2025 S1 & S2 ターム 木曜2時限目
科目名 (応用人類学Ⅰa、専門日本語(7)a、開発と文化A、研究技法トレーニングⅡ-A、生存とライフスキルⅠ、多文化共生・統合人間学演習Ⅰ)
社会開発において、国家・権力・統治の諸概念は、不可避的な要素である。相対主義的な視座からそれら諸概念を扱う政治人類学は社会開発というテーマと向き合うためには極めて有効である。
社会開発をテーマとする政治人類学について、基礎的な議論から現在最新の議論に至るまで概観をつかむことを目的とする。前半は古典から最新の研究書に至るまで多くの文献を紹介しつつ、代表的な理論や分析枠組みについて講義を中心に授業を展開していく。後半は代表的な民族誌を読んでいく。
2025 Sセメスター 集中講座
科目名 (人間の安全保障実験実習Ⅰ)
この講座は、2011年3月11日に発生した東日本大震災による原発事故を機に被災地となった福島県の現状についてフィールドリサーチを伴った現地調査型の実践講座である。毎年7月の最終週に「まなび旅・福島」を行う。
2025 Aセメスター 月曜1時限目
科目名 (文化人類学Ⅰ)
本講座は文化人類学に関心のある学生向けに、同学問の特色、史的経緯から現代の展開そして残されている課題や今後の可能性に至るまでを、基礎的な説明を中心に講義を行ってゆく。どちらかというと初学者向けの内容となるが、既に関心があり、自己学習をしている者にとってもコースワーク(毎回のリフレクションペーパー等)を通してさらに理解を深められるような工夫もしていきたい。
2025 Aセメスター 木曜2時限目
本講座は、アフリカをフィールドにした主に人類学的な開発研究でよく指摘される、非西洋中心的開発論を先行研究から取り上げ、それらの断片から概観をつかもうとする試みである。いくつかのキータームに沿った民族誌的研究を読み、そこで展開される議論について考察を深めていく。履修学生は、リストアップされた文献を授業前に読み、授業では内容を踏まえながら議論をすることが期待される。取り上げたいキーターム、主たる文献は下記に示す通り。もちろん、文献リストは参加者とともに充実化していきたい。
2025 Aセメスター 金曜5時限目
人間の安全保障のテーマにおいて多くの場合、個人による日常生活上の課題解決に向けた相互行為や活動に焦点があてられる。個別具体的な相互行為や生き延びるための生き方は、どのような視座から読み解くことが可能なのだろうか。本講座では、アーヴィング・ゴフマンの儀礼的相互行為論とミシェル・ド・セルトーの戦略・戦術論を出発点に、人々が日常生活の中でどのように意味を作り出し、社会的秩序や権力関係に応答しているのかを分析する枠組みについて考察する。関連するテーマのモノグラフも取り上げながら、公共空間、生活空間、デジタル空間における人々の実践についての分析方法を模索してみたい。
到達目標として、ゴフマンの儀礼的相互行為論、ド・セルトーの戦略・戦術論を理解しながら、各論を援用した先行研究についても参考にする。その上で、それぞれの研究テーマにおいて個人の日常を分析する視座を構築していくことができれば幸いである。前半は、先行研究の読解が中心だが、後半は参加者が自分の研究テーマに即したプレゼンテーションとディスカッションを行うことを予定している。