登壇者:上田渉さん、吉田和夫さん、松田拓さん、久島玲さん、佐久間弘明さん
(本文では、名字のみで敬称略)
佐久間:はい、それでは皆さんお集まりいただきましてありがとうございます。只今より特別企画、20周年記念対談を始めたいと思います。この企画は全日本大学ディベート選手権大会の20周年を記念しまして、ディベートに選手やジャッジ、運営など様々な立場で携わっている方々にご登壇をいただき、例えばですね、今の動画のような思い出のような話から実際にディベートとの関わり方ですとか、ディベートに対する思いみたいなものを伺っていけたらと思っております。私は本日司会を務めます、CoDAの理事をしております佐久間弘明と申します。私は一応今の動画で言いますと、第14回から第17回の全日本ディベート選手権大会に出場しておりまして、その頃はITBというサークルの一メンバーとして出場しておりました。今はもう社会人になっておりますけれども、未だにこうした形で大会とも関わらせていただいております。それではですね、早速本日の登壇者の皆様をご紹介したいと思います。登壇者の方々はですね、お名前に加えてご自身の全日本大会ですとかディベートとの関わり方について簡単にですね、最初に自己紹介いただければと思います。それではまず、上田渉さん、よろしくお願いいたします。
上田:はい、お願いします。全日本ディベート連盟代表理事の上田でございます。皆さんよろしくお願いします。元々はですね、全日本ディベート連盟の創設時の、NPO創設時の理事になっていました。その後、昨年ですね、前代表理事の瀧本さんが亡くなられまして、その引き継ぎという形で代表理事にならせていただきました。よろしくお願いします。
佐久間:よろしくお願いします。それでは次に、吉田和夫さん、よろしくお願いいたします。
吉田:はい、よろしくお願いします。吉田和夫と申します。2006年より、CoDAで、全日本ディベート連盟で理事をさせていただいております。現在は関西創価中学校の教員として、ディベート部の顧問として活動をさせていただいております。本日はよろしくお願いします。
佐久間:よろしくお願いします。それでは次に、松田拓さん、よろしくお願いします。
松田:はい、現在CoDA理事を務めております松田です。私はですね、多分2011年からですね、なので多分さっきのムービーで言うと、時が流れてぐらいのところから選手として関わり始めて、第15回ぐらいから、運営として携わらせていただいています。本日はどうぞ皆さん、よろしくお願いします。
佐久間:ありがとうございます。よろしくお願いします。それでは続いて、久島玲さん、よろしくお願いします。
久島:はい、久島玲といいます。東京大学の大学院で議論とか教育とかについて研究をしている身です。今、松田さんが第15回からこの大会の運営に携わるようになったという風に仰っていたんですけど、まさにその第15回から大学一年生の選手として出場して、昨年までですね、15、16、17、18、19と5回出場させていただきました。よろしくお願いします。
佐久間:よろしくお願いします。それでは皆さん、ありがとうございました。早速ですね、このメンバーで対談を始めたいと思います。では最初のテーマがですね、過去の思い出と言いますか、自分にとっての全日本大会みたいなことをお伺いしていければと思っております。先程、記念ムービー、皆様にご覧いただいたかと思うんですけども、全日本大会の20年の歴史の中だと何百もの試合がですね、その中で行われてきたっていうことになります。まずはですね、その全日本大会の中で、登壇者の方々が印象に残っている大会のことですとか試合のことについて伺っていければと思います。では最初に久島さん、いかがでしょうか。
