【学校研究内容等の紹介】
雲浜小学校では、令和6年度研究テーマを「主体的に問題解決に取り組む子どもの育成」とし、「クラウドを活用した協働的な学び方・個別最適な学び方」に焦点をあてて、授業改善をめざした研究を進めています。
授業では「確かな学力・学びのベース」づくりをめざし、『雲浜型3S学習』という学習の流れをベースに、「学びプラン」で子どもたちは様々な学び方を経験します。その中で次第に学び方を「自己選択、自己決定」するなどして主体的に学びへ向かう力を育成していこうと考えています。 令和の時代の文房具としての1人1台端末とクラウド環境を活用した授業のDX化を通して、「協働的な学び」と「個別最適な学び」を実現する授業作りについて探求し、主体的に問題解決に取り組む児童の育成を目指します。
〇協働的な学び方
他者の学びを可視化し、いつでも他者の考えに触れることができるクラウド環境を整えることで生じる協働性と、協働を踏まえて自分の学びを更新していく学び方を探求していきます。
〇個別最適な学び方
個々の児童が自分の意思で工夫して学習に取り組む機会を通して、自分の学びに責任を持ち、自分に適した学びを児童自身が見つけることのできる学び方を探求していきます。
授業検討会 有識者による指導・助言
学校DX戦略アドバイザー 國香 真紀子氏
前 富山市立芝園小学校校長
現 富山市立藤ノ木小学校教諭
「安心安全な利用のための標語」づくりに取り組んだ6年生の作品は、児童玄関前のモニターで掲示。20作品の標語で全校児童への啓発と警告、そして考えることの大切さを訴えました。標語は、「情報通信の安心安全な利用のための標語」へ応募することになりました。
6年生は、「ネットいじめ」に関する資料をもとに 加害者、被害者、傍観者の立場、ネットいじめに立ち向かうためにできることなどについて話し合いました。
全学級で互見授業を行いました。1年生では、初めてデジタルホワイトボードを使ってものの名前とその総称の関係を整理する学習を行いました。授業後の國香先生からのご指導では、今後の研究の方向性に背中を教えていただきました。
2/4 3年生が西津小とオンライン交流学習。それぞれの学校でのふるさと学習の内容を発表し合い、感想交流を行いました。相手画面にどのように映るかを含んで、発表の声や立ち位置などを考えて伝えようとできるようになりました。
1/31 市庁舎で行った5,6年生のふるさと学習発表会。市内の小学校へもオンラインで同時に伝え、感想もいただきました。
1/17 校務DXをどのように進めていくかについて視座を得るべく、静岡県の先進校へ学びに行きました。
1/15、1/20、1/24の3回に分けて、富山市立芝園小学校の授業研究会に参加しました。個別最適な学びと協働的な学びの一体化を目指した、クラウド活用の複線型授業の展開を意図した単元構想とその授業について学んできました。國香先生のご指導にも触れることができました。
隣町の小学校を含む3校と自分たちの取り組み紹介交流をリモートで行いました。原稿をデジタルで作ったり、実物をカメラで見せたりして発表しました。互いに感想や質問の交流もできました。
授業1時間の振り返りをフォームに入力するとスプレットシート座席表にまとめられます。また、毎時の個々の振り返りはまた別のシートに時系列でまとめられるようになっており、個々の変容も見取ることができます。
担任ら教職員が毎朝、毎日必要な共有すべき情報をまとめたサイトを活用しています。今日の予定や子どもたちの出欠状況、日程変更の有無や行事予定などひとつのサイトにまとまっているので、効率よく情報の入力、出力ができるようになりました。
授業研究会に関する情報を一元化するサイトを開設。校内教職員も参観いただける方も効率よく必要な情報が得られ、研究会当日もスムーズな運営ができました。
動画編集の基礎的なスキルを身につけながら、総合の学習や鯖街道踏破などの経験を生かしたふるさとの魅力発信CMの作成に取り組んだ6年生。他学年も児童玄関で鑑賞しています。
出張等で担任教員がいなくても、クラスルームに学習の見通し=学びプランが示されているので、自分たちで授業を進めていくことができます。各自の作業課題に取り組むこともあります。
クラスルームにあげられている単元計画は、教員が大枠をつくり、子どもたちと相談しながら作られていきます。教科として、また単元で働かせる見方・考え方、学ぶプロセスを意識できるよう常に提示されています。
