投稿日: 2013/05/25 14:12:17
インストアのハンバーグがおいしければ怖いものはない。メーカー製品を利用しながら、同時に自店だけの独自の味のハンバーグが出来、そのハンバーグが名物になれば、競争力は増す。ハンバーグは基本的な食材で、これがよければ固定客を確保することも出来るからだ。そのために、オリジナルのハンバーグシーズニングを開発したらどうだろうか。
ワンタッチで本格的にできるように設計
おいしいハンバーグの基本は2つある。ひとつは味、もうひとつは鮮度である。
味についてはこの後に述べるが、鮮度は”毎日作る”ことである。当たり前のことだが、この”毎日作る”ことをやっていないところが多い。
「作業に手間がかかるから」「作りだめして置いて販売するから」「残ったものは翌日まで販売する」といったことが多い、それも「当然」といったように言う店も多い。基本的なことがわかっていないのである。
毎日作るためには、人手の問題からも、複雑ではなかなか続かない。しかし、単純にして味が落ちてしまったら売れない。そこを何とかするのが「商品開発」である。
開発の方針としては、
1.1回手を加えるだけで出来る。
2.本格的な味。
となる。
具体的には、
1.ミンチにミックスした粉(仮に「ハンバーグベース」と呼ぶ)を規定量入れればいい。
2.ミンチ1キロに対して、ハンバーグベースを何グラム、と規定しておく。更に簡単にするには、ミンチ1キロに対して、「このカップ1杯」とすればいい。
3.ハンバーグベースには、味を作るすべてのものを入れておく。
こういった目的のものは、いくつものメーカーから製品として出されている。しかし、他店と差別化し、「あの店にしかない味」を作らなければならないので、そのために開発を独自に、あるいはスパイスメーカーに協力してもらって作らなければならないのである。
原料の設定
牛と豚の合い挽きにするならば、牛と豚の比率を、5:5とか7:3といった比率を出し、それに合わせた味作りをする。そして、ミンチをミックスするときには、決められた比率を崩さないようにすることである。
脂肪率を測定する
「ファットアナライザー」(脂肪率分析機)というのがあり、ミンチの中の脂肪の測定をする。このインストア用のものは、日本でもかなり前から販売されている。
ハンバーグというのは食肉の非常に重要な戦略商品なのだから、十分に吟味して作らなければならないし、消費者のためにはならない。いつも脂肪率がいい加減だということは、味だけではなく、コストもいい加減であることになるのだから。
小型のファットアナライザーは、牛肉の脂肪のみしか測れない。したがって、牛ミンチの脂肪を測定して、それの色などに準じて豚肉の脂肪率を推測することになる。
しかし、これでも「脂肪率」ということが商品作りの感覚に入ってきたということだけで画期的になるのだから、大変な進歩である、また、こういった感覚であれば、いいハンバーグは出来る。
おいしいハンバーグ用のミンチの脂肪率は19〜22%程度と言われている、しかし、脂肪を少なくしたいこれからの食生活には、もう2〜3%減らしたいところである。
また、肉の味は脂肪によって決まるので、ミンチにいれる脂肪は、味の良いもの、和牛の脂肪があれば、それを混ぜたい。端材に、赤身の多いひき材を混ぜ、それに更に脂肪を入れる必要があれば、良い脂肪を入れるべきである。
シーズニングを作る
ハンバーグパティを作る際の基本、基準、ベースの目安というのは、
1.配合の基本的考え方
肉 50〜60%
パン粉 5〜10
タマネギ 20〜30
脂肪 5〜10
大豆タン白又は
コーンスターチ 2〜3
大豆タンパクには、[粉]と[粒]があり、使い方が違う。
粉は、[つなぎ]として使う。2〜3%の使用量。500円/キロ程度
粒は、水と混ぜて、[肉]として使う。
粒1:水3。10分位で戻るので、その後に肉と混合する。
280円/キロ位。
肉の種類、配合比率は、製品のグレード、販売価格、商品コンセプトによって変える、
といったことになるのだが、これをワンタッチで行なうためには、次のものをすべて粉にしなければならない。
1.香辛料
2.塩
3.調味料、旨味
4.野菜
5.パン粉や植物タンパクなど
