「コロナ禍の大学雇用問題」と、ある新聞記者について

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1  はじめに

 2020年末に大学教員を対象にアンケート調査を行いました(「コロナ禍における大学教員:全国大学教員アンケート調査」)。

内容はコロナ禍の大学教員の苦境を色濃く反映したものであり、オンライン授業のリアルを教員側から示す重要な調査になりました。その結果を2021年2月に公開し、メディア関係者からの問い合わせがあるなど、一定の反響がありました(結局、メディアは一切報じませんでしたが)。

 この調査では大学側に対面授業を要求され、退職に追い込まれるケースが報告されました。

学⻑が現場の教員の声を聞こうとせず、一方的に対面授業を押し付けた上、オンライン参加という選択肢を認めず、学生や保護者への説明は教員に丸投げした。教員にも6月以降通常勤務が強制され、授業がない時期も出講を強要された。持病がある教員にも在宅勤務を認めなかったため、その同僚は退職せざるを得なかった。(中規模私立、学力下位) (22ページ)

 

 匿名アンケートのため、このケースが事実かどうか、確認が取れません。そこで大学教員のSNSグループで2021年6月1日以下のような呼びかけを行いました。

【お願い】

お世話になります、立命館大学の蒲生です

以前、コロナ禍における教員アンケートを取らせていただきまして、

一部のメディア関係者からも衝撃を受けたという感想をいただいております。(略)

報告書でも触れたのですが、コロナ禍の授業体制、特に対面授業の強制やオンライン授業の拒否等によって退職されたり雇い止めを受けたりしたというケースを調べております。

報告書でも見受けられたのですが今回は当事者の方と連絡が取れればと思っております。

ご自身が退職、雇い止めを経験した、また、身近に対面授業を契機に退職されたり雇い止めに至ったりしたケースがありましたら、蒲生(略)まで連絡いただけますと幸いです。

追記:「コロナの関係で授業が準備できませんでした」という漠然とした理由での解雇や「諸々の事情からオンライン授業を希望したら、授業を準備できないから契約はなしです」というケースも該当します。すでに数件、来ているのですが結構込み入っています。少しでも心当たりありましたらお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

 

 この呼びかけに複数の方から連絡があり、また、同テーマの取り組みをしている職員組合の紹介もありました。しかし、私はこれら調査を今まで報告しませんでした。実は私は一連の調査を断念していたのです。そこには朝日新聞のある記者の存在が関係しています。

 今回は「コロナ禍の大学をめぐっての対面授業強制等による退職」問題と、その調査を断念することになった顛末、改めて一連の騒動におけるメディアの姿勢を考えたいと思います。

2 コロナ禍の大学雇用問題

 ひとまず、私の手元に集まった「コロナ禍の大学雇用問題」について報告します。

 私が連絡を受けた、あるいは問い合わせ情報を得たケースは以下のようになっています。

 

 

 対面授業強制由来のケースについては当事者からの連絡はないものの、同僚に同様のケースが生じたこと、組合がかなりの事例を把握しているなど確認が取れました。また、ここでは書けませんが大学執行部のパワハラまがいの対面授業要求など、生々しい報告もありました。

  以下、公開されているケースです。

首都圏大学非常勤講師組合の事例

共立女子大学のケース

共立女子学園と東洋英和女学院大学のケース

早稲田大学のケース 1 2


 思いの外、当事者からの声が集まらなかったという印象もあります。その背景に雇用問題特有の難しさがあります。ある非常勤講師の先生から「対面方針で自分の担当する科目が消滅した」という報告を受けましたが、のちに「自分自身も納得の上でのことだから問題はない」と翻意され、事例として扱わないでほしいという連絡を受けました。

 ウイルス禍に非接触で業務がこなせるということが(2020年前期の経験で)わかっているのに、メディアと政府、政治家の圧力から必要のないリスクを負わされる。もしそれを受け入れられないなら退職を余儀なくされる。

そのような事態になっても「学生が望んでいるから」「大学の方針だから仕方ない」、そう思えば問題など存在しなくなるのです。つまり、当人がそれは不当だと思わない限り、たとえ、法や倫理上の問題があっても「問題にならない」のが雇用問題なのです。

3 朝日新聞のある記者

 この問題を私が調査断念した理由は何か。確かにこれら問題は扱いが難しい。しかし、これまでの調査レポートをご覧の方ならわかるようにこの程度で私が追究を止めることはあり得ません。この背景にはある人物の存在があります。

 ことの発端となった「コロナ禍における大学教員」レポート公開後の2021年5月31日、ウェブサイトの問い合わせフォームに朝日新聞記者から連絡がありました。

曰く「対面授業再開をめぐる文科省の対応と報道に関する記事を読み、お話をうかがいたく連絡差し上げました。国の要請が教育現場にもたらした混乱についても検証したいと考えています」。

