立命館1000人アンケート

1.アンケートの手続きと補正方法

アンケートの案内文について(利用承諾)

アンケートフォームでは以下の内容を鏡文として提示いたいしました。


収まることのないコロナ禍の中で2021年度に向けて各大学も開講方針を検討してきています。その中で大学生の意見・意識がどの程度、可視化されているのか、いろいろなところでアンケート調査が行われていますが、さらに踏み込んだ内容のものが必要な時期に来ていると思います。

このアンケートは立命館大学所属の蒲生諒太(https://researchmap.jp/rgamo)が一個人として研究活動の一環として行うもので、現状の大学生の意識を可視化・分析することで、withコロナ時代の大学教育に資することを目的とします。

質問は2分程度で回答が可能です。回答期間は11/28から12/5の7日間です。その後、12月中下旬にかけてフィードバックを行います。回答は無記名式であり、個人が特定されることはありません。ただし、回答の正確性を担保するために学生証番号の頭6桁を書いてもらいますがこれで個人を特定することは不可能です。

また、回答の元データを大学と共有することはなく、あくまでも蒲生諒太個人が管理・保存いたします。統計的に処理・分析したデータは研究目的や政策提言に使用され、論文等で発表されることがあります。匿名での回答のため、アンケート内容について個人が特定されることはありません。

以上の点をご了承いただける方は下記アンケートにお答えください。不明点等のお問い合わせは蒲生諒太([メールアドレスを提示])まで

データ収集について

アンケートの収集は Google フォームによって行われました。期間は2020年11月28日から12月5日の7日間です。


Google フォームのアドレスを秋学期担当科目のLMS(ラーニングマネジメントシステム)=WEBのクラス掲示板に掲載、さらに受講生及び私が担当した授業の過年度受講生にメールでアンケートへの依頼を行いました。


しかし、これだと私が担当したキャンパス、学部しか調査できないので、各キャンパスの教養・外国語科目を担当する先生方や各学部担当の先生方にメールでお願いして、その先生方のLMSでも通知をしてもらいました。さらに Twitter でも告知を行いました。

アンケート回答時には学生証番号の頭6桁を書いてもらうことにしました。この6桁には所属する学部や学科、入学年の情報が入っており、個人は特定できないものの、学外者が簡単に回答できない及び、いたずら等の異常な回答を除外する機能があります。

データ補正について

極めて短期間のうちに全学生の3%もの回答を収集できたというのは非常に驚きをもって受け止めています。アンケートフォームを告知してくださった先生方、また回答してくださった学生の皆様、拡散に協力いただきました皆様には心より御礼申し上げます。

アンケートの実測値(収集データ)

上記のアンケート実測値を見てみますと 1回生の割合が4割 、2回生が3割、3回生が2割、4回生が1割と低学年の回答が多くなっていることがわかります。

学部割合は生命科学部と文学部が非常に高いことが分かります。

今回は収集できたデータに関して属性ごとに重みづけを行い、実測値を母集団と似た構成比に近づけるべく補正をかけたいと思います。ここでは「ウエイトバック」という手法を用います。

これは収集できたデータを属性ごとに分け、実際の母集団のものと比較、適切な割合になるように(つまり構成比を母集団に近づけるため)「ウエイト値」を設定して収集できた数値にかけ合わせて、データを補正するやり方です。


これで学部や学年の偏りを修正しようという作戦なのですが、 学部と学年で表を作ってそれぞれのセル、マス目を見ていると欠損している箇所が結構な数あることがわかりました。


A学部の4回生がゼロであったりするわけです。

また、マス目によっては得られたサンプルが非常に少なくて、そこに大きなウエイトをかけてしまうと、例えば1人の回答が7人あるいは8人分に膨張してしまう……。そういうことが考えられました。これだと少ないデータでえらく誇張された「学生の声」ができてしまいます。

欠損値に関しても様々な手法で推計を出すこともできるのですが私自身細かな補正に関する統計的知識というものを恥ずかしながら持ちあわせておりません

今回は技術的あるいは実際的な限界の中で、学年に関しては1回生から4回生(5回生以上については補正する際は除外)、学部に関しては3つのキャンパス別でまとめるかたちで補正を行うことにしました。

BKCはびわ湖草津キャンパス(滋賀県草津市)、KICは衣笠キャンパス(京都府京都市)、OICは大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)のそれぞれ略。

ウエイト値は「母集団のキャンパス*学年構成比」 ÷「実測値のキャンパス*学年構成比」によって求めた。

例えば、BKCの1回生は「実際の学生数:3261/30464」 ÷「実測値:178/1070」 で、ウエイト値「0.64」が求められる。

この手法をとれば何も入っていないマス目=欠損値は0となり、特定のセルに過大なウエイト値をかけることもなくなります

一方でキャンパス内の学部の比率は補正することができません。 例えばBKCキャンパスにおいては実際の比率として大きな経済学部よりもサンプルが多く取れた生命科学部の方が結果に対して強く影響を与えます。

どうしても補正には技術的な限界が出てきてしまうのですが、私のとりうる手立てとしては現状ではここまでがギリギリのところでして、結果を読み解く際にこのようなことを注意して行うようにしたいと思います。

つづきは、こちら