公開地域シンポジウム

テーマ:フードシステムにおけるオルタナティブとは何か:近畿の現実から

座長:秋津元輝(京都大学)

オンライン開催(一般公開)です。

【概要】

 食の生産から消費、さらに廃棄や循環までを含めたフードシステムの連鎖または環が長くなり、その不透明化した連結部分を中心に資本と技術が全体を支配する構図となっている。この主流となったフードシステムに対抗する目的で注目されてきたのが、オルタナティブ・フードネットワーク(AFNs)であり、欧米では1990年代から盛んに研究されてきた。

 他方、日本においてオルタナティブという観点からの接近は低調である。しかし、農水省が新しい食の戦略を公表し、オルタナティブの代表とも思われる有機農業の拡大を謳っていることをはじめとして、より持続的なフードシステムを構想するにあたって、オルタナティブな動きを無視することはできない。

 世界ではオルタナティブな動きがいつの間にか当初の批判対象に取り込まれて主流化するという問題が多く報告されている。本シンポジウムでは、近畿におけるいくつかの事例を参考にして、日本のフードシステムにおけるオルタナティブとは何かを原理に遡りつつ考えたい。

座長解題・報告資料:「2022年度日本フードシステム学会大会報告要旨集」分割版:公開地域シンポジウム) 

全文版(公開シンポジウム・個別報告)こちら


[1]産消提携におけるオルタナティブ性の再考:京都の事例より

山本奈美(京都大学大学院)

[2]地域から食と農を組み直す:亀岡オーガニックアクションの取り組み

田村典江(事業構想大学院大学)

[3]兵庫県におけるCSAの発展とその連鎖構造のオルタナティブ

   :慣行農産物市場取引/有機農産物産消提携・市場取引との比較分析

辻村英之(京都大学