分かりませ~ん。」「先生、できません!」という声があちらこちらで聞かれ、各担任の先生も忙しく飛び回っていました。
今回は算数の問題にゲーム感覚で臨みました。これから次第にタブレットの使い方に慣れて、いずれは高学年児童のように使いこなせる日がくることでしょう。
10月14日(火) 6年「勾玉づくり」
この日、6年生は歴史学習における体験学習の一環で、博物館の出前授業を実施しました。博物館からは2人の方が指導に来られ、様々な遺跡からも出土している「勾玉(まがたま)」をつくる活動を通して、昔の人の考えや当時の人々に思いを馳せる学習を行いました。
昔の勾玉は「翡翠(ひすい)」などの固い宝石から作り出すのが主で、それを削ったり穴をあけたりしたので相当な時間と労力をかけたと考えられますが、6年生が使った石は「滑石(かっせき)」という非常に軟らかい石です。軟らかいとは削りやすい・磨きやすいということで、紙やすりで削ることが出来る石です。軟らかいので加工しやすい一方、傷が入りやすくて落とすと割れるリスクもある石です。
勾玉づくりは四角い石に「作りたい形」を鉛筆で下書きし、粗目の紙やすりで大体の形を削り出し、少し細かい紙やすりで丸みを出して作りたい形を生み出します。最後は水をつける水やすりで表面が滑らかになるように磨き、穴に紐を通して出来上がりになります。
勾玉は「強い獣の牙を模したもの」という説や「命を象徴する胎児の形を模したもの」などのいくつかの見方・説があり、はっきりとは分かっていませんが、装飾品としておそらくは誇りをもって身に付けていたであろうことは想像に難くないものです。
たった2時間しかなかったため、軟らかい石とはいえ短い時間できれいに成型するのは結構難しかったようですが、かなり上手に作れている6年生もいました。そしてその勾玉をこちらに見せてくれる顔は誇らしげでした。古代に勾玉を身に付けた人も、きっと大切にそして誇らし気にそれを身に付けたのでしょう。ちなみに最後の2個の勾玉の写真は、私が担任の時に削って作ったた勾玉で、6年生に「頑張ったらこんなふうにきれいにできるよ」と首にかけて見せびらかしていたものです。 青い方は「ブルーレット」の水溶液に数週間付けて染色したものです。成型した後に手でもむように指先で磨くことによってさらに輝きを増します。
10月11日(土) 番外編・香椎浜校区自治協主催 秋まつり「縁市」
子ども会行事・公民館サークル…
いじめ撲滅プロレス「華☆激」
今年度の「縁市」は、ずいぶんと久しぶりに(香椎浜中央公園ではなく)香椎浜小学校を会場として開催されました。香椎浜自治協議会が総力を挙げて実施したこの大イベントは、晴天の下、多くの来場者を迎えて大盛況となりました。
運動場では「ミニ運動会」的な催しが随時行われ、玉入れや綱引き、椅子取りゲームの要領で行う「玉取り」などがあり、子どもたちがたくさん参加して大いににぎわいました。
体育館には子どもたちの習字等の作品が展示される中、体育館前方ステージでは、コーラスやダンス、太極拳、城香中学校吹奏楽部の演奏などが披露されました。ここも多くの観衆がいて、大変な盛り上がりを見せていました。
体育館中央には、今年もプロレスのリングが設営されました。「プロレスリング華☆激」による、いじめ撲滅・チャリティプロレスを開催するためです。昨年度も来ていただいた「華☆激」さんですが、実は学校長の私が2年前、アイランドシティの照葉北小学校の校長をしていた時、同様にいじめ撲滅・チャリティプロレスを行ったことがあった関係で、縁あってこの香椎浜でもきていただくことになりました。代表でもあるアステカ選手は前任校の時にも女性レスラーの「フライング・ペンギン選手」とともに表敬訪問してくださいました。
試合の前には、「子どもプロレス教室」として、リング上で基本的な動きとなる「前転」やロープの間を往復する「ロープワーク」の体験コーナーがありました。たくさんの子どもが希望してくれたので、10人ずつくらいで数回に分けて体験をし、最後に記念写真を撮りました。普段は見ることもなかなかないプロレスのリングに直接上がり、こうした体験ができたことは、きっと多くの子どもたちの心に楽しい思い出として残ったことでしょう。
