ごとうさえの
言技(ことわざ)
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事業(ことわざ)
#351~
本当はどんな事業活動をしているか、ご紹介したいんです。
でも…やはりダイレクトには語れません!!
と、いうことで、チアーマンサポートの事業周辺情報&
後藤さえの独り言を、つづらせていただきます。
宜しくお願い申し上げます。
※ことわざ#1~#100はこちら。
#101~#200はこちら。
#201~#300はこちら
#301~#350はこちら
経営計画・事業計画の大切さシリーズ、今回は3回目です。
なぜ計画が必要なのか(←過去の記事はこちら)
1.俯瞰図(←過去の記事はこちら)
2.経営課題と基本方針(←過去の記事はこちら)
3.アクションプラン
本日のテーマは「アクションプラン」です。
計画を作成するにも、数字だけなら、いくらでも「創造」できてしまいます。当然それでは計画の意味はなく、達成に向けて対策を考え、実行していく必要があります。
多くの企業様でも、予算は策定されるのですが、その達成のための具体策を設定し、一定期間ごと(たとえば月次)にKPIでチェックする、という体制ができておられるところはあまり多くないのではないでしょうか?
予算や計画、というと、少し畏まっているので、身近な例として、ダイエットを挙げてみたいと思います。私のコンサルティングを受けてくださった企業様の中には聞かれたことがある方もおられるでしょう。
たとえば、「来年の夏までに5キロやせる!」という目標を立てたとします。これを実現するために、どんなことをするか、あれこれ考えて決めませんか?
摂取カロリーを一日〇kcalまでにする。
よく噛んで食べる。
高たんぱく、低糖質を心がける。
週〇日〇キロ、ジムで走る。
会社や電車では階段を使う。
…などなど。
こういった具体的な作戦と、やったかどうかという数値による可視化が、目標を常に頭に入れ、そのプロセスを大切にチェックしたり、途中で反省したり、見直したりして来年の夏の5キロ減を目指せるのです。
ただ…ダイエットをされたことがある方ならお分かりかと思いますが、人生色々なので、ダイエットのためだけに、家族や友達まで上記具体作戦に巻き込むわけにもいかず、時としていつもよりも多く食べてしまう日も出てきます。計画も3歩進んで2歩下がる、というように。
会社だって、予算のためだけに、まったくの無駄を払わずに定型化できるわけではありません。きっと予算達成のためには邪魔になることもあるでしょう。そのため、それらをすべて実施したら目標の5キロ痩せられるだろう量よりも、多めに設定しておくことも大切です。営業も訪問した企業のうち、何パーセントが成約できるでしょうか。そのあたりも含めてアクションの内容と量を決めないといけません。
出展:中小企業庁HP「早期経営改善計画策定支援」
こういった緻密な戦略は、実際新年度が始まってしまうと、殆ど考えられない状況になります。事前によく考え、余裕を見て誰が、何を、いつ、どうやって行うか、プロセスや可能性を創造しながら検討し、可視化していきましょう!一つのマニュアルとしても使えますので、社内で複数の人間が確認することができ、同じ方向に向かって協力しあえます!!
計画は無用、計画づくりが不可欠
Plans are Useless, but Planning is indispensable
ドワイト・D・アイゼンハワー
2025/10/20
経営計画・事業計画の大切さシリーズ、今回は3回目です。
なぜ計画が必要なのか(←過去の記事はこちら)
1.俯瞰図(←過去の記事はこちら)
2.経営課題と基本方針
本日のテーマは「経営課題と基本方針」です。
企業様の予算・目標策定のお手伝いをさせていただくとき、「とにかく数値化しなきゃ!」という意識が強くなりがちなケースによく出くわします。もちろん予算は数字ですし、数字を使うことで評価もしやすくなります。また数字を使って目標値を共有することで、「このぐらい」「すごく」といった主観的・抽象的な表現ではなく、誰もが同じ量的感覚を共有できることも、大きなメリットです。
しかし!!数字を使い始めると「数字だけ」になりがち。あくまで数値は目標値や現状を表す序列や量なのですが、あるべき目標値と現状値の差を、いかに埋めるか、は会社の「方針」が大切になってきます。
「方針」とは、例えば、A,B,Cという商品を販売している会社があり、Aは非常に人気で、昨年度100万個売れた。Bはその次で年間50万個売れた。CはA,Bほど売れず、7万個しか売れなかった、とします。会社としては、A,B,Cの市場や環境、商品ライフサイクルや利益率を加味し、
現状維持でAをたくさん売る広告や営業の戦略にするのか
Cが売れていないが、市況から将来性があると見込み、Cの認知度アップに注力するのか
BがAほど売れていないのは、商品の仕様に問題がある、と捉え、Bの仕様改良に注力するのか
などなど、大きな方向性として、どの方針でいくのか、何を優先的に取り組むのか、検討することになります。
なぜ「方針」が大切なのでしょうか?上記1,2,3が大切なら、全て取り組むべきかもしれませんね。でも、皆さんの会社はいかがですか?やろうと思ったこと、全てできますか?予算の面、労力の面、管理の面…。時間もお金も労力も限られています。その中で、能力を上回ってすべて取り組もうとすると、二兎を追う者は一兎をも得ず、結局は何も成さず、疲れやそれによるミス多発など、嬉しくない副産物を生んでしまいます。
中小企業庁のホームページに掲載されている「早期経営改善計画策定支援」事業の、事業改善計画書のサンプルを掲載します。課題と方針が、明確に、シンプルに書かれていますね。
出展:中小企業庁HP「早期経営改善計画策定支援」
期初に目標は張り切って立てるけれど、期末に振り返り、反省し、自社の弱いところ、伸ばすべき強いところを客観的に認識し、社会や市場でどのように受け入れられるか。どんな作戦でいくのか。なんでもかんでも売上増加のためにやるのではありません。会社の立ち位置や状況を俯瞰図で示したあとは、課題をマークアップし、どう立て直すか、どう伸ばすか、社員にメッセージを送りましょう。そうすることで、作戦は確実に取り組まれます。会社が一丸となって前進していくための、大切な経営陣のお仕事になります。
二兎を追う者は一兎をも得ず
2025/10/6
経営計画・事業計画の大切さを先週よりシリーズでお送りしております。先週は、なぜ「計画」が必要なのかを書かせていただきました、今週からは、国の中小企業施策の一つである、早期経営改善計画事業でサンプルとして挙げられている計画書の各パートを見ていきたいと思います。今日はその一回目、「俯瞰図(ふかんず)」です。
俯瞰図とは、書いて字のごとく、高いところから全体を平面的に見えるように描いた図のことです。中小企業庁のホームページに、早期経営改善計画策定支援の際、求められる計画書のサンプルがありますので、ここに掲載させていただきますね。
出展:中小企業庁HP「早期経営改善計画策定支援」
上記のとおり、会社の組織全体を平面的に表すだけでなく、どこから仕入れ、誰に売るのか、それ以外に、会社事業に関係ある取引先があれば、その関係を描きます。
多くの企業様では、自分の担当部署・担当業務以外は何も分からない、何をやっているかも知らない、ということもよく聞きます。担当者レベルならそれでも良いのかもしれませんが、管理者や経営者となると、会社が置かれている業界や社会、そして内部の動きとその関係を把握しておく必要があります。昔からず~っと同じことをやっている、という会社さんも、その会社さんを取り巻く環境は時々刻々と変化しています。それが業績悪化につながる環境の変化なら、内部をどうにか調整することにより、環境の変化に対応し、耐えていかなければいけません。
企業経営者さんは、大抵企業内の問題点は理解されています。しかし、問題の詳細は分かっていても、その問題の箇所とその他の部分の繋がり、関係については、客観的にご理解されていないことが多々あります。いや、分かっていても、意識ができていない、といった方が正確かもしれません。問題を見すぎると、全体が見えなくなってしまうのは会社だけではありませんよね!まさに、木を見て森を見ず。
計画を立てるには、まず、会社が置かれている状況と会社そのものの、ありのままの図を平面的に示して客観視しましょう。ここから始まります!
木を見て森を見ず
2025/9/29
私達、中小企業診断士は、多くが個人事業主として、個人のコンサルタントとして活動しておりますが、どうしても一人で経験できることや得られる知識・情報は限られています。そこで、当社では「ちょっとITプロジェクト」というチームを中小企業診断士のメンバーで作り、遠隔で情報共有をしたり、一クライアントに対してチームで対応したりして、互いに補完しあい、また研鑽しております。そして、今このチームで是非取組を増やしたいのが「計画策定支援」です。
なぜ計画が大切なのでしょうか?
前回までは、経営者が思っていることを従業員に聞いてもらえるように・実行してもらうようにするには何が必要なのか、それができていない場合、何が足りないのか、ということをシリーズでお話してきました。
そこでも述べておりますが、経営とは、非常に広範囲のものをコントロールすることであり、従業員さんに「これをしておいてください」と初めに頼んでおけば、勝手に物事が進んでいく、ということは決してなく、時々レポートしてもらって状況を共有したり、思った方向に進んでいない時は原因・対策を一緒に考え、優先順位を決めて対応してもらわないといけません。
さらに、創業したばかりで、数人の気心の知れたメンバーだけの時代ならともかく、事業が軌道にのり、新しいメンバーが加わって、過去の経緯など知らない社員が増えてくると、ゼロからの説明は必要になりますし、ちゃんと理解し、その通り動いてもらっているかは定期的にチェックしないといけません。
さらに企業が大きくなってセクションができてくると、社長は全社員の動きまで管理できなくなりますから、中間管理職が威力を発揮し、会社の意向を受けて、その命に正確に従えるよう、現場を管理していかなければなりません。そうすると、セクションや担当ごとに、やることも、管理するポイントも変わってきます。そして組織は複雑化し、外的環境の影響を受けやすいところ、受けにくいところ、色々出てきます。
そんな中でも組織を前に進め、異なる仕事を行う組織内のメンバーに、経営方針への理解と、やる気をもって継続的にとりくんでもらうには…?具体的な作戦が必要で、それも覚えていられないので、地図が必要なのです。それこそが、経営計画。それなしにただ売上数値を目標として掲げていても、届かないのです。次回からは、具体的な計画の中身について、お話しますね。
計画のない目標は、
ただの願い事にすぎない
A goal without a plan is just a wish
サン=テグジュペリ
2025/9/22
最近、あちこちでコロナ流行の話をお聞きしますが、2020年当時の深刻さとは程遠い、「インフルエンザが流行っている」のと同様の「重さ」になりましたね。とにかく得体の知れない新型ウィルスは、罹患しては大変、と、まずは企業さんは接触を避け、在宅勤務体制の整備に急がれました。しかし今は、コロナ目的のテレワークは不要となり、テレワークは過去のもの、となってしまった企業さんもおられるようです。
しかし、今年法改正のあった育児介護休業法では、育児や介護に対応する社員のためには、テレワークの制度を適用することも努力義務になっています。そのためか、制度設計や公的機関への届け出、システム導入についてのご相談はあるものの、運用についてのご質問が少ないことを、少し物足りなく思っております。
と、いいますのも、どんな素晴らしいシステムであっても、その会社での使い方を決め、皆がそのルールに則って機能できる状態でないと、どんなルールもどんなシステムも、お金ばかりかかった無用の資産になってしまうのです。
テレワーク導入の目的が「育児介護が必要になった社員のための制度」「大雨等の自然災害の日に出勤しなくてもいいようなBCP対策の一つ」であるならば、「その時」に使えないと意味がありません。懐中電灯用にが乾電池が十分残っているのか、いざというときのための飲用水の賞味期限が切れていないかなど、停電になっても使えない懐中電灯、断水のときに飲めない水では意味がないのです。
非常食も消費して循環させることを推奨されていますが、何かに備えて「買う」「据え付ける」「置いておく」と言った静的・物的な対応が必要なのではなく、「いつでも使えるように定期的に確認する、使う、消費する、更新する」という動的な運営が求められます。それを組織として実践できるかどうかが「企業としての強さ」に他ならないと確信しています。
今日は9月1日、防災の日。企業のリスクは何で、それに対処するため、「その時」のため、普段からどういう動きをとれるよう、普段の流れに組み込むか、静的な「備え」のみならず、複数の人が働く組織の動的な「備え」を、何か特別なイベントとして、ではなく、普段の動きの中でどう当たり前のように取り入れるか、是非考えてみてください。
備えあれば憂いなし
2025/9/1
企業経営者様が「自分はこうして会社を切り盛りしてきたのに、ちっとも社員に伝わらない」というお悩みにこたえるシリーズ、今回は最終回です。これまでの復習を兼ねて、まとめますと…
まず部長・課長・係長等、各役職の定義・ミッション、そして求められる業務スキルを明確にします。(1.役職の定義、 2.業務スキル)
次に上長側の数値を把握し、分析できる力(3.管理力)、そして、ほめたり慰めたり、時には突き放したりと、アナログな部分も駆使しつつ育てていく力を伸ばします。(4.教育力)
そして、その成果を評価して、モチベーションがさらにupするよう、次の目標を立てたり、新しいメンバーを迎えたりして、成長できる組織を育てます。(5.意欲・成長力)
最後に!!評価やトレーニングがとても難しい、(コンサルティングも難しい!!)協調性のお話です。
役職の定義
業務スキル
管理力
教育力
意欲・成長力
協調性
たとえば、上記1.2.で各担当のミッションや会社が期待する業務スキルを明確にし、3.4.に関する教育を行い、5.のように「さあ!みんなで頑張ろう!」とキックオフ!したとします。でも。皆が同じ意識でい続けることは大変難しいです。どうしても、「これさえクリアすれば、昇格ですよね!」「これができればOKなんでしょ」という、最低限のボーダーラインだけをターゲットにしてしまう人が出てきてしまいます。
だからといって、協調性に関する評価項目を加えたところで、それをやったかどうか、四六時中誰かが誰かを監視するのか、というのも、どうやら本筋ではないですし、非効率ですね。
「損得」で考えてしまいがちな人に、「そうではないよ」と説明するのも、これまた至難の業。自分で実感しないと、人は動かないもの。
一方、自分の仕事を一旦止めてでも、他に手を差し伸べられる心の余裕のある人は、相手に感謝され、また困った時に手伝ってもらえます。また会社組織としては、誰かが困ったら、他の誰かが助ける体制ができていることになるので、シゴトを止めることなく、結果的に損失は小さくなるのです。
だとすると…社員に向かって「協調性が大切だ」「うちの会社は協調性を重んじるぞ!」と説く前に、経営者が自ら手を差し伸べるアクションをする、ということが大切なのではないでしょうか。厳しく「やれ!」と命令されたことは、とりあえずは実施されるかもしれませんが、自発的な意識もないので、ミスも起こりやすいです。丁寧な仕事をしていくには、一人一人が会社の方針や与えられた役割を理解・意識し、自発的に行動し、自発的に周りにも目を向けることができるような、そんなお手本と雰囲気が必要です。まさに、論語で言われる「和而不同」の状態。大切だけれど、きっとこの時代から、なかなかの難問だったのでしょうね。でも!私達と一緒に、チャレンジしてみませんか!!
