JGGUG CAMP 2009 レポート
10月24, 25日、熱海にてJGGUG初の合宿イベント「JGGUG CAMP 2009」を行いました。簡単ではありますが、合宿での内容をレポートします。
今回の合宿は、関谷さん@JGGUG運営委員長の呼びかけのもと、Groovy, Grails, Gaelyk を用いた企画および開発、JGGUGメンバー同士の交流などを目的として開催され、関東、名古屋、大阪から11名が参加しました。合宿は10分程度のLTセッションを2部、個人・グループ企画、ディスカッションなど1泊2日という短い時間の中で多岐にわたった内容となりました。
今回お世話になった「ニューとみよし」さん。会議室や無線LANなど設備が充実。
LTセッション第1部
LTセッション第1部は、上原さん、奥さん、笠原さん、杉浦さん、山本さん、根本さんにより、個性溢れるトークセッションが行われました。
「G*でやりたいことをひたすら語るよ」上原さん。
上原さんはGAE用アプリインストーラ、GroovyServer/Client、Groovy/Ruby Bridge(GRuby)、Ginatra(SinatraのGroovy版)など様々なアイデアを紹介。参加者にはGAE用アプリインストーラやGinatraが好評でした。今後もこんなものがあったらいいな〜という夢想を広げていくとのことで、もしかしたら実現されるものもあるかもしれません。
「ぐるーびーとはどそん」奥さん。
続いて奥さんからはCIツールであるHudsonと、ご自身が開発したGrailsプロジェクトをビルドするgcrowlerやHudsonでGrailsをビルドするためのプラグインGrailsInstaller.groovyなどが紹介されました。HudsonはGroovyスクリプトを実行できることから『Hudsonユーザーは全員JGGUGに入るべき』と提言されたのが印象的でした。
「Grails開発業務について」笠原さん。
笠原さんはGrailsでの開発事例を発表され、作業ごとの工数などGrailsに おける開発業務に関する分析結果が報告されました。プラグインを活用した開発については、スキルと難易度に応じて作業分担できた反面、プラグインのテスト が困難であったことなど、実務経験者ならではの興味深い内容でした。また、これまでの開発業務ではカバーチュラプラグインやセレニウムプラグインなどのテ スト関連のプラグインが有効とのことでした。
「そして僕は途方に暮れる」杉浦さん。
500冊以上もの書籍を所有するという杉浦さんからは、書籍情報アプリ開発に至 るまでの経緯について語られました。技術者にとって必要不可欠な情報源である新刊書籍情報をどう入手するかについて検討したところ、書店の既存サービスだ けでは満足できないという結論に至り、自ら書籍情報アプリを作成することにしたそうです。アプリはGAEをターゲットに開発するとのことで、公開が待たれるところです。
「世界のG*から」山本さん。
山本さんはSpringOne2GXでの話題やGroovy/Grails対応されたSpringSource Tool Suite2.2.0の使用方法などを紹介。これまではテキストエディタで開発をしていたとのことで、SpringSource Tool Suiteに期待されているようでした。
「次期Bot開発計画」根本さん。
根本さんはご自身が開発された「クラウドなう」Botの経験から得たBot開発におけるポイントと開発予定のBotについて語られました。Botはフィルターが命ということで、辞書の重要性や他のBot対策など開発経験者ならではの内容でした。
個人・グループ企画
LT第1部の後の個人・グループ企画は、個人的に作りたいものや数人で何かをする時間として、各々が活動しました。また、グループ企画では「どう書く.org」のGroovyのカバレッジを合宿中にScala以上にするという目標を掲げて実施されました。
企画中は皆さん真剣です。
グループ企画の様子。
LTセッション第2部
LTセッション第2部では、「青年の主張」というテーマで、谷田部さん、川原さん、須江さん、関谷さん、綿引さんらが、それぞれの思いや主張を込めたトークセッションを行いました。
「思いで作るアプリ」谷田部さん。
谷田部さんからはGAEのような気軽にサービスを実行できる環境が整ってきた中で、思いを込めたアプリを作ることへの重要性について語られました。ご自身はリーマンショックにより損害を受けた経験から資産管理アプリを開発したいそうですが、収益モデルよりも思いを重視して開発していきたいとのことです。
「紙とWebとGrails」川原さん。
川原さんは合宿中の写真などを用いながら早くも来年の合宿予告を発表しました。資料はムービー化されてこちらにアップされています。
「G*の壁」須江さん。
須江さんはG* との出会いから今日までをふりかえり、ご自身がどのように壁を乗り越えてきたのかを語りました。情報の少なさはコミュニティ活動により改善されているもの の、まだまだ日本ではマイナーであるため、G*普及に向けてやることがあるのではないかとの問題提起がされました。
「JGGUG 2.0 !?」関谷さん。
関谷さんは、これまでのJGGUGでの活動をふりかえりながら、今後やりたいことを語りました。具体案とし てはニュースレターの改良や組織的な翻訳活動、オリジナルのGroovy本などを挙げ、Groovy本についてはすでに執筆活動に入っていて、技術評論社 より来年出版予定だとのことです。
「明日のJGGUGを考える」綿引さん。
綿引さんはJGGUGへの新規登録者数が減少している現状と課題、それに対する提言をしました。JGGUGに積極的に参加する若者が少ないこともあり、様々なコミュニティでアピールすることや書籍の出版などが必要ではないかと訴えていました。
「G*普及戦略、課題と提案」上原さん。
上原さんはGroovyとGrailsとの間にも壁があるのではないか、という問題提起から、双方からのアプローチについて提案がされました。また、Groovyの問題点として、IDEやデバッガの必要性や起動の遅さなどを挙げられました。
ディスカッション
G*やJGGUGに関するトークセッションの内容を受けて、2グループに分かれてディスカッションを行いました。それぞれのグループでは、G*普及のためのアイデアや意見が数多く出され、時間を忘れるほど多くの議論が交わされました。
上原さんグループのディスカッション。
G*を広めるためのアイデアが出された。
川原さんグループのディスカッション。
ネーミングについて活発な議論が展開。
成果発表&ふりかえり
最後に合宿での成果発表とふりかえりを行い、合宿を締めくくりました。グループ企画では「どう書く.org」のカバレッジを88.5%※まで高めることができ、目標としていたScala越えを見事に果たしました。
※2009/11/28現在で89.1%
「どう書く.org」はScala越えを達成。
ふりかえりはKPTで実施。
総評
今回は初めての合宿ということで、手探り状態で場所決めや企画立案などを行ったため、準備不足な面も多々ありましたが、参加者の満足度も概ね高く、無事に終えることができました。
また、合宿最後のふりかえりでは今後も合宿イベントは継続して開催していきたいとの意見が多数を占めていたことから、2010年も合宿イベントを実施したいと思いますので、今回参加できなかった方は来年の合宿への参加を検討されてはいかがでしょうか?
by JGGUG CAMP 2009 実行委員会
合宿の写真はこちらにもあります。
http://picasaweb.google.com/kazuchika/200903?feat=directlink#
http://picasaweb.google.com/mkawa.gm/JGGUGCamp2009#
http://picasaweb.google.com/Takuma.Watabiki/JGGUGCAMP2009#
発表資料はこちら。