端末で生徒の気づきを共有し、客観的に歌声を見つめ直す
音楽の授業にICTを取り入れるのは難しそう…そう思っていませんか?
実は、お使いの端末(タブレットやPCなど) が、生徒たちの歌唱力をぐんと伸ばし、合唱をより豊かなものにするための強力な味方になります。
この事例では、端末で楽譜に直接書き込んだり、演奏を録音・録画して客観的に振り返ったりするシンプルな方法をご紹介します。
生徒一人ひとりの気づきをみんなで共有し、クラス全体のハーモニーを追求する新しいアプローチを、ぜひ気軽に試してみてください。
楽譜への書き込みが個人単位で完結してしまい、合唱全体としてのまとまりや統一感を作るのが難しい。
生徒一人ひとりの歌唱における大切な気づきや改善点が共有されにくく、せっかく誰かが工夫しても、それがクラス全体の歌声に反映されず消えてしまうことがある。
第三者目線での客観的な評価ができないため、合唱のハーモニーやパートごとのボリュームのバランスを生徒自身が把握し、調整することが難しい。
生徒:PC、タブレット
教師:タブレット、大型モニター
使用アプリ:オクリンクプラス、ロイロノート、Canvaなど、画像を共同編集できるアプリ
1.楽譜のデジタル化と共有
楽曲の楽譜データを端末に取り込み、生徒全員に共有します。
2.気づきの可視化と共有
生徒は各自の端末で楽譜を開き、歌唱練習中に気づいた点や注意すべき点(例: 「このフレーズはもっと滑らかに」「ここの音程が不安定になりやすい」「ブレスのタイミング」など)を、付箋機能や手書きツールを使って楽譜上に直接書き込みます。
書き込んだ付箋やメモは、リアルタイムまたは練習後に教員やクラスメイトと共有できる設定にしておきます。これにより、生徒同士の学び合いを促進します。
3.演奏の録画・録音と振り返り
合唱練習や発表の際、端末(タブレットやPC、スマートフォンなど)やビデオカメラなどを用いて歌唱の様子を録画・録音します。
録画・録音した音源や映像をクラス全員で視聴します。
合唱の重なり具合や声量のバランス、観客席からの聞こえ方に焦点を当てて再生することで、生徒たちは客観的に自分たちの演奏を分析できます。
楽譜書き込みのイメージ
※楽譜はサンプルです。楽譜内のコメントが曲と一致しないことがあります。
気づきの共有と学びの深化
生徒一人ひとりの気づきがクラス全体で共有され、多様な視点からの学びが生まれる。
楽譜上の視覚情報として共有されることで、より的確なフィードバックが可能になる。
客観的なハーモニーの確認
録画・録音により、自分たちの歌声や合唱のバランスを客観的に評価できる。
音程のずれや声量の偏り、ハーモニーの完成度を具体的に認識し、改善に繋げられる。
主体的な学習態度の育成
生徒が自ら課題を見つけ、解決策を考える主体的な学習態度が育まれる。
音楽的な感性や表現力が向上する。
練習の効率化と質の向上
具体的な課題が明確になり、その後の練習の焦点が絞られる。
より効率的で質の高い練習が可能になり、完成度の高い演奏を目指せる。
#合唱コンクール #吹奏楽 #部活動