私たちは千葉大学教育学部附属中学校のアドボカシーゼミに所属する中学生3名です。
アドボカシーゼミでは、「誰もが生きやすい社会へ-For all the people to live proudly the way you are-」をテーマにして、
この目標は国籍、病気、性別、民族、障害の有無などに関係なく、
誰もが「生きづらい」と思うことのない社会を作ることを理念に活動しています。
2022年度は不登校要因のひとつである「起立性調節障害」に関するアドボカシー活動に取り組んでいます。
私たちアドボカシーゼミは、学校の総合的な学習の時間の一環で教員が有志でゼミを立ち上げ、
生徒は興味を持ったゼミで1年間探究活動を行う「附中探Q記」1つのゼミとして活動しています。
このゼミでは、活動の方針について議論したり、
実際に社会人の方に話を聞き、活動に繋げたりしています。
アドボカシー(Advocacy)は、社会的に弱い立場にある方の困りごとを
第三者が代わりに政治に訴えかけ、よりよい社会を作る活動です。
「擁護・代弁」を意味する英単語「Advocate」を由来とするものです。
この活動は子どもから大人まで誰もが参加し、誰もが始められる活動です。
選挙権がない私たちは、このような活動で「誰もが生きやすい社会」を目指して活動しています。
原因としては自律神経の不調が挙げられます。
症状には、頭痛、めまい、立ちくらみ、そして、朝起き不良などが主に挙げられます。
前述したように思春期に症状が出やすく、
小学生では約5%、中学生では約10%の人が症状を持っているといわれています*1。
この症状の影響で、学校に思うように行けず、病気であるにも関わらず、
成績や単位が取れず、ドロップ・アウトしてしまう学生がいます。
私たちはそんな状況を改善するために、日々活動しています。
*1 ) 日本小児心身医学会HPより引用
2018年9月にも、
起立性調節障害の理解と対応法について
取り上げられています。
少年写真新聞社が発行する「ほけん通信」では、
起立性調節障害に関する症状や日常生活での注意点に
ついてわかりやすくまとめられています。
当事者の皆さんが抱えている真の悩みは、あくまで私たちの想像でしかありません。
ですから、私たちがいくら「学校(仕事)に無理をしていかなくてもいい」と言っても、声をかける私たちが本当の悩みをわかっていない以上、心に響くことは少ないと思います。
しかし、私たちがどうしても皆さんに伝えたいのは「1人で抱え込む必要はない」ことです。
おそらく、学校でいじめについて話題に挙がるときには、いじめについて相談できるカウンセリングに関する情報をパンフレットなどで見かけると思います。
起立性調節障害も同様に相談窓口があります。
家には家族もいますし、学校にはスクールカウンセラーの先生や友人もいます。
ぜひ、起立性調節障害に限らず、悩みがあれば1人で抱え込まずに、誰かに相談してみてください。
なかなか学校や仕事に来れない人がいたりするかも知れません。
現に私が小学5年生のときもクラスに1人いました。
そのときは「起立性調節障害」という単語すらも知らなかったので、
「なんで来ないんだよ」と目くじらを立てていた記憶があります。
今思えばこれが最善の行動ではなかったのではないかと思います。
来れない人は来れない人なりに悩んでいたり、苦しんでいたりしているのかもしれません。
ですから、皆さんはぜひ目の前にある「休んでいる」という事実だけでなく、
その裏にある、休んでいる人の休んでいる人本人にしかわからない思いにも目を向けてみてください。
「起立性調節障害で苦しんでいる方がいる」と聞くと「他人事」のように思えるかも知れません。
かと言って、「自分ごととして捉えろ」と言われてもピンとこないと思います。
しかし、忘れてはいけないのは、
私もあなたも誰もが、明日から学校や仕事に起立性調節障害で行けなくなるかもしれないということです。
もし自分が起立性調節障害で学校や仕事に行けなくなったときに「来ていない」という事実だけに目くじらを立てられて、
「あいつサボりじゃね?」と言われるとどうでしょうか?
実際にどう感じているかは私達の想像でしかないのでここでは述べられませんが、
ぜひ当事者の立場になって考えてほしいと思います。
それがきっと「自分ごととして捉える」ことなのかもしれません。
2022年6月に、当事者団体の代表の方とZoomで70分ほどお話しました。
起立性調節障害に関する症状や生活上の困りごとについて詳しく教えていただき、過去のアドボカシーについても伺いました。
2022年6月に、日本若者協議会の代表でいらっしゃる室橋さんとZoomで50分ほどお話しました。
具体例を交えながら、アドボカシーについて教えていただきました。
2022年7月から9月にかけて、提言内容の検討を行いました。
写真は、提言書の構成、署名活動の実施有無、メディアへの顔出しの可否について、検討した時の板書です。
2022年9月14日(水)午前中に、「#私たちの学ぶ権利を奪わないで」すべての⼦どもたちに対する多様な学びの選択肢と学ぶ権利の保障に関する提⾔書を千葉市議会、千葉市教育委員会に提出させて頂きました。
当日は、市議会教育未来委員会に所属する田畑議員、伊藤議員、千葉市教育委員会の鶴岡教育部長に参加いただき、1時間ほど意見交換をさせていただきました。
2022年9月14日(水)15時ごろに、「#私たちの学ぶ権利を奪わないで」すべての⼦どもたちに対する多様な学びの選択肢と学ぶ権利の保障に関する提⾔書を文部科学省に提出させて頂きました。
当日は、伊藤孝江文部科学大臣政務官に参加いただき、30分ほど意見交換をさせていただきました。
提言の内容はこちら
2022年9月14日(水)16時ごろ、文部科学省記者クラブにて記者会見を行いました。
記者の方から多数ご質問いただき、複数のメディアで報じていただきました。
起立性調節障害の概要、当事者の声、わたしたちからのメッセージなどをまとめた、三つ折りのパンフレットを作成しました。
附属中学校で行われた探究発表会において、配布しました。
2022.09.14 日テレNEWS 「中学生が提言 「起立性調節障害」の生徒らに教育機会を」
2022.09.14 共同通信社 「不登校要因「起立性障害」調査を 千葉市の中学生、文科省に提言」
2022.09.14 教育新聞 「起立性調節障害の支援策で中学生3人が政策提言 政務官と面会」
2022.09.14 西日本新聞 「不登校要因「起立性障害」調査を」
2022.09.14 東京新聞 「「教室に行けない」起立性調節障害 理解広め学習機会確保を 中学生が文科省に提言書」
2022.09.14 千葉日報 「不登校要因の障害調査を 中学生、文科省に提言」