かつて実在した、又は架空のガンマン達
J・H・ブレナン
H・P・ラヴクラフト
ジャッカロープの乳
に捧ぐ
序章
首都トーキョーを横断するセントラル鉄道、その沿線にある街「イーストミドルフィールド(東中野)」。
そこにぽつんと佇む「ムーンロード」という古びた飲み屋通り。
そこには死んだならず者達が訪れる不思議な酒場があるという・・・・・・。
その酒場の名は「14(じゅうよん)」。
そこは19世紀~20世紀初頭のアメリカとメキシコの国境辺りに繋がっており、そこから迷い込んだ者達が客に混ざっているとの噂もある。
はたまた、あの世や異世界とも通じており、死んだガンマン達の足跡が残っていたり、知らず知らずの内に外の世界の来訪者が潜り込んでいるのだと嘯く者も居る―。
さてはて真実は如何なるものか?・・・・・・それは、行って確かめるしかないだろう。
さて、君は電子の海を漂っている内にここに辿り着いた。いや、もしかしたら意図的に此処に来たのかも知れないな。
そうだとしたら、こんな場所に好き好んで現れるとは、何と奇特なことだろう―。
それとも、何かの本を読んでいて「14へ行け」と指示されて、偶然此処に来てしまったか?
・・・・・・だが安心して欲しい、客人は大歓迎だ。押し売りのセールスや、宗教の勧誘、はたまたゾンビに噛まれた人間で無ければ・・・・・・。
さて、早速だが、「序章」と書かれた胡散臭い文句を読み終わった感想はどうだ?興味深々か、それとも後悔しているか?
興味をそそられるなら、このまま次を読み進めよう。
時間は無いが、お店の情報を簡単に知りたいなら簡易説明書を読め。
時間の無駄なのでここを立ち去るなら、アデュオス!
14の心得
「こんにちは・・・・・・。この酒場は初めて?」
このお嬢さんは、この酒場の看板娘だ。
彼女は孤児で、『ココ』と呼ばれている。
リオ・グランデの畔で行き倒れているのを保護された。
身長はわずか90cmだが、身体は成熟している。
古えの小人族の末裔か、はたまた荒野を彷徨う妖精か―。
おおっと話が脱線したな。
彼女から店のルールについて説明があるようだ。
さあ、良く聞いておくんだ。
この酒場で無事に過ごしたいならな。
・心得その一:店内禁煙
愛煙家の方々には申し訳無いけど、この酒場は禁煙なの。煙草を吸える場所も近くには無いわ。店外での煙草の投げ捨ても許されざる行為なので、外で吸う場合は、携帯灰皿の持参をお願いしますね。店の灰皿がカウンターにあるわ。
・心得その二:会計はキャッシュオンデリバリー
注文と会計はカウンターで受けているわ。アタシのところまで来てね。最初の会計時にチャージ料300円が掛かるわ。14滞在費のようなものね。カルパスかウエハースがおまけで付くので選んでね。どちらも要らない場合は無理に貰う必要はないわ。会計は、注文する毎にお支払いください。英国パブのような形式ね。英国は行った事ないけれど。
・心得その三:通常営業時のコスプレは常識の範囲内で
更衣室はあるけど、お店はそんなに広く無いの。だから通常営業時には他のお客さんの迷惑にならないよう、スペースを取る衣装や大量の衣装ケース、大掛かりな撮影機材の持ち込みはご遠慮くださいな。過度な露出のある衣装はご遠慮くださいね。
あと、武器の持ち込みは大歓迎だけど、銃刀法に違反する物の持込やBB弾の発射、店主の許可無く発火式モデルガンを発砲するのは勿論禁止よ。武器を周りのお客様の近くで振り回したりするのは絶対に止めてください。
※お店を貸切してくれる場合はこの限りでは無いわ。思う存分楽しんでね(でも銃刀法違反はダメ、絶対)。
・心得その四:通常営業時のドールの持ち込みは常識の範囲内で
上と似たような事だけど、通常営業時に大量のドールを展開して店の一角を占有したり、大掛かりな撮影機材の持ち込みなどは、他のお客様の迷惑になるので控えて下さいね。
※お店を貸切してくれる場合はこの限りでは無いわ。思う存分楽しんでね。
・心得その五:私物や衣装の管理は自分で
持ち込んだ衣装や物品などが盗難・破損・汚れてしまった場合、こちらでは責任は取れないわ。あくまで酒場なので、他のお客さんがいたり、食べ物や飲み物が出る場所だという事に留意して、持ち物は自分で管理してね。
・心得その六:店内での喧嘩は禁止
お客さん同士のトラブルは、こちらでは関知しません。でも、店内で暴れる、暴言を吐く、ナンパ目的の来店、宗教・各種胡散臭いビジネス等の勧誘行為、酒の強要、自分ルールの押し付け、店主の指示に従わない等他のお客様に迷惑を掛けている場合は、店側の判断で問答無用で退店して貰うわ。
以上の事に気をつけて、14を楽しんで下さいね。ここまで読んでくれてグラシアス!私に会いに来てくれると嬉しいな。では、お店で会える事をサンタ・ムエルテに祈っているわ!