和而不同(わじふどう)
2025/8/25
企業経営者様が「自分はこうして会社を切り盛りしてきたのに、ちっとも社員に伝わらない」というお悩みにこたえるシリーズ、今回は6回目です。今回は5番目のポイント「意欲・成長力」について書いてみます。
ところで、このHPのコラムは、HP開設時から中国語の成語や日本語のことざわを織り交ぜて書いてきました。同じことわざを使うことも何度もありますが、それにしても過去の賢人の方々の言葉は色々あるものです。これを探すだけで勉強になります。ですが…今回「意欲」「成長力」そして「若さ」について検索すると、日本や中国のことわざは、とにかくコツコツとか、忍耐、一つ一つ…といったものが多く、ちょっと今回言いたいことに合致しないので、少し範囲を広げ、偉人の名言も見てみたところ…やはり西洋思想の方が、古いものを打ち破り、新しいものを創る!!というようなニュアンスのものに多くでくわしました!!国や風土を背景にした考え方の違い、これも大きい影響を持つのでしょうね…。
さて、本題に入ります。「意欲・成長力」について。
役職の定義
業務スキル
管理力
教育力
意欲・成長力
協調性
いつの時代も「今の若い人は分からない」という愚痴は聞こえてくるものです。でも、自分もそういわれる側の時期があったのですよね。会社の中でも若者は経験もなく、手がかかることもあるでしょう。でも、若者や新入社員がそこにいるだけで、新鮮な風が吹きます。
社員側の立場に立つと、どんな組織にも、どんな会社にも自分と相性が合わない人はいるでしょうし、自分が期待した環境とは異なることもあるでしょう。しかし、せっかく新しいところで頑張ろう!という気持ちのときに、それを良しとしてくれる雰囲気があれば、やる気が助長されるものです。
当然それぞれの会社にはルールがあります。また、予算や目標値もあるでしょう。それらを理解してもらったうえで、自由なアプローチや工夫を求めてみる。そうすることで、自分の置かれた立場やミッションが具体的に理解できるのです。
新卒社員であれ、中途採用社員であれ、これは同じです。また社員を新しく雇い入れるには探すところから始まって面談やエージェントへの支払いなど、事務作業や費用が伴います。その負担が難しい場合には、既存社員でイノベーションを起こす必要がある場合もあるでしょう。そんなときも同じです。
会社が目標や方向性を示す
会社のルールを決めて周知する
その中でアプローチ・方法についての自由度を設ける
1-3を理解して、走り出しやすい雰囲気を創る
走り出したら、給水所のように、途中でチェックを入れる
ということが大きなポイント。残念ながら成長がみられず、社員が意欲を失っている会社で、社長さんが「自由にやれって、任せてるんですけどね…」と嘆かれるケースでは、1,2,(4)、5が抜けておられることが多いです。
若者や中途採用者、そして新しいことをしようと考え、行動しようとする社員さんは、会社の宝です。判断や助言は経営者や管理者がやればいいのです。いかに動いてもらうのか。それぞれのメンバーのそれぞれの役割を明確にし、若手が動ける組織を創りましょう!
「若者は判断するよりも発明するのに適しており、助言するよりも実行するのに適しており、安定した業務よりも新しいプロジェクトに向いている」フランシス・ベーコン
2025/8/18
企業様が社員向けに実施する研修は、大別して二つに分けられます。一つは一般的・汎用的なもの。例えば簿記だとか、マナーだとか、PCスキルだとか、財務経理だとか…業種や規模にあまり関係ない一般的な知識等です。もう一つは、その会社のその業務に必要な知識やスキル。前者ですと、あちこちでビジネススクールや教科書、オンライン授業サービスがありますが、後者はなかなか外注できるようなものがありません。
だからこそ、顧問契約をさせていただくと、私たちが当社の状況に応じた研修の企画・実施のお手伝いができるのですが…そんな中で感じるのが企業様の「教育力」の大切さです。
今回は、経営者が社員に思いを伝え、それを実行してもらって評価するための4番目のポイントです。
役職の定義
業務スキル
管理力
教育力
意欲・成長力
協調性
一般的な知識なら、本を与えたり、どこかで研修を受けさせることも一つです。しかし、専門知識やスキルは、なかなかそうはいきません。顧問契約していると、大体イメージができてきますが、やはり大切なのはその会社の上長の思いと「アウトプット」なのです。
背中を見てついてこい!というのは、もう昭和のお話になってしまいました。今やマニュアル世代の日本の若者のみならず、外国人技能実習生も増え、文字化・標準化は非常に大事になっています。
業務の内容にもよりますが、一から十まですべて書くのがよいのか、ゴールの定義と、そこまでのポイントを絞って書き、プロセスは自分で考えさせるのか、についても考えどころ。
いずれにしろ、ここはコンサルタントよりも現場の上長さんの知識・経験値が圧倒的に高いので、上長さんがどう表現するか、日本語力やモチベーションを高く維持できる言葉の選択力も必要でしょう。
とすると、上長は表現力を学ばないといけないのか!!という疑問も出てきますよね。もちろん、表現力はないよりもあった方がよいです。正確に早く伝える表現であれば、仕事の効率はあがるでしょう。
しかし、もう一つ大切なことがあるのです。それは、組織の教育ができる環境です。何も会議室にこもる勉強ではありません。「上長が下の面倒を見て、部下が失敗しても自分が責任を取る」というルールやマナーがあるか、ということです。非常に優秀な社員が一人だけいても、その人が伝えなければ、そして伝える雰囲気や環境でなければ、その優秀者は一代で終わってしまいます。
小さい組織であったとしても、部長・課長・係長と名前を決めるだけでなく、部長はその部のメンバーの何に対して責任を持つのか、課長は?係長は?それぞれに決めていきましょう。部下に教えるには自分が知識の整理をしなければなりませんし、どういえば伝わるかも考えないといけません。まさに「教うるは学ぶの半ば」教えることで、上長も部下もスキルアップできる組織にしていきましょう!
教うるは学ぶの半ば
2025/8/4
格好良く言うと、「悪い見本をお見せします!」。従業員たちに経営者の「どうしてほしい」を伝え、その通り動いてもらっているなら「評価」することの大切さシリーズ、その3つ目の管理力。
テーマを決めて毎週コラムを書いているのに、同じテーマの途中で一か月も空けてしまうなんて、これでは人はついてきませんよね。忙しいのは私だけではありません、深く反省いたします!
役職の定義
業務スキル
管理力
教育力
意欲・成長力
協調性
さて、「管理力」とは経営者が目標やゴールを定め、社員に共有したならば、定期的にKPIとなる数値を取得し、管理・分析し、必要なところは改善したり、担当部署にヒアリングしたりして、目標達成のためのルーチンを継続していくチカラのこと。
理念や方針、目標を会社の期初の会で発表される社長さんは多くおられます。問題はここから。
「私は言ったからね。みなさん、がんばってね!達成してね!」
で、終わってしまう経営者さんが非常に多いのです。
ちょっと考えてみて下さい。普段から経営者さんと従業員さんは、コンタクトがありますか?仲良くされていますか?仲悪くなくても、あまり接点のない人から、一年に一度のメッセージを出され「今年はこれを頑張ろう、おー!」と言われても、自分の業務に簡単に結びつけるイメージ、できるでしょうか?
「そこまでしなきゃいけないの?子供じゃあるまいし」という経営者さんの発言もよく聞きます。そうですね。そこまでしましょう。毎年聞いてもらっているならお話は別ですが…。
この目標のために、あなたの部署では、なにを、どうがんばってね、こちらの部署では、これをこのようにがんばってね、と具体的に目標を設定し、イメージをもってもらい、日々取り組んでもらうレールを敷き、定期的に確認して、自分のメッセージが正しく伝わっているか確認しないと、1年はすぐに過ぎてしまいます。伝わったけど、やってみたけど、うまくいかないこともあります。それなら何が悪いのか分析し、問題を除去しましょう!でも、伝わりもしていないので、だれもやろうとしない。これは最悪です。
伝わるように発信する、伝わっているか、その通りに結果がでているか、確認と分析と対応を継続する。いい時ばかりではありませんので、地味な仕事でもあります。ですが、この管理力こそ、「継続は力なり」なのだと、思っています。
継続は力なり
2025/7/14
とにかく利益を出したい!資金繰りを楽にしたい!というときに、「人材への投資が大切です!」という助言ほど面倒なことはないですよね。短期的に、なにかのコストを削るとか、そういう応急処置はできたとしても、やはり結局は「人」なのです。それも人は急に変わらないです。でも「朱に交われば赤くなる」、企業文化が人を重んじ、それを認められるものであれば、そこにいる従業員はそれに応えようとし、先輩がそういう姿勢なら、後輩もそれに続きます。さて、どんな企業文化にしましょうか?
今日は目標とする企業文化にするため、業務スキル面の目標をどのように設定し、どう評価していくか、について考えましょう。
役職の定義
業務スキル
管理力
教育力
意欲・成長力
協調性
冒頭に書きましたが、そもそも〇〇を売りたい!〇〇というサービスを広めたい!と思って起業するのに、いざ会社経営となると、財務はもちろん、人事まで専門外のことを考えないといけないとは、経営者も簡単ではありません。だからアウトソースする、というのも一つの手なのですが、大事なのは方針は経営者が決めてほしいのです。それに応じたサービスを探すとか、手を動かしてくれる人を雇うのは全然かまいません。でもご自身の会社です。どんな雰囲気にしたいかな、そのためには、どういう人になってほしいかな~と、考えていただきたいのです。
そこへ!!唐突に「やらなければならないから」と、就労規則をどこかからダウンロードして「これ、うちの規則」と決めて見たり、「人事評価シートも、どこどこのサイトからダウンロードしたの、丸ごと使っている」なんてことは、是非考え直していただきたいです!会社は十社十色。皆さんの企業に合った色になっていますか?そして、それは毎年継続的に使うのに適当な内容・分量でしょうか?
