IP-PBXを構築してAndroidで無料IP通話/TwitterでSIP電話連携
(Android Bazaar and Conference 2011 Summer 四国支部ブース展示内容)
IP-PBXを構築してAndroidで無料IP通話
はじめに
IP-PBXというものはご存知でしょうか?「IPによる構内電話交換網や交換機」のことをIP-PBXといいます。このIP-PBXのクライアントとして「IP電話」が存在します。
今まで、IP-PBXは専門とする企業によって構築されていたり、専用機器として販売されているものがそのほとんどでした。
しかし、近年IT業界ではOSS(オープンソースソフトウェア)化が進むにつれて、このIP-PBXを管理するソフトウェアも提供されるようになって来ました。
また、「IP電話」や「SIP-Phoen(シップフォン)」と言われていたクライアント端末も、ここ近年はOSS化が進みソフトウェア企業・開発者にとって製造しやすい環境となってきました。
SIP・・・Skype® のような音声チャットやビデオチャットができるプロトコル
Asteriskのご紹介
IP-PBXのメジャーなOSSとしてAsterisk(アスタリスク)というものがあります。
オープンソースのIP-PBXソフトウェアでDigium社が開発を進めているプロジェクトです。
2011/06/24現在はversion 1.8が最新となります。
国内では2005年頃よりコールセンター向けのソリューションとして使用され始めました。
主な機能
ボイスメール機能
音声会議機能
自動音声応答(IVR)機能。
自動着信呼配分(ACD:Automatic Call Distributor)機能。
コールセンターで利用されるような、待ち時間順でつなぐことや一斉着信などの機能。
PSTN(公衆交換電話網)への接続が可能。
これらの機能を使用して、上記図のように構内の内線はもちろん、ロケーションが別の営業所や支社への内線として利用することも可能とされています。また、自動音声応答(IVR)を使用して、電話問合せ窓口での振分け機能も実現されています。
Android version2.3 から提供されたSIP-API
Andriod OS上にJava APIリファレンスとして、SIPのAPIが提供されています。これを使用して、SIP-Phoneアプリケーション(Skype®のようなアプリケーション)がAndroid上で開発できるようになりました。
SIPプロバイダへのREGISTERや発信、着信を管理(android.net.sip.SipManage)
自分のSIPプロファイル(android.net.sip.SipProfile)
プロバイダにREGISTERする際のリスナ(android.net.sip.SipRegistrationListener)
通話の音声を管理する(android.net.sip.SipAudioCall)
通話の確立や切断、エラー等のリスナ(android.net.sip.SipAudioCall.Listener)
例外(android.net.sip.SipException)
想定される利用形態
国際電話料金のコスト削減は、IP電話の最大のメリットです。貿易関係のビジネスでは、このSIPサーバが大いに役に立つかと思います。
また、今日のAsterisk構築は内線に限れば、非常にスピーディに構築できるようになりました。
Android端末を各ブースの使用者が持っていれば短期的なイベント会場における各ブースの内線としても利用価値はあります。
TwitterでSIP電話連携
今回は四国支部で「Twicca」のプラグインとして、SIPクライアントアプリを作成しました。
概要
Twitterのフォローしている相手を選択し、その人がSIPアカウントを持っていれば自動的にIP電話として発呼する機能です。
IP電話なので通話料がかかりません。
使い方
①twiccaで連絡したい人を選択
②「SIP-jag-shikoku」を選択
③その人へ自動発呼し電話がかかります。
※唐獅子くんを押しながら会話します
技術的なお話
本アプリの概要図解です。