リング上では2試合が行われました。初めは比較的静かな立ち上がりでしたが、次第に試合がヒートアップし、場外で椅子攻撃があったり、選手を机に激しく叩きつけたりする場面もありました。がしかし「いじめ撲滅」としては、相手選手の反則行為などがあった際に観衆が黙っていてはいけないので、「ブー!!」と文字通り「ブーイング」をして、レフェリーに知らせることが大切なのです。「見て見ぬふり」をしないで声を上げること。これがいじめを無くしていくことにつながります。
試合では更に、ロープの反動を利用して反対側のロープの間から体ごとミサイルのようにして場外に跳んで相手に体当たりする「トぺ・スイシーダ」、トップロープからリング上の選手に体ごと飛び乗る「フライング・ボディアタック」などの大技も飛び出しました。ヒジやてのひらで胸板を殴りつける攻撃は、攻撃としては地味かもしれませんが、その迫力ある音と、何より攻撃を受けた選手の胸板が真っ赤になっている様子を見ると、「本当に体を張っているんだなぁ」と改めてその強さを思い知らされた気がしました。
どれだけ激しく攻撃し合っても、試合が終わるとクリーンに握手。後腐れなく、お互いの健闘を称え合って握手する姿は、まさにプロのスポーツマンの姿でした。
さて、今回もアステカ選手とフライング・ペンギン選手といった主力の人気選手も来てくださいました。ただ、ペンギン選手は大阪の試合の後に福岡に駆けつけてくださるということで、もしかしたら試合時刻に間に合わないかもしれない…という心配材料があったため、なんとアステカ選手が大阪プロレスの「スペル・デルフィン選手(プロレスファンはよく知っているメジャーな選手)」を “保険” として呼んでくださっていました。結果的にはペンギン選手も試合に間に合ったため、アステカ選手・ペンギン選手・デルフィン選手の豪華トリオがリング上に揃うということになり、プロレスファンの自分としても、とても贅沢な試合を見せていただくことが出来ました。
試合がすべて終わると、子どもたちは(私もでしたが)選手のところへ一目散に駆けつけ、サインを書いてもらったり一緒に写真に写ってもらったりして交流することが出来ました。
今回も大変な盛り上がりを見せた「いじめ撲滅・チャリティプロレス」。私のみならず、多くの方々が華やかで迫力あるプロレスの醍醐味に魅了されたことでしょう。
試合後はみんなで曲に合わせてダンスをし、(自分が行ったので写真がありませんが)校長の私、アントニオ久保田の「1、2、3、ダー!!」で祭りを締めさせていただきました。
祭りの後は自治協議会の方々が、運動場や体育館の片付けや掃除をしてくださいました。子どもたち・地域のために企画・準備・運営・片付けまで多くの時間と労力を費やして秋祭り「縁市」を開催していただいたことに深く感謝いたします。
激しく戦いあったプロレス選手の方々も、最後はみんなで協力してリングの解体・運搬をし、本校を後にされました。アステカ選手がこう言われました。「いつも思うんですよね。(選手がリングを片付けた後の様子を見ると)『夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡』って感じですよね。」と。 文字通り「華やかで激しいプロレス」を魅せてくださった「華☆激」のみなさん、本当にありがとうございました。
10月10日(金) 5年生・自然教室(3日目)
3日目の朝、6時半に館内の音楽がなって起床です。洗面所には入れ代わり立ち代わり洗顔や歯磨きに多くの5年生がやってきました。そして洗面所の両サイドにある男子・女子のトイレはというと・・・、男子トイレのスリッパは「立派!」 女子トイレのスリッパは「まぁ合格」。
集団生活の中で、「これではいけない」と気づいてくれる誰かが少し増えたのだと思います。晴れ渡った空と同様に、気持ちもさわやかになれる朝となりました。