久島:はい、ありがとうございます。そうですね、今の自己紹介からもお分かりの通り、多分私が一番最近の時期でこの大会に出場した身かなという風に思っています。ちょうどですね、今回の大会に向けて毎週連載されていたCoDA Pressという記事の中で、歴代優勝者としてコメントを寄せるっている機会がありまして、そこに「達成感とか歓喜の一方で悔しさとかすごい色々な感情が入り混じったような思い出だ」ということを書かせていただきました。一番最初に出た第15回大会は、実はまさに今司会をしていらっしゃる佐久間さんに引っ張ってもらって、先輩に全てを引っ張ってもらいながら頑張って出まして、あの大会が実は私にとって大会で優勝するという初めての経験になりました。だからそのときはまだ本当に何も分かんない状態だったんですけど、そこから重ねていって、18回大会のときに今度は大学4年間をともに過ごした仲間たちと一緒に、同期で優勝を飾るっていう、何ていうんですかね、ロマンのある少年漫画っぽいことができて、すごくあれは思い出に残ってます。もちろん、優勝という結果もそうなんですけど、大学4年間を同じ部で過ごした仲間と一緒にっていうエモさみたいなものもありますし、あとは何ですかね、因果推論を頑張ろうみたいなそういう一本のこだわりみたいなものを持ってシーズンを通していったみたいなのも、すごく楽しかったです。記憶に残ってるのはそのときの準決勝で、結構勝ったか負けたか怪しいみたいな試合だったんですけど、試合が終わった瞬間にパートナーの一人がクルって僕のほう向いて、「最強の立論だと思います」っていう風に言ってくれたのが、すごい不意打ちで僕その場で涙出ちゃって、そういう思い出もあります。その後、第19回で後輩と一緒に出たのですが、先輩と出て、同期と出て、後輩と出て……みたいなそういう流れもあって、5回とも楽しい大会でした。一方で、決勝戦で負けてしまって、しかもその負け方が「あのときもっとこうすれば良かった」みたいな、全てを出しきれなかったが故の敗北みたいな経験もあって……。あれ思い出したら結構眠れなくなっちゃうんですけど、そういう悔しさもあって本当に色んな思い出をくださった大会だという風に思っています。はい、ありがとうございます。
佐久間:ありがとうございます。やっぱり5回ずっと出てらっしゃって、シーズンをある種引っ張っているような選手としての視点で伺えたかなと思って、すごく面白かったです。そしたら続いて松田さん、いかがでしょうか。
松田:はい、そうですね、私もなんですけど、本当に毎大会思い入れがある大会だなと思っていて、私、中高生でもディベートやってたんですけど、多分本格的にというかメインでやり始めたのは大学なのかなと思ってます。やっぱり始めたてなので全然勝てなかったんですね、始めの方は。大学一年の12月の今の冬にやってたんですけれども、最後の冬のシーズンになって、やっとある種、格上のチームじゃないですけれども、に勝てて。すごい一年生で出て良かったな、成長を実感できたなみたいなことがあったっていうのを覚えてます。また二年生では、決勝に出させていただいたので、そういった意味ではディベートをずっと続けてたりだとか、あとは自分がちょっとずつ成績として成長していったということをすごく感じられる大会だったんじゃないかなという風に思っています。あとせっかくなので私の印象的なエピソードを一つだけ話しておくと、ある年の全日本の大会で、強豪チームがいたんですけれども、練習試合とかではよく「ファイナルで当たりたいね」みたいなことを話していたんですが、組み合わせの妙でですね、そのチームと準決勝で当たりました。なので、すごい頑張って戦ったんですけれども、結果としては負けてしまいました。ファイナルにそのチームが出られてそのチームが優勝したんですね。大会とか試合が終わった後に、そのチームのあるディベーターのところにですね、おめでとうございますという風に挨拶をしに行きました。そのときにですね、君たちがいたからこそ目標になれて頑張ることができたという風に仰っていただいて、そういう風な目標になれたんだっていう風に思えたのがすごい嬉しかったなという風に思ってますし、その後、その当時っていうのはムービーにもあった通りですね、読売新聞社さんがついていてですね、商品とかが出てたんですね、図書カードなど。その優勝チームの方がですね、もらっていた商品の図書カードをですね、一枚ずつですね、私たちのパートナーに配ってくれたっていうすごい熱いエピソードがあってですね、そのときに「おおまじか」みたいに思ったんですけれども、今でも何年も仲良くさせていただいている方なんですが、ある種青春っぽいエピソードもあったりだとかして、自分にとっては非常に感慨深い大会になってます。以上です。