読むだけで嫌になる評価シートをお使いの企業様、非常に多いです。そして、毎回評価をするたびに、皆が疲弊されています。
ご提案したいのは、シンプルな業務スキルのリスト化です。先週は役職ごとになにを、どこまで責任を持つ人なのか、定義することをご提案しましたが、今週はそれぞれの役職・職掌においての提案です。
本業部分のスキルは何をどこまでできることを求めるのか(営業なら、技術なら、経理なら…色々あると思います)。
「管理」と言われる、利益に結び付かないけれどやらなければいけない仕事、これについて、何をどこまで求めるか。係数管理面、報告などのコミュニケーション面、そして人材管理面。
最後に、会社は組織なので、その文化を大事にしようとしてくれているか、協調性です。これはなかなか数字で測れないので定義は難しいですし、上司も四六時中見張るわけにもいきません。360度評価なども有効ですよね。
なりたい会社、やってほしいことを経営者から可視化していきましょう。そうすれば一緒に働く従業員の方にも方向性が共有できるようになります。
朱に交われば赤くなる
2025/6/16
先週から書き始めましたテーマ、「人材」そして「評価」。AIの急速な普及により、「人」のやるべき仕事が、より重みを増し、人材をいかに成長させ、会社の付加価値を上げるか、がますます重要になるこの頃です。一方「うちの会社、人事部という専門部署がありません」とおっしゃるところも、中小企業様であれば、多くいらっしゃいます。
専門部署がないとできないこと、ではありません。人事部単独では利益を生まず、コストがかかるだけです。専門部署がない、ということでは、税務や会計、製造、営業をアウトソースされるのと同様、必ずしも自社ですべて完結させることはありません。これからは、人事部という単独・専門の部署がない企業様のケースに焦点を当ててお話していきますね。
今日は以下6つのポイントのうち、1.役職の定義について、お話したいと思います。
役職の定義
業務スキル
管理力
教育力
意欲・成長力
協調性
比較的若い会社さんの場合、会社設立時は、一人会社だったり、数人の会社で「社長とその他」あるいは「社長とそれ以外の役員」だったりします。そして業績が軌道に乗り、順調に事業拡大され、人も採用され、組織が大きくなってくると、各セクションにリーダーが必要となります。その時、色々な役職が生まれるのですが、業績拡大で非常に忙しいので、各役職に明確な権限やミッションを与えず、とりあえず名前だけで走らせてしまうこと、往々にしてありがちです。
二代目三代目経営者の、比較的歴史の長い会社さんですと、会長・先代といわれる方がおられ、その方が決めてこられた専務や右腕がおられて、代替わりしても、なんとなく強烈なリーダーシップとその女房役が実権を持ち、役職名はあるけど、何をどこまでやるのかが良くわからない、こんな企業様も多くお会いします。
いずれのケースにも言えるのは、社長含め、各役職の定義(ミッションは何で、範囲はどこまでか)が明確になっていないのです。明確になっていない理由は様々だとは思いますが、多くの場合は社長が「そのぐらいは普通、分かるでしょ」という意識でおられるか、「先のことまで何が起こるか分からない。だから分からない責任範囲まで決められない」という考えもあるかもしれません。
残念ながら、人間は常識は共有しているつもりでも、会社内の細かいルールまで「普通」という言葉で片付けられないのです。こんなに個性を大切にする時代、中途採用の方もおられたら、その方は前の会社のやり方が「普通」だと思ってしまいます。こんなこと当たり前、と思ったとしても、部長は何を、どこまで責任を持つ人、課長は何を、どこまで責任を持つ人、と決めておかないと、「誰かがやるだろう」と皆が思い、リスクに対応できない会社になってしまいます。そして、複数の人員を抱えるのに、計画やビジョンなく経営を進めると、やっぱり「なんでこんなことになる!」と、何かが起こってから責任のなすりつけあいになってしまうのです。
経営者さんは、きっと、ご自身の会社を大切にされたいでしょう。その想いは、進んで積極的に役職者さんに伝え、伝わっているか時々確認しないと、赤の他人はそんなにすぐに思いを同じくできません。実際、長く一緒に働いておられても、分かりあえておられないケースも多くみられます。会社を大事に育てていきたいからこそ、部長さんには何を、課長さんには、係長さんには何をお願いしたいのか、数年先のビジョンを見ながら役割を明確にし、引き受けてもらえるようお願いしてみてください。「昇格」でもありますが、重責を担ってもらうのです。「お願い」すれば、よし、やってやろう!という気持ちにもなりますよね。同じ会社でも、皆さんそれぞれ違う人なのですから。
同床異夢
2025/6/9
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」…という武田信玄の言葉にも表せている通り、組織にとって大切なのは、何をおいても「人」であり、良い雰囲気で、安心して、互いに高めあうような企業がよい業績を収められる、ということなんですね。私自身は人事労務の専門家ではありませんが、業務の効率化を図るにも、財務の健全化を目指すにも、そして新しい知識や情報を得て会社としてスキルアップするにも…ほんとうに「人」が大事だと、痛感しております。なのに!!「大事にされていない」状況を目にすることが往々にしてあるので、課題を紹介しながら、具体策を考えていければ、と思います。
中小企業の経営者さまの愚痴で多いのが「良い人間は大企業にとられる。うちには良いのが入ってこない。」です。一般論としては、そういう傾向も認められなくはないですが、では、「全部」でしょうか、といえばそうではないですよね。そして、経営者が従業員に何を求めるか、なのですが、「スキル」「管理力」「教育力」「意欲・成長力」「協調性」このうち、誰になにを、どのぐらい求めていますか?愚痴られる経営者さまは、そもそも部長の役割はなにで、これとこれができれば部長、課長の役割はなにで…といったミッションも特に支持せず、「部長だからやって当たり前だろう」という考えの方も、多く見られます。
そもそも、経営者は自分の資産を拠出したり、事業のリスクを負ったりしているので、業績について非常に敏感です。しかし、従業員は、できれば自分がやりたいことを、良い条件でできること!という視点で職を探すので、前回書いた「事業を自分事」としては捉えられないのです。そういういろんな人がいる状況から「城」や「石垣」や「堀」を創るのです。どうすれば良いでしょうか?
多くの経営者さんは自分がやってほしいことは頭にあっても、それを従業員が分かる形に可視化されているケースが少ないです。部長にはこうあってほしい、課長はこれをやってほしい、そして係長はこんなことを…というのを、他人であっても分かるようにかみ砕いて、読む気になるような書き方でかかないと、他人はなびいてくれません。そして、にんじんをぶら下げておかないと、走る気にもなりません。やってほしいことを数値も含めた評価基準としてリストアップし、整理することが求められます。
が、長くなりそうなので、続きは以下の項目に分けて、書いていきますね。
役職の定義
業務スキル
管理力
教育力
意欲・成長力
協調性
人は城、人は石垣、人は堀、
情は味方、仇は敵なり
2025/6/2
「アウトソーシングを上手く使う」シリーズ、連休続きで間隔が空いてしまいましたが、今日は最終回、「金額」についてお話します。
アウトソーシングの目的(過去の記事はこちら)
委託業務内容・範囲
経過確認・チェック方法/手段
金額
そもそも、なぜアウトソーシングのサービスを使うかというと、自社にその専門部署や要員がいない、とか、採用するにしても、フルタイム分は必要ないとか、ある程度専門性が担保されていて、自分たちは本業に徹したい!というような理由があったと思います。
アウトソーシングのサービスを選定するにあたり、やってほしいこと・想定していることをやってもらえるか、こちらがあまり強くない部分も強い専門性で補完してもらえるか、「質」「内容」の吟味も大切です。そして、その質・量に対し、提示されている金額が納得いくものか、というのが今回のテーマです。
いやいや、そもそも専門外の自分たちがお願いするんだから、お任せです。いくら、と言われれば、そういうもんなんだ、と思います…みたいな会社さん、おられますね。事業計画を策定するとき、支払われている外注費に対して、「なんでこんなことにこれだけ支払われているんですか?」と聞くと、「いわれた通りに支払っています」みたいな答えが返ってきて、精査すると「このサービスに対してこの金額は高すぎませんか?」と、見直すことになることも往々にしてあります。
こうなってしまうのは、一つは日本人の特性というか、「高いんじゃないですか?」なんて言ったら、関係性が崩れてしまう?雰囲気が悪くなる?と思ってしまい、「はいはい」と受けてしまうパターン。もう一つは、ただの面倒がりのパターン。
外注費は、サービスにもよりますが、一度契約すると、固定費として毎月決まって出ていくことになります。契約の段階で、金額についても妥当かどうか、納得の上でサインしたいものですね。では、どうやってチェックするのでしょうか?
こういう時の比較や検索はインターネットの時代の恩恵を受けたいもの。「サービス名」「相場」「平均金額」等のキーワードを入れると、いろいろ出てきますよね。もちろん情報の出どころも注意したいですが、妥当なのかそうでないのか、の参考にはなると思います。そして、高い/安いならその理由が明確か。安くても、しょっちゅうトラブルが起こるようでは安物買いの銭失いということもあります。
さらに!!とても大切なことなのですが、自社の規模や収入金額に見合った支出であるかどうか。一般的な相場としてどうか、という社会的な基準もですし、自社の体力や財力にも応じているのか、妥当なのか。入るを量りて出ずるを為す、と言います。収支のバランスを取りながら、生きるコストにしていきたいものですね。
入るを量りて出ずるを為す
2025/5/12
「アウトソーシングを上手く使う」シリーズ、3回目の今日は「経過確認・チェック方法/手段」についてお話します。
アウトソーシングの目的(過去の記事はこちら)
委託業務内容・範囲
経過確認・チェック方法/手段
金額
アウトソーシングのサービスにかかわらず、何か仕事をするときに大切なことの一つが「やりっぱなしにしないこと」ですよね。これは、私もなかなか偉そうに言えません。多くの人がそうだと思うのですが、まず目標を立てると、そこに行くまでがんばろう!と思い、そこにたどり着くと、達成感・安堵感を感じます。それ自体は悪いことではありません。次のモチベーションにもつながりますから。ただ、「やったー!できた!!いったん休憩!」…の後、休憩が終わらない時があるのです。(その方が多かったりして…)これがまさに、「継続は力なり」で、何かを成し遂げ、それを続けることの難しさ…なんでしょう。
アウトソーシングの「継続は力なり」はどういうことか、と言いますと、間違いなく「とりあえず続けること」ではないですね。アウトソーシングサービスを取り入れて運用を軌道に乗せるまでのプロセスは、たとえば以下の通りになります。
何かの課題があり、アウトソーシングを使うことを決定。
アウトソーシングの各会社のサービスを情報を集め、自社にとって合致すると思われるサービスを提供するところを選定。
社内の決裁取得、サービス運用契約を締結、運用開始。
開始してみて、問題ないか、思った通りの運用の成果がでているか確認。問題がある場合はどうやって対策するか検討。
上記の3.までだけでも、結構な労力だったりしますよね。楽になる、便利になるためになんだか苦労しているな~みたいな。だからこそ、運用を始めると「ふ~っ!!終わった終わった」という気持ちになってしまうのも理解できます。ですが、そこをゴールにしちゃうと、コストを増やしているだけになってしまうリスクもあります。
例えば、税理士さんとの契約で、日ごろの仕訳データの入力は契約に含まれているのに、「税理士さんが忙しそうで大変そうだから」と、自社にてデータ入力をしてしまっている企業さんをお見掛けしました。お優しい気持ちは素晴らしいのですが、互いに債権者・債務者として契約を交わしたのですから、基本的にはお願いしたことはやってもらい、それに対する対価を取り決めの通りにすることが大切ですよね。自社で入力する時間まで負担してしまっている、ということで、自社にとっては余分なコストが発生してしまっていることになります。
また、ITツールが苦手な企業様で多いのが、とりあえず契約して運用開始するまでで精一杯、その後そのツールを使う人、使わない人がまちまちであったり、ほんの一部の機能しか使わなかったり(ほかの便利な機能を知ろうとしない)…。こんな事例も頻出です。こちらも企図した効率化が図れず、コスト増にもなります。また、情報が一元管理できていないという面からはセキュリティ面でも問題になるかもしれません。
もちろん、「これでいいのかな?」と、誰かに聞きたい、でも誰に聞いてよいのかわからない、ということもあるでしょう。そんなときは、当社もそうですし、公的支援の無料相談窓口(商工会議所、よろず支援拠点など)にお聞きになることをお勧めします。今時、検索すれば大抵のことが文字情報で回答してくれますが、人間の声で耳から入ってくる情報と違い、なんだか事務的で説得される勢いはないですよね。せっかく導入したアウトソーシングサービスは、思いっきり使いきれるよう、時々チェックしながら、確認しながら継続していきましょう!!