 私はこの記者に連絡をしました。電話口で記者は(若い記者でした)「レポートを読みました。メディアが報じていることと全然違うじゃないですか」と驚いていました。私は初めて大手メディアが大学の現状を調べようとしていることにその時、純粋に喜びを感じていました。

 私は彼に「コロナ禍の大学雇用問題」について情報を提供し、非常勤組合への取材を行うと良いと助言しました。SNSの大学教員グループのリーダーの連絡先も教えました。また、組合にもその記者のことについて信頼できるから取材に応じてほしいと声をかけました。

 2021年夏頃はこの記者と頻繁に連絡を取っており、柴山昌彦前文科大臣事務所経由で行われた「オンライン授業で娘が単位を落として留年した。大学は問題がある」という保護者の声の陳情に関する、私が公開していない極秘情報も共有しました(同情報は2つの週刊誌、初期から情報共有を行なっていた通信社、そして、朝日新聞のこの記者に流しました)。


紛れていた、ある「文書」

 

こちらの件は週刊誌ネタ的なものなので新聞社が動くことは想定していませんでしたし、実際、明確に動いたという話はありませんでした。朝日新聞の記者には「コロナ禍の大学雇用問題」の方を期待していました。

 その記者と電話する際は「早く記事にしてほしい」と強調しました。近く、私は朝日新聞批判を行うという予定があったからです。

 この記者は取材を進めていたようですが少々奇妙な動きをしていました。私の知り合いの学生が朝日新聞から「対面授業に懐疑的な学生いませんか?」と問い合わせを受けます。その記者は私と連絡を取っているあの記者です。メールで尋ねると聞き方が悪かった、対面反対キャンペーンのような記事は想定していないと返答がありました。しかし、どこか違和感がありました。

 2021年11月、私は朝日新聞の「大学退学報道」のおかしさと同社が行なっている「退学防止事業」の関係を疑問視するレポートを公開します。

 

Journalism Dies in Pandemic:朝日新聞の場合

 

 このレポートに食いついたのが朝日新聞と当時因縁を持っていた週刊FLASHでした。11月30日に私のレポートをもとにした記事を掲載します。

 

朝日新聞の末路と「最後の砦」

 

 この記事をもとに、朝日新聞の退学報道問題をYouTubeで上念司などが拡散していきました。 

 この段階で私と朝日新聞は完全に敵対するのですが、何を思ったのか私は先の朝日新聞の記者に電話をしてみました。

 その記者は週刊FLASHの報道を見て、私に批判的なことを電話口で話していました(私のレポートは読んでいないようでした)。

私は「こうなるのは予定していたことだから早く記事にしてと・・・ところで、どうしてあの『コロナ禍の大学雇用問題』、記事にしなかったの?」と尋ねました。

実際、「しなかった」かどうかはわからない話だったのですがカマをかけたのです。記者は言いました。

「・・・感染者が減ったから」

私は電話を切りました。

4 おわりに:なぜ「可哀そうな大学生」報道が生まれたのか

 これが「コロナ禍の大学雇用問題」と、その調査を断念した背景です。

 感染者が減ったからコロナ関連のニュースバリューが落ちた。だから、報道しなかった。対面授業を強制され、苦しんだ人たちがいたという事実は変わらないにも関わらず。

私はそんな朝日新聞の記者を信じてしまったわけです。わずかながらにあるであろう「リベラル・ジャーナリズムの良心」を信じたわけです。朝日新聞の退学報道問題を調査する中で気づけばよかったのです、そんなもの存在しないことに。

 私は「コロナ禍の大学雇用問題」調査の機を逸してしまったのです。


 この記者は1つだけ意味のある話を私に教えてくれました。それは「コロナ禍の可哀そうな大学生」報道の背景を考える上で重要なことです。

 この記者と最初に電話をしたときに戻ります。

記者は「2020年の夏、コロナは終わったみたいになったじゃないですか」と私に話します。そういう認識だったのかと私は驚きました。

事実としては「コロナは終わっていなかった」。そんなこと、ちょっと考えれば誰でも理解できた。でもそうではない人たちがいた。そう考えると今までのことがスッと理解できます。

メディア関係者、与党・野党の議員、そして、萩生田文科大臣。この国の世論、あるいは国そのものを動かす人たちの中で「コロナは終わった」というムードが流れていた。そう考えると一連の出来事に納得がいきます。