そして7時からは朝の集い。5分前行動は、何とかギリギリ間に合った感じでした。みな、三日目の疲れが出てきている感じでもありました。それでも、ひんやりとした山の空気を吸ってラジオ体操をすると、疲れがリセットされるような気分になります。この日の朝は、青い空に白い月が見えていました。
朝食は四角いさつま揚げとウインナーがメインです。これまでと同様に、朝日が差し込む食堂で班の仲間と一緒に楽しくいただくことが出来ました。
最終日・午前中の活動は「キーラックづくり」です。集いの広場を挟んで、宿泊棟とは反対側にある「工作室」で行います。あらかじめ杉の板から切り抜かれた「イノシシ・カエル・フクロウ・イヌ・ネコ・リス」でキーラックをつくる活動です。希望した動物の杉板は、初めにバーナーで表面を焼きます。焼くのは防カビの意味と杉板の風合いを美しく出す意味があります。バーナーは、工作室の外で髙田先生・久志先生・深浦先生が担当してくださいました。
ひと班ずつバーナー担当の先生に板を焼いてもらった後、亀の子タワシを使い板目に沿って磨いていきます。表面の焦げが取れるときれいな杉の木目が現れます。その後に指導員の荒瀬先生から「背振少年自然の家」のマークの焼き印を押してもらいます。吊り下げ用のヒートンとL字フック、そして目玉を付ければ出来上がりです。
2日目まで全て外で体を動かす活動でしたので、少しゆっくりと楽しみながら活動することが出来たようです。出来上がった班は、班ごとにカメラマンさんに記念写真を撮ってもらいました。
最後の昼食は、メンチカツやフルーツポンチが付いていました。食堂における各班の場所はいつも決まっているのですが、先生たちの席は特に決まっていなかったため、気が利く子どもたちが先生の食事もトレイに準備し、「先生、こっちです!」と席を確保してくれていました。楽しく会話をしながら昼食をとることが出来ました。
午後は、しおりに活動の振り返りを書く活動と、敷地内を歩くことで3日間を振り返る「お散歩」でした。散歩が終わるとすぐに集いの広場での退所式が予定されていたので、宿泊棟の荷物は午後の活動前にすべて工作室へ運び、部屋をきれいにして点検を受ける必要がありました。宿泊棟を出る時にトイレを見ると、男女とも立派なスリッパの並びになっていました。「立つ鳥跡を濁さず」で、気持ちよく工作室に向かうことができました。
工作室に着くと、皆もくもくとしおりに振り返りを書き込んでいました。13時になったころ、吉田先生が「お散歩」による3日間の振り返りの説明をしました。外は本当に気持ちの良い秋晴れの空が広がり、この季節の山の空気を楽しむことが出来ました。1組と2組でコースを分けて、宿泊棟の周りや野外炊飯場の手前までの坂道、工作室裏の(前夜にキャンプファイヤーを行った)営火場などを、行った活動を思い出しながら楽しく会話して散歩することが出来たようです。
いよいよ自然の家を去る「退所式」です。本来掲揚台に向かって並ぶのですが、日差しを真正面から受ける形になるため、宿泊棟の方を前にして並びました。実行委員の司会のもと、代表児童が言葉を述べました。自然の家からは、本来所長が挨拶してくださるところでしたが、出張で不在だったため、野外調理やキーラックづくりでお世話になった指導員の荒瀬先生が代わりにお話をしてくださいました。その後、校歌を歌って校旗を降納しました。自然の家からは背振に自生する「リョウブ」の木の幹から作ったペンダントを学校にプレゼントしていただき、代表児童が受け取りました。
荷物を抱え、いよいよ自然の家を後にします。気持ち良い木漏れ日の下を通り、甘いキンモクセイの花の香りに送られてバスへと乗り込みました。振り返れば、脊振の山の上には青い空が広がり、日差しが輝いていました。
バスで山を下りる途中は、初日に見た「五ケ山ダム」が青空を映して美しく輝いていました。
帰りの道は想定以上に車が少なかったため、予定時刻より30分以上早く学校に着くこととなりました。PTA役員の方々が「おかえりなさい」を用意して迎えてくださっていました。