ひまわり学級の見通しを持つための一人一人の学びプランです。これまで一人1枚のホワイトボードに手書きされていたプランでしたが、教員も作りやすくなり、子どもに合わせて途中修正もスムーズになりました。
学びプラン検討会や授業後の振り返り会など、参集型+デジタル付箋等での共同編集、フォームへの入力による教員一人一人の学びの言語化によって研修を進めています。
高学年が中心となって企画運営をする縦割り活動。活動の計画をするにあたって、チャットを使って意見交流をしながらスライドにまとめていきます。リーダーたちの協議、協議結果のまとめ表現、結果の報告提示が一元化できる便利さをどんどん活用できる子どもたちです。
6年理科「大地のつくり」を校内教員全員で参観、事後研究協議と國香先生のご指導がありました。
地層の縞模様はどのようにしてできたのかについて根拠をもって予想をつくります。他者参照、意見交流をしながら自分なりの考えをつくりました。次時はそれを検証する実験計画です。
3年生は 総合的な学習の時間に学んだ自分たちの地域の伝統行事「お城祭」「雲浜獅子」などについてスライドを使って西津小の3年生に発表しました。
5年図工「みんなが笑顔になるために」で、校舎内の場所や物にみんながよろこぶ仕掛けを作ろうと写真を撮りました。写真にペイントでイメージを描き、お互いのアイデアを交流し、アドバイスをもらいました。
ICT端末内にあるチャット機能で「授業参観チャット」などの教員用グループを作り、これまで放課後等に行っていた授業の事後検討会など教員の参集ミーティングの時間短縮につながっています。授業を参観しなかった者も授業内容等が共有できるのもメリットです。
児童玄関を入ったところに大型モニターが設置されました。児童会でのお知らせをスライドで、また他学年の活動の様子を動画で など全校の児童も先生も情報を共有します。
2年学活
デジタルシチズンシップについての授業を保護者の方にも公開しました。
5年国語「たずねびと(物語文)」で、主人公の気持ちの変化があった所を探し、同じ箇所の人同士でグルーピング、話し合います。他のグループの話し合いの状況はチャットで分かるようにしています。
2年国語 「わけ」「くふう」の読み取りを 自分で学習形態を選択して行い、その後その結果についてみんなで話し合いました。友達の発表にしっかり耳を傾ける姿、学習形態を自分の意思で決定している姿、言葉の意味、叙述を根拠に話し合う姿が見られました。
1年生活「いきものとなかよし」では、クラスルームの使い方を知った1年生が課題を共有し、自分が紹介したい生き物について観察のポイントに気をつけて観察記録カードを作りました。目的に応じて実物と写真から選んで観察する姿が見られました。
4年国語「未来につなぐ工芸品」の説明文をはじめ・中・終わりに分けようという課題のもと、同じ考え、違う考えの友達を見つけて(他者参照)本文をもとに話し合いました。
全校集会でICT主任の教員から「問い」が投げかけられ、各学年で自分たちの学級の現状と課題を話し合いました。児童会学習プロジェクトチーム会議にて、それらの整理をし、「雲浜小の課題」を共有しました。
夏休みを前に、タブレット端末活用のてびきを更新、保護者への配付と子どもたちと確認をしました。
2年図工「カラフルなねんどのせかい」粘土で作った作品を写真に撮り、クロムブックで色を塗りました。アナログとデジタルそれぞれの良さを感じながら楽しく制作を行うことができました。
デジタルドリルの会社の方から日々の家庭学習課題、夏休み課題をより効果的にするには、また、日々の授業にどう活用できるのか、再考する時間となる研修をしていただきました。
4年国語「一つの花」単元のはじめに物語のあらすじを一文で表しました。figjamを用いて全員の考えを可視化することで友達の考えとのずれを認識することから始めました。それぞれが課題をもって読み進めることができました。
スプレットシートで作成している行事・授業予定表を玄関ウエルカムボードにも活用。今ある備品、今できることを活用して少しずつ校務のDXを図っていきます。
2年国語「こんなものみつけたよ」 子どもたちは、友達に紹介したい、自分でみつけたものを写真に取り込みました。みんなにそのよさが伝わるためのメモ作り。前に学習した「メモの取り方」を生かします。
キャストでみんなに写真を見せる方法も子どもたちは学びました。
