楽団について

楽団について

衣笠交響楽団(衣響)は1992年11月に創設されました。創設の中心メンバーは同年3月に立命館大学交響楽団(立響)を卒団した数人ですが、おおよそ1980年代後半~1990年代前半に立響に在籍していた人達が衣響創設から現在に至る歴史に深く関わっています。

衣響は立響のOBオーケストラです。構成メンバーは立響の卒業生とその家族、友人から成っており、メンバーの公募は行われていません。

創設以来30余年、パンデミックによるスキップを除いて年に1度の演奏会を重ねて来たことは大学OBオーケストラでは全国的にも稀有な存在であると言って過言ではないでしょう。過去の歴史を振り返ってもアマチュアオーケストラではその運営の煩雑さから取り上げることが難しいベートーヴェンの第九交響曲をこれまでに2度の定期公演で成功させていることや、東京調布市において定期公演を成功させたことなど、その活動の内容は大学OBオーケストラの活動としては比類なき旺盛さを示しています。楽団員による室内楽演奏会も2度開催しており、チャイコフスキーの弦楽セレナーデやモーツァルトのグランパルティータを演奏したのをはじめ、フルート四重奏の世界初演も含め、楽団員の技量の高さを示す点においても、その活動も特筆しなければなりません。

また過去のプログラムも衣響の個性を際立たせています。第九やブルックナー、マーラーは言うに及ばず、アマチュアオーケストラが取り上げることの少ない作曲家(プロコフィエフ、ヒンデミット、ショスタコービチ、バルトーク、ラヴェル、ドビュッシーなど)の作品も旺盛に演奏してまいりました。特に第22回定期公演まではそれまでに1度取り上げた作品は演奏しないという不文律を以て運営をしていたため非常に幅広いレパートリーの曲を演奏してきたこともこの楽団の特長であります(過去の演奏会の記録をご覧ください)。

衣笠交響楽団のキャラクターは「自由」と「寛容」の二つの言葉で表すことができます。最近の風潮のために全国から集まることが2020年以降、困難さを増していますが、それまでの間もこれからも、楽団のメンバーは全国から集まるがゆえに、練習に何回参加しなければならない、などという誰かを縛る規則の類は皆無であり、参加する楽団員の力量をお互いが認め、信頼し、運営においても一人残らず協力的で、大人の行動をする幅広い世代の一人ひとりの存在がこの楽団の存在と継続を可能にしているのです。

団長挨拶

衣笠交響楽団のホームページにお越しくださいましてありがとうございます。

お蔭様で2022年に衣響は創設30周年を迎え、今年2023年には第30回の定期公演を開催する運びとなりました。オーケストラはとても難しい運営を強いられます。オーケストラには多くの楽器が必要ですが、それらの楽器にはおおよそ人数に決まりがあり、ある楽器に集中して極端に人数が多いあるいは少ない場合はオーケストラの体をなさない場合が生じます。おそらくどのようなアマチュアオーケストラもそのような課題に直面してます。そのような中でこの楽団が30余年にわたり、年に1度の演奏会を継続してきたのは奇跡的とも言うことが出来ます。それを可能にしたのは運営幹事のリーダーシップに加え、楽団を構成する一人ひとりの存在と、これまでこの楽団を牽引してくださった指揮者やソリスト、そして各方面から賜りましたご支援とご協力によるものでございます。そのお一人おひとり感謝に意を新たにするものであります。

第30回を記念する定期公演はブラームスの大学祝典序曲、ドヴォルジャークの交響曲第8番、ベートーヴェンの交響曲第3番をプログラムに取り上げました。記念公演に相応しい演目と自負しております。当楽団において2度目としてプログラムに取り上げたブラームスとドヴォルジャークは新たな魅力を、そして満を持して取り上げます「エロイカ」を、幅広い世代の楽団員と巨匠と新鋭の指揮で、我々が本拠とする京都コンサートホールにてお届けいたします。皆様と京都での再会を楽しみにしています。


楽員代表 木邨哲也