阿南工業高等専門学校 創造技術工学科 建設コース
阿南工業高等専門学校創造技術工学科建設コースでは,若年齢から建築学と土木工学とを同時に学びます.それは,人口が縮減していく中で地方都市の持続性を高めたり,ゼロカーボン都市への転換を進めたり,災害に対してレジリエンス(しなやか)な都市へと変えていくためには,建築や土木といった小さな専門領域に留まらない幅広い知識と技術を持った建築家になる必要があるためです.本研究室を主宰する多田豊(准教授)は,建築分野の国家資格である一級建築士と,土木分野の国家資格である技術士(建設部門)を持つ実務者教員であり,主に阿南市を対象としてまちづくりや事前復興等について研究,教育を行っています.
多田 豊(准教授)
1981年徳島県に生れる.日本大学大学院修了後,都市計画コンサルタント,建築設計事務所勤務を経て,2019年より阿南工業高等専門学校講師,2021年より准教授となり現在に至る.博士(工学),一級建築士,技術士(建設部門)の他多数の資格を所有しています.
<論文> /< 口頭発表> /< 外部資金> /< 書籍等> / <所属学協会> / <受賞歴> / <委員歴> / <メディア掲載等> / <社会貢献活動> /
<所有資格>
・国家資格:一級建築士,技術士(建設部門),測量士補
・公的資格:土地区画整理士,二級建築士,文教施設応急危険度判定士
・地方自治体設置資格:とくしま地方創生空き家判定士,徳島県木造住宅耐震診断員,徳島県木造住宅耐震改修施工者
・民間資格:既存住宅状況調査技術者,被災建築物応急危険度判定士,被災宅地危険度判定士,防災士,CASBEE戸建評価員,住宅医,walstatマスター,気密測定技能者
・講習会受講:国土交通大臣登録木造耐震診断資格者,住宅省エネルギー技術者講習会受講者,文化庁登録有形文化財建造物修理関係者等講習会修了生
・その他:高等学校教諭第一種免許(工業)
建築研究室では,「まちづくり」,「デジタル」,「仮設住宅」,「住宅診断」,「公民館」の5つの研究分野について,平時から発災時,復旧時(発災から2年以内),復興時(発災から10年後)の時間軸を設定し研究を進めています.
アーバンデザインセンター(UDC)とは,行政や市民,企業という立場を超えて,地域でまちづくりに関わる団体が連携し,都市デザインの専門家が客観的立場から携わる新たな形のまちづくりの拠点として,全国24拠点に展開しています.UDCAとは,アーバンデザインセンター阿南のことで,阿南市を対象に防災性と利便性とを高めるまちづくりを目指して,現在設立の準備に向けた活動を行っています.
阿南市では災害リスクの高い沿岸部に住宅開発が進んでいますが,その要因の一つに阿南駅周辺等の中心市街地がシャッター街化し,高いコストをかけて住宅を取得しても利便性が低いことがあげられます.郊外部には全国的にも著名なレストラン等もあり,そうしたお店が中心部に戻ってくる商業的なきっかけを生み出せないかと考え,2023年6月より市内の事業者と共に平日夕方に中心部でマルシェを開催しながら,中心市街地の活性化に向けた研究を行っています.
第66代内閣総理大臣を務めた三木武夫元首相の実家が公園として整備されるにあたり,顕彰のため記念碑をデザインしました.デザインに先立ち地域の方々へワークショップ等を行い,三木武夫氏が地域の高齢者に慕われているが,子ども世代には伝承されていない現実を明らかにしました.中央政界からみた三木武夫ではなく,地域のリーダーとしての三木武夫像を描くため,座右の銘である「人,信なくば立たず」の言葉をデザインに取り込みました.
「ハザードマップを見てもよくわからないが,説明を受けたら理解できる」という方がたくさんいます.誰がみても分かるスマートハザードマップを開発しています.2023年4月の段階では,個別住宅地の浸水深さ,住宅の被害,浸水までに避難可能な範囲,被災による住宅被害額を表示できるようにしています.今後,住宅・電柱の倒壊等や地域の助け合いを考慮したより安全な避難経路の選択や,防災知識の程度に合わせた分かりやすい説明の自動生成等の技術開発を行っていきます.
南海トラフ巨大地震が発災した場合に7万戸もの応急仮設住宅が必要となると予測されています.人口の集中する沿岸部の大部分が浸水しますが,復興を早期に進めるためには被災地への応急仮設住宅の建設は抑制するべきです.そのため,丘陵部等のインフラが十分ではない敷地に建設できるオフグリッド(電気・ガス・上下水道等に接続しない)の仮設住宅を建設できるよう研究を進めています.
