理事長ご挨拶

 公益財団法人 岩手生物工学研究センター
理事長 藤 代  克 彦

                        

 世界的な人口増加による食料需要の高まりや、気候変動による農作物の生産量減少など、食料生産を取り巻く環境が大きく変化する中、バイオテクノロジーは、食料の安定供給や人々の健康維持・増進を通じた健康長寿社会の形成など、広範な産業の発展等に大きく貢献する技術として、持続的な経済・社会の実現に向け、その活用に期待が高まっています。


 公益財団法人 岩手生物工学研究センター(以下「生工研」という。)は、岩手県が設置する試験研究機関等のバイオテクノロジー研究を支援・促進するため、最先端のバイオテクノロジーを用いた基礎的研究を行い、岩手県の農林水産業、食品工業等の産業振興に寄与することを目的に設立され、今年度で、研究業務開始32年目を迎えます。


 また、生工研では、水稲や雑穀におけるゲノム育種法の開発、八重咲きや赤色の花などのリンドウ新品種の開発、園芸作物等の病害診断や防除技術の開発、農林水産物の機能性成分の分析や活用技術の開発、食用きのこの栽培技術の開発など、現場の声に耳を傾けながら、生産者等のニーズに即した研究活動を進めています。
 こうした研究活動の中で、公設試や大学、企業等との連携のもと、国際的にも評価される様々な研究成果をあげてきています。


 生工研が有する人材や研究成果など、非常に優れた資源を、積極的に生かし、高めながら、国内はもとより、世界にも通用する技術開発等を通じて、岩手県の農林水産業をはじめとした産業の振興に、しっかりと寄与できるよう取り組んでまいりますので、引き続き、御支援と御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。


 令和6年6月