ホーム > 【コラム】ここから始める!DX > 始めてみよう!タッチタイピング
ICT化が進む教育現場で、パソコンでの文字入力は避けて通れないスキルとなりました。しかし、「キーボードを見ないと打てない」「指一本で打ってしまう」といった先生方や、子供たちにどう教えたら良いか悩んでいる先生方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ICTに苦手意識のある先生や、子供にタイピングを教えたい先生方に向けて、楽しく着実にスキルアップする方法をご紹介します。
目標は、手元を見ずにキーボードを操作する「タッチタイピング」の習得です。これは、以前「ブラインドタッチ」と呼ばれていたものと同じタイピング技法で、この記事では「タッチタイピング」という言葉を使って解説を進めていきます。
タイピングの最も重要な第一歩は、「ホームポジション」を覚えることです。これは、指を置く基本の位置のことで、ここを基準にすることで、キーボードを見なくてもスムーズに指を動かせるようになります。
キーボードの「F」と「J」のキーに、小さな突起があるのをご存知ですか?これがホームポジションの目印です。
左手の人差し指を「F」の突起の上に置きます。
右手の人差し指を「J」の突起の上に置きます。
そのまま、他の指を自然に隣のキーに添えるように並べます。
左手:小指から順に「A」「S」「D」「F」
右手:人差し指から順に「J」「K」「L」「;」
両手の親指は、スペースキーの上に軽く置きます。
これがホームポジションです。卵を軽く握るように、ふんわりと手を置くのがポイントです。最初は窮屈に感じるかもしれませんが、全てのキーへ最短距離で指が届くように設計された、魔法のポジションなのです。
ローマ字入力は「子音」と「母音」の組み合わせで成り立っています。つまり、母音である「あ(A)」「い(I)」「う(U)」「え(E)」「お(O)」の5つのキーの位置を指が覚えれば、入力の約50%をマスターしたと言っても過言ではありません。
ホームポジションを意識しながら、キーボードを見ずに打つ練習をしてみましょう。
あ (A):ホームポジションのまま、左手の小指で押します。
い (I):ホームポジションから、右手の中指を「K」の上にある「I」へ移動させて押します。
う (U):ホームポジションから、右手の人差し指を「J」の上にある「U」へ移動させて押します。
え (E):ホームポジションから、左手の中指を「D」の上にある「E」へ移動させて押します。
お (O):ホームポジションから、右手の薬指を「L」の上にある「O」へ移動させて押します。
ポイントは、キーを打ち終わったら、必ず指をホームポジションに戻すことです。これを繰り返すことで、指が自然とキーの位置を覚えていきます。
母音の位置を覚えたら、次は2〜3文字の簡単な単語で、子音を含むタイピングに挑戦しましょう。ホームポジションを意識しながら、一文字ずつ丁寧に入力するのがポイントです。
まずは、身近で打ちやすい言葉から練習するのがおすすめです。
短い単語の例
・あいさつ(おはよう, こんにちは)
・どうぶつの名前(いぬ, ねこ, とり, うさぎ)
・こんちゅうの名前(せみ, とんぼ, かまきり)
・くにの名前(にほん, いぎりす, あめりか, どいつ)
・すしのネタ(まぐろ, たまご, えび, いか)
・やさいの名前(なす, とまと, だいこん, にんじん)
・くだものの名前(いちご, りんご, めろん, すいか)
・ようび(げつ, か, すい, もく)
短い単語に慣れてきたら、少しずつ文字数を増やし、より長い単語や文章の入力に挑戦していきましょう。
基本的な指の動きを覚えたら、とにかくたくさん打って、体に覚え込ませることが上達への近道です。しかし、意味のない文字を打ち続けるのは退屈ですよね。
そこでおすすめなのが、歌詞が頭に入っている曲を、歌に合わせてタイピングしていく練習法です。
練習方法
メモ帳やWordなどのテキストエディタを開きます。
パソコンやスマートフォン、プレイヤーなどで、練習したい曲を再生します。
流れてくる歌に合わせて、聞こえてくる歌詞をリアルタイムでタイピングしていきます。
最初は「ちょうちょ」や「きらきら星」などの童謡や、学校の校歌など、ゆっくりなテンポの曲から始めるのがおすすめです。
慣れてきたら、自分の好きなアーティストの曲や、少しテンポの速い曲に挑戦してみましょう。
この練習法の良い点は、リズムに乗ることでゲームのように楽しく練習できることです。
また、一曲は3~5分程度で終わるので、「今日はこの一曲だけがんばろう」と決めれば、短い時間で達成感が得られ、毎日続けやすいのも大きなメリットです。
ホームポジションでの指使いに少し慣れてきたら、ゲームで力試しをするのもおすすめです。
正しい指使いを意識しながら挑戦することで、楽しみながら自然とスピードと正確性を高めることができます。
インターネットで検索すると無料で楽しめるタイピングゲームがたくさん見つかります。
シンプルなものから、RPG仕立てのもの、子供たちが喜ぶ可愛らしいキャラクターのものまで様々です。
タッチタイピングの習得に、特別な才能は必要ありません。大切なのは、
「正しい指使いを意識する」ことと、「毎日少しでもキーボードに触れる」ことです。
今回ご紹介した4つのステップを、先生ご自身のスキルアップのため、また児童・生徒たちへの指導のために、試してみてはいかがでしょうか。
タイピングができるようになると、授業準備や校務の効率が格段に上がるだけでなく、子供たちの学習の可能性も大きく広がります。
楽しみながら、練習を続けてみてくださいね。