Research
緑が少なく、コンクリートと建物に覆われた都市環境。
そこで人由来の資源を利用して生き抜く野生動物。
人のために作られた環境で生きる彼らの逞しさに惹かれ、研究をはじめました。
都市に存在する餌資源や人の存在は、野生動物に対してどんな影響があるのか?
また距離の近い彼らと軋轢なくどう関わっていくか。
生態学と社会科学からの多面的な研究を通して、自分なりの答えを出すことが目標です。
タイワンリスの食性解析
都市での分布拡大が著しい彼らの食性とGPSによる生息地利用を明らかにしました。森林依存性が高く、複数の小緑地を利用することで分布を拡大していることが示唆されました。
都市のエゾリス研究(学士〜博士課程)
食性解析と体重比較
市民からの餌付けが利用できる都市では、リスは高エネルギーな餌を通年的に利用し、体重が増加することがわかりました。餌付けは都市での生息に重要な一因かもしれません。
生存率と寿命推定
自然下のリスは平均18ヶ月生きるのに対し、都市のリスは平均12ヶ月しか生きないことがわかりました。車の行き来が激しい都市は、リスが死にやすい環境なのかもしれません。
メスの繁殖成績
体重の増加は繁殖成績の向上をもたらします。メスの繁殖状況を調べたところ、都市では集団中の妊娠率が高く、出産時期も早期化していました。また、若年齢(1歳)での妊娠や、春に2回子供を産む個体も多い傾向にあり、都市ではメスの繁殖状態がいいことが分かりました。
(Takahata & Kutsukake submitted)
遺伝構造
都市景観(道路や建築物)は動物の移動・分散を妨げ、遺伝的隔離をもたらすことが知られています。リスにおいても、わずか30年の間で都市と郊外の集団間で遺伝的差異が生じており、都市では遺伝的多様度が低下し、集団間の遺伝的距離も遠いことが分かりました。
(Takahata et al. submitted)
餌付けの社会科学研究
人はなぜ野生動物に餌をあげるのか?質的調査(半構造化インタビュー)によって、人々が野生動物に餌付けをする動機の詳細と、専門家が想定した動機と実際の動機との間にズレがあることがわかりました。
(総研大の副論文として提出 2022年11月)
エゾリスの貯食行動研究(博士課程)
主に人とリスの関係に着目して研究をしていますが、リス特有の貯食行動も非常に面白いです。片手間で行動実験しています。
盗みの回避戦略
越冬に重要な貯食餌を守るために、リスが良い餌ほど時間をかけて遠くに運び、他の個体から盗まれにくい(捕食圧の高い)場所に隠すことがわかりました。リスは想像以上に賢く生きています。
貯食場所の記憶強化行動?
Coming soon...
人と野生動物との関係についての社会科学研究(ポスドク)
これまで生態学・行動生態学ベースの知識と手法を使って「生き物を知る」研究をしてきましたが、「人を知る」研究も必要だと思うようになりました。ポスドクで頑張ります。
エラブオオコウモリの保全研究
Coming soon...
餌付けの社会科学研究(拡張版)
Coming soon...