中学校技術・家庭科「技術分野」における、
栽培分野の指導を支援する体制づくり
―「栽培学習の手引き」作成、農業高校との連携、栽培技術講習会の実践を通して―
中学校技術・家庭科「技術分野」における、
栽培分野の指導を支援する体制づくり
―「栽培学習の手引き」作成、農業高校との連携、栽培技術講習会の実践を通して―
【研究概要】
本研究は、食料自給率が38%(カロリーベース)と低く、農業への理解を深めることが求められる現代社会 において、中学校技術科教員が抱える「B生物育成の技術」の指導上の課題(栽培に関する知識や技術の不足など) を解決するために、令和6年度沖縄県立総合教育センター調査研究として実施されました。全国的にも技術教員のうち23%が臨時免許状または免許外教科担任であるなど、指導体制の充実が急務である中、本研究では以下の3つの柱を通じて支援体制の構築に取り組みました。
1. 「栽培学習の手引き」の作成:栽培の基礎知識や技術を盛り込んだ手引きを作成し、指導体制の充実を図りました。
2. 農業高校との連携学習の実践:名護市立大宮中学校と沖縄県立北部農林高等学校が連携し、絶滅危惧種のナゴラン育成や最新のスマート農業・植物工場見学などを実施しました。これにより、生徒は農業に対するイメージを変え、興味を持つ成果が得られました。
3. 栽培技術講習会の実施:県内技術教諭を対象に、卒業式・入学式に向けた草花栽培に関する専門的かつ実用的な講習会を実施し、指導力の向上を図りました。
この研究により、中学校技術科と高等学校農業科の連携体制が構築され、栽培分野における指導体制の充実が図られました。
今後は、この連携を沖縄県内各地区へ推進していくことが課題とされています。今後の教育現場における実践にお役立てください。
 R6調査研究報告書(中技術).pdf
R6調査研究報告書(中技術).pdfR6調査研究報告書(中技術)
 R6栽培学習の手引き.pdf
R6栽培学習の手引き.pdfR6栽培学習の手引き
 R6草花栽培講習会プレゼン資料.pdf
R6草花栽培講習会プレゼン資料.pdfR6草花栽培講習会プレゼン資料
 R6草花栽培講習会ワークシート.pdf
R6草花栽培講習会ワークシート.pdfR6草花栽培講習会テキスト
中学校技術科と高等学校農業科は、異なる校種ではあるが同じ農業に関する学習指導を実施している。校種は異なるが、県全体の教育活動充実を考えれば、連携・協力し合うことは大きなプラスだと考える。今回の研究を契機に、中学校技術科と高等学校農業科の連携が活発になることを願ってやまない。産業教育班 指導主事 徳永公男