ネット上の複数の動画配信者の音声をつなげ、アニメーションにすることで新たな物語を創造するとともに、動画に関連するモチーフを元に描いた友禅染の作品を無作為に並べることで、ネット上の世界をインスタレーションとして展開します。2006年頃からYOUTUBEやニコニコ動画が普及し、多くの生配信アプリが誕生しました。特に興味がある動画は、中身のある情報を発信しているものではなく、配信者の生活を垂れ流しにしている内容です。そこでの出来事は、嘘をついていても真実として画面上に演じることが可能で、嘘と真実、現実と非現実の境界線がぼんやりとした曖昧な物語が展開されています。配信者の多くは自己顕示欲が強く、物語が暗く重い印象になります。そこで絵柄をポップにすることで映像作品は軽く、友禅染では軽さの中にも伝統的な重みを表現します。