■演習科目の紹介
プロトタイピングラボ演習Ⅰ
半導体デバイスの製造プロセス(前工程)や製造装置に関する基本的な知識と技術を身につけることを目的としています。代表的で最も使用されているSi MOSFET(電界効果トランジスタ)を題材として、半導体製造の基本となる3つのプロセス、成膜、リソグラフィ、エッチングを学びます。さらに、試作したデバイスの電気的評価をとおして、トランジスタの基本的な特性と評価・解析法の基礎を身に付けます。半導体産業において重要なスケーリングについて、実験とTCAD(Technology Computer Aided Design)によるシミュレーションを併用しMOSFETの構造と特性を関連づけて学ぶことができます。TCADの詳細については現代半導体学Iで学ぶことができます。
プロトタイピングラボ演習II
半導体トランジスタとその小規模集積回路の設計から試作評価に関する一連の知識と技術を習得し、半導体製造の全体像の把握と技術インテグレーションについて習得することを目的としています。プロトタイピングラボに設備された装置群を駆使してSi集積回路を試作し、半導体プロセスに関する多様な技術、各種製造装置の原理と仕組み、所望のデバイスや回路を実現するためのプロセス設計について学びます。また、CADを用いた回路設計、チップ上のレイアウトやマスクパターン設計についても学ぶことができます。現代半導体学IIで予定されているTCAD(Technology Computer Aided Design)の講義と合わせることで先端半導体技術を支える半導体デジタルツインについて学ぶことができます。
半導体ユースケース開拓演習I
実際の現場での課題解決のために半導体を応用するユースケース開拓の基礎的な知識と技術を身につけることを目的としています。プログラム可能なデジタル論理集積回路FPGAにセンサなど各種デバイスを組み合わせることでセンシング、通信、データ処理、記録といった現場で使える半導体の要素技術と応用について学びます。なお、FPGAに関する知識は実務半導体設計概論で学ぶことができます。
半導体ユースケース開拓演習II
半導体の新たなユースケースを生み出し実現可能性の評価や新たな半導体の開発につなげる能力を身につけることを目的としています。課題解決のために必要な機能を見出して半導体で実装すること、機能実現にあたり実際に利用する現場におけるさまざまな制約を把握し適切な半導体を選択することやこれらをインテグレーションするために必要な基盤的知識と技術を学びます。半導体の性能を限界まで引き出す高度な利用、性能を制限する要素の理解や制約を超える新たな半導体の仕様の設計についても学びます。
■実務科目の紹介
以下の授業科目は、企業の研究者・技術者を講演者として招き、実践的な視点からの授業を展開します。
現代半導体学I
半導体産業を広い見地で捉えてその世界観を知る講義です。ラピダス、キオクシア、TSMC、住友電工など、国内外の半導体に関係するさまざまな企業からスペシャリストを招き、それぞれの製品分野での状況や最新技術についての講義を展開します。
現代半導体学II
我が国の先端半導体製造を支える国内外の半導体関連企業からスペシャリストを招き実施する講義です。半導体製造装置メーカーであるラムリサーチ社、世界で唯一のEUVリソグラフィ装置メーカーASML社を中心に、先端半導体製造を実現するためのキーとなる技術について知ることができます。
実務半導体設計概論
先端半導体製造技術を社会や生活につなげるのが半導体設計です。このような半導体設計技術についてデモやツールに触れながら設計の世界観と基礎について学べる講義です。北海道に拠点がある設計メーカーであるメイビスデザイン社と新光商事LSIデザインセンター、そして世界のトップ設計ツールメーカーであるケイデンス社から技術者を招き実施します。
高周波アナログ回路設計評価
無線通信やセンシングに不可欠な高周波アナログ回路について一連の技術を全て学べる講義です。世界トップの半導体電子計測機器メーカーで日本に開発拠点をもつキーサイトテクノロジー社から技術者を招き同社の先端的なシミュレータや計測機器のサポートを受けて実践的な講義を行います。
半導体の深層を理解する
半導体産業は、素材、製造装置、設計、製造、社会インフラなど、多様な要素が複雑に結びつく総合産業です。本講義では、企業の研究開発者や実務家らによる講義を通じて、北海道、日本、世界における半導体産業の現状と構造を多角的に学びます。理工系に限らず、文系を含むさまざまな分野の大学院生にとっても、現代社会と産業を理解するうえで重要な知識と視点を得られる内容です。