応急仮設住宅団地の配置設計は,被災の程度と入居希望世帯数,確保できた敷地により与条件が変化し,被災後1週間程度のうちに何十もの敷地の配置設計を行う必要があります.かつ,孤独等にならないよう人と人とのつながりが生まれやすい住戸配置を実現する必要があります.そうした配置設計ができる技術者を育成するため,配置計画ゲームを開発し,全国高専や社会人団体への普及を行っています.
既存住宅の劣化や性能を診断することをインスペクションといいます.1980年代以前の既存住宅は目視による調査が容易ですが,1990年代以降は合板及び断熱材の普及や天井高が低くなる等,目視による点検が不可能な範囲が増加しています.こうした住宅のリフォーム前の調査や災害時の被害状況等の確認のため,天井裏等に進入し,画像分析や打診検査等を行えるインスペクション・ロボットの開発を行っています.将来的には,簡易な劣化改修や耐震化等を行えるロボットを開発していきたいと考えています.
既存住宅の劣化や性能を診断することをインスペクションといいます.1980年代以前の既存住宅は目視による調査が容易ですが,1990年代以降は合板及び断熱材の普及や天井高が低くなる等,目視による点検が不可能な範囲が増加しています.こうした住宅のリフォーム前の調査や災害時の被害状況等の確認のため,天井裏等に進入し,画像分析や打診検査等を行えるインスペクション・ロボットの開発を行っています.将来的には,簡易な劣化改修や耐震化等を行えるロボットを開発していきたいと考えています.
社会教育の実践の場である公民館では,60年以上に渡り,地域毎に様々な活動が行われてきており,その教育効果について評価をしてみたいと考えています.具体的には,「あの日のあの時の言葉や体験が生きる糧になった」という思い出を集め,質的分析から,それぞれの地域に公民館がある意味を考えています.
2022年度
・豊崎涼太,リモートワークの普及により戸建て住宅に生じた新しい騒音の音響特性
・浜貫太,高専生が学生寮において抱えるストレッサーの質的分析
・森下拓哉.ハザードマップ柄プロダクツによる若年層へのハザードマップ普及率向上に関する研究
2021年度
・太田朱音,兵庫県民の古民家への居住選択に関する意識調査(令和3年度阿南工業高等専門学校コーオプ企業優秀技術課題解決賞)
・中川颯太,建設業の担い手不足問題解決を目指した大工職のイメージ調査
・林聖人,事前防災に寄与する「みんなの家具」の提案
・松永健吾,徳島県の住宅地景観の将来予測-若者の木造戸建て住宅外観デザインの選択意識(令和3年度阿南工業高等専門学校コーオプ企業優秀技術課題解決賞)
2020年度
・以西竜磨,地方中小工務店の規格型住宅(木造在来軸組工法)における費用対断熱性能比率に関する基礎的研究(令和2年度阿南工業高等専門学校建設コース最優秀論文賞,令和2年度阿南工業高等専門学校コーオプ企業技術課題解決賞)
・奥村公香,暮らしのQOL向上を目指したDIY趣味化に関する基礎的研究
・関有稀,「アニメのマチとくしま」の実現化方策に関する研究~徳島市立地適正化計画におけるアニメ誘導区域の提案~
2019年度
・髙岡采音,阿南高専における学生寮(明正寮)の利用者評価~施設・システムに関するアンケート分析~
・野口佑大,応急仮設住宅団地における集会所建設に関する一考案~徳島の地域性に配慮した「みんなの家」の事前設計案~
4年次後期
・事前復興に関する調査研究 毎週1回(月曜1コマ目)
・事前復興に関する調査結果の発表会 毎年3月頃
・ゼミ旅行,OBOG会への参加 毎年11月頃
・編入のための建築勉強会 毎週1回(月曜放課後)
・建築学会四国支部研究発表会への参加(聴講) 毎年3月頃
・個人PCの貸し出し(専用室内にて使用)
・新建築データの貸し出し
・卒業研究,卒業設計の手伝い
・徳島の建築家へのオーラルヒストリー調査
5年次
・卒業研究及び卒業設計(県外視察等を含む)の打ち合わせ参加 毎週1日+不定期会合あり
・ゼミ旅行,OBOG会への参加 毎年11月頃
・編入のための建築勉強会 毎週1回(前期のみ月曜放課後)
・建築環境ラボ初級コースへの参加 月1回
・国際学会での発表 1編以上(7月の日台カンファレンスがおすすめ)
・国内学会での発表 1編以上(5月の土木学会四国支部大会,12月の土木学会四国支部南海地震フォーラム,3月の建築学会四国支部研究発表会等)
・低学年によるコンペ参加者へのアドバイス等(メンター)
・個人PCの貸し出し(専用室内にて使用)
・新建築データの貸し出し