香辛料というのは、使い方が非常に複雑多岐にわたるので、その使い方を簡単に述べることはもちろん出来ないが、自社の「ハンバーグベース」を作るためには、やはりスパイス業者に協力してもらったほうがいい。素人がいくら時間をかけて努力しても、そう簡単には出来ないからだ。
しかし、大体の目安や仕組みを知っておくことによって、ハンバーグベースを設計するためのセンスを身に付けることが出来る。このことが開発を進めるために重要になる。そのために、全くの概要であるが目安を上げておく。
ミンチの重量に体する比率が、
塩 0.5〜0.6%
ペパー 0.06〜0.12
ナツメッグ 0.08〜0.12
オールスパイス 0.06〜0.1
ガーリック 0.02〜0.05
ジンジャー 0.06〜0.15
セージ 0.02〜0.03
ローレル 0.02〜0.03
マジョラム 0.02〜0.03
オレガノ 0.02〜0.03
ディール 0.02〜0.03
タラゴン 0.02〜0.1
色を良くするという目的でパプリカが良く使われるが、これは、普通のパプリカではなく、微紛のものを使うといい。また、野菜から作ったもので発色するものも開発されてきているので、こういったものを混合する手もある。
調味料、旨味、というのは、ビーフエキストラクトとか、自然の旨味成分、肉、野菜、魚、介そうなどから取れる旨味成分である。
また、野菜は、玉葱など、ハンバーグ用に使う野菜は大体粉になっているので、それを利用する。
そして、これ以外に、水分が必要になるが、内容に応じて、水や牛乳を使う。卵を使うことも出来る。
つまり、実際の作業としては、ミンチ、ハンバーグベース、水分、の3つのものを混合することになる。
こういったのが大体の概要であるが、実際には、メーカーに依頼し、自社の味の方向をしっかり決めて、時間をかけて開発していくものである。また、もしこの記事をメーカーの方が見ていたら、メーカー側から提案したらどうであろうか。
粉は小ロットで出来る
液体のソースやタレと違って、紛体は比較的小ロットでも出来る。
メーカーの姿勢や設備、それにパッケージング方法にもよるが、1袋1キロ程度のもので納品してもらうならば、十分に対応してくれるはずである。但し、トレーパックにいれる、5g、10g、といった小袋は、そうは行かない、フィルムと重点設備の問題で、20万パック程度のフィルムを用意しておかなければならない。もっと小ロットで出来る小袋パッケージの方法、システムはないだろうか?
アイテムは豊富。調理方法も教える
ハンバーグの関連アイテムはじつに豊富である。
1.標準的なレギュラーハンバーグ。
2.レギュラーにトッピングや混ぜ物をしたもの。ミックスベジタブルや季節の野菜、例えば、椎茸、エノキ、また、チーズとかのりを乗せたり巻いたりしてもいい。
3.ジャーマンステーキ。バラ肉やベーコンのスライスでのり巻きのように味付けしたミンチを巻く。
4.肉詰め。代表的なのは、ピーマン肉づめ。
5.ミートローフ。
こういったメニューを進めるためには、フライパンだけではなく、ガスレンジのグリル使った調理方法も教えなければならない。
特にトッピングしたアイテムは、フライパンでひっくり返して焼いたら、トッピングしたものがはがれてしまう。上手に焼くにはアルミホイルに乗せてグリルがいい。
新発売のキャンペーン
以上の開発がすんだら、いよいよ発売である。発売の方法として、「新発売」ということを積極的に打ち出すといい。「新発売」とうたっているだけで、販売量は上がるものである。もちろん試食販売も積極的にすること。
POPの訴え方として、「一層おいしくなりました」「本格的な味になりました」「高級スパイスを使いました」といった訴え方と、「うちの店だけの特別おいしい」「この店で作っているので、出来立て、安心」といったことも打ち出したい。
強力な集客と高利益のスタート
独走的なハンバーグというのは、大変なパワーを持つ。これからの食肉販売で重要なシーズニングをうまく使うというノウハウをスタートさせる最初のステップである。これを成功させることによって、新しいお客様、しっかりとして固定客を作ることが出来る。
そして、この次には、唐揚げ、バーベキュー味、といった、デリ総菜全体を更にアップさせる段階に進むことが出来る。
総合食品「フードライフ」98/3月号より