10月8日事件

10月8日事件(理:10/8'd mela)とは、ヴェルガナ・トゥワイ・ズュザによる圧政に対抗するアイル人勢力との対立の中で発生した内戦及び代理戦争である。トゥワイ・ズュザ政権の国体維持のための非人道的な弾圧は周辺諸国の介入を招き、紛争の複雑化を招いた。結果的にはトゥワイ・ズュザはヴェフィス共和国軍騎士憲兵科特殊作戦部隊によって逮捕され、政権は崩壊することになる。

10月8日事件

アイル共和国内戦

マカティの市街

経緯

2002年にアイル共和国が建国(3月15日)し、首相にはリパラオネ教徒でアイル人のヴェルガナ・トゥワイ・ズュザが擁立された。東諸島共和国連合(PMCF)が成立し、2003年にはPMCFがユエスレオネに発見される(12月6日)。この時点から、ユエスレオネ革命の政治難民が流入するようになる。この時点ではユエスレオネは合法的な出国手段を取るのであれば、政治難民を国内に押し止めようとはしなかった。このために大量に流入する政治難民と国民の対立は避けられないものとなっていた。何故なら、アイル共和国はそれまで強行的な言語政策を取っており、アイル語を国家言語として強制する独立国家戦争時代の言語ナショナリズム的な言語政策を強行していた。PMCF議会では、自治体議会決議111号が議会言語を全ての民族に中立的な物を採用すると規定し、2004年に入るとカーダン通訳事件による失敗によってトゥワイ・ズュザ政権率いるアイル共和国もそれまでの議会言語決定に関する強行的な姿勢を崩さざるを得なかった。これを見たユエスレオネ難民たちは難民・移民評議会(KAFNE/Korxli'a Ad Fecelerca Noble Eununal)を設立し、アイル共和国における言語保障請求のための活動が開始される。同時にこの動きはターフ・ヴィール・イェスカの『革命序説』の影響を受けた学生たちによるPMCFにおける新左翼の成立の波を受け成立したアイル学生運動(冠国学人行集)もこの活動に加わった。活動は活発化し、トゥワイ・ズュザは段階的に圧力をかけていくことになるが同時に政権に対する対抗感情や市民間での緊張感は高まっていくことになった。2005年になるとはっきりと警察隊とデモ隊の衝突が頻発するようになり、8月21日にユエスレオネ難民たちはアイル共和国議会を包囲してデモ活動を行った。この際にヴェルガナ・トゥワイ・ズュザはアイル共和国軍に対して殲滅することを命令し、共和国軍は議会入り口に集結したデモ隊を装甲車で包囲して逃げられない状態でPCF-99 シェルト・アンギルLPF-82 アルザッツァを用いて掃射した。これによって大量の死者が出ただけでなく、アイル共和国軍は瀕死状態の難民に油を掛けて生きながらにして燃やしたなどという深刻な人道上の罪が行われた。

紛争の経過

デモ隊に発砲したことが国内に広がると国内の皇論信仰者による連合組織である皇論人集は政権を強烈に批判する。それに同調するかのようにアイル学生運動や難民・移民評議会による抵抗は全国で活発化し、トゥワイ・ズュザ政権に対する支持は無くなり、弱体化してしまう。トゥワイ・ズュザ政権はこれに対して何回もの武力的弾圧を加えた。このような経過の中で、タカマ・ソラナ文化省大臣は政権から行政系統を離脱することを決定。暴力活動を止めるまでの無期限ストライキを敢行する。タカマに賛同する市民や政府関係者は政権を暴力で打倒すべきとする暴力派と非暴力派に二分することになるが最終的には暴力派は弾圧に最低限の抵抗を行う方向へとまとまってゆく。こうして出来た各地の武装勢力はタカマ・パルチザンと総称され、アイル共和国軍の弾圧に対して交戦した。しかし、訓練されたアイル共和国軍に対しては装備も無く市民から出たパルチザンは歯が立たず、戦闘は圧倒的差で敗北を繰り返していた。PMCF議長であるリアシェン・L・K・アリュースはこのような状況に対して連合軍を介入させて安定化を図るべきであると主張、リナエスト・オルス共和国とヴェフィス共和国の賛成で可決されリナエスト共和国軍とヴェフィス共和国軍によるPMCF連合軍が平和維持活動として介入した。これをトゥワイ・ズュザ政権は内政干渉であるとして徹底的に批判し、アイル共和国は連合軍との二面戦争に陥ることになった。