私は記者に「どうして学生は可哀そうだっていう報道になったのですか?」と尋ねました。

記者は少し思案した様子で、そして口籠もる感じで「あのとき、上から『可哀そうな人探せ』っていう指令が出ていたんです」。私は首を傾げました。記者は詳しく話を続けました。

・・・まとめると、災害時のメディア対応として取り残されている人を探し、それを報道し世論を喚起し、政治や行政、社会を動かす。「災害対応」・・・そういうことをしたかったようです。

なるほど。2020年夏、「コロナは終わった」。その中で可哀そうな人は「コロナは終わったのに対面授業ができない大学生だ」。そういう論理で報道が組み立てられ、その前例を踏襲しながら展開されたのが「可哀そう大学生」報道だった。これが真実のようです。

あまりにもしょうもない話です。

<補足:メディアのいろいろ>

 以下、数年経ったのでもう時効だろうと思い、今回の一連の騒動で出会ったメディア関係者との思い出を書いておきます。

 これまでのレポートで報告した内容の骨子は2021年4月段階で明らかになっていました。「対面授業を求めているのは大学生の多数ではない」、「対面授業再開運動を行なっていた学生たちが反自粛の過激思想を持っていた」、「それら過激学生をサポートしていたのは保護者の活動家だった」このようなことです。

 私は2021年春、最初に接触をもった通信社の記者と情報を共有しながらその全容を伝えていました。この記者は大学周囲の混乱を最もよく知ることになったわけです。

「大学生対面授業再開プロジェクト」の創設者の女子大生が「アメリカ大統領選挙は不正選挙だ」という陰謀論に染まっていたということが明らかになったとき、その記者は「蒲生先生、これ以上はやめましょうよ」と言っていました。この件が公になる2年近く前の出来事です。

 この記者は私に文科省周りの情報を流してくれました。その一方で文科省の調査で大学生のオンライン授業満足度が高いと判明した際には、その事実に触れない見出しで記事をリリースしました。曰く「大学生のオンライン授業の満足度が高いってみんな知っている話じゃないですか。そんなの見出しにしてもニュースバリューがないですから」。

 なるほど、この記者は知りすぎたのです。

  「コロナ禍における大学教員」を読んだという毎日新聞の女性記者が2021年春に連絡をしてきました。

「大阪府内では感染者急増を受け、大学でのオンライン授業の活用を求めています。アンケート調査では、対面授業を不安に感じる教員がいる一方で、オンライン授業への教員の負担などにも触れられていますが、あらためてオンライン授業に関する教員側の課題などお聞きできないでしょうか」というメール。それに添えて私の全く無関係な論文を読んだとアピールをします。

最初は「新聞から取材依頼だ!」と喜んでいましたが、よくよく読むと、「オンライン授業への教員の負担」とオンライン授業へのネガティブ要素を聞き出そうという趣旨。全体を読み直すと、「感染者が増えてオンライン授業にしてほしいと行政がいっているが、大学側もオンラインは負担でやりたくない」というオンライン批判記事を書きたいという魂胆が据えて見えます。

一方で「対面授業を不安に感じる教員がいる一方で」とあのレポートの趣旨を理解している。私がすんなり自分達に都合のいい話をしてくれるとも思えない。

だから、「あなたの研究を関係ないけど、調べてきたんですよ」とアピールして懐に飛び込もうとした。男性教授の周囲にはこういう女性が外部業者から大学内部の関係者までいることがあります。

 わずかメールの一文ですが下品だなと感じました。

 週刊FLASHについては、写真週刊誌なのに写真のないネタを書くために、あの膨大なレポートを読み込み丹念に根気強く記事にしたと思います。

私も記事の確認のために並走するように作業を行いました。刊行後、デスクから「朝日新聞のネタを以前書いたときは抗議が来ましたが、今回は来ませんでした」、そして「入社して一番長い記事書きました」。

 ちなみに記事を作成する中で朝日新聞の反論が届いて私は速攻でそれに対して(文字数を計算して記事に収まるように)再反論コメントを出したのですが、編集長から「それ以上は良くない」と止められたそうです。武士の情け、いや、死体蹴りは良くないということかな。

 結果、この反論はより詳細なものになり、私のウェブサイトに掲載されました。

 

朝日新聞の末路と「最後の砦」


 ここでもちらっと書いたのですが、新聞はもはや事実で勝負することをやめ、読者が読んで自らの政治的信条的に得心がいく記事を書くことに専念し始めています。

読者の精神を慰撫し、思い込みに満ちた狭い視野を強化するようなこの報道姿勢は「ポリティカル・ポルノ」あるいは「イデオロギー・ポルノ」とでも呼べるものです。

一方、ゴシップで売っていた週刊誌は新聞の弱体化と社会全体におけるエンタメの力が増大化したことで、ファクトで勝負する社会派の側面を持つことになりました。皮肉なことにその週刊誌を支えるのは誌面を飾る「リアル・ポルノ」なのです。

