1.実習の目的
この実習は、日々の犬の世話を通じた人と犬の関係作りを基盤に、陽性強化にもとづいたトレーニング方法を習得し、実際の「人間社会との共生」を目指し、伴侶動物としてふさわしい犬になるまでトレーニングすることを目的としています。トレーニングを終了した犬は新たな里親に譲渡します。
これらの活動は、単なる大学の実習という枠組みにとどまらず、捨てられた犬を再度社会に還元するという社会的貢献、動物福祉分野の社会的認知度の向上、また修学した学生らが社会人となり、正しいイヌのしつけ方を世間一般に伝授していくという側面が期待されます。
2.実習内容
実習に参加する学生は、5~10名で1頭を担当し、5月あるいは6月から11月まで連続して犬のトレーニングを行います。スタッフの指導のもと、学生達自身が担当犬の問題点を抽出し、問題解決のためのトレーニング計画を立て、毎日、朝・昼・夕方(1時間~1時間半)の当番時間に、お世話やトレーニングを行います。犬の状況によっては、定期的なトレーニングとは別にプログラムを作成するなどして、再社会化を完成させます。
最終的にトレーニングの終了したイヌは里親希望者に譲渡します。実習中に里親希望者を募集し、応募の中から適切な新しい里親を決定、さらにその里親希望者の生活スタイルに合わせたイヌの再トレーニングを行ってから譲渡します。譲渡後も里親と密に連絡を取り、イヌの状態の追跡調査を行います。
3.飼育管理体制及び実習施設
実習は麻布大学内のCompanion Dog Laboratoryにて行います。200㎡程度の室内飼育、トレーニング室を完備しています。「共生」のためのトレーニングは、人間社会の中でのルールを学ぶために、いくつかの学内施設(学生事務室、学生ラウンジなど)へトレーニング中の犬を入館させます。さらに人との関わりをもたせるために、飼育室内に日中指導のための講師を常時配置します。