佐久間:ありがとうございます。やっぱお二人ともすごい熱いエピソードが出てきますね。シーズンを通してとか、大学を通して成長していくみたいなところがすごく魅力なのかなという風に思いました。では続いて吉田さん、いかがでしょうか。
吉田:はい、私は選手をやってたのは大学2年生のときで2006年の大会のときなんですけども、当時はまだ全日本学生ディベート選手権大会といって、今でこそ全日本大学ディベート選手権大会という風に名前が変わってますけど、当時はまだ学生と呼んでた頃の大会です。そのときには優勝させていただいたんですけど、それよりも思い入れが強いのは、やはり、先程松田さんからもありましたが、以前読売新聞社が大会の後援に2010年、2011年よりは主催に入っていただいた過去がありまして、それに向け私自身CoDAの理事として、新人大会並びに全日本の大会の規模を拡大するっていうのが、当時としてCoDAに課せられてたことかなという風に思います。そのために、色んな部分で、スタッフの育成や大会のフォーマットとかそういった部分を考えていくっていうのが一つ整える仕事があったのかなという風に思ってます。当時なかなか全日本の大会っていう名前に近づけるためにもっと色んなところの大学生を声かけて出場してもらおうということで、関西でもセミナーを開いたりして、関西の大学生の多くが出場するような規模になったのがちょうど2011年頃になるかなという風に思ってます。そういった部分で、何度か読売新聞社の本社とかにも打ち合わせに行かせていただいたりとか、メールを毎日、当時もすでに社会人だったので仕事とは別に夜毎日メールを見ながら外部の渉外業務等を行って、大会を作って一人でも多くの大学生のディベーターが活躍する場を作っていくということを目指してたのが当時の思い出になってます。はい、以上です。
佐久間:ありがとうございます。やっぱり全日本を拡大させていくっていう大会を作っていくみたいなところのすごい面白いお話だったなと思います。そういう意味ではやっぱりコミュニティーのある種の草創期に関わられてたっていう意味で上田さん、いかがでしょうか。
上田:そうですね、私の場合多分皆さんの経験とかなり違っていて、ディベートコミュニティーの黎明期にいたんですよね。当時は全日本ディベート連盟ができる前だった、できて同じぐらいかなのときに、最初学生団体というか、各大学のディベート関連の部活からですね、一人理事を派遣してみたいな形で立ち上がったんですよ。私の場合は東大弁論部のディベート部だったので、そのディベート部の方から私が出て、あとは同じく東大弁論部の先輩の瀧本さんがアドバイザーでいてみたいな状態だったんですね。その後、NPO化するっていうタイミングで、瀧本さんが代表理事になって私が理事の一人になってみたいなんで立ち上がったんですけど、なので本当にまだ大会の運営とかそういうのも本当に手探りというか、こういう風にやっていくとディベートは広がるのかなみたいな感じで、ぼわーっとしながら進んでいてですね、その後、私が大学卒業とかですね、社会人になってから引き続きずっと続いていって、今だと本当にここまできちんと運営されていて本当に素晴らしいなと思うんですけども、当時のインフラ状況とかとですね、比較するとかなり全然今と環境が違うのですごい興味深いなと思って見ています。
佐久間:ありがとうございます。そうですね、まさにCoDAがそもそも発足する前みたいなところのすごい貴重なお話を伺えたなと思います。早くも時間が結構あれですので、早速次のテーマにいってしまおうかと思います。次のテーマがですね、ディベートに関わるっていうことのモチベーションみたいなところをお伺いできればなと思っています。先程自己紹介いただきました通り、様々な立場でですね、かつ長い期間皆さんはディベートに関わっていただいているんじゃないかと思っているんですけれども、ディベートに携わり続けていらっしゃる理由とか、そこのモチベーションになっているようなディベートの魅力みたいなところをまた次はお伺いできればなと思っております。では、最初に上田さん、いかがでしょうか。