継続は力なり
2025/4/21
先週から始めました「アウトソーシングを上手く使う」シリーズ、今週は②回目です。今日は「委託業務内容・範囲」です。
アウトソーシングの目的(過去の記事はこちら)
委託業務内容・範囲
経過確認・チェック方法/手段
金額
前回は「まず、『なんで使うのか』、すでに利用しているサービスなら、『当初目論んでいた目標に合致するか、あるいは現在もその目的で問題無いか』について、考えよう!」とお話しました。
今回は「その目的に沿って、外部の事業者に何かをお願いする」ときの、とても大切で、とてもトラブルになりやすいポイントです。
委託する側は「うちの会社はこの部分が弱い、あるいは個々に労力を割きたくない、だから餅は餅屋に任せる!」と思っています。
委託される側は、色々な業種・業態・規模の顧客企業があるので、そのサービスが汎用的に網羅でき、商品としてきちんと利益が取れるような内容を形づくり、決めています。
問題は、委託する側と委託される側の下線部分、サービスの範囲が、微妙に違うことがあるのです。いや、殆どの場合、100%満足!とはいかないでしょう。
委託する側は「ここが不便だからやって、ってお金払って言っているんだから、やってもらわないと困る!」と思いますが、もしかしたら、それはその業界で特殊なことなのかもしれません。もちろん委託される側はそのサービスを売りたいので「こんなところにお困りの方、サポートします!」って言いますよね。委託する側はそんな言葉を聞いて反応し、「これこそ当社が困っていたことだ!」と思っても、細かいところまで全て合致する、と思い込むのは良くない、と言うことだと思います。
だって~、助けてくれるって言ったのに…と言いたくなりますが、ここはビジネスです。先方が提供するものはどこまでなのか、ここでは阿吽の呼吸は通用しません。まず、これは絶対やって欲しいこと、次ぎにこれ、その次はこれが含まれているとありがたい、というような優先順位を決め、契約する前に確認すると良いでしょう!困ったところをサポートしてくれる、でもそれはビジネス、と認識し、ある意味ドライにやって欲しいことを確認しましょうね!
阿吽の呼吸
2025/4/13
御社では、どんなアウトソーシングを活用されていますか?
税理士さん、会計士さん、社会保険労務士さん…等、会社を運営するにあたって、法律で決められている部分について多くの会社さんが活用されているサービスもあれば、IT関連ではITコンサル、あるいは電話などの通信機器・通信環境からコピー、メール、ホームページ等、一切のITシステム関連周りを業者さんにまとめてお願いされている会社さんもあるでしょう。自社サーバをもたず、クラウドのサブスクリプションサービスを活用されるのも、一種のアウトソーシング、でしょうか。一方、前述の会社の土台となる総務関連の外注以外にも、本業での委託先を活用されている会社さんも、結構多いのではないでしょうか。
あるいは「うちは外注するとお金がかかるので、全部社内でやってます」という企業さんもいらっしゃいますよね。どちらが良い、悪いではなく、コスト面や専門性、効率などの面から比較すると、それぞれの善し悪しが見えてきます。今回からは、経営のご相談の中で、頻出の課題「アウトソーシング・外注」について、ポイントをお話したいと思います。
アウトソーシングの目的
委託業務内容・範囲
経過確認・チェック方法/手段
金額
今日は初回なので「アウトソーシングの目的」です。非常に大切なのですが、長期的にお付き合いしていると、「あれ?なんで使ってるんだっけ?なんでここまでやってくれないんだっけ?」という疑問に出くわします。インターネットのサブスクリプション・サービスなら、細かい仕様や契約内容があって、最後に「同意する」ボタンがあって…と、比較的可視化・明文化されていることが多いですよね。一方、私たちもそうですが、税理士・会計士・社労士など、「士業」と言われるサービスは、属人性が高く、税理士事務所と契約しているのに、担当が変ったら対応が悪くなった、などのトラブルは、よくお聞きします。
担当者が変っても完全に同レベル、同じような雰囲気を期待するのは困難ですが、「なぜこのサービスを使っているのか」という意味・目的については、利用する会社側も共有しておきたいものです。
会社を経営している限り、毎年決算は必要ですし、税務申告も必要です。自社でやるよりは、法令の変更にも対応して専門的に処理してくれ、なんなら経営についても助言してもらえれば、経営者は本業に集中することができます。所謂「餅は餅屋」というヤツです。社内にはその専門分野に長ける人材がいないので、専門家に頼りたい!という目的であれば、それに合致した事務所や個人を選ばないと、いけませんよね。とにかく小さくスマートに経営したい、効率的に進めたい、という目的もあるでしょう。
とにかく「なんでこのサービスを使っているのか」という目的が明確で、それに外れているな、と感じれば、その関係性・依頼内容や契約内容を見直したほうが良いでしょうね。創業当初はやることがいっぱいで、登記した住所にはワンサと税理士事務所からDMが届きます。さて、どこに依頼するか。知り合いのツテを活用するか。色んな要素がありますが、まず「目的」を考えましょう!
餅は餅屋
2025/4/7
従業員に自分事と感じてもらうシリーズ、本日は最後のポイントになります。もともと経営者と従業員では、「会社運営」「会社”で”働く」という、ちょっとずれた目的があるものですから、どこかで目標を共有しないと、すぐにちぐはぐになってしまいます。今日は④ゲーム性がある…と、ちぐはぐになるのを最小限に抑えられる!?というお話。
⓪普段から社内コミュニケーションが問題なく行われる
①自分の生活にも関わることを理解してもらう
②組織の中の役割・達成までのプロセスを明確にする
③②が機能して継続している
④ゲーム性がある
「ゲーム性」とはどういうことでしょうか。「楽しい」「わくわくする」「到達度が明確」ともいえるでしょうか。たとえば球技でも、一定のルールがあって、点数が多い方が勝ち、なので途中の逆転、再逆転があれば、大変盛り上がります。また一人で行うクロスワードパズル、これは点数はありませんが、問題を解いていくうちに、だんだんマスが埋まってきて、「あと少しで完成だ!頑張ろう!」という気持ちになります。こういった気持ちのワクワク感を、仕事でも取り入れていただきたいのです。
そこで出てくるのが「KPI」、Key Performance Indicator。どこまでできたかの指標、数字で表したものです。球技の点数であったり、そこに至るまでの、う~ん、野球ならストライクの数、ボールの数、サッカーのアディショナルタイムの時間…といった、ゴールに近づくことの指標に成る数字があれば、「あとひとつ!」「あと一秒!」と、ワクワクできるのです。そして、個人の価値観に左右されることがありません。
あまり難しく考えなくても大丈夫です。「あと何キロ痩せるぞー!」「次のテストで80点以上取ったら、○○買って!」というのも、KPIのひとつですね。私たちは、どこかでゴールを区切るため、日常生活でも複数人が客観的に認められるような数字を使って、目標を決め、そこにたどり着けるかどうか、常に確認しているのです。その方が、楽しく目標達成できるから。オシゴトも、私たちの生活の一部。楽しく、それが会社のためになる。そうなれば最高ですよね!
Key Performance Indicator
2025/3/17
従業員に自分事と感じてもらうシリーズの続きです。今回は…③の「②が機能して継続している」の説明なのですが、1か月コラムを空けてしまい、説得力ない!と言われても仕方ない状況です。申し訳ございません。
空けた理由は、振替休日1回の他は、バンクミーティングと遠方出張だったのですが、「わかっていることだから、前の日に準備すればいいことですよね。」と、もう一人の私が言っています。
⓪普段から社内コミュニケーションが問題なく行われる
①自分の生活にも関わることを理解してもらう
②組織の中の役割・達成までのプロセスを明確にする
③②が機能して継続している
④ゲーム性がある
目標達成までのプロセスを描いて共有したり、何かルールを策定して社内で共有したり…そこはゴールではなく、何かを目指すための手段。ということは、それが守られているか、思った通り進んでいるか、検証する必要があります。
立ち止まって検証してみると、計画の時には想定できなかったようなことが起こっていたり、世の中に動きがあったりするもので、計画や作戦も必要に応じて柔軟に調整していかねばなりません。何が起ころうと、決まったことを、決めた通りに最後までやること、が正しいわけではありません。
…とはいえ、海外の会社とコンタクトをとると、「日本の会社は何が起ころうと、計画通りの方がうまくいかない、と分かっていても、初めに決めた計画通りにやりたがる」という愚痴を聞いたものです。大企業だと、社外の取引先と交渉するよりも、社内の稟議を通す方がハードルが高い?あるいは労力が大きいようで、稟議通りに実施しないと、計画変更するとまた大変な稟議再申請が待っている…といことから、こんな状況になってしまうのでしょう。
少し話がそれました。上記は大企業にありがちな話。経営判断が速やかにできる中小企業は、軽やかに動けるメリットがあります。そこを利用して!ぜひ、計画を実行し、一定期間で振り返りや予実の確認をしていただきたいのです。
よく「PDCAを回す」と言われる、アレです。
P…Plan (計画して)
D…Do (実行して)
C…Check (チェックして)
A…Act (対応・改善する)
いかがでしょうか。PDで止まってしまう企業さん、少なくありません。でも、毎月予実会議を実施されている企業様なら、lこのPDCAの考え方や意識は根付いています。社員の皆様も「自分事」の意識に近づいてきます。
そんな時間がもったいない!なんて思わないでください。会社はどこに向かっていて、それを邪魔する何かがあって、どのように対応するか。それについては、社員・関係者で共有して一丸となって解決していかないといけないのです。毎月のリズムにしてしまえば、もう楽勝です!が、それがなかなか…という企業の方は、公的支援で専門家を活用してご覧になるのは、いかがでしょうか?
PDCA
2025/3/10
従業員に自分事と感じてもらうシリーズの続きです。今回は、②組織の中の役割・達成までのプロセスを明確にする。です。
⓪普段から社内コミュニケーションが問題なく行われる
①自分の生活にも関わることを理解してもらう
②組織の中の役割・達成までのプロセスを明確にする
③②が機能して継続している
④ゲーム性がある
よく使う例なのですが、皆さんが初めてカレーを作る子どもに教えたり、お手伝いをさせたりするとき、「私はこれをやるから、○○ちゃんは、これをやって」と説明しませんか?またお料理をする前に「はじめに野菜とお肉をどのぐらい買ってきて、洗ってカットして、お肉を炒めて…」と、順番を説明しませんか?もちろん、一回の説明で全部覚えて出来るわけではないので、一緒に自分でやったり、遠目で見守ったりしますよね。
会社のシゴトも同じだと思うのです。
頭の中に美味しいカレーライスを思い描き(目標をイメージし)
主たる料理をする人、自分のやることの役割を確認し(役割分担)
準備から完成までの順序の説明を受ける(プロセスの明示)
1.で「今期は売上○円目標!」と掲げます。が、そこで終わってしまう会社さんの何と多いことか…。組織でシゴトをしているのですから、こういう作戦で、誰がどんな役割を担っていくのか、組織図は必要です。
そして、いつまでに何をどうするのか、プロセスを明示することも苦手な企業さん、本当に多いです。値上げ交渉していくらup、単価の高い商品販売に注力することでいくらup、それを実施するには、まず資料をつくって、お客さんに見せて…と、いろいろやることはあるはず。そして、ケースバイケースで色々変わってくるでしょうし、計画通りには物事は進まないでしょう。だからやらない、のではなく、だからこそ決めたプランに対してどれだけ進んでいるのか、遅れているのか認識し、対応していくことが大切になってきます。
ビジネスの世界では「ロードマップ」とよく言われますが、まさに、旅に出る時に頼りにする地図ですよね。地図なしに「とにかく売上を上げろ!」では社員は迷ってしまいます。何より、自分なりに理解ができないので、とても自分事として考えられないのです。
ロードマップ
2025/2/10
先週に続き!といえることが、ちょっと嬉しい、月曜コラムの時間です。経営者が従業員に仕事を「自分事」と思ってもらうために、その3回目です。主な要素として、以下5点を挙げ、前回は⓪について書きました。
今日は①について、考えてみたいと思います。
⓪普段から社内コミュニケーションが問題なく行われる
①自分の生活にも関わることを理解してもらう
②組織の中の役割・達成までのプロセスを明確にする
③②が機能して継続している
④ゲーム性がある
仕事を求め、働く人は、自分にできること、自分のやりたいことで、収入を得ようとしますし、自分にできることが他の人がなかなかできないこと、複雑なことなら収入は高く、誰でもすぐにできることはそうではない、と理解しています。あくまで自分のスキル・仕事量に対する対価(報酬)しか(一般的には)見ません。
なので、入社が決まり、働き始めると、業務方法の説明を聞き、その通りに実行しようとします。初めに聞いた内容と違うと文句が出たりします。やはり視点は自分のできることとその報酬、だけ。
それが悪いわけではなく、結構一般的なことなんですが、「その企業の商品・サービスが何で、どういう仕組みで儲かっている」、「その中で、あなたの担う業務はここである」、「だからこそ、こうやってこうやって…儲かったら、あなたの収入は増えることに繋がり、その逆だと収入アップは見込めない」という、当たり前の説明がないことが多く見受けられます。
会社の仕組みは、中小企業であっても、複雑に色々な要素が絡み合っています。”世の中のこういう状況から、こんな市場でこんなニーズがあり、このぐらいの価格なら喜んで受けてくれる人がいる、そこに私たちは提案し、利益を得る…” というように、「風が吹けば桶屋が儲かる」的なストーリーの理解が必要ですね。風が吹いてから桶屋が儲かるまでの、どのプロセスに自分は絡んでいるのか、そこをよくすることで、どれほど影響でき、自分にも還元されるのか。
忙しくて説明どころじゃない!というのも本音でしょう。でも、説明せず、理解してもらえないことで、現場の、自分の守備範囲だけの文句やそれが原因で発生した問題の後処理をすることを考えると、まずはしっかり収益のしくみを理解してもらう。これは自分事としては、とても大切だと思うのです。いかがでしょう?