3年国語「説明文 こまを楽しむ」の授業研究を通して講師の先生からご指導をいただきました。
DX、DX…といえども、これまで積み重ねてきた研究や学校風土を土台に、教員一人一人の個性・強みを生かした授業づくりをしていくことを共通理解できたことがよかったです。
他校支援学級との交流学習に向けてプレゼン資料を作成中のかがやき学級。操作方法の教え合い、伝えたい情報をよりよくする工夫について端末を介してコミュニケーションを深める姿がみられました。「上級生のモデル」に憧れをもつ、「下級生へ教えながら自身も成長」で自己有用感を高めます。
説明文の学習です。学習用デジタル教科書を初めて使ってみました。
子どもたちは、思っている以上に様々な機能の使い方をどんどん吸収していきます。
それぞれの先進校では、教職員の皆さんががトライ&エラー、振り返りと修正、同僚性を発揮した議論…これらのもとに「今」があることを目の当たりにさせていただきました。「とにかくやってみる精神」で取り組みます。
6年生では、単元自由進度学習に挑戦してみました。子どもたちは、単元全体の学習内容を大まかにつかんでから、個々でガイドに沿って学びを進めました。途中、進捗状況を共有したり、難しいところを全員で確認したりしながら、それぞれの学びを創っていきました。
東京でのキックオフ会議に参加した教職員が中心となった伝達研修とGoogle社員によるスタートアップ研修を行いました。
通常の教室とは違う雰囲気の中、市内外からの多くの先生方に3年生の頑張る姿を参観いただきました。
自分の選んだ食材がどのように姿を変えるかを調べ、大事なことをタブレットを使って表に整理していきました。席を移動し、適宜友達と相談しながら、読む人にとって分かりやすい文章を書くことにつなげるためにどうしたらよいかを考えていました。
本や国語辞典で調べるだけでなく、実物を見て考えるなど、子どもたちは自分に合った学び方で学んでいました。教員も適宜支援に入りながらよりよい内容になるように一緒に考えていました。
年長さんを招待する「あきランド」をもっとよくするために、2年生にもらったアドバイスを生かして改善する活動をしました。グループごとにめあてを決めて、もっと楽しめるようなおもちゃの工夫や、分かりやすい説明の練習に取り組みました。
生活科でうごくおもちゃを作ったときに動画を撮っておき、それを見ながらおもちゃの作り方の説明文を書きました。順序を表す言葉や長さを表す言葉を使って工夫して書きました。
自分の好きな動物をテーマにステンシル版画に取り組みました。カッターナイフの使い方や切り取り、着色の順番を友達同士で話し合いながらのびのびと取り組みました。
物語文「ごんぎつね」における「ごんの設定」について考えました。Padretを活用して一人ひとりの考えを見える化することで、友達の考えとのズレが明確になり、一人ひとりが目的をもって読み進めることができました。
物語の山場となるところを一人一人探しました。同じところを選んだ人同士でグループを作り(学習形態の選択)、対話を通して自分の考えを深めます。違うところを選んだ人の意見や考えを知るために、チャットを使います。チャットから得られた情報を元にまた違う視点で自分の考えを深めました。
共通の学習問題についてそれぞれが自分の予想をもち、一人一つの実験器具を用いて自分の予想を確かめることにチャレンジしました。自分のタイミングで実験に移ったり、いつでも仲間と考えを比べたりできる環境の中で、問題解決に取り組みました。
学年をこえ、学習課題を自分事として考えるため、対話を大切にしています。相手の話を「聞く」・自分の考えを「伝える」ことを意識して、話し合い活動をしました。
読み聞かせを聞いてくれる相手を意識して音読練習を行いました。以前に練習を聞いてくださった方からのアドバイスを動画で確認し、自分のめあてを決めて練習に取り組みました。練習の際は、「一人で(動画で確認しながら)」「友達と」「先生と」と学習形態を選択しました。
3年生の全体研究授業を中心に、事後研究協議会を行いました。市内外の参観者の皆さんでグループで協議し、Figjamを活用して他のグループ協議の様子も分かるようにしました。
研究協議後は、体育館で國香真紀子先生のご講演をお聴きしました。学校文化を大切にし、様々な授業スタイルを教員が身につけていくことで、子どもたちの学びのDX化が推進されていくと改めて確認できた会でもありました