上田:そうですね、ディベートって未だによく、正確には技能というか能力的な部分をすごいずっと活用し続けていて、学生のときもそうですし社会に出てからものすごい役立つんですよね。特に色んな人と議論して、仕事って議論をしてどんどん詰めていくものなんですけれども、やっぱりそこの議論のテクニック的な部分というか思想というかそういったものっていうのはディベートが基礎体力みたいな部分で、いつでも役に立つんですよね。その一方で、ディベートを知らない人っていうのも世の中に沢山いるんですよ。当然そういう人が社員として入ってくるんですよね。そうすると、そういう人に議論とはこうやるんだよっていう議論のフレームワークって言うんですかね、そういうのをインストールすることでやっぱり仕事のクオリティが一気に上がるんですね。そういう意味ではディベートっていうフレームワークを持ってるか持ってないかっていう差っていうのは、社会に出てからものすごい大きな差になってくる。ただ、それを自分のものだけに独占する必要は全くなくて、チームでやっぱりディベートをベースに議論していった方がいいわけですよね。なのでチームにインストールしていくっていうことをやると、全体の仕事のクオリティも上がっていくっていうことでですね、良いスパイラルが生まれてくるんですよね。そういったものをディベートの素晴らしい魅力だなと思っていてですね、CoDAだと今社会人向けのディベート研修とかやってるんですけども、そういったものをどんどんどんどん広げて世の中にディベートを広げることによってですね、より良い日本にしていきたいなと思っています。
佐久間:ありがとうございます。やっぱり社会に出てからっていう意味だと、まさに仰ったようにチームマネジメントの中とかでもすごくディベートっていうのが活きてくるっていうことだなと、私も社会人としてすごく痛感するところがあります。ちなみに上田さん、2019年に代表理事になられたということですけども、そのときの思いとか、ディベートを活かす、ディベートを広めていくってことでどういった思いがあったとかってちょっと伺ってもよろしいですか。
上田:そうですね、やっぱり直接のきっかけは前代表の瀧本さんが亡くなられたってこともあったんですけれども、もともと瀧本さんって私の弁論部時代の大先輩で、あと私が創業したオトバンクっていう会社の役員でもあったんですよね。なので、瀧本さんと最初に一緒に立ち上げた全日本ディベート連盟で、そこを引き継ぐってことに関しては実は全く違和感なく入れたし、あとは瀧本さんがずっとディベート甲子園だったりとかディベートのコミュニティーに関わられて、一生懸命やってらっしゃったってことはよく知ってますし、瀧本さんが最初に『武器としての決断思考』っていう本を出版されましたけど、そのときに僕、微妙に関わっていたりもするので、そういう意味ではディベートを広げるっていうこと自体は全くそのようにすべきっていうことでずっと思ってましたから、そういう意味では不幸な形での引き継ぎにはなりましたけれども、瀧本さんの遺志を継ぐべきだと思ったのでですね、こういう風に活動させていただいているという感じですね。
佐久間:ありがとうございます。そうですね、やっぱりディベートを社会に広めていくっていう意味でCoDAとしての活動がまだまだこれからも必要になってくるんだろうなと私も思っております。それでは続いてですね、吉田さん、いかがでしょうか。
吉田:はい、私は今、学校の教員として携わってるんですけども、生徒にディベートを教えるっていうのはなかなかハードルが高い中で、特に中学生だと形を作っていくのはなかなか難しいなって最初痛感してたんですけど、やっと今、こっちに来て大阪にきて6年目なんですけども、すごい生徒が活発に活動しだしたかなっていう風に思っています。そこまでのハードルも高かったんですけど、あと中高生の大会であるディベート甲子園に出場はできてもやはり未だに優勝は、指導者としてそこまでは導けてないので、すごい大変かなと思いつつも、ディベートやっていくってことの大切さを、勝つことだけじゃなくてディベートやっていくことの大切さってことは生徒にすごい呼びかけることができたのかなっていう風に思ってます。非常に楽しんでやってくれていると思うので、なぜか全然何か意図したわけでもないんですけど、今年、自分の今関わっているディベート部の一年生が、去年は3人しか入部しなかったのが今年10人も入ってきたので、3倍入ってきたんで、非常に今頑張って育成してます。