帰校式では迎えに来てくださったお家の方や先生方に「ただいま!」の挨拶をした後、学校長の話となりました。話では「3日間の様々な場面で『感謝・思いやりの心』を具体的な行動の中で示すことが出来たこと/自分たちで意識した『切り替え・メリハリ』を行動にうつせる人が多くなれたこと 」を成果として話した上で、「その時々に『ありがとう(ございます)』と伝えるだけが感謝ではなく、この後2つの感謝の示し方を実践してほしい」と話しました。①今日帰ったら、自然教室のためにいろいろと準備等で協力してくださったお家の方に、この3日間のことをしっかりと伝えること、 ②自然教室でできるようになったこと(5分前行動など)をリセットすることなく、今後もこの3日間の成果を踏まえて5年生としてレベルアップしていくこと。この2つが自然教室における『感謝』を形にする、これからの大切な点であると話しました。
久賀先生は、「班長・部屋長・実行委員の働きのお陰」で自然教室を成功裏に終えることが出来たことを称えて、彼らにみんなと一緒に拍手を贈られました。吉田先生は入所式で「目を閉じてください。何が聞こえますか?」とみんなに問うて、川のせせらぎや鳥の声・虫の音が聞こえることに気付かせてくれましたが、この帰校式でも同様に「目を閉じてください…。香椎浜に帰ってきましたね。脊振で聞こえる音とは全く違いますね。」と3日間の終わりを聴覚で実感させてくださいました。
どの班も互いに声を掛け合って協力した3日間。たった3日ではありましたが、活動を通して本当に多くのことを得ることができ、5年生は成長できました。これから来月の運動会など次の目標をもって、さらにレベルアップして学校を引っ張っていってくれると期待しています。
10月9日(木) 5年生・自然教室(2日目)
5年生は自分たちで決めた「スローガン」を廊下の中央部に貼っていました。この朝、昨夜のトイレを見てみると、男女ともにスリッパがきれいに並び直されていました。久賀先生が「校長先生、ちょうど朝ここに来た時に、○○さんがスリッパを並べているところだったから、嬉しくて写真を撮りましたよ!」とニコニコ顔で報告してくださいました。気づいてくれたのは、たった一人の女の子ではありましたが、私もそれをとても嬉しく感じました。スローガンを一つの行動で示してくれたと思います。他の子たちも、同様に施設を使わせてもらっていることに感謝の気持ちをもって、迷惑にならないためにどうすればよいか、自分に何ができるか、と周りを見られるようになってほしいと思っています。
さて前日とはガラッと変わって、2日目は明るい日差しとさわやかな空気の中で朝を迎えることができました。7時から朝の集いに参加し、児童代表も言葉を述べ、ラジオ体操で体と頭をしっかり起こして食堂へと向かいました。
朝食で出た “エネルギー源” は、オムレツ・ミートボールでした。「おから」もついていましたが、食べたことがないのか、「これは何か分かるよね?」と尋ねると「知りません」「しゃけ(フレーク)?」という具合でした。「3年生の時に、国語で『すがたを変える大豆』って習ったやろ?」というと「あ~…」。こっちも「あ~…」でした(笑)。
野菜(特に毎回出てきたキャベツ)は不人気で、残す子が多いのにびっくりしました。決してお安くはないキャベツは、結果的にかなりの量が廃棄されていたようですが、その代わり(?)ごはんやスープなどを何回もお代わりする子も多くいました。
朝食後の午前中の活動は、昼食用のカレーづくりです。カレーの材料をカゴで運ぶ「食材係」、感度で使用する薪を運ぶ「まき係」などに分かれ、敷地内を上へ上へと上がり、炊飯場を目指します。香椎浜小が使用するのは、「第3炊飯場(2組使用)」と「第4炊飯場(1組使用)」。第1・第2炊飯場よりも更に坂を上っていかねばなりません。しかし空は本当に青く晴れ渡り、秋晴れの気持ちの良い風と山々の緑、鳥のさえずりが私たちを迎えてくれました。