風が吹けば桶屋が儲かる
2025/2/3
前回に引き続き!と書きたいところですが、なんと前回は12月2日…時は2024年から2025年へと移り変わり、1月も終わろうとしている…
光陰矢のごとし、少年老い易く学成り難し、です。
申し訳ございません。
でも、続けていこうと思います。なぜ、社員は仕事を「自分事」と思ってくれないのか。なぜ、が逆ですね。基本的にシゴトがものすごく好き!という人は少数派でしょう。殆どの人が「シゴトはシゴトとして事務的にこなし、できるだけお金を沢山もらったら、あとは私生活では関わりたくない」と、思っています。そこを、どうやって一日のシゴトの時間をやりがいをもって、自分事として取り組んでもらえるようになるか。
主に以下の要素かな…と思います。
⓪普段から社内コミュニケーションが問題なく行われる
①自分の生活にも関わることを理解してもらう
②組織の中の役割・達成までのプロセスを明確にする
③②が機能して継続している
④ゲーム性がある
業務が上手くいっていない、管理ができずに財務状態が宜しくない会社さんの状況をお調べするとき、
「○○については、何方が担当されていますか?」とお聞きすると、
「○○部の○○です」と、お答えはすぐに帰ってきます。
「では、その担当者の業務を管理され、責任を持っておられるのは何方ですか?」とお聞きすると、答えに窮されることが多いです。
規模の小さい会社さんなら、担当者=責任者のところも有ると思います。しかし20名を超えてくると、管理職が存在してきますし、役割分担もできてきます。ですが、役割を分担するときが要注意です。シゴトを「ポン!」と渡しっぱなしにしておられませんでしょうか。管理職は担当者に当該業務の意味や意義を説明し、一定レベルまで達したら(あるいは時間的に日次・週次などで)報告するようにされているでしょうか?
まずは会社風土の中で⓪に有るとおり、社内コミュニケーション「命令→報告・連絡・相談」ができているか、がベースにあります。不満も不安も全部投げつけられるようでは、シゴトや会社に愛着など、湧くわけがないですよね。
まずは社長は管理職に、管理職は担当者にしっかり会社の方向性について説明し、現場や部下から質問や課題について情報が入ってくるかどうか、振り返ってみてください。ただし!!もし部下から連絡や相談が無い場合は、「問題がないから相談がない」のではない!ということ、「何を言っても、どうせ何も変わらない」と思われているのでは?と疑った方がよいでしょう。
管理職と担当者は、役割は違うけれど、同じ方向を向いているか、それを確認できるコミュニケーションは成立しているか?「呉越同舟」、役割がちがうけれど、同じ会社の船にのって、同じ方向に進んでいるか?小さな会社さんでも、情報が個人で止まっていること、とても多いですが、これはリスクの高い状況。皆さんの会社は、いかがですか?
呉越同舟
2025/1/27
前回に引き続き、社員に「自分事として考えて欲しい!」経営者さんのお悩み対策のお話です。
社長さんが、社員さんに対して「自分事として考えてほしいんですよね」と私に愚痴られる会社の雰囲気はどんな感じかというと…色んな企業様、その背景があるので、まとめて言うのは非常に雑な気はしますが…それでも共通点があるとすれば「やらされている感が蔓延している」です。
①面倒だったり、やりたくないことをやらされている」
↓
②だから集中力もなく、ミスが起こりやすい」
↓
③だから問題解決のもっと面白くない作業(陳謝、やり直し等)が発生」
↓
④上からも怒られる、雰囲気が悪くなる」
↓
⑤なんだよ、こんな会社」と、言いたくもなる
こんなスパイラルでしょうか。
逆に、上述の愚痴が経営者からでない会社の雰囲気は「やらされている感」の真逆で、「やる気に満ちあふれている」のです。このあたりは、卵が先か,鶏が先かの議論になってしまうのですが、でも社員の方から変えることは殆ど不可能で、やはり経営者がどういうスタート・またはリスタートを切るか、にかかっています。(断言!)
①の段階で、社員にお願いするときに、十分な説明をしているか。特に「操作方法」など、手先のことだけの説明でなく、当社の商品・サービスがお客様のどんなところに役に立っているのか、どんな人がお客様なのか、そしてその人が担当する業務はそのうちのどこに当たるのか。経営者自らでなくても、中間管理職にきちんと説明させているか。ここで大きな一歩目の差が生まれます。なんだか長くなりそうなので、続きはまた来週!
真剣だと知恵がでる
中途半はだと愚痴がでる
いい加減だと言い訳がでる
武田信玄
2024/12/2
「自分事として考えて欲しい!」経営者さんはよく、従業員さんに向かって、そんな風に要望されます。従業員さんは会社と「雇用」という関係にあり、法律では雇用者の方が守られており、また自由に職を求めて動くこともできます。経営者さんは、そう簡単に動くことはできませんよね。
でも。こんなシゴトをしていると、「そんな他人事のような…」と思えるような経営者さんもいらっしゃいます。そんな風なフリをされているのかもしれませんし、そんな簡単に内情を知られたくない!というカムフラージュかもしれません。
確かに、社長業とは、会社の方向性を決め、右か左かの重要な岐路に立ったときは判断を下さなければいけません。従業員についてきてもらうためには、直接あるいは中間管理職を使って、会社の方向性や方針を伝えないといけませんし、対外的には代表なので、あちこちイベントや行事にもかり出されます。組織が上手く運営されていくよう、組織配置も考えないといけませんし、数字も読めないといけません。またときには従業員の悩みを聞いたりすることもあるのかもしれません。本業部分では専門が高かったり、経験が長いかも知れませんが、経営がプロ!という社長さんは、そう、おられませんよね。それなのに、こんなに色々なことを求められる。
ただ、人は完全ではありません。なのに「社長は君子たれ!」と言わんばかりにこんなに仕事や裁量が求められるのは、なかなか酷ですよね。だから私は社長さんには「助けてもらう力」「コミュニケーション力」が必要だと、よく申し上げています。先代がリーダーシップに満ちあふれた人がいて、よく自身を喪失しておられる社長さんもおられます。でも、人はみな、同じではありません。もちろん、経営手腕についてはどんどん上を目指して頂きたいですが、その他の業務は、「助けて!」と言いながら部下にモチベーションを上げさせ、そしてそのチカラをお手本として自分の力にしていきましょう!自分には伸びしろがある!と思ってください!!お願いするのは人に押しつけているのではなく、自分がレベルアップするためだ!と思って。
君子はこれを己に求め、
小人はこれを人に求む
2024/11/18
月曜日が祝日や振替休日のことが多く、言い訳したくなるようなことも多く、すぐにコラムをサボってしまう、今日この頃です。
私の経営コンサルティング事業運営のモットーは、「企業様に助言することは、自分もやる!」です。「ホームページは、継続して更新してなんぼです」と言うからには、自分もやらないと!!そして、その大変さも実感しないと!ということで、非常に良い実感をしております…。
さて、こういう図太さも、年齢と共に身につけてきました。若い時は、「ダメと言ったらダメ!」という堅すぎる正義感や「やるべき!」意識が強すぎて、時に私と異なるペースをお持ちの方には、不快な思いをさせたかもしれません。いや、きっとさせていたでしょう。しかし、中小企業診断士歴17年ともなり、対応させていただいた企業様の数も100,200と増えていき、経験則も得ていく中で、一つ感じるのは経験だけに頼ってはいけない、ということです。
経験は大きな財産ですし、重要な判断材料にもなります。しかし、それに柔軟さ、新しいモノを見たり試したりする気持ちの若さも必要でしょう。経験を誇るだけで次に新しいものがなくなると、身も心も、そしてシゴトも老いてしまいます。
いつもながら自分に言い聞かせるコラムですが、年輪と経験を重ね、ノウハウを多く得ても、新しさにときめき、挑戦していくこと、必要ですよね!よーし、今週も、がんばろう♪
老いては益々壮んなるべし
2024/10/28
長く顧問を務めさせていただいている企業様も、公的支援で数回、いや、一回しかお会いしない企業様も、本当に毎回と言って良いほど、お会いする度に私自身に新しい問題・課題、新鮮な気づきが得られます。よく、「そんな長い期間顧問契約して、毎月なにするの?」と言われますが、毎月打合せや研修を重ねようが、年度毎や中期的に企業さんと一緒にたてた目標を達成したり、思い通りの姿にチェンジしていくのは、そんなに簡単なことではありません。おそらく、コンサルタントのシゴトを「今ある企業の状況について、評論したりコメント・助言したりすること」と思い込まれているので「毎月行くとやることが無くなる」と思われるのでしょうね。
確かに、決められた時期にお邪魔して、決算書や試算表を見て、社長の話を聞いて、適当に「こうした方が良いんじゃないですか?」なんてお話することも可能です。でも、それでは会社は変えられません。会社が変わるには、トップの行動や心意気が変わり、それが伝わって社内の雰囲気が変わり、社員の意識が変わって初めて業績に表れるような変化に繋がるのです。
そのためにはどうするか。
現状や起った事に対して、評論しているようでは遅いですし、言われた方も「ケチ付けられた」印象が強くなってしまいます。あくまで、毎月確認するような管理数値を一緒に見て、昨年や一昨年の流れと比べ、将来を考え、先手を打って準備する、ということを一緒にやらないと、コンサルティングの「面白み」がありません。どこまで突っ込んで、どこまで同じ視点で先をみられるか、だと思います。
レポートの書き方は、起ったことを事務的に書き、計画との差異とその理由を書き、そして今後の対応を書く、という順番でよいですが、最後に対応を書いたら、いつまでどう改善されるのか、予測し、時間が経ってから成果を確認する、ということを習慣づけなければ、ですね。
将来は誰も分かりません。だからといって、予算もたてない、計画も策定しないなんてのは、うーん、ちょっと考えられません。計画を立て、社員が同じ目標を共有し、将来に夢を持ってもらえるように。そう、会社が先を見ているか、先に向けて手を打っているか!「先」を見ている会社は、一歩抜けてアクションしていけます!先んずれば人を制す、です。「先を見る」「それに向けてアクションする」コンサルティングを、12年目も頑張って推進したいと思います。
先んずれば人を制す
2024/9/2
中小企業診断士になって17年、コンサルティング事業として
「どうやったら付加価値が上がるのか」
「企業様にとって、何をすることが【意義がある】と、企業様ご自身に思っていただけるのか」
常に問い続けています。
なぜなら、中小企業診断士は「先生」でもないし(そう慣例的に呼ばれる事も少なくないですが)、判断をする人でもない。企業経営がよりよくなるように、多方面から助言をしたり、助言したことを実行できるように、伴走したりするサービス業だと信じているからです。
そして、助言をするには会社さんの沿革、事業内容を一通り聞かないと、状況がわかりません。かなりの量の情報をインプットしないと助言などできません。
そこで…!!