そういった部分で、ディベートに関わり続けるってことは、スポーツとかの世界と違って目で見える形での成長がなかなか見えにくい部分ですけど、そうやって成長してる部分を後輩に教えていくとか、またこうやって生徒に教えていく中で、そういった成長を見れるっていうのがすごい非常に今は魅力的だと思いますし、自分自身がディベートに関わってきたからこそ、ディベートの大切さであったり、少しでも時間制約がある中のものであったり、コンパクトに伝えていくっていった部分はすごい大事になってくんじゃないかなって思いながら、日々伝えてってます。非常になかなかもっともっと成長して欲しいと思いつつもここまで頑張ってくれてる姿を見るだけでもすごい楽しいなっていう風に思ってます。はい、以上です。
佐久間:ありがとうございます。最初の久島さんの話とかにもありましたけど、例えば先輩と後輩っていう直近の関係をとってもやっぱり受け継がれていくものとかってあるし、例えばまさに顧問されている部活とか、そういう意味でも縦で繋がっていくっていうこともすごくあるんだろうなって今のお話を聞いててすごくリアルに感じるところがありました。ありがとうございます。じゃあ続いて松田さん、いかがでしょうか。
松田:はい、そうですね、じゃあ私の方から手短に。私、運営という立場かなというところだと思っているんですけれども、まず自分が楽しんでいた大学のディベートっていうものを守りたいなみたいなモチベーションは大きいかなと思いますし、またそういった大学生の皆様を応援していきたいなというところはあるのかなという風に思っています。例えばこの運営ですね、今回もそうですけれども多くの方がボランティアとして関わっていただいてます。今、登壇者の方が映ってるバーチャル背景も運営の皆さんが作ってくださったりとかしています。こういった大変なこととかも色々とあると思うんですけども、終わった後に良い思い出だったなという風に思っていたりだとか、あとは良い経験だなという風に持ってもらいたいなっていう風に思っています。なので、楽しいっていうのもそうですけれども、そういったボランティアの皆様に還すものという意味で言えば、そういったちょっとした仕事の進め方だったりとか、そういったアドバイスとかをしながら、そういったところを教えながら、何か皆さんに持ち帰るものがあればなということは日々思いながら関わっているような形です。こんな偉そうなこと言ってますけれども、まだ自分自身も色々模索状態ですし、運営の仕方も結構年によってコロコロ変えたりとかしています。なので、その辺りはちょっと手探りではありますが、そういった形で学生の皆さんと一緒に成長していければという形で考えていますというところです。
佐久間:ありがとうございます。そうですね、運営っていう視点で今お話しいただきました。まさに今言っていただいた通りで、ボランティアスタッフの皆様に支えられて大会が成り立っているところはすごくあるなっていうところは私自身も実感しております。そういう意味では、例えば新人戦の実長なんかも昔久島さんにやっていただいたこともありますし、現役に近いっていう立場も含めて久島さん、いかがでしょうか。
久島:はい、ありがとうございます。新人戦の実行委員長もですね、佐久間さんもやってたし、私がその後にやっていて、またそこも繋がりがあるなって今思いました。そうですね、運営は本当に松田さんとか本当に色んな方々に頭が上がらないっていう感じですけど、色んな議論空間があっていいと僕自身は考えていて、そういうことに一つでも寄与できたらいいなっていう思いでいました。例えば私が新人戦の実行委員長やらせていただいたときの話をしますと、ちょうど先程の決勝戦のジャッジをしていた極山さんっていう方が実行委員にいて、彼とか彼ら何人かが提案したことで、オンラインでの練習試合とか、指導者がいないチームに向けてメンターを派遣するとか、そういう取り組みが始まりました。そんな風に、ある人が参与することによって、新しく生まれてくる視点とかっていうのがあるので、そういうところが魅力だなと思っています。今のは運営の話でしたけど、自分がジャッジをしたり、あとは最近だと講師を頼まれたりする機会も光栄なことに増えてきましたし、選手をしてるときもそうなんですけど、自分が何かしらやる話、講評だとか、あるいは試合中で展開する議論だとかを見て、「あっ、そういう視点があったのか」みたいな、そういう形で見ている人の知的好奇心を何かしら揺さぶれるようなものが提供できたらいいなっていう風な、そういう側面もあります。はい、そんなところで。
