「防災と宗教」クレド(行動指針)
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「防災と宗教」クレド(行動指針)
2016年3月11日
第3回国連防災世界会議「防災と宗教」シンポジウム実行委員会
「防災と宗教」行動指針・策定委員会
2011年3月11日に発生した東日本大震災において宗教者・宗教団体は、緊急避難所の提供、炊き出し、物資供給、心のケア、コミュニティ再生、防災計画の策定等々、それぞれが持つ能力や資源を活用し震災対応を行ってきました。
こうした災害時における宗教者・宗教団体の取り組みを検証し、今後の災害対応における課題について話し合うことを目的として、第3回国連防災世界会議パブリック・フォーラム「防災と宗教」シンポジウムが、2015年3月16日、仙台市で開催されました。「防災と宗教」シンポジウムでは、宗教者による防災の取り組み、災害時の緊急対応、復旧・復興期の役割、行政との連携、社会との開かれた関係の構築などをうたった「防災と宗教」提言文が採択されました。
「防災と宗教」シンポジウムを主催した、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会、宗教者災害支援連絡会(宗援連)、宮城県宗教法人連絡協議会(宗法連)の3団体で、「防災と宗教」行動指針・策定委員会を組織し、「防災と宗教」提言文をもとに、宗教者が自らの使命の一つとして「防災」を位置づけるとともに、生命を守る取り組みにおいて連携する一般の市民団体、行政、様々な社会的セクターにむけて発信していく「防災と宗教」行動指針を策定しました。
「防災と宗教」クレド(行動指針)
1、災害について学ぶ
宗教者・宗教施設は、防災減災について共に学べる場を提供します。
2、災害に備える
宗教者・宗教施設は、災害時に向けて共に生きるための備えをします。
3、災害時に支える
宗教者・宗教施設は、災害時に分け隔てなく共に命を支え合います。
4、災害復興に歩む
宗教者・宗教施設は、共に身も心も災害復興に歩みます。
5、連携の輪を広げる
宗教者・宗教施設は、民間機関・行政と共に連携の輪を広げます。
2016年3月11日「防災と宗教」行動指針・策定委員会
以下の補足説明は、具体的な行動や事例を示し、行動指針の意図を理解して頂くものです。行動指針を基本として、「出来ることは何か」という内部基準を各宗教施設で考えていく出発点にしましょう。
1、災害について学ぶ
宗教者・宗教施設は、防災減災について共に学べる場を提供します。
たとえば、地元の自然災害についての伝承の場を設けたり、防災意識を高める研修会を開催したりします。
2、災害に備える
宗教者・宗教施設は、災害時に向けて共に生きるための備えをします。
たとえば、宗教施設に非常用備蓄品を保管し、地域的特徴と施設の条件に基づいた防災訓練などの取り組みを行います。
3、災害時に支える
宗教者・宗教施設は、災害時に分け隔てなく共に命を支え合います。
たとえば、被災者のために、宗教施設を避難所や救援活動の拠点として可能な限り開放するとともに、炊き出し、物資の仕分け、瓦礫撤去、寄り添いなどの救援・支援活動を地域の人たちと共に行います。
4、災害復興に歩む
宗教者・宗教施設は、共に身も心も災害復興に歩みます。
たとえば、宗教者は、被災者の信教の自由を尊重しつつ、寄り添い、傾聴、見守りなど、精神面のサポートを継続します。支援者あるいは被災者の一人として、自らの身心の健康にも留意しながら、自分たちができる範囲で取り組みます。
5、連携の輪を広げる
宗教者・宗教施設は、民間機関・行政と共に連携の輪を広げます。
たとえば、宗教界、地域の学校、町内会、社会福祉協議会、NPOなどの民間機関、そして行政とも連携し、対応をします。
「防災と宗教」行動指針・策定委員会:
世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会、宗教者災害支援連絡会(宗援連)
宮城県宗教法人連絡協議会(宗法連)