2020/10/25 ~ 2020/11/29

夏休み設計競技会(旧称:夏休みセミナ)
秋期オンライン開催

「根拠のある設計」を習得して
真のエンジニアを目指そう!

例年、夏休みに3日間の日程で開催している「夏休み設計競技会(通称:夏セミ)」が、2020年は新型コロナウィルスの影響で開催できませんでした。そこで、今年は、2020/10/25~11/29の日程で約一ヶ月をかけてオンラインでセミナを開催します。

背景

「根拠のない実績」に頼って設計を進めるエンジニアがいます。そのような人は過去の製品の改変しかできない、change + engineer = changeneer (チェンジニア) だと揶揄されることがあります。チェンジニアは原理・原則を重視しない(できない)ので以下のようなことが起きてしまいます。

    • 1つの部品の設計を変更したら関連する他の部品にも手を加えなければいけません。製品全体の理解には長い時間がかかります。しかし、チェンジニアは目の前の製品のことしか考えないので、苦労して設計しても、その知識を別の製品の設計に生かす能力は手に入りません。

    • 新規開発の経験がないので、いざというときに必要な期間・費用を予測できません。

    • ステップアップしようとしても、特定の製品の事しか考えたことがなく、新しいことに取り組んだ経験が無ければ転職は著しく難しくなります。

    • チェンジニアは人材育成ができないので、その人の元に配属された新入社員もチェンジニアにしかなれません。

製品のエンドユーザや企画者の要求は曖昧、かつ不正確なことがあります。これを鵜呑みにして設計・製造すると、エンドユーザや企画者から「思いと違う」と言われ、設計をいちからやり直すことになります。設計者はエンドユーザや企画者の曖昧な「要求」を、明確に仕立て直す必要があります。これを「要件」と言います。

企業では設計者と製造者は別人です。そのため「設計者の思い」とは違うものが製造されてしまうことがあります。それを避けるためには、設計者は製造者に設計者の意図を正確に伝える必要があります。

ゴール

本セミナでは、以下のことを体験し、真のエンジニアとなるための気づきを得ることを目的とします。

  • 根拠のある設計とはどのようなものかを理解し、実践する。

  • 曖昧な要求を明快な要件に表現し直す。

  • 設計者の思いを、正確に製造者に伝える。

対象者

  • 受講者 (開催期間にわたって参加できる人)

    • 工学分野を目指す高校生、高専生、大学生。

    • 工学に関する仕事に従事する社会人。

聴講者

    • 特に条件はありません。どなたでも結構です。

進め方

このセミナはおおまかに以下の内容で構成されています。特定の場所に集合して作業することなく、完全にオンラインで進めます。コミュニケーションのためのツールにはZoomを使う予定です。

  • 4人で構成するチームによるオンライン作業が基本です。

  • 講義や説明などは、指定された日時に全員参加のZoomミーティングで実施します。当日に実施する作業は、チーム毎のZoomのブレイクアウト・セッションなどで行います。

  • そのほかの日は、チーム毎に予定を立ててディスカッションや作業を進めてもらいます。所要時間は一日あたり2時間程度と見積もっています。

  • 設計が終了したら各チームで報告書を作成してもらいます。また全員に対して設計内容のプレゼンテーションをしてもらいます。

  • 設計を元にした「製造」は各個人で行ってもらいます。

具体的な内容

  • スケジュールに従って実施します。

  • 全員に対して共通の「漠然とした課題」を与えます。

  • 4人で構成したチームで

    • 高校程度の物理を用いて、漠然とした課題を明快な表現に改めてもらいます。

    • その後で、製造に使ってよい材料を開示します。

    • 構造を考えて設計をしてもらいます。
      最初に材料を開示すると「漠然とした課題を明快な表現に改める」事をせずに、材料に適した構造を考えてしまうことがあります。これは根拠のない設計のひとつです。誤った設計に陥らないために、このタイミングで材料を開示します。

    • 製造に必要な「指示書」を作成してもらいます。

  • 指示書を、設計した人とは異なる人に渡し、設計した装置を「製造」してもらいます。

  • 設計はチームで行いますが、製造は個人で行ってもらいます。また、自分の属するチームとは別のチームの設計案を割り当てます。

    • 指示書に不備がある場合には

      • 設計者に「問い合わせ」をしてもらいます。

      • 設計したチームのメンバが、指示書を修正します。

      • その上で、あらためて製造を続けてもらいます。

  • 製造した人には製造した装置を使って実験を行い、製造を担当した設計案が要件を満足するかどうかを確認してもらいます。

    • 実験の様子は動画で撮影してもらいます。なお、動画を撮影する際は、背景に個人が特定できるものが映り込まないように注意ください。

  • 設計したチームに、自分たちが設計した装置に関する報告書を作成してもらいます。

  • 最終日に、オンラインで全員参加して、プレゼンテーションをしてもらいます。

その他

  • オンラインミーティングではZOOMとGoogle Slideを使います。

  • オンラインミーティングで議論ができるように、webカメラ、マイクとスピーカ(またはヘッドセットなど)を用意してください。

  • 可能な限り、カメラONで参加してください。

  • 2画面を表示できるように準備ください。

    • 1つ目の画面には、ZOOMの画面を表示ください。

    • 2つ目の画面には、Google Slideの資料を編集できるようにしてください。

PCとスマホ

大きめのディスプレイで両方のウィンドウが見える状態

申込方法・費用

  • 受講する人、聴講する人、アシストしてくださる人 いずれの方も こちらから申し込んでください。申込フォーム
    締め切りは10/18日です。

  • 参加費は無料です。 

ただし、「製造」に必要な材料の代金は、製造する人が負担してください。

  • 高価なものは使いません。指定した材料がご自宅にある場合には、それを使ってください。足りない場合には、ダイソーなどの100円均一ショップで調達ください。

お問い合わせは下記メールアドレスまでお願いします。

件名を「夏セミ2020 」として下さい。

nkogiso(at)infoseek.jp  (at)を@に読み替えて下さい。