佐久間:ありがとうございます。運営とあと選手みたいな色んな立場でのお話を伺えました。ちょっとですね、かなり早くも時間が押してまいりましたので、最後の質問に一言ずつだけいただこうかと思います。最後のテーマがですね、社会人とディベートとか学部を出てからのディベートっていうことで、ある種社会人とかになると仕事もありますし、ディベート以外の活動っていうものとディベートにどういう繋がりがあるのかなっていうようなことをちょっとお伺いできたらと思います。では最初に久島さん、いかがでしょうか。ちょっと、すみませんが一言ずつでお願いします。
久島:一言ですよね、はい、今私修士でして、やっぱり何かを書くっていう仕事が概ね基本で、何かを調べてそれについて書くっていうことが必要なんですけど、やっぱり強制的に両サイドを見て調べてから書くっていうディベートにおける経験はすごく強いなって思っています。それがあるからこそ、多様な視点に気を使ってものを書くっていうことが一応習慣化できているのかなっていう風に思うところです。はい、ありがとうございます。
佐久間:ありがとうございます。では続いて松田さん、いかがでしょうか。
松田:はい、そうですね、多分続けることによってディベートって色んな見方が出てくるのかなって思ってます。それは立場とかも選手から運営だとか、そういったところもあると思うんですけれども、同じ立場ででも多分続けていくことによって見え方とか全く変わってくると思うんです。例えば私が選手として大会に出るときとかは、私IT系のコンサルタントをしてるんですけれども、死刑の論題とかであれば多分絶対触れないような刑法についてだったりだとか、そういった調べたりするんですね。多分それがそういったことが、リベラルアーツじゃないですけれども、意味を感じることだとか、そういうのって始めた頃とか全然気がつかないところになるんですけれども、継続は力なりといったところで、続けることによってそういった様々な視点を見せてくれるっていうのがディベートの良いところだと思うので、ぜひ皆さんですね、色々な形でディベートに関わっていただきたいなという風に思います。以上です。
佐久間:ありがとうございます。それでは続いて吉田さん、いかがでしょうか。
吉田:はい、私の仕事が生徒相手の仕事なので、何よりも問う力っていうのがす非常に大事になってくるのかなって、どこに問題があるのかっていう本質もね、考えていかないといけないっていうところが、大きいかなという風に思ってます。あと、話の持っていき方とか説得したい部分とか、特に保護者対応でもジャッジアダプトの考え方がすごい活きてきてますんで、すごい今、振り返ると大事だなという風に思ってます。考え方やそういった基礎の部分っていうのは、選手やレクチャーをさせてもらう中で、伸びてきた部分だと思いますし、社会人としての基礎や土台になっている部分っていうのは、大会の運営やスタッフさせてもらったり、理事として色々な仕事をさせてもらってことが、今本当の仕事の役に立っているなという風に思うので、ぜひ皆さんには選手だけじゃなくてそういうスタッフとかの仕事もどこかで触れていただければ、社会人になっていく上で非常に大事なことを学んでいけるんじゃないかなと思います。頑張ってください。
佐久間:ありがとうございます。それでは最後に上田さん、いかがでしょうか。
上田:はい、さっき話した内容と被ってしまう部分があると思うんですけれども、やっぱり社会に出てからディベートっていうのは、その能力っていかようにでも発揮できるというか、活用できる場って沢山あります。特に、結構社会に出ると忖度による意思決定とかよく起きるんですよ。そこでいかに忖度させないで意思決定させないといけないかっていうところで、そういうのをさせないでするシチュエーションでですね、ディベートって活躍したりですね、よくするわけですね。その一方で、ディベート能力を使いすぎると喧嘩になるっていうケースも社会によくあってですね、特に論破されると感情的になるおじさんとかよく現れるんですよね。そうなると、どの段階でおじさんに議論的な逃げ道を作ってあげるかみたいなところとかですね、メンタル的な落とし所を用意してあげるかとかそういうところも気を使いながらやっていくというか、追い詰め過ぎないディベートとかそういうのも結構重要になってくるんですよね。あと、早口過ぎて相手にムカつかれるとかですね、そういうことも起きたりするのでですね。立論読むときぐらい早口で行くと死んでしまうんですけども、そのあたり手加減してあげながらやっていったりすると心の余裕が生まれたりですね、「あっ、このおじさんディベート分かんないんだな」と思いながら話してあげると、心が豊かになれたりするんで、馬鹿にしろっていう話では全くないですよ。ではなくてその人のTPOですとかですね、立場とかですねそういったものに気を使いながら、上手いことディベートを使ってその場をコントロールしていくというですね、そういう高レベルなノウハウができたりするんですけど、そういうところでディベートっていうのは色んなところで活躍しますので、ぜひ皆さん、今持っているディベートノウハウとか能力っていうのを活かしてですね、より良い人生にしていって欲しいなと思います。
上田:はい、さっき話した内容と被ってしまう部分があると思うんですけれども、やっぱり社会に出てからディベートっていうのは、その能力っていかようにでも発揮できるというか、活用できる場って沢山あります。
特に、結構社会に出ると忖度による意思決定とかよく起きるんですよ。そこでいかに忖度させないで意思決定させないといけないかっていうところで、そういうのをさせないでするシチュエーションでですね、ディベートって活躍したりですね、よくするわけですね。その一方で、ディベート能力を使いすぎると喧嘩になるっていうケースも社会によくあってですね、特に論破されると感情的になる方もよく現れるんですよね。そうなると、どの段階で議論的な逃げ道を作ってあげるかみたいなところとかですね、メンタル的な落とし所を用意してあげるかとかそういうところも気を使いながらやっていくというか、追い詰め過ぎないディベートとかそういうのも結構重要になってくるんですよね。あと、早口過ぎて相手にムカつかれるとかですね、そういうことも起きたりするのでですね。
立論読むときぐらい早口で行くと死んでしまうんですけども、そのあたり手加減してあげながらやっていったりすると心の余裕が生まれたりします。その人のTPOですとかですね、立場とかですねそういったものに気を使いながら、上手いことディベートを使ってその場をコントロールしていくというですね。
そういう高レベルなノウハウができたりするんですけど、そういうところでディベートっていうのは色んなところで活躍しますので、ぜひ皆さん、今持っているディベートノウハウとか能力っていうのを活かしてですね、より良い人生にしていって欲しいなと思います。
佐久間:ありがとうございます。皆様、本当に色々なお話ありがとうございます。今の最後のセクションもですね、一個一個振り返るのも難しいですが、例えば多様な視点を得ることとか問う力をつけるとか、ある種コミュニケーションの中で議論文化みたいなものを活かしていくっていうような色んな視点のお話を伺えたかと思いますし、そういうある種のカルチャーというか価値観みたいなものがきっと社会に出てからとか、色々な立場に、他のディベートの試合の外でも活きてくるんだろうなということ、すごく感じました。ぜひ、こういったお話も含めてですね、改めてディベートの良さみたいなものを皆さんに気づいていただけたらなと、幸いです。では、まだまだお話色々伺いたいなとすごく思うんですが、残念ながら既にお時間ちょっと超過してしまいましたので、これで20周年記念対談を終了したいと思います。短い時間ながらですね、貴重なお話をいただきました登壇者の皆様、ありがとうございました。
登壇者一同:ありがとうございました。
佐久間:では、対談企画、終了とさせていただきます。