これに加えて、ユエスレオネ軍の武器と装備品を装備した覆面兵士がアイル共和国内で作戦行動を行い各地で混乱を引き起こした。これはユエスレオネ連邦陸軍即応特殊作戦独立中隊という特殊部隊であり、目的はヴェフィス、リナエスト、アイルの三共和国がユエスレオネに対して非協力的な立場を取るのに対して出来る限りの軍事的消耗を引き起こすこと、そしてタカマ・ソラナを支援しタカマ政権をユエスレオネの傀儡とすることでPMCFに対する影響力を強めることであった。しかし、混乱した状況で部隊はタカマに接近することが出来なかった。このために傀儡化には失敗したが、度重なる欺瞞・陽動作戦によって戦闘は長引き、同士討ちや不要な戦闘によって三共和国の軍備と人員は大幅に消耗した。

解決

最終的にヴェフィス共和国軍騎士憲兵科特殊作戦部隊によって閣僚は逮捕され、また弾圧を主導したトゥワイ・ズュザ元首相はアイル国際特別法廷に訴追された。人道に対する罪に値するとして懲役15.5年の判決を受けて政界を去ることになった。再選挙によってタカン人の皇之 上水(タカマ ソラナ)首相による上水政権が発足した。今政権では文化省の人事が一新されパイグ人の夏巫力(xo1 tuk2 py)文化省大臣を中心にユエスレオネの言語保障政策を参考にした言語多元主義的政策を推進していくことを検討することになった。トゥワイ・ズュザ政権のアイル共和国では国家言語としてアイル語に一元化されていた公用語が多層的に決定されることになった。国公用語では標準アイル語、標準東島通商語、伝統文語を、国補助公用語では標準リパライン語を、島公用語として標準アイル語、標準パイグ語、標準タカン語、標準バート語が定められることになった。これによって公用語になったリパライン語によって難民たちは教育や行政を行うことが可能になったのであった。

関連項目

  • 皇之上水の手記……タカマ・ソラナによるアイル共和国成立からの日記、ヴェルガナとの確執や夏巫力との協力がタカマの視点から生々しく書かれている。

  • 異世界転生したけど日本語が通じなかった……第四部では主人公たちがユエスレオネ政治難民としてアイル共和国内で言語的に虐げられ、抗議活動を起こし、軍による武力行使によって破綻するまでが描かれる。

  • リパライン語と言語行政と文化……PMCF全体も含めて、言語政策の詳細な来歴が書かれている。

  • 悠里世界の学生運動……アイル共和国内戦とアイル共和国における学生運動の関わりとその後がより詳しく書かれている。

場所

結果

2005年10月8日 - 12月15日

アイル共和国 全土

・蜂起側が目的を達成。トゥワイ・ズュザ首相が逮捕され、政権は崩壊した。

・アイル共和国タカマ政権の樹立

・連邦軍特殊部隊によるPMCF加盟国軍の消耗作戦の成功

・難民・移民評議会の政党化

衝突した勢力

藍国文化省

アイル共和国トゥワイ・ズュザ政権

皇論人集

ユエスレオネ連邦

アイル学生運動

難民・移民評議会

ヴェフィス共和国

リナエスト共和国

ユエスレオネ連邦

指揮官・指導者

タカマ・ソラナ

(文化省大臣)

ヴェルガナ・トゥワイ・ズュザ

(共和国首相)

シェルケン・ヴィール・リナ

(評議会最高議長)

ヴィヨック・ノアフィス

(防衛省大臣)

クロウディア・ドゥ・デヴァニエ・クロウヴァディ

(共和国軍司令官)

ターフ・オルファーデャ

(共和国軍司令官)

ヴィヨック・ノアフィス

(防衛省大臣)

部隊

タカマ・パルチザン

アイル共和国軍

連邦陸軍即応特殊作戦独立中隊

ヴェフィス共和国軍騎士憲兵科特殊作戦部隊

リナエスト共和国軍

連邦陸軍即応特殊作戦独立中隊

戦力

およそ10,000名

およそ4,750名

被害者数

戦死:

負傷:

戦死:

負傷: