注意・集中のむずかしさや多動はワーキングメモリトレーニングによって持続的な改善が可能です

仮説や理論ではなく、エビデンス(科学で証明・検証された事実)に基づく教育やサポートが求められる時代に、これは脳科学によるエビデンスベースの教育・サポートの始まりです。

注意・集中のむずかしさや多動は

ワーキングメモリトレーニングによって持続的な改善が可能です。1

1 論文:Klingberg et al, JAACAP, (2005)(リンクより入手可能)など。 (研究概要

コグメドのワーキングメモリトレーニングは、エビデンスと臨床データをもって”注意・集中のむずかしさや多動の改善が可能である”と表明できるトレーニングプログラムです。 注意や集中、ワーキングメモリを改善したい子どもと大人のために世界中で提供されて多くの実績を重ねています。

ワーキングメモリトレーニングについて

人口900万人のスウェーデンでは、2003年からトレーニング提供が始まり、2008年には学校(約1100校に提供)を中心に年間約3500人の方が注意・集中のむずかしさと多動を改善するためにコグメドのワーキングメモリトレーニングをおこなっています。 アメリカでは2006年に開始し、現在全米約300の病院やクリニックにおいて年間数千人がトレーニングを行っており、学校でのトレーニングも始まりました。このほか英国、スイス、オランダ、カナダ、シンガポール、オーストラリア、韓国、香港などのコグメドのネットワーク(米国提供クリニックと提供国の一覧)から累積6万人以上がトレーニングを利用しました。

日本でも、2007年夏にNPO法人えじそんくらぶ主催のプロジェクトを通して導入が始まりました。これまでに4000人以上がトレーニングを行っています。

ワーキングメモリ

ワーキングメモリは重要な毎日の作業を行うために、数百ミリ秒から数秒間くらいの短い時間のあいだ情報をオンラインに保持し、処理する能力です。認知処理の基本となる機能で、実行機能(Executive Function)などとも呼ばれます。

注意のコントロール、集中、読解、数学的推論、気が散ったり衝動に抗する、指示を守ること、問題解決や知能(流動性知性)などに欠くことが出来ない重要な機能です。2 Gathercole et al, Br J Educ Psychol (2000),3 Martinussen et al, JAACAP, (2005)

うっかりや忘れ物が多い、お話が落ち着いて聞けない、あまり関係のない話題を話はじめてしまったり、教室で動いてしまうなどの注意・多動および、次の表のような学力・学業との関係もあります。

ワーキングメモリと学力

ワーキングメモリと注意・集中のむずかしさ、多動などとの関係

右のグラフの通り、ADHD児童グループ(赤色)では、比較グループ(緑色)よりも成長に伴うワーキングメモリの能力の伸びが低いことが確認されています。(4Westerberg et al. (2004) Child Neuropsychology)

ワーキングメモリが不足していることは

    • 人口比で10-15%を占め、

    • 成長しても解消せず、

    • 多くの注意障害、ADD/ADHDの症状の一因として、また

    • 学習の困難に取り組むための鍵 と考えられています。

クリングバーグらの研究およびその後の臨床実践により、ワーキングメモリはトレーニングにより改善が可能なことが証明され、継続的に再現されました。ワーキングメモリが不足していれば、それは一生変わらないとされてきた、それまでの常識を打破する発見となりました。

2005年の論文1ではワーキングメモリの改善による注意や集中、多動の症状の改善も明らかにしました。

現状を打破する結果を一貫して成し遂げるトレーニングプログラム

ワーキングメモリトレーニング・プログラム

特徴は以下の通りです。

      • トレーニングのための”頑張る8週間”。

      • 週5回のトレーニング、1日のトレーニングは約30-40分。

      • ご家庭でトレーニング。電話によるコーチング。

      • インターネットによるトレーニング結果の把握と、トレーニング計画の反映など コーチによる遠隔サポート。

トレーニングの流れ

      • イニシャル・インタビュー :コーチとの出会い、現状の把握、効果の見通し、実施可能性の見通しなどお話

      • スタートアップ・セッション :トレーニングの準備

      • トレーニング(8週間):毎週1回コーチ・コールがあります。

      • ラップアップ・セッションとファイナル・レポート:まとめのお話と、トレーニングの報告書

      • フォローアップ

全期間は最初のお問い合わせからトレーニング修了まで約2ヶ月くらいです。

効果とコーチング

テニスラケットを与えても初期のちょっとしたアドバイスがないばかりに上達しにくいスウィングをつづけて長い年月を無駄にしてしまいます。トレーニングする人を客観的にみきわめて、多くの経験から導かれる必要にして適切で十分なコーチングはスポーツと同様に必要です。ワーキングメモリのトレーニングは期間的にも負荷も集中が必要です。散漫に期間をかけても、貴重な時間を失い、効果は期待できません。また、本当に負荷がかかっているかはトレーニングを行っている本人しかわかりません。トレーニング者自身の動機(モチベーション)が鍵になります。コーチングは動機(モチベーション)を高め、トレーニングを通して維持します。コーチングの必要性を”感じなかった”保護者の方も、トレーニング終了時のまとめセッションでお子さまがに積極的にコーチへの感謝の気持ちを表明している様子を見て驚かれます。走る者がわかる伴奏者との心のキャッチボールと信頼関係です。ともすればこれまで日本の保護者の方はわが子への要求度が高く、子どもは親の指示に従うものと考える傾向がより強いかもしれません。ワーキングメモリトレーニングのコーチングは、トレーニング者の心理の分析に基づいて、効果が得られるトレーニングのために必須な本人自身の内側からの心の力(動機)を導き出し高めるために心理学的にたいへん注意深くデザインされたトレーニングにおいて最重要な要素といえます。結果として、コグメドのワーキングメモリトレーニングのひとつの誇るべき特長は、注意障害をもつユーザにおいてトレーニングの完了率が95%以上であり、トレーニング直後に効果を感じられる率が約85%であることです。加えて、心理、発達、学習、認知機能、ワーキングメモリの専門家であるコグメドのコーチには、ご本人や保護者の方が気がつきにくい大切な変化や改善、意外な成果を見つけ、さらなる効果の方向性をしめす観察者・水先案内の役割もあります。トレーニング期間のあいだ毎日のご父兄のご協力が必要ですが、コグメドのコーチは優れたトレーニングメソッドと経験に基づいてご父兄とご本人をサポートし、トレーニングを支えます。

コグメド・ジャパンのコーチは全員臨床心理士あるいは臨床心理学前期博士課程修了者です。

トレーニングに使用するアプリ ベクトル

トレーニングにはベクトルというソフトウェアを使います。コンピュータによるソフトウェアを使うことによって、ワーキングメモリーへの負荷をリアルタイムで常に最適に調節します。また、インターネットを通じてコーチはトレーニング効果を把握し、適切なトレーニング計画を設定して次のトレーニングに反映させることが出来ます。(下は毎日の開始画面) コグメドのトレーニングに使用するソフトウェアは、効果につながる独自のアルゴリズムと、注意障害の改善、多動を減ずるための目的などを含めて、日本(特許第4261197号)、米国、スウェーデンなど国際的に特許を取得しています。

必要なのは、インターネットにつながった通常のパソコンのみです。 静かな環境を作るのが難しいときにはヘッドフォンもご用意ください。

ソフトウェアのスナップショットはこちらです。

ワーキングメモリトレーニングの効果

トレーニング修了後の効果

トレーニングの効果は、トレーニングエイド(ご父兄)による行動面の改善に関する行動評価(不注意および多動)とインタビュー結果およびワーキングメモリ能力指数の伸びなど複数項目にわたって評価しています。

トレーニング後80%以上の ケースで即時に明らかな効果があり、注意を持続する能力ならびに衝動のコントロールの改善、複雑な推論能力ならびに学業パフォーマンスの向上が見られま す。トレーニング前後の行動面のアセスメントにおいて両親、本人から改善の評価が得られます。もちろん、ワーキングメモリを含めた認知機能は、明らかに数値をもって改善します(下のグラフをクリックすると拡大表示します)。ワーキングメモリの改善が、知能などの高次な認知機能および注意、多動や学力などに転移(汎化)し、改善効果として現れます。 1Klingberg et al, JAACAP, (2005)

1 Klingberg et al, JAACAP, (2005)

持続的な効果

トレーニングの5ヶ月後、1年後にも80%のケースでトレーニング後の改善状態が維持されるか、さらに向上しており、25セッションのトレーニングのあと長期的に効果が継続し、40%以上の方はさらに改善しています。(Data on fileコグメド社ストックホルムクリニック臨床データ分析, Cogmed (2007))

5 Data on file, Cogmed (2007)

上記グラフはコグメド社ストックホルムクリニックにおける2004年実施の臨床データ収集・分析の結果です。年間数千のトレーニングを行っている現在も、常に全トレーニング効果のデータを継続して収集し、半年後のフォローアップを行い、継続して同様な結果を得ています。

参照

1 Klingberg et al, JAACAP, (2005) リンク

2 Gathercole et al, Br J Educ Psychol (2000) リンク

3 Martinussen et al, JAACAP, (2005) リンク

4 Westerberg et al, Child Neuropsychology (2004)

5 Data on file(Stockholm Clinic), Cogmed (2007)


エビデンス(科学的事実・証拠)に基づいています

このトレーニングプログラムは、スウェーデン・カロリンスカ大学(ノーベル医学賞選定・授賞大学で有名)の脳科学者・医師トーケル=クリングバーグ教授のグループにより開発されました。基本となる理論や技術はもちろん、ソフトウェアやコーチングの方法および注意障害への改善効果を含めて一流の科学論文誌に論文として報告・掲載され、他の研究者から引用されることが多い研究(High-Impact研究と呼ばれます)に基づいています。エビデンスベースと呼ばれ、科学的な事実のみに基づいた技術、サービスを提供し、メッセージを伝えています。この説明のなかのグラフやデータもそれらの論文や研究からの抜粋です。

カロリンスカ大学では、このトレーニングを提供するために、同大学の医薬先端技術を事業化する目的のベンチャーファンド、カロリンスカデベロップより事業家資金を投資して、大学発ベンチャーとしてコグメド社(コグメド・サイト)を設立しました。カロリンスカ大学元学長(=カロリンスカ研究所所長)であり、元ノーベル医学賞選考委員会委員長のハンス=ウィグゼル教授がコグメド社の取締役として就任しています。

日本でトレーニングできます。

スウェーデンでは2003年からトレーニングがはじめて商業的に提供され、本格的な提供となった2005年に約500人、2008 年からは年間約3500人改善しています。2006年からは米国にて開始され、現在約300のクリニックや病院などからサービスを提供しており、年間数千人がトレーニングを実施し、他の欧州(英国、スイス、オランダ)、シンガポール、香港、韓国、オーストラリアなどをあわせて、2009年秋時点で累積12000人が、現在では5大陸30カ国以上で6万人以上がトレーニングを修了しました。日本でも2007年夏からトレーニングできるようになりました。すでに、4000人以上の方(4歳から85歳の方まで)にトレーニングを実施していただいており、スウェーデンや米国と同様に、トレーニングを修了直後に約80%以上の方に明らかな改善効果が不注意や多動に得られています。ご父兄・トレーニング修了者の方の感想と、トレーニング前後の行動評価の改善はこちらです。

7歳から18歳までを対象としたソフトウェア”ロボメモ”および、成人の方のためのCogmedQMも、未就学児むけのソフトCogmedJMも日本語版でトレーニングを行います。

保護者の方、トレーニングを体験された方、行動面に関する評価とインタビュー結果・感想

電子版パンフレットもご覧ください。

紙のパンフレットもあります。郵送いたします。

トレーニング費用

トレーニング費用には、

    • 初期インタビューからトレーニング終了までの約2ヶ月以上の期間にわたるコグメド・コーチによるコーチング、

      • 初期インタビュー+スタートアップセッション、

      • 8回にわたる毎週のコーチ・コール、

      • ラップアップセッション

    • スターターキット、

      • ソフトウェア、

      • ハンドブック、ワークブック、トレーニングカレンダー・シール、

      • トレーニング前後の評価シートなど

    • 技術サポート

などトレーニングに必要なものすべてを含みます。

この費用と時間でワーキングメモリを初めとする認知能力の向上と不注意や多動の症状・行動面の改善および生活と学力の持続的な改善の可能性が得られます。また知能と集中力すなわち最も基本となる学力を伸ばして、レベルアップした問題解決力、理解力で勉強に取り組むことが出来るので、勉強が効率的になり、教育投資に対する効果が増します。なによりもご本人にとって学業も仕事も今より楽しく興味深いものとなるでしょう。

コグメド・ジャパンがトレーニングを提供する未就学児(4-6歳)、こども(7-18歳)の費用はともに89,800円(消費税込み)です。

(お近くの塾やNPOなどでトレーニングを行う場合には、そちらにトレーニング費用をお問い合わせください。ワーキングメモリトレーニングに加えて、スクーリングや、対面による相談、認知機能や学力の事前事後評価などを併せて提供しているところもあります。)

トレーニング開始までの流れ

トレーニングまでの流れは質問表への記入から始まります。コーチがこれを拝見し、必要であればお電話でお話をうかがって(イニシャルインタビュー)、ワーキングメモリトレーニングに支障がないか、効果が期待できそうか見通しを得てます。診断名や、診断のあるなしはあまり関係ありません。時間調整のうえ、スタートアップセッション(電話)にてトレーニングを開始します。このときにトレーニング費用をいただきます。質問表には、ご父兄にご記入いただく子ども用と、ご本人にご記入いただく成人用がございますのでご指定ください。お問い合わせも質問表への記入も匿名(たとえば苗字だけなど)でお願い申し上げます。 トレーニング開始までに、1-2週間程度かかります。

トレーニング開始までの流れ(図)(こどものためのトレーニング)

トレーニング開始までの流れ(図)(おとなのためのトレーニング)

質問表のリクエスト(トレーニングの申込み)

40日(セッション)のスケジューリング

ト レーニングは25日(セッション)連続ではなく、1週間5日、8週間のスケジュールが典型的です。終わってみれば40日はすぐですが、その最中は挑戦であ り、努力とご家庭の支援が必要です。それだけにトレーニングを完了した子ども達はひとつのプロジェクトを成し遂げた達成感と自信を持つことが出来ます。特 に小さなお子さんの場合は大抵これが人生初めて"成し遂げた”経験になるなど、心の中の大切な宝物となるようです。2-3ヶ月にわたるトレーニングスケ ジュール作りの実際をこちらでご説明します。

成人のためのトレーニングでは、忙しい毎日のなかでどうトレーニングを計画するかについてスタートアップセッションで時間をかけてお話します。また、コーチ・コール(電話)のかわりにコーチ・メールにすることもできます。

トレーニング・スケジュール作りの実際

質問表(無料)のリクエストはこちらへ。診断は必要ありません。

トレーニングについて概要がご理解いただけましたら、開始の最初の一歩として質問表にご記入・ご返送ください。トレーニングを実施するにあたり支障がないか、効果が期待できそうかコーチが拝見し、トレーニングをお薦めするときにご連絡をさしあげます。

※匿名でトレーニングすることもできます。ご氏名や住所を伺いません(匿名トレーニングについて)。質問表リクエスト時に匿名トレーニング希望をチェック願います。

質問表(無料)のリクエストはこちら

その他お問い合わせ、ご不明な点はこちら

コグメドジャパン(会社概要へ

電話: 03-3409-5865

(月-金曜日午前9時〜午後5時)

メール: info@cogmed-japan.com

担当 平野、本田

お支払い方法(銀行振込とクレジットカード)

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重要なお知らせ: コグメドワーキングメモリトレーニングは医療機関の相談・診察や、医師により処方されるかもしれない薬物治療の代わりとなることを意図されたものではあ りません。コグメドワーキングメモリトレーニングに関する科学研究は強い改善効果を証明しています。それでも、個々のケースや、特定のユーザにおける効 果と結果は決して保証できず、結果は様々であるかもしれません。

(英語原文)

Important notice: Cogmed Working Memory Training is not intended to be a substitute for a health care provider's consultation or a substitute for medication that a doctor may have prescribed. Scientific research with respect to Cogmed Working Memory Training has evidenced strong improvement effects. Even so, the effects or results in individual cases and for a specific user can never be guaranteed and results may vary.

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