それぞれの炊飯場に着くと、指導員の先生から用具や作り方の説明を受け、いよいよ野外調理の開始となりました。「ニンジンは500円玉くらいの厚さで…」と説明を受けていたのに、結構な厚さと言いますか、口にほおばるイメージの “ごっつい” ニンジンも結構あり、「家のならいいけど、早く煮えんといかんから、それじゃ薪がもたんよ。」と厚みを修正しないといけない班もありました。
お米は無洗米を使われているご家庭も多いかもしれませんが、子どもたちは「まだ白い水が出る…」と言いながら、一生懸命にお米を研いでいました。
今回、薪は指導員の先生が必要な分を細かく割ってくださったのでその分の時間と労力は使わずに済みましたが、その薪をかまどにセットし、火をつけるとずっと煙が目にしみるわけです。そんな経験のない子どもたちは「先生、目が痛いです!」「うん、薪で焚くと仕方ないんよ。」「なんでなんですか!」「だから、薪を燃やすと…」 のような不毛な問答をあちらこちらで行うことになりました。自分が若手の指導員だった頃も、そんなやり取りをいろんな学校の5年生と行っていたという懐かしい記憶が蘇りました(これは個人的なことでした。すみません。)。
ところで、当然ながら香椎浜とは全く異なる環境の脊振(自然の家は「背振」、山は「脊振」と表記します)では、独自の動植物を見ることが出来ます。第3炊飯場と第4炊飯場を何度も往復する間、マニアックな校長はいろんなものを見つけては写真に収めておりました。(ヤマイモのツルにでき、ごはんと一緒に炊くと秋の味覚としても楽しめる)ムカゴ、(脊振に多く自生する、幹が固い)リョウブ、(イガに包まれた小さな)栗、特大のショウリョウバッタ、キリギリスの仲間のバッタ、ゲンノショウコ(という漢方薬としておなかの薬に使用される薬草の花)、(ホタルの幼虫が食べる)カワニナ、(本来は緑色だが、茶色になっていた)トノサマバッタ、(以前に全校朝会や学校だよりでも登場した、動物のフンを食べる)センチコガネ、そして巨大なトカゲ。川でサワガニを見た子もいたようです。
子どもたちが苦戦して野菜を切り、薪で火を焚き、お米をライスクッカーで炊き、豚肉や野菜を煮込んでカレーを作り、ようやくそれぞれの班で「いただきます」が言える状況になりました。
友達と分担・協力して作ったカレーライス、秋晴れの空の下・さわやかな緑と心地よい風の中で食べるカレーライスは、きっと家で食べるカレーライスとは一味も二味も違い、格別の味となったようです。デザートのオレンジもついていて、みんな満足そうに、そして美味しくカレーライスを楽しみました。
美味しいカレーライスを作って食べたら、今度は洗い・片付けです。特に薪の直火にかけたライスクッカーや大鍋は、元々の銀色の地金が見えなくなるくらい真っ黒になりましたが、当然きれいにしなければ次の学校が使えないので、元通りに洗わねばなりません。子どもたちは束子(タワシ)やスポンジ・クレンザー等を使い、指導員の先生の合格をめざして懸命に頑張りました。
片付けが終わると、今度は登ってきた坂道を下ります。自然の家のスケジュールは結構ハードですが、それも学びに来ている子どもたち。「5分前行動」で、14時開始の「ウォークラリー」の5分前には、玄関前広場に班でそろって集合です。
ウォークラリーは、分かれ道になるところで記号のどこへ進むかを見る「コマ図」を使って自然の家周辺の自然の中を進み、チェックポイントごとの問題を解いて回るグループ活動のゲームです。班ごとにカメラマンさんに写真を撮ってもらった後、コマ図を手に各班2分おきでのスタートです。みんな優勝を目指し、元気に出発していきました。
約1時間かかるコースでした。スタート・ゴールは、本部の校長から「出発時刻」と「到着時刻」を教えてもらって用紙に記入します。また、各チェックポイントでの回答も書き込みます。どの班も脱落者を出すことなく、協力して本部までたどり着きました。
時間はあっという間に過ぎ、17時からは「夕べの集い」です。前日は「5分前行動」とはいかず、片江小学校よりも集合が遅くなりましたが、この時は班長らが意識して声かけをしてくれたおかげか、時刻にはきちんと整列して臨むことが出来ました。そして夕食。メインは「デミグラスソースのハンバーグ」、そしてデザートの「グレープゼリー」です。
自然教室2日目の夜は、子どもたちが大変楽しみにしていた「キャンプファイヤー」です。営火場の中央には、角材等で井形に組んだファイヤー用の薪があり、その周囲には子どもたちが座るための丸太のベンチがあります。
第1部は「迎え火の集い」。子どもたちが「遠き山に日は落ちて」の歌を歌うと、なんと山の向こうから赤々と炎を揺らす松明を手にした “火の神” が姿を現しました。
静かに "神” の言葉を聞き、代表児童が「感謝の火」「協力の火」「成長の火」「安全の火」を分火してもらい、それを中央の薪に点火しました。次第に炎が勢いを増し、第2部「交換の集い」へと移ります。
第2部「交換の集い」は雰囲気をガラッと変え、子どもたちが用意したレクレーションで盛り上がって楽しみました。実は香椎浜小学校の他学年の先生方もたくさん「応援」に駆けつけてくれていて、一緒に参加してくださいました。「猛獣狩りに行こうよ!」では、「ライオン」と言われたら文字数の4人が1グループとして集まれるようにする集団遊びです。応援の先生方も子どもたちに「先生、こっち来て!!」と呼ばれながら、登場した動物の名前に合わせて何度もグループを作って楽しみました。それから「マイム・マイム」のダンス。応援の先生たちは子どもたちが中央のファイヤーに近づきすぎないように、ファイヤーの周りに円陣を組んでくれました。子どもたちはその外側で仲間と手をつないでもっと大きなエンジンをつくり、大きな声で「マイム・マイム」を歌って踊りました。みんなで心から楽しむ様子に、“神” もご満悦の様子でした 。
そして最後は第3部「送り火の集い」です。再び “火の神” からの言葉をもらい、子どもたちが「今日の日はさようなら」を歌うと、“神” は手を振って静かに山に戻っていきました。
楽しかったキャンプファイヤーの思い出ができ、子どもたちは少しずつ小さくなっていく炎を見つめながら、2日間の充実した活動を振り返っていたことだと思います。
部屋に戻って入浴です。この時もたくさんの応援の先生方が、疲れているであろう引率の先生の代わりに入浴時の指導についてくださいました。そして班長・部屋長・実行委員は、ミーティングルームでの会議です。前日同様に、各自が2日目を振り返り、頑張ったこと・みんなで成長できたことや、課題・明日への改善点などについて意見交換しました。「(自分たちで決めた)メリハリ・場に応じた切り替え」が十分ではないから、最終日に向けてみんなで頑張ろうという意見が多く出されました。各先生からは「キャンプファイヤーでみんながいい話の聴き方や反応をしていて成長を感じたこと/ここにいるリーダーが、ここでの話を部屋や班で共有すること/自分だけでなく、班のみんなで頑張らないと意味がないこと」などの助言が伝えられました。
10月8日(水) 5年生・自然教室(1日目)
今年の自然教室は昨年度と大きく異なる点が3つあります。①1学期ではなく2学期の実施 ②施設が「海の中道海の家」ではなく、「背振少年自然の家」 ③1泊2日ではなく2泊3日 であることです。このことを出発式で5年生に伝えました。聞いている5年生の目には、わくわく感があふれているように感じました。そしてその自然教室の中で、校長としてみんなの臨むこととして、年間を通じて学校全体で推進している『感謝・思いやりの心』を、様々な場面で言葉や行動にうつしてほしいことを話しました。
緑のトンネルを通り抜け、自然の家の敷地に入りました。宿泊棟の前の「つどいの広場」で入所式です。実行委員の進行の下、所長さんからの話、学校長の話、そして代表児童の言葉が続きました。入所式の最後は、元気よく校歌を歌って校旗を掲揚しました。