 先に示した柴山昌彦前文科大臣事務所の陳情ですが、ウェブサイトで公開後も野党関係者が反応するかと思ったら特に何も起きませんでした。リベラル系のSNSアカウントも限定的な反応です。

痺れを切らした私は国会の文部科学委員会の野党メンバーのSNSアカウントや事務所メールアドレスにこのレポートを送りつけてやりました。反応はあったりなかったり。

知り合いの政治関係者から「昔は野党も支持者の息子や娘の成績をどうにかしろと学校に圧力かけるみたいなことはあったか」と話もあり、大したことないのかなあと思い始めます。

すると、2021年9月末に週刊文春の記者が私のウェブサイトに例の陳情文書について問い合わせがありました。なんでだろうとTwitterを見てみると、2021年9月27日にリベラル系YouTubeチャンネル「デモクラシータイムス」でこの話が取り上げられ、それを翌日、Twitterのリベラル系匿名アカウントが私のレポートから当該陳情文書をコピーして拡散、騒ぎになったということです。 

週刊文春の記者はこれら騒動をかぎつけて問い合わせをしてきたということです。週刊文春からの問い合わせ本文は「『まぎれていたある文書』についての取材のお願い」のみ。

こうなると電話口の記者は不遜な態度・・・かと言えば全く違っていてこちらの話をよく聞き、事実確認をする。とにかく余裕があり、がっつくこともなければ使えないと思ってすぐ態度を変えることもない。

きっと手元にたくさんのネタがあり、その1つでしかないのだけど、確実に手札を増やそうという姿勢が窺える。他のメディアとはちょっと違う感触でした。

ちなみに当該文書は一連の騒ぎになってやっと、立憲民主党の城井崇が文科省に問い合わせて以下の事実が発覚します。

 

9月29日、文部科学省に事実確認したところ口頭で以下の回答がありました。

 

○ご指摘の文書は実在する文書である。

○文部科学省から柴山事務所に対して高等教育局の担当者について連絡済み。

○その後、柴山事務所から文部科学省への連絡等は無い。陳情者から文部科学省への連絡等も無い。

(続く)

○そのため、文部科学省は、陳情者からの聞き取り、当該大学に対する事実聴取や指導、当該大学に対して丁寧な説明を行うよう求めるといったことは行っていない。 (おわり)


Twitterに投稿しました。

上の投稿を読めばわかるように城井の態度は冷淡で、これを問題視するスタンスではありません。この件は野党=政権を追及する側にとっても無価値だということでしょう。つまりは道義的に問題ではないということを明瞭に示しました。

この件、週刊文春の記者に伝えました。記者の態度は冷淡になると考えていました。しかし、その返信は一言、

「文科省は文書の存在を認めているわけですね」

こうして週刊誌は「事実」という手札を増やしていくわけです。

お願い・2021年4月19日に「文部科学省に届いた『苦情・要望』についての調査」のレポートをアップロードして以降、SNS上で私への誹謗中傷を含む投稿が、複数回、複数アカウントによってなされました。・その中から悪質なものに関して、不法行為としての名誉毀損が成立しており私に対して大きな損害が発生していることが考えられましたので刑事・民事の両面から法的措置を取るため、発信者情報開示の仮処分申請を東京地裁に行いました。債権者面接及びTwitter社代理人を交えた双方審尋が行われ、2021年6月9日、仮処分命令が発令いたしました。・これに伴い2021年6月17日、Twitter社より当該アカウントのIPアドレスが開示され、プロバイダへの消去禁止仮処分及び発信者情報開示請求訴訟を提起するため、サイバーアーツ法律事務所 田中一哉弁護士に対して委任契約を結びました。・今後はプロバイダとの間での発信者情報開示訴訟となり、契約者の情報が開示されて以降、刑事告訴及び民事訴訟を準備いたします。
・ただし、情報開示訴訟となりますと費用的時間的コストがさらにかかり、損害賠償請求の金額もより高額になってまいります。・不法行為の事実関係を争うかどうかは別にしても、誹謗中傷をされた方も債務が膨大になる危険が高まります。
・以上のことより、私への誹謗中傷に御心お当たりのある方は早急に代理人、サイバーアーツ法律事務所 田中一哉弁護士(連絡先ウェブサイト)にお申し出いただきますようお願い申し上げます・双方で事実関係を確認できましたら、示談も含めて法的措置のあり方を改めて検討いたします。
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2024年35日  公開

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