人を殺すフォント

『人を殺すフォント』(理: larta'it lex reto garfadent)は、元FAFss職員であるシャール・クラナント・ヌイビェルシャ・レーカ(shar kranənt nöjbjersha reka)によって、phil.2005年に書かれたリパライン語小説である。

あらすじ

近未来の2020年、社会はコンピューターによって制御され、多くの機械、ウェールフープ、交通機関が円滑にそして無駄なく動いていた。共産党政権が敗れたのちに成立した社会党内閣の首相ターフ・ヴィール・フラヴェウミヤはコンピューターの発展を更に第二段階の応用段階へと推し進めようとしていた。

連邦情報処理研究所に所属する研究員ヴォーギタム・ガートゥ・エーパム・バートニーマシュ(Voghitam ghátu epam bhátnímaṣ)はPMCFアイル共和国バート自治区からユエスレオネに来てから数か月の新人プログラマーであった。祖国では連邦での進んだ情報処理技術を学び、連邦での研究生活を待ち望んでいたが、連邦に来てからの凝り固まったお役所仕事にうんざりしていた。処々の登録を済ませて来た研究所では所長のリーサーフがヴォーギタムを迎えて、仕事の状況などを説明することになっていたが、リーサーフはヴォーギタムの能力を認め、連邦の極秘の異世界探査プロジェクトに使う制御装置のプログラムを書かないかと呼び掛ける。ヴォーギタム早速既存のプログラムソースやテキストを読み込んでゆくが、そこに書いてある度重なるlとoの書き間違いを見て、修正を行おうとするもののリーサーフが正式に参加を伝えていなかったヴォーギタムの訴えは極秘のプロジェクトという政治的な理由において却下され、怪しまれたヴォーギタムは特別警察によって拘留されてしまう。

ヴォーギタムは留置所に設置されたテレビを通して、異世界探査船に乗り込む調査員たちを眺めていた。ソースコードにおける書き間違いが、何も問題を起こさないことを願っていた。彼にはそれ以上何もできなかった。動き出した探査船は順調に動作しているように見えて、ヴォーギタムは安心する。しかし、次の瞬間探査船は爆散し、火の玉となって地上に落ちていったのであった――

評価

見づらいフォントによる多大なる失敗や連邦の堅苦しい社会を題材とした本書は、連邦に全体的に強い影響を与えた。主にプログラミングにおけるフォントの問題は当初から界隈では大きな問題として上げられていたが、基本的に対処されることもなく今までやってきたのであり、この先も無事にあることはありえないという警鐘を鳴らした形になり、プログラミング用フォントの開発を加速させた。また、ユレイシア・アレスはリナエストにおける言語の数詞不統一に対してこれを引用して「人を殺す不統一」と批判した。