館内に入って、オリエンテーションで施設の使い方や寝具のたたみ方など、2泊3日に必要なことを教えていただきます。その後、荷物を各部屋に移動させて、早速昼食です。セルフサービスのシステムに戸惑いながらも自分のお盆にとって進みました。メニューは、ゆかりご飯・揚げ餃子・豚肉と野菜の炒め物・レモン風味のサツマイモ・千切りキャベツ・味噌汁 です。
午後の活動は「追跡ハイク」です。追跡ハイクは、分岐点ごとの先が青い矢印の立札で進む方向を確認し、山の中を歩きながらチェックポイントの問題を解くゲームです。あいにく活動の前から、雨が降ったりやんだりの繰り返しで、子どもたちは合羽を着用せざるを得ませんでした。「このまま曇りで天気はもってくれるのでは…?」という期待に反して、山の天気は変わりやすいことを今更ながらに思い知ることとなりました。
天候がコロコロと変わったことや私の確認ミスもあって、追跡ハイクの写真は出発時さえ撮ることが出来ませんでした。すみません。終了後に再び研修室に集まって、チェックポイントの問題の答え合わせと表彰がありました。表彰された班へは、背振に自生する「リョウブ」という樹の幹でつくった「トロフィー」が贈られました。
17時からは「夕べの集い」で、今回同じ2泊3日の日程をこの自然の家で過ごす城南区の「片江小学校」と一緒に行うことになっていました。司会を担当する児童や「夕べの言葉」を担当する代表児童らが前で言葉を述べました。
そして早めの夕食。今回は「一口トンカツ」や「プリン」が目を引きました。手洗いをして、昼食同様にセルフサービスで各班のテーブルに着き、楽しく会話しながらいただきました。
部屋に戻るときに気になったのは、写真の通りの「トイレ・スリッパの散乱状況」です。今のところ、これがいつどうなるか 静観することにしました。
ところで、背振少年自然の家は、前述のとおり30年以上昔に私が勤めていた施設で、その当時としても別に真新しい施設ということではありませんでしたが、現在も美観を損ねることなく、標本やはく製などがきれいに展示されている施設です。
夜の活動は「天体観測」。…なんですが、残念ながら昼間は断続的に雨が降り、夜には雨そのものは止んでたものの、天体望遠鏡が活躍できる状況ではありませんでした。しかし、市内の理科を専門とする小学校の先生が3名来られ、それぞれの方が「研修室/せふり天文台/プレイホール」に分かれて星の話をしてくださることになりました。片江小学校の児童とともに初めはプレイホールに集合し、本校と片江小を二手に分けていただいた3グループで、各場所を順に入れ替わりました。
研修室では、「皆さん、恒星(太陽のように自分自身で光を放つ星)と惑星(地球や月のように他の星に照らされている星)はどっちが多いと思いますか?」と問われ、恒星と惑星の興味深いお話をしていただきました(結論は、恒星が圧倒的に多い!)。その他、映像を交えながらの星座の興味深いお話がありました。
せふり天文台は、大型の天体望遠鏡を装備した本格的な天文台です。本来はドーム型の屋根が開いて、指定した星を(地球の自転などに合わせて)自動追跡できる望遠鏡があるのですが、今回天候不順のため実際にそれを覗くことはできませんでした。しかしその大型望遠鏡を前に、その仕組みなどについてくわしく説明をしていただきました。
プレイホールでは「太陽系の惑星(水・金・地・火・木・土・天・海 + 冥王星)」の距離がどれくらいかを可視化するため、各星の名前が示された大きいカードを代表児童が持って、それぞれの惑星の間の距離を示してみました。
最後は再び大型スクリーンで、宇宙旅行に行ったような映像とともに、地球 → 太陽系 → 銀河系… と何万光年も広がる壮大な宇宙の旅を楽しみました。
星の話の時間が少し伸びたため、子どもたちの入浴は慌ただしくなりましたが、みんな時間を考えてテキパキとした行動を意識してくれています。予定時間より10分ほど後になりましたが、ミーティングルームで班長会議を行うことになりました。
各班の班長、各部屋の部屋長、そして実行委員が集まる会です。それぞれが今日一日を振り返って、課題と明日に向けた改善点などについて意見を出しました。異口同音に出されたのは、「場に応じての切り替えをしっかり行い、感謝の気持ちをもって話の聴き方を徹底すること」でした。また、各先生方から「しおりで確認して、見通しをもって行動すること/班長・部屋長だけが意識するのではなく、班長・部屋長らがみんなに働きかけて、一人一人が行動を変えていくこと/頭で分かっていても行動にうつさなければいけないこと/ことが起きてからではなく、ことが起きる前にできることを考え、行動すること」などについて話がありました。校長の私も実行委員の子に振られたので「校長先生は、気になっていることが1~2つあるけど、今は言いません。君たちがいつ気づき、どのように行動するか見たいと思っています。」と述べるに留めました。これは、トイレのスリッパが散らかっていることや、廊下などで「静かにしようよ!」と複数名が大声をあげることで、かえってうるさくなっていること… などです。 ちなみに班長らの上靴は、吉田先生からの指摘があってから、このようなきれいな並びになったので、もう一歩、でしょうか。
あっという間に就寝時間が迫り、みな歯磨きをして就寝準備に入りました。…トイレのスリッパはというと、男子はきれいに並び、女子は…、さらにひどい状態。今のところ、残念賞(😢)です。
10月7日(水) 4年1組・テーマ授業研究(道徳)
先週の4年2組に引き続き、今度は隣の1組が授業研に取り組みました。梶原先生は今年研究する教科を「道徳科」で選択しています。今回は「大きな絵はがき」という題材を使った授業、道徳の内容項目で言うと『信頼・友情』をテーマとする学習でした。
学習のはじめに、以前4の1でとったアンケートの結果が示されました。その集計によると、「友達が間違ったことをしたときに、教えた方がいいと思う」が100%だったのに対して、「友達が間違ったことをしたときに、教えられなかったことはあるか」では、「はい」が41.4%で、「いいえ」の58.6%より少ないという矛盾した答えが多い結果になりました。
このお話では、主人公(広子)に、遠くに引っ越した友達の正子さんから絵葉書が届くのですが、規定の大きさよりもずいぶん大きかったため、正子さんが貼った切手では料金不足ということで、受け取り側の広子の側が不足分を払うことになります。広子の兄は「切手の料金が不足していたことは、相手にしっかり伝えた方がいいよ。」と言いますが、母親は「お礼だけの返信でいいんじゃない。」と言います。悩む彼女は、友達の正子さんへどんな返信をするのか・・・?
みんなは主人公(広子)が自分だったら「切手の料金が足りなかったことを伝える/伝えない」について考えました。しかし、人間の心の中は「0か100」のように、必ずしも白黒がはっきりはしないもの。心の中の「伝える/伝えない」のパーセンテージを帯状の「赤(伝える)」と「青(伝えない)」に分けてタブレット内に示しました。また、その葛藤の理由を文章に書き起こし、そのタブレットを友達同士で見せ合いながら対話活動を進めました。
結局、自分だったら「青(伝えない)」の割合が多い児童の意見としては、「正子さんがいやな気持になる/(料金不足で迷惑をかけたことで)傷つく」などの意見が出ました。反対に「赤(伝える)」の割合が多かった児童からは、「伝えなかったら、正子さんが他の友達にも料金不足のまま送るかもしれないから、正子さんのためにならないので伝えた方がいい」という意見も出ました。
学習の最後は これまでの自分を振り返り、今後このような場面に遭遇した時に、自分はどうしていきたいかについて考え、その意見も交流しました。梶原先生は「『伝える/伝えない』に共通していることは何?」と尋ねました。すると「どちらも、相手のことを思いやっていること」が共通する考え方だということに気付くことができました。今回は "友情とは何か” を考えたことで、4の1の子どもたちが集団としてより成長していけることを確信できた授業でした。