Journal

学会誌 Journal of Ehime Management Society

Journal OF EHIME MANAGEMENT SOCIETY


学会会員による最新の研究成果を収録 

ISSN 2433-8842



 Journal of Ehime Management Society, 創刊号によせて

2018.03 

愛媛マネジメント学会  会長 西村勝志

 地方国立大学法人愛媛大学は,平成28年4月に7番目の学部として社会共創学部を設置しました.この社会共創学部は,地域に特化した学部であり,地域産業の振興を担う産業マネジメント学科,地域イノベーションの創出を担う産業イノベーション学科,人間と自然の共生を担う環境デザイン学科,埋もれている地域資源を発掘・活用を担う地域資源マネジメント学科の4学科を設けており,地域活性化をもたらすべく,地方が抱える諸問題をほぼ網羅した形で,その解決を図るとともに,地域社会を牽引するリーダーを育成するために設立されました.この社会共創学部が新設されたことを契機に設立されたのが,一般社団法人愛媛マネジメント学会です. 

マネジメントという概念は,そもそも従来は,企業の経営活動を前提とした企業管理・経営管理(あるいは管理者)として限定的な意味合いを持っており,管理のための(分析・評価)/判断(改善・回避)/(統合・廃合)/(指揮・統制)/(企画・運営)/組織化など様々な要素を含んだ総合的な手法として取り上げられていましたが,今日では,岩崎夏海の小説「もしドラ」のように,その組織も企業組織に限定されるものではなく,その対象は広がりをみせるようになってきました.その役立ちも,一層拡大しているように思われます.

本学会は,マネジメントの対象たる産業を,マクロ的視点からの地域の経済社会と,ミクロ的視点から地域の経済社会を支える企業経営とに分けて捉えた上で,産業マネジメントの理論研究及び実証研究及びマネジメント教育,並びに産業経営の指導・改善の発展を推進するとともに,産業マネジメント学の確立,地域産業の発展に寄与することを目的としております.本学会の具体的な活動には,学術機関誌の発行,研究会や講演会等の開催,学術研究調査の実施,産業マネジメント学の教育及びその啓蒙など,様々な活動が含まれます.これらのうち,本研究機関誌は,産業マネジメント学の確立及びその理論研究・実証研究,その成果を実社会や教育の現場に活かすための研究に関する成果を発表する場として機能するものです.また,愛媛大学社会共創学部産業マネジメント学科の教員及び学生を会員として,当該会員による投稿で成り立つものであります.

地方創生が叫ばれる今日,各地域の産業を取り巻く環境は著しく変動しております.こうした中で,産業マネジメント問題を解決へと導く研究などが本学会誌で数多く成果発表されること,そして地域産業界の方々からの忌憚のない御意見等をいただくこと,それらのことがやがては地域社会に持続可能な発展をもたらすことを,会長として大いに期待しております.