古机戦

概要

机戦の祖先である古机戦(sia1 cet2 kaik)の詳細なルールは現代ファイクレオネには完全には伝わっておらず、そもそも地方差も激しかったと思われる。

ここでは、文献から部分的に知ることができる情報を元にアイル共和国文化省が整備した遊戯の説明(これを特に新古机戦(lu2 sia1 cet2 kaik)と呼ぶ)を主に説明しつつ、歴史的な資料についても言及していく。

初期配置

盤上の青いマスは水(nua2)と呼ばれる。
船以外の駒は水に入ることができず、船がここから出ることもできない。


なお、官定机戦の用具でこの遊戯をする際は、「獣」の駒として「虎」の駒を用い、皇山と皇処を無視する。

また後述する成った「兵」として「無」の駒で代用されることがある。


また、自らの使える駒は黒または赤の1色のみで、取った駒を再び使うことはできない。

「車」「獣」を遊戯開始時に好きに入れ替えてよいという変種も存在する。

移動法

新古机戦では、官定の無限移動のことを走る(sam1 mok1)と呼ぶ。

王:周囲に1マスだけ動ける。(官定机戦に同じ)

将:真後ろを除く周囲7マスに動ける。(官定机戦に同じ)

車:縦横に走る。駒を取るときはその駒を跳び、駒の一つ向こうのマスに動く。

獣:斜めに走る。駒を取るときはその駒を跳び、駒の一つ向こうのマスに動く。

弓:縦横に走る。(官定机戦に同じ)

兵:前に1マスだけ動ける。敵陣(相手側3段)に入ると成り、前後左右に1マス動けるようになる。

船:相手の船に遮られない限り水の中ならどこへでも動ける。水から出ることができないが、取られること船が船を踏むことも出来ない

踏越え

自分の駒か相手の駒かを問わず駒が存在するマスへ一度移動し(この駒が存在するマスへ一度移動することを「踏む」という)、そこを経由点としてさらにもう一度移動を行うこと。

新古机戦においては、船だけが経由点として機能できる。すなわち、船以外の駒を踏むことはできない。

しかし、連続で踏越えをすることが認められる。

踏越えの後で駒を取ることはできるが、駒を取ってからの踏越えはできない(下の「車・獣について」にて説明)。

車・獣について

一つ向こうのマスが水・盤外などで動けない場合にはその駒を取ることはできない(車・獣が失われるのと引き換えに駒を取れる変種も存在する)。

一つ向こうのマスに他の駒がいる場合も跳んだ駒を取ることはできない。特に、船が一つ向こうのマスある場合でも、駒を取って踏越えをすることはできないため、注意が必要である。

なお、車と獣に関しては、歴史的には「両方走らない」・「両方走る」・「車だけ走る」などの変種があったとされている。獣が走らない場合は、駒を連続して跳ぶことができるという規則が追加されて遊ばれる場合もある。

勝利条件

相手の王を取ること。

ステイルメイトによる引き分けは存在せず、次に動くと王が取られ、かつ王の他に動かせる駒がないという場合でも王を動かして負けなければならない。

そのため、互いの駒が王のみになったときや王と獣しか盤上に残っていないなど、勝負がつかなくなったとお互いが認めたときのみに引き分けとなる。

また、自らの王が取られることが避けられないことが分かった場合に投了するのが認められている。