CEPD研究会について 

設立趣旨

近年、精神疾患の治療ターゲットとして、“生活の質(QoL)”や社会機能(就労・就学など)が重視されつつあります。それらの向上を目指すために、神経認知機能(記憶・注意・遂行機能など)や社会認知機能(表情認知・心の理論など)を増強させる介入法に注目が集まっています。このような“認知機能増強(cognitive enhancement)の手法としては、 認知矯正療法などの心理社会的治療法、薬物療法、脳刺激法などが挙げられます。

“精神疾患における認知機能増強法”については、動物実験をを用いた基礎研究から、地域社会で生活する患者のリカバリーを目指した臨床実践まで、幅広いアプローチが試みられています。しかし、このような取り組みに関心をもつ臨床家や研究者が一堂に会し、意見交換のできる場は多くありません。

関連する内容を扱う研究会としては、「精神疾患と認知機能研究会」や「認知リハビリテーション研究会」があります。前者は、認知機能の障害の基盤となりうる脳活動などについての研究発表が目立ち、参加者が限定される「セミ・クローズド」な場であるのが現状です。後者はその趣旨にもあるように「高次脳機能障害」のリハビリテーションに主眼を置いており、統合失調症やうつ病などの精神疾患に関する十分な議論の場とはなっていません。

以上から、臨床面に軸足を置きつつ、精神疾患における認知機能増強法について幅広く活発に意見交換のできる場として「Cognitive Enhancement in Psychiatric Disorders研究会(略称:CEPD研究会)」を設立することにしました。同分野に興味のある臨床医、コ・メディカル、研究者を含む、多職種からの積極的な参加を期待します。

代表理事 住吉太幹

理事   丹羽真一 中込和幸 池淵恵美 岩根達郎 根本隆洋 芳賀大輔 
     最上美子 豊巻敦人 兼子幸一 曽良一郎 菊池 安希子

監事   池澤聰  住吉チカ