何か道から外れるリスクが有るのだと思います。どう外れるか、というと、今聞いた情報について、「これは良くない!」というポイントがピックアップされてしまい、
ここは良くないよ
そこはそうしたほうが良いよ
あそこはああじゃだめだよ
私の経験上、こうなんです!
という、今その事業をやっている人にとっては、「悪口」「揚げ足取り」のコメントしか出せなくなってしまうのです。
もちろん、「問題無い優秀な事業なので、どうぞ褒めてください!」といってコンサルティングを受ける会社さんは、ほぼ無いでしょうから、何かしら課題を突きつけられるのは、覚悟されているでしょう。でも言ったそばから、否定の連続だと、気分を害されて終わってしまう(本来なら、課題に気づいていただいて、対策を考えて、よりよくして頂くはずなのに…)。そういう「外れ方」になりがち、なんですよね…。私もエラそうに言えません。
私たちは部外者なので、沢山情報を仕入れないと、何も判断できませんが、顧客会社の従業員さんほどその会社の中にどっぷりつかってしまうと、逆に何も見えなくなってしまいます。目の前のやること、昨日まで繰り返されてきた慣習、業務内容をこなすのに精一杯なのだから。部外者として、でも、経営支援の専門家として、どの視点から、何を一番に気づき、やってほしい!と狙うか、が大切なんだろうな、と思います。
今毎日業務を繰り返されているのは、誰かが創ったビジネス。それをどうこう言うのでは無く、一歩引いて、大きく俯瞰して、どこでミスマッチを起こしているのか、どのように新しいビジネスへと変革あるいは創造していっていただけるか、思考の道筋を創るのをお手伝いする、そういう前向きでクリエイティブなことをできるよう、色々勉強しないとな~!!!と、久々に書いております。
コンサルの付加価値
2024/7/22
私たちがコンサルティングをするとき、まず会社さんの方針や理念というものがあり、それに基づいて創り出された商品やサービスがあり、
レポートの書き方があいまいなのです。
「効率化を図ります」
「利益を上げます」
「売上に繋げます」
「指導します」
…すべて必要なことですが、「なにを、いつ、どうやって」が抜けているのです。
レポートを書くときに、うっかりしてしまうのではなく、ご自身の頭の中に、具体イメージがない場合に、このような文章になってしまいます。「なんとなく、こんなことしないと、いけないんだよな~」というような雰囲気でしょうか。
いやいや、お仕事って、そんなものではないのです。雰囲気・イメージではなく、具体的に、何を、どうしたら、問題の〇〇がどのぐらい改善するのか、イメージして実行に移すのです。レポートはそれを活字として記録するだけ。なにも特別なことではないのです。
いうなれば…私がよく使うフレーズなのですが、「カレーライスの作り方は?」です。
お腹が減った、という問題点があり、その解決法として、カレーライスを食べようとするが、作らないと、無い。では、どうやって作るのか。まず冷蔵庫を見て、材料を確認して、足りなかったら階に行って、次に野菜やお肉を切って、痛めて、お湯を入れて…この手順を順番にこなしていくと、カレーライスができあがります。
効率化するのだって同じです。いつも営業に出かける十分な時間がないから、事務の時間を削ろうとする。今の時間で大きく省けそうなのが、会議が多いこと。無駄そうな会議については、書面の回覧に変更する、などして、一週間に3時間省略する、その分一件外回りができる…という塩梅です。
何も仕事だからといって、特別なことではないのです。カレーライスでなくてもいいですが、ま、みんな大体同じかな、と思ってこんな例を使ったりしています。ご参考になれば。
気づかせる力
2024/7/8
経営相談では、多くの経営者さんとお話する機会がありますが、その延長線上で、従業員研修のお仕事も担当させていただくことがあります。その時、今まで売上や利益など、あまり数字に携わってこなかったり、きちんと課題や対策についてレポートする社風の中におられなかったりした方をお見受けすることがあります。そして、そういう方々には、共通点があります。
レポートの書き方があいまいなのです。
「効率化を図ります」
「利益を上げます」
「売上に繋げます」
「指導します」
…すべて必要なことですが、「なにを、いつ、どうやって」が抜けているのです。
レポートを書くときに、うっかりしてしまうのではなく、ご自身の頭の中に、具体イメージがない場合に、このような文章になってしまいます。「なんとなく、こんなことしないと、いけないんだよな~」というような雰囲気でしょうか。
いやいや、お仕事って、そんなものではないのです。雰囲気・イメージではなく、具体的に、何を、どうしたら、問題の〇〇がどのぐらい改善するのか、イメージして実行に移すのです。レポートはそれを活字として記録するだけ。なにも特別なことではないのです。
いうなれば…私がよく使うフレーズなのですが、「カレーライスの作り方は?」です。
お腹が減った、という問題点があり、その解決法として、カレーライスを食べようとするが、作らないと、無い。では、どうやって作るのか。まず冷蔵庫を見て、材料を確認して、足りなかったら階に行って、次に野菜やお肉を切って、痛めて、お湯を入れて…この手順を順番にこなしていくと、カレーライスができあがります。
効率化するのだって同じです。いつも営業に出かける十分な時間がないから、事務の時間を削ろうとする。今の時間で大きく省けそうなのが、会議が多いこと。無駄そうな会議については、書面の回覧に変更する、などして、一週間に3時間省略する、その分一件外回りができる…という塩梅です。
何も仕事だからといって、特別なことではないのです。カレーライスでなくてもいいですが、ま、みんな大体同じかな、と思ってこんな例を使ったりしています。ご参考になれば。
カレーライスの作り方は?
2024/6/17
前々回、前回と、業務の課題解決や効率化のためにツールを導入したとしても、そこに社員の理解や意欲がなくては、効果は出ないし、必ずしもデジタル化だけが良い、というわけでもない、というお話をしてきました。
では、ツール導入にあたり、どのように運用するかルールを決め、運用するなかで目標や目標値を定め、定期的に「がんばるぞ~!!」と意欲的に業務に取り組んでもらう。そして、時にはオフラインのミーティングを使ったり、定期的な会議はWebで事務的に過ごしたり…と、色々やってみる。これである程度現場は回っていくでしょう。それで、大丈夫でしょうか?
どんな市場でも、社会の変遷と共に、衰退もしていきますし、消費者の趣向の変化もあります。同じ事の繰り返しは、事業の衰退を招いてしまいます。それを防ぐため、いや、より拡大していくために、一方で成熟したビジネスで利益を蓄積しながら、新しいこと、少しリスクがあるところに投資したり挑戦したりしながら、次の道を探ることが必要ですね。そのためには、毎日のルーチン業務を担当する人ではなく、組織のトップが「こっちの方に進むぞ~!!」と指し示さないといけませんし、「こんな案件でどうでしょう?」と、提案書が上がってきたら、そのままOKにするのか、条件付きでOKするのか、練り直しを命じるのか、判断するのもトップのオシゴトになります。
今回は、このトップのおしごと「リーダーシップ」が大切だ、ということが言いたかったのです。現場が成熟し、よいサービスや商品が作れるようになったり、よい営業ができるようになったとしても、常に動きゆく社会の中で、次の一手について経営者は考え、その方針に則った提案を挙げるように要請し、判断しながら進む。ITツールを入れただけでは、決して動かないものですね!
ツールで解決しないもの(3)
2024/6/10
コロナ禍は、企業の会議方法にも大きな変化をもたらしました。
というか、私達、テレワークを導入・定着支援を行うコンサルタントにとっては、追い風の環境でした。感染リスクがある中、わざわざ会社に出ていかなくても、接触なしに会議が開催できるので、「これは便利!」と一気に普及しましたね。
一方で、Web会議の弱さも実感しました。まず、操作に慣れない人との会議は、開始までに時間がかかります。ようやく開始できても、画面越しに語り掛けても、実はカメラの位置によっては、視線が合っていなかったり、さきほどまで開通するまでに神経をすり減らし、本編に集中できない…などなど。また、回数重ねて慣れてきたとしても、ニュアンスが今一つ伝わりにくかったり、回線状況が途中で悪くなったりで肝心なところが聞こえなかったり…と、対面で話す時とは異なるストレスを経験しました。
研修でも同様です。離れたところの人とも話すことができますし、画面共有もできるので、資料のどのあたりを説明しているのかも、Web会議のメリットを駆使できますし、ウェビナーなんてものも出現して、チャットで質問できたり、映像以外に双方向でやりとり、そして録画ができることも便利さを痛感しました。
最近になって、対面で話すことを意識しなくてよくなると、やはり状況が多様な中小企業さまへのコンサルティングや研修は、対面や個別が有効だな、と思えています。集合研修だと、中途採用が多い中小企業さんでは、レベル感が異なるので、同じトピックでも難しいと感じる人、簡単すぎると感じる人、両方がおられます。また、人数が少ない中で、同じ時間帯に一同に人を集めると、研修は一度で済みますが、電話の対応も含めて業務を止めてしまうことにもなります。と、いうことで、対面&Web研修、個別&集合研修、色々な要素を加味して、目的や状況にとって最適な形を考えていきたいものですね。
ツールで解決しないもの(2)
2024/6/3
事務作業や経営の効率化。この労働力不足の時代、本当に大切です。でも、パソコン苦手!って企業さん、まずは使い方を覚えたい!というのも切実な思い。そこで、企業様の従業員さん向けに、収益管理や業務管理のサポートも実施するのですが…
パソコンの使い方、特にExcelの機能、などを説明したりすると、「そこ」に視点が行ってしまい、操作することがシゴトになってしまったりします。パソコンを今まで使いこなしていなかった方なら、使えるようになって、シゴトをしている「気分」になるのです。
あれ?それはシゴトでしょうか?
シゴトを効率化するため、人力でやるとミスも出るのでデータを使って自動で計算できるようにしたので、パソコンやツールに頼るのは、計算の部分。人はそれを操作して、その先に見えてくる数字を分析し、業務と結びつけ、
お!!これは問題だ!
と、早く気づき、対処できる…ということを目指しているのです。パソコンやアプリ、ツールで業務の「高速化」はできても、シゴトの目的は変わりません。やることは同じです。求められているモノは何か、目的は何か、の理解がなにより大切。それが分かった上で目標値を定め、そこに向かって突進する!
ツールを導入することは「速度」「正確さ」「同時性(共有)」を向上させてくれます。しかしそれは「目的」ではありません。「目的」(いかに儲けるか)に「速く」近づけるということ。それでは問題は解決できません。速くできたデータを見て、考え、判断して行動する人、こそが問題を解決するのです!
