研究テーマ

基礎から高度な応用まで、幅広い研究テーマに取り組んでいます。以下では、私達が研究している一般的なトピックの概要をご覧頂けます。

Soft Matter Composites: Design and Development

複合材料の硬さは軟らかいものから硬いものまで簡単に調整できますが、一般的に材料の硬さと靭性は反比例しており、軟らかい材料は丈夫で損傷に強く、硬い材料は脆くて簡単に破壊されてしまいます。一方、自然界では、軟らかいものから硬いものまで、さまざまな材料が生み出されていますが、いずれも破壊を防ぐための強靭化メカニズムが組み込まれています。また、自然界の物質を観察すると、多くの長さスケールでエネルギーを散逸させる階層構造を持っていることがわかります。我々の目標は、このデザインの本質的な構造を模倣して、頑丈で機能的な合成材料を作ることです。

Novel Soft Matter Characterization

多くのソフトマターは、ユニークで興味深い機能や特性を持ちます。このような新しい機能の役割を理解するには新しい物性評価法が必要になります。我々は、分子スケールではハイドロゲルの局所的なネットワーク構造を調べ、これらの材料の不均質な性質をより深く理解しようと試みています。また、マクロなスケールでは、摩擦と接着の研究に力を入れています。例えばハイドロゲルは、水和層によって表面の摩擦が非常に小さくなることがよくありますが、この性質はハイドロゲルを生体応用する際に重要です。一方、接着性は、ハイドロゲルを複雑なデバイスの構成要素として使用する際には非常に有用な性質です。これらの機能に対する理解を深めることによって、ハイドロゲルの日常生活での利用を後押しすることができます。

Advanced Applications of Soft Matter

ソフトマター研究の究極目標は、生体を模範した形状や機能を有するデバイスを開発することです。我々が創製した新素材を基盤として、人々や社会を支えるという目標に落とし込むことができます。例えば、人工皮膚、靭帯、腱のような耐荷重負荷や生体適合性が求められる材料の開発を進めています。私達の研究は火傷や慢性関節炎など負傷した方々を救うことができる可能性があります。また、人工筋肉を開発する方法も研究しています。これは、筋肉が衰える病気にかかっている人を助けること、人間に近いロボットを開発することに繋がる可能性があります。