2025年10月30日(木)、仙台YMCAにおいて、韓国・楊州(ヤンジュ)YMCAと国際平和フォーラムを実施いたしました。第1回目となった今回は互いを知り、対話を開始した会となりました。フォーラムでは、ユースで参加した3名による共同宣言が発表されました。
楊州YMCA・仙台YMCA国際平和フォーラム2025共同宣言
양주YMCA·센다이YMCA 국제평화포럼 2025 공동선언
地域と国際社会の平和のために 지역과 국제사회의 평화를 위하여
【前文/서문】
私たち楊州YMCAと仙台YMCAのメンバーは、2025年10月30日、仙台の地で出会い、互いに歴史と現実を学び、共に平和を創り出す志を新たにしました。この志に基づき、私たちは共に以下の活動に努めます。
우리 양주 YMCA와 센다이YMCA의 멤버는 2025년 10월 30일, 일본 센다이에서 만나 서로의 역사와 현실을 배우며, 평화를 함께 만들어 가려는 뜻을 새롭게 하였습니다. 이것을 바탕으로, 우리는 함께 이하의 활동에 힘쓰겠습니다
【1】子どもと若者のために
For the Next Generation / 미래 세대를 위하여
私たちは、子どもと若者が希望をもって成長できる社会をつくるために、神の愛と赦しにあって、平和教育と国際交流を続けます。
우리는 어린이와 청소년이 희망을 가지고 성장할 수 있는 사회를 만들기 위하여, 주님의 사랑과 용서와 함께 평화교육과 국제교류를 이어나가겠습니다.
【2】地域と共に生きる
Living Together in Our Communities / 지역과 함께 살아가기
私たちは、日本と韓国という隣りあった地域の課題を共有し、対話を大切に、地域社会における平和を追求します。
우리는 일본과 한국이라는 이웃한 지역의 과제를 공유하고 대화를 소중히하고 지역사회의 평화를 추구할것입니다.
【3】歴史を受け継ぎ、未来を創る
Remembering the Past, Creating the Future / 역사를 잇고 미래를 만들기
私たちは、「国」に囚われない個人の視点から過去を見つめ、学び、違いを超えて理解し合う努力を続け、世代を超えて平和を構築します。
우리는 나라에 얽매이지않고 개인의 시점에서부터 과거를 바라보고, 배우며, 차이를 넘어 서로를 이해하는 노력을 계속하고, 세대를 넘어 평화를 만들겠습니다.
【結び/맺음말】
私たちは、この出会いを神様からのおくりものと受け止めて大切にし、YMCAの友情と協働を通して、地域から世界へ、真理に対する誠実さをもって、平和の輪を広げていくことを誓います。
우리는 이 만남을 주님께서 주신 선물로 받아들이고 소중히 여기며, YMCA의 우정과 협력을 통해 지역에서 세계로 진실을 찾기위한 성실성을 가지고, 평화의 물결을 넓혀 갈 것을 다짐합니다.
共同宣言は、参加したユースによりまとめられました。川上灯さん、석현지さん、李裕絃さん
공동선언문은 참가한 청년들에 의해 정리되었습니다. 카와카미 아카리 씨, 석현지 씨, 이유연 씨
2025年10月28日(火)から31日(金)にかけて、楊州YMCA(韓国)と仙台YMCAによる「国際平和フォーラム2025 in 仙台」が開催されました。
「地域・国際社会の平和のためのYMCAの役割」をテーマに実施され、楊州YMCAからは、10名が参加し、被災地訪問、歴史探訪、対話、学び、そして祈りの時間を共に過ごしました。
このフォーラムは、YMCAが地域と国際社会の中で果たす平和創造の使命を共有し、 日本と韓国の歴史的背景を理解しながら、次世代のユースが平和の担い手として 共に歩むきっかけをつくることを目的としています。
仙台空港に到着した楊州YMCA一行は、南大野田こども園、富沢児童館、立町会館などを見学。 夕刻には「和食びわね」にて歓迎懇親会が行われ、両YMCAの役員や職員が交流を深めました。
10名の役員、会員、スタッフが来仙
子どもたちが手作りボードで歓迎
ようこそ仙台へ
二日目は、エクスカーションを開催。川上直哉牧師により「植民地」をキーワードに歴史を学び、日本人で初めて韓国から勲章を受けた石巻蛇田出身の弁護士布施辰治より、最も弱くされている人々の側に立ち平和と人権を守り抜いた彼の生涯についても学びました。また、東日本大震災以来仙台YMCAが支援を継続している蛇田復興公営住宅のヨガ教室を視察。午後は、秋保温泉で短い時間でしたが温泉を楽しんでいただきました。
中央政府の東北支配の拠点であった多賀城
YMCAヨガ教室の皆さんと
布施辰治常設展を見学
仙台YMCA立町会館を会場に、平和フォーラムを開催。 聖書朗読(マタイ5:9)に続き、仙台YMCA菅野健会長と楊州YMCAチョン・グァンホ理事長が開会の挨拶を行いました。
両YMCAの活動紹介、ユースによる平和アピール(川上灯さん・李裕絃さん)を経て、 小グループでの対話と「共同宣言」づくりへと発展しました。
ユースの平和アピール
それぞれの意見を集約
たくさんの意見が出されました
小グループディスカッション
小グループディスカッション
小グループディスカッション
共同宣言
2025年10月、仙台YMCAの120周年、そして楊州YMCAの10周年を記念して、 「楊州YMCA・仙台YMCA 国際平和フォーラム2025 in 仙台」が開催されました。
参加してくださった多くの皆様、また準備・運営にご協力くださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。
昨年、日本と韓国のYMCAは、コロナ禍で中断していた日韓交流を再開するため、 日韓YMCA連絡委員会を開催しました。
その頃、楊州YMCAは仙台YMCAに2名のスタッフを研修派遣しており、 両YMCAはさらに密な交流を模索する中で、仙台YMCA総主事が楊州YMCAを訪問しました。
その出会いから、「平和をテーマにした共同フォーラムを開こう」という願いが生まれ、 両YMCAの信頼と友情のもとで、今回の国際平和フォーラムが実現しました。
日本と韓国のYMCAが、民間レベルで「平和のための対話」を推進することは、 世界の平和への確かな一歩になると私たちは信じています。
国を超え、立場を超え、一人ひとりが歴史を学び、 「平和とは何か」を問い続けることが、未来への希望をつくり出す道であると確信しています。
「平和を実現する人々は、幸いである。 その人たちは神の子と呼ばれる。」 ― マタイによる福音書5章9節
このフォーラムを通じて生まれた友情と学びを大切に、 仙台YMCAと楊州YMCAはこれからも、若者や地域と共に「平和を作る運動」を進めていきます。
人と人、地域と地域、そして国と国をつなぐ平和の架け橋として、 YMCAはこれからも共に歩み続けます。