ツールで解決しないもの
2024/5/27
前回は「営業」という名の職種の方が、何をどこまでやるのか、何がゴールなのか分からない、というお話でした。このお悩みは、実は多くの会社さんで見られます。商品やサービス、地域や規模などによって、具体的なお悩み内容はマチマチですが、面白いことに一つ共通する傾向があるのです。「営業」とされる方達は「何をどれだけやったら良いのか、わからない。」「そんなに一杯やれと言われても、時間が無い。」というお悩みが大半で、経営者側は「営業」とされる方達に対して「自分からやらない」「言われたことしかしない」「やる気が無い」という愚痴が殆ど、というところ。
そして、さらなる共通点は…経営者側は、自分でも苦労されたやってこられ、(特に自分の会社だから、潰さないように必死で考えて動く)会社が成長して営業の専門職をあてがったら、彼らは自分達のように進んで働いてくれない、という愚痴です。
こういった場合、問題は経営者さんが「可視化」していないところですよ、というお話をします。会社を成長させた経営者さんは、自分はそんな大したことをしていない。当たり前のことをしてきただけだ。そんなに難しい話じゃないから、「君たちも当然分かるだろう」と考えておられるんです。
分かるわけないですよね。新卒社員さんなら、学校生活しか知らないわけですし、経験者の中途採用にしても、業界や商品については既知であっても、その会社の方針や文化・ルールまでは。
なので、新しく入った営業の方は、一生懸命「今有るシゴト」の「順序」を覚えようとします。それがマスターできると、当然次は自分から…と、経営者さんは期待しすぎることなく、丁寧にやるべきことを整理して、職位や業種にいよってゴールを決め、それを説明していきましょう。それが説明しなくても分かる方がおられたら、それはそれでラッキー、ぐらいなキモチで。
職責やお給料はそれに比例していくものですし、営業「窓口」の手続きができるだけならヒラ社員、新しい案件を「開拓」して「創造」できるようになれば「課長」、それを部下にも教えてアドバイスできるようになるのが「部長」など、簡単なことばで整理するとよいでしょう。その責任範囲で、各年度の数値目標を決めていけば、「自分はこのペースでやろう!」「一旦ここで休もう」と、社員さんもゴールに向かって考えられるようになります。「ゴールはあげられるだけあげて!」なんて思っていると、皆疲弊するだけでなく、「何をやってもOKでない。」と、不信感も漂います。誰に、何をお願いしたいのか、方針決めて、整理してKPIも決める!!ここまでは経営者さんの方で頑張ってみてください。
マーケと営業その3
2024/5/13
「私は営業担当です」という方に、業務内容などのインタビューをしていますと、「営業」の範囲が非常に曖昧であると感じることが多いです。
営業のお仕事、といえば、その会社の商品やサービスを世の中に知らしめたり、お客さまにお勧めしたりして、買っていただくための金額や数量を交渉し、販売につなげること!と考えられます。新入社員さんなどは、余り商品知識も深くないので、リピーターさん、固定顧客さんの窓口対応をしてみたりして、そこからお客様の要求などを感じ取ることもあるでしょう。
しかし、新入社員のときに覚えた固定顧客との間でのやりとりだけでは、ちょっと困るんですよね。お客様も商品も、ずっと永遠に同じ数量を同じだけ買ってもらえ、売れていくなら、そんな楽なことはないですし、それなら営業の担当は初めに売れるようになるまでが必要で、あとは納期と数量とだけ自動で確認すれば良くなってしまいます。残念ながら、お客様も変わっていきますし、世の中が変われば新しい商品やサービスも出現し、市場価値が廃れてくることもあります。ですので営業さんは、お得意さんを大切にしながらも、新しいお客様を開拓し、新しい商品サービスのあり方を追求しないと…ですよね。
でも、新しいお客さまや新しい商品サービスのコンセプトを考えること、そんなに簡単ではありません。常に販売窓口をしながら、世の中の動き、お客さまの要求の変化にアンテナをはっていないといけませんからね。それに、初めて会う人にお話をするって、ストレスもあるでしょう。人によってはとっても苦手!と感じる方もおられるかもしれません。色んな経験やスキルが必要となる、高度な業務になりますね。
ですので、会社から「まずお客さまの窓口をやって」と言われ、そのうちに「新しい案件取ってこい」と言われ「新しい顧客を開拓しろ、新しい商品やサービスを考えろ」と、どんどん難しいことを言われ、「いつになったら目標達成できるのだろう…」と、不安になってしまう社員さん、結構多いですよ。さあ、どうすれば良いでしょう。続きはまた来週!
マーケと営業その2
2024/5/6
大企業に対する中小企業の特性の一つとして…という雑な分け方ですが…「業務分化・専門化があまり見られず、一人が複数のファンクションを受け持つことが多い」が挙げられると思います。たとえば、大企業では「総務部」「経理部」「財務部」「審査部」「人事部」「法務部」等など、いわゆる非生産部門でこんなに沢山の部門が有るのに対し、中小企業では「人事部」や「法務部」がある方が少数派ですし、総務部で人事も経理も財務も全部担当している!!という企業さんは、沢山おられますよね。会社の機能の一つであっても「稼がない」部門がそんなに膨れ上がると、利益を圧迫してしまいますからね。
それは、強みでもあり、弱みでもあります。
「強み」と言える場合は、一人の社員が色々できて、情報共有・助け合いができる体制がある状態であり、そうすれば発揮できる機能の割にコストが低く抑えられている、そんなイメージ。
逆に「弱み」になってしまっている場合は、情報共有・助け合いができる体制・社風がないために、業務が属人化してしまっていて、「あの人が休みだと進まない」あるいは「あの人がやると思っていたから私も(誰も)やっていない」というような状況、でしょうか。
いずれにしても、大事なのは、部署が有る・無いではなく、会社として必要な「役割」を「誰に」引き当てているか、ということです。俗に「ファンクション」「ミッション」とも言われるモノです。ここで誤解が多いのが「役割」と「手順・作業内容」をごっちゃにしてしまうことです。さて、結構長くなりそうですね。今回はここまで。続きは次週をお楽しみに!
マーケと営業その1
2024/4/15
多くの企業様に共通するお悩みであり、また実際ご相談に応じてみると、かなりの割合で正確にお悩みの内容を把握されていないこと…について、今日は書いてみたいと思います。
まず、「売上ばかり気にして、利益を意識されていない、結果、赤字になっている」状況…よく見かけますよね。そこで「よし、今後は収益だ!収益体質にするぞ!」と目標を立てる。予算上は利益率を算出して、それを目標にしようとする。でも…なかなか上手くいかないですよね…何がダメなんでしょうか?
会社さんの置かれた状況は会社さんの数だけパターンが有りますので、一概には言えませんが、普段の業務の中で、目標をどう捉えているか、大別して二つに分かれると思います。
目標の捉え方①:目標を「点」で捉える
目標値や理念を設定
普段から頭に入れておけるように、復唱したり貼り紙にしたりする
経過報告では「できました」または「できませんでした」しかコメントがなく、なぜできたのか・できなかったのかの分析がない
やらなきゃ!と思っているけれど、何からやって良いのか分からない
目標の捉え方②:目標を「線」または「面」で捉える
目標値や理念を設定(ここまでは共通)
現時点から目標に至るまでにはどのぐらいの距離があり、何をすべきか、どういうプロセスを明確にする
経過報告では「目標に対し、どこまで到達した。予定より早かった/遅かったのは、こういう理由だから。だから今後の対策はこうする」とストーリー仕立てでコメントできる
担当者も分析して、考えて進めているので、次にやることが明確
「○○になりたい!」「がんばります!」ここまでは、多くの人が到達できます。その次は「では、どうやって?」という具体的なアクション・プランが必要なのです。計画通り進むことはないかもしれませんが、だからといって計画も作らないと、一歩も出ません。
最近更に話題に上ることが増えた、野球メジャーリーグの大谷選手も、マンダラ・チャートを作っていたことは有名なお話ですよね。夢への架け橋は現実と夢の間にしっかり繋がっていないとたどり着けないもの。その架け橋の橋板一枚一枚に当たる、アクションプランを描いたり、間違っていたら付け替えたりして、進んでいることを実感しながら目標達成していきましょう♫
アクション・プラン
2024/3/18
年度末となり、公的支援がほぼ終わり…という時期ですが、またまた別の新しいプロジェクトが二つほど、立ち上がります。それが仕事、なのですが、その会社さんの現状を分析し、一番ネックとなっている課題、その次の課題…とそれらの改善方法を提案し、なんなら一緒に変革のお手伝いをする…ことになります。気を付けたいのは、私たちへの印象。外から見えることでも、当事者になると見えないことがありますが、第三者から見えた概況を言葉にしてみるときは要注意。そこで印象が決まります。見えないことを指摘されるのは、誰でも心地よいものではなく、なんなら「うるさい!」と、耳を覆いたくもなるからで、今後のコンサルティングにも響きます。
それなのに、もし上から目線のコンサルから、ちょっとカタカナ用語多めに指摘をされて、提案をされたとしても、「なんだこいつ。うるせーな。会社変えたいなら、あんたがやってみろ!」(ああ、言葉が汚い…すみません…)なーんて、思いたくもなりますよね。
「変われない?だからダメなんです!!」なんて、放り投げるのは簡単ですが、ビジネスとしては商売放棄。それでは仕事になりません。これではいけない!と痛感していただき、これならできる!と思って、ちょっと歯を食いしばってもらったり、少し辛いこともあるかもしれません。でも、なんとかやってみたらできた!会社も変わった!良くなった!!そういっていただけるのが、何よりうれしいです。
そのためには!!課題分析力を向上することも大事ですが、おそらくそれよりも前に、相手に寄り添うこと。相手が愚痴れば、「いえいえ、それはね…」と否定したりせず、「そうですか~。それは大変ですね。」と、相手の感情をしっかり受け止めることが大切。「私も似たようなことあるんです!」なんて言うと、もっと距離が縮まり、「最も言いたいことボール」を投げるにも、相手が至近距離に近寄っていますので、しっかり胸元めがけて投げられます。
会社に変わってほしい、経営者に変わってほしいと思う。そのためにどうするか。人にお願いすることを、まずは自分もやる。共感、する。だと思います。コンサルティングの教科書にも出てきますが、やはり実践を積んでこそ、「そうだな」と実感しています。相手に聞いてほしいからこそ、聞く。距離を詰める。お勧めです!
共感
2024/3/4
夕方の窓の外が、少し明るいような、日が長くなったかな、と思えるようになりました。春の訪れが、迫ってきているのでしょうね。今年の春は、新しい案件もあるのですが、一方で何年間実施してきた顧問契約の終了もありそうです。
もともと、コンサルティングは経営改善のための助言・提案が大部分の業務ではありますが、定期的に訪問するようになると、一緒になって業務改革を進める、トレーナーの役割に変わっていきます。ということは、会社の中にその機能を植え込み、育て、そして次の人にも教えられるような土壌を創っていきます。それが自分たちでできるようになると、もう、私たちの任務は終了です。
私たちの売上は、企業さまにとってのコスト。会社の変革のために必要なコストであるなら意味がありますが、自分たちで変革していける力がついたなら、もうそれは、旅立ちのとき。私たちも気持ちよく卒業の日を迎えられます。
経営コンサルタントって、なんだかインチキくさーい!とも思われがちですが、実際一緒に改善を行うようになると、有難いことに多くの企業様に重宝いただいております。卒業・旅立ちは、ちょっと寂しいですが、それでも意味のある事、形あることを成し遂げた喜びの方が大きいです。これからも、また、新しい出会いを大切に、一社でも多く「人と経営を元気に!」していければ、と思います。
旅立ちのとき
2024/2/26
働き方改革、業務の効率化!の波が押し寄せ、私たちも企業様に効率化のヒントをお話したりするわけですが、便利なものはリスクもあります。つい、なんでもメールやチャットで送ってしまいがちですが、その情報は他の人に見られずに相手に届くのか、もし間違って他の人に届いてしまったら、どんな損害が発生するのか…。
今年、令和6年1月からの電子帳簿保存法の改正は、電子証憑類の送受信に関連して、保管方法や管理方法について規定があるものでしたが、やはり情報をやりとりしないと仕事にならないし(住所を聞かないと商品を発送できないし)、私たちだって財務情報をいただかないと、分析も助言もできません。素早く便利に送受信できるようになった分、より安全な方法で、確実に授受し、安全に保管することに意識しないといけないのでしょうね。
ただ、始まりがあれば、終わりもある。同じ取引先と永遠に取引するわけではありません。私たちもスポットでのお客様、3回コース、5回コース、あるいは数年にわたるところ…色々あります。一旦分析や助言のためにいただいた情報を、もう業務用使わなくなったら…いつまでも持っていることは適切、とはいえないですよね。そこで、「適切に廃棄する」ことが必要となります。「終わりよければすべてよし」ではないですが、案件が終了したら、以後の業務に関係のないもの、法令で保管が義務付けられているもの以外は、キレイにしないと、ですね。
普段は私もシュレッダーを使っていますが、年度末に資料を整理すると、かなりのボリュームの紙類が出てきます。シュレッダーの中がすぐに一杯になってしまいそうだし、シュレッダーも疲れてしまいそう…。そこで、先日は郵便局の書類溶解サービスを利用しました。郵便局で申し込むと専用の箱が送られてきて、そこに廃棄する紙を入れると、そのまま溶解してリサイクル…というもの。持ち込むときの重み、これまでお仕事させていただいてきた、情報の重みをひしひしと感じておりました。
情報の重み
2024/2/19
人が人を操るなんて、できませんよね。別の人だから。でも、組織になると、うまく組織が機能するように、ルールを設けたり、チームや役職を設けて、秩序が保たれるようにします。その上でも!
ウチの社員は全然言うこと聞かない
〇〇さんの言うことなら、みんな聞く
…といった経営者様の愚痴、よく聞かれます。
なぜでしょう?
色々な状況が考えられますが、ここはひとつ、いうことを聞かない社員さんの所為にするのは、一旦置いておきましょうか。「人は人を操れない」ので。
私たちは基本的に経営者の皆様とお話する機会がほとんどですので、やはり経営者さんにご自身を客観視していただきたいです。(はい、私も。)5W1Hで考えてみましょうか。
(When:いつ)言いたいことを、自分が言いたいときに言っていないか?…社員さんが、話を聞く状態の時に話しかけているか。忙しそうにしているなら、また急を要することでなければ、一旦その場を離れて落ち着いて話す場を持った方がよいのではないか。
(Where:どこで)誰かの失敗や良くないことをただすことの指摘であればなおさら、皆の前、ほかの社員が聞こえるところで話していないか?話を聞くよりも恥ずかしい、という気持ちの方が大きくなるような環境で話していないか?
(Who:だれが)あなた自身は、その人に直接指図や注意をすべき人なのか?組織図上・指揮命令系統上、飛び越えたりしていないか?
(Why:なぜ)なぜ今注意したり命令したりしているのか。目標を達成に向かって、どうつながるから今注意・命令しているんだよ、と、十分目的を説明しているか?
(How:どのように)大きな声で、威嚇するように言っていないか。相手が納得し、自主的に動いてもらえるように話しているか。
いかがでしょうか?
自分が「こうやって努力してここまで来た」というキャリアのある経営者さんなら、努力の数や経験が自分より少ない人が何かをするのを見ると「あーちがう!そうじゃない!」と、言いたくなりますよね。で、その場で「ちょっ、ちょっ、ちょっと~」と割って入って持論を展開すると、「うーん、せっかくやってみようと思ったのに…」と、作業そのものよりも、意欲が失われてしまうんですね。
そういうことが続くと、部下の方から見ると「”いちいちうるさい人”像」が形成されてしまい、どんなに良いことを言っていても、受け入れて貰えなくなってしまいます。命令する力も、コツコツ積上げていくものですよね。人間関係の中で「この人の言うことなら、聞かなくっちゃ!」と思わせる人、「聞いてもらう力」を、経営者さんは鍛えていきましょう!
聞いてもらう力
2024/2/5
IT/DXツールを導入すると、事務処理が早くなる!
ということで、企業様ではいろんなツールを導入されていると思います。ただ、それも運用方法で効率化できているか、甚だ疑問なこともあります。
先日も、「なんか効率が悪いと思いながら、いろんなシステムやソフトに、同じような情報・文字を打ち込んでいる。もっと他のやり方があると思っている。でも、誰に聞いていいのか、どこで検索すればいいのか、答えの方向も分からないので、ついついそのままにしてしまう。」というようなお話を聞きました。
わかります。本当によく、分かります。いろんな要素はたくさんあると思うのですが、一つは「入力時間」だと思います。私も20年余り前に総合商社に勤務していました。その時は「タイプさん」がおられました。とにかく入力する担当者さんです。でも、今はコピペ、スキャナからのOCR、CSVのアップロードと、わざわざ打ち間違いのリスクを冒して入力しなくても、データを丸ごと動かせるようになりました。なんなら、生成AIが中身まで作ってくれるようになりました。
ちょっとやり方を覚えれば、「今までの時間は何だったんだ!」と感動される方もおられます。「なんか、目をショボショボさせながら打ち込んでばかり!」と思ったら、入力時間が長くなっていないか、同じような情報を別のシステムに打ち込んでいないか、注意してみてください。そこに効率化のポイントがありますから!
入力時間
2024/1/22
当社設立以来、毎週アップしていたコラムも、昨年6月からご無沙汰してしまいました。もちろん、忙しかったのは(いいわけでは)ありますが、なんで続かないのかな~と考えると、中国語のことわざを書き続けていた、そして、今、当社の業務とは関係がほとんどなくなっているから、なんですよね。。。
と、いうことで、今年からは心を入れ替えて、企業様の「人と経営を元気に」業務をする中で、心に残った「ことば」を書き留めていきたいと思います。
今週は「応援される力」です。当社のパートナー・チームでの支援の一コマです。(個別事案が特定されないよう、多少「色」を付けます。ご了承くださいませ。)その経営者さんは、自分が「やりたい」ということは明確。でも、それを実践するにはいろんなことが必要なのですが、とても一人ではやりきれない。でも、不思議とその人には、いろんな応援団がいるのです。とても「応援される力」が強い経営者さんなのです。
「経営」というのは、会社が利益をあげられるよう、組織を編成し、適材適所に人を配置し、指揮命令系統がうまく機能するように、そして組織の皆さんがやる気をだして、同じ目標に向かって進んでいけるよう、環境や仕組みを作り、運営していくこと。とても一人でできることではありません。しかも、起業となると、前例がないところから立ち上げるので、失敗や非効率もあちこち出てきて、パワーも必要です。もちろんお金も必要。
そんな時、手を差し伸べる人、力になる人がいる、というのは、まぎれもなく、その経営者さんの「力」だと思うのです。一人ですべてできる人なんていないのですから。これこそ、英語力、交渉力、財務会計の知識、等と同様、一朝一夕には身につかない、いや仕事を離れても日ごろから心がけていないと身につかない、素晴らしい力なんだと思います。私もがんばろう!
応援される力
2024/1/15
一か月、ご無沙汰してしまいました。時は梅雨、鬱陶しいお天気が続きますが、如何お過ごしでしょうか?
計画策定案件を複数抱え、ちょっと身動きが取れなくなってしまっておりました。さて、そんな計画策定のプロセスで、よく社長さまが愚痴られることがあります。「この業界、ほんとにダメなんですよ」「この業界、みんなそうですよ」と、あたかも業界全体がダメ!!のように。
確かに、業界イメージや、業界平均給与、等といった指標から、好印象、高給与のイメージ業界、そうでない業界、いろいろあるでしょう。そして、業界イメージがあまりよくない、だからなり手がない、人不足、という業界も良く分かります。でも!だからといって、全部が悪いわけではない!!と、声を大にして言いたいのです。
イメージが良くなくても、業界として残っている、ということは、人々が必要としている、ということ。そこには利益が落ちているはずなのです。でも、やり方が上手くなくて儲けられなかったり、昔気質のやりかたが、業界としてなかなか変えられず、現代のマーケットになじまなかったり、どこかに問題があるのです。そして、その業界でたとえ多くの企業さんが困っておられたとしても、工夫や努力、あるいは閃きで頭一つとびぬける企業さんもおられるのです。
「護送船団方式」などと揶揄される日本の下のレベルに合わせてしまう(あるいは自分よりも下や同レベルがいることで安心してしまう)風潮は、「和を以て貴しとなす」の裏返し。有象無象の業界企業の中で、キラリと輝く何かを持たないと、顧客は選択肢が多すぎて、皆さんの企業を見つけられないのです。
「白眉(バイメイ)」、日本語でも「はくび」と呼ばれますが、数ある者の中でも、最も優れた者のこと。置かれた状況・業界を嘆くのではなく、その存在意義、今顧客は何を求めているのか、その中でどうすれば付加価値が上がる=儲けられるのか…明確な目標と地道な努力、これこそがキラリと白い眉を光らせる道…ですよね。そんな道づくり、お手伝いしたいと思います。
白眉
[bai2 mei2 ] 2023/6/12
中小企業診断士という立場からは、企業様に「管理をして」「仕組みを作りましょう」「教育をしましょう!」等とコメントさせていただくことが多いのですが、必ずしも管理だけが全て、というわけではありません。どんなに管理をしていても、自然災害や環境の変化が起これば、人間の努力では抗えないこともあります。なので、連休明けの今日は、ちょっと違うことも言ってみようと思います。
「水到渠成;シュイ・ダオ・チュイ・チャン」水が流れるところには自然と溝ができる。時機が熟したら上手くいく、ということ。人間というのは、非常に都合が良いモノでございまして、計画とその管理に躍起になっている人がいたら、「水到渠成、真面目にコツコツやっていれば、時期が来れば成就するよ。焦らずゆっくり行こう!」と言いたくなり、いつもだらだら、管理もできていない人がいたら「時は金なり!しっかりスケジュールを立てて、無駄な時間が無いようにしよう!」と声をかけたくなります。これは、優柔不断なのではなくバランス、「中庸の得」ということなのかな、と思います。
何事もバランス良く、適当に集中して頑張り、適当に休んで体調や心の健康を良好に保ち、できる限りベストな状態で仕事しましょう。そうすれば、ちょっとしたトラブルでも、落ち着いて対応でき、ダメージも最小で済むかもしれません。再生支援のお手伝いしている経営者さんたちにも、中長期ビジョンを持って、目の前のことを真面目にコツコツ実行していけば、時機がくれば、きっと上手くいく。本当にそう言いたいのですが、ただ、分かっていても、業績が思わしくない状況にいる企業様の経営者は、なかなかプラス思考で考えられないもの。そんな時でも、「今は焦らなくて良いですよ」と、少しでも安心してもらえるよう、自信を持ってお伝えできるようになりたいです。
水到渠成
[shui3 dao4 ju2 cheng2 ] 2023/5/8
今月から、また新しい企業さんのサポート案件を担当させていただくことになりました。商機を見込んで起業し、はじめは調子がよかったものの、川の流れは久しからず、世の中は変わり、業績悪化に悩まれる…。外部環境の変化や、競合の出現など、コントロールできないこともあるでしょうし、管理不足や改善・教育を怠ったこと等、内部でできていなかったことも挙げられるでしょう。大抵の場合、いろんな要素が絡み合ってじわじわと調子が下降していきます。こんな時、どうすべきか。正答はないでしょう。
でも、業績下降の見ないふりや無策は良くないですね。定期的に確認している数値の悪化は現実としてとらえ、どこまで悪くなったら、どうする、というシナリオを、まだ十分に体力や気力のある間に作り、粛々と従うことが大切だと思います。災害が来ていなくても避難訓練をするのと同じです。
とはいえ、経営者だって人間です。不安な時は不安。でも、できることなら社員に心配をかけたくない。風評被害で業績が悪化することもあるし、そうなることは避けたい。気持ちが休まることがない日が続くこともあるかもしれません。現実を見ないのでは無く、しっかり確実に把握して、その一方で「いつも良いときばかりじゃないよ」と大きく構えて、いつもと同じように話し、笑う。「言笑自若:イェン・シャオ・ズー・ルオ」大変なときでも、動じること無く、いつもと同じように笑いながらしゃべる。簡単なことではありませんが、「病は気から」。中小企業のかかりつけ医の私たちは、企業経営者さん達が、いつもと同じように笑っていただけるようサポートし、そこから自浄作用で治癒できるよう、伴走していきたいと思います!
言笑自若
[yan2 xiao4 zi4 ruo4 ] 2023/4/17
あっというまに4月。新年度となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?最近の気候変動もあってか、桜は3月に咲き、入社式や入学式の頃には、花びらが落ちてしまっている、ということが多くなりました。まさに、その様子は「落英繽紛;ルゥオ・イン・ビン・フェン」さくらの花びらが激しく散ること、花嵐。美しきものは長く続かない、はかなさを表しているようで、とても可憐で、切なくもなります。
そんな中でも、なんとか会社が10年目を迎えさせていただいていることは有難いことです。経験を積むことは大切ですし、それがお客様への安心にも繋がりますが、それとは背中合わせに「慣れ」のリスクもあります。コンサルタントの良い「慣れ」は効率化に繋がりますが、悪い「慣れ」は「おざなり」「決めつけ」「上から目線」に繋がり勝ち。そこを自分自身に言い聞かせながら、よい経験の積み方と、よい経験の活かし方を心して探求していきたい、そう思う新年度のはじめです。
ところで、そんな新年度、しっかり物事を見極めようと、今日は眼科クリニックに行って遠近両用コンタクトレンズなるものに初めてチャレンジしてみました。もともと近視ですが、こちらは視力の低下はみられませんでしたが、老眼が進んでいたため、今のコンタクトレンズでは遠くを見るときはよいのですが、ふと近距離の小さい文字に視線を落とすと、もう見えなくなってしまうので、遠近両用に踏み切りました!と、ブログで書くほどのことでもないでしょうか。いやいや、細かい数字も見逃さないように、そして近視眼にならないよう、俯瞰的にも物事をみられるよう、この遠近両用コンタクトレンズでしっかり新年度も見極めていきます!
落英缤纷
[luo4 ying1 bin1 fen1 ] 2023/4/3