コロナ禍と学生

こんにちは、神戸大学Youth Netです。

私たちYouth Netは地球環境問題、平和、平等といった社会問題について、SDGsなどを題材に研鑽をしているサークルです。

毎年学祭にて日頃研鑽している社会問題からテーマをピックアップし、その内容の紹介、意見発表やアンケートなどを行なっております。

今回の学祭では、コロナ禍における学生の環境について紹介してまいります。

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210902.pdf

1就活:業界への影響

2021年9月の株式会社帝国データバンクの調査によると、新型コロナウイルスによる主要43業界への影響では、増収を果たした業界として「電気通信・郵便」、「教育」、「スーパーストア」などが挙げられます。いずれも、テレワークの普及による通信サービスの契約や中食などの自宅での消費の需要が高まったことによる増収が考えられます。

また、減収した業界では「貴金属製品卸」、「皮革製品製造」、「飲食店」、「宿泊業」などが挙げられます。国内景気の急減速を受けた高額ジュエリー需要の減退、百貨店の休業などで主力の催事販売が行えず、また皮革製品も在宅勤務の普及などで需要が振るわず、革靴などのシューズや高単価な革製バッグなどの需要が減少した事による減収が考えられます。

2アルバイト


2021年5月の株式会社野村総合研究所の調査によると20~59歳のパート・アルバイターのうち約3割シフト減、そのうちシフトが5割以上減少している人の割合は約45%ほどとなっています。

また2021年1月にマイナビがコロナ前に比べシフト減の学生に対して行った調査によると、そのうち約3割の学生のシフトが半分以下になっています。

野村総合研究所の調査は学生に対する調査ではありませんが、それぞれの調査から学生のアルバイターまた、その家計を支える親世代が経済的なダメージをうけていることがわかります。

学生のアルバイトにも休業手当などの対策は行われていますが果たして、その実態はどうなっているのでしょうか?

次にコロナ禍の奨学金について考えてみます。

3奨学金

新型コロナウイルスと奨学金については、以下のような事例があります。


・「教員を目指している京都市内の国立大3年の女子学生(20)は、給付型奨学金とアルバイトで家賃と生活費を賄ってきたが、4月以降は飲食店3軒全てで働けなくなった。実家は母子家庭で、母親にも頼れず、日本学生支援機構が感染拡大の影響で家計が急変した学生も支援対象に加えるなどの動きもあるが、追加で貸与型の奨学金を受けたいけれど、返済のことを考えると難しい」と将来的な負担を懸念。」(読売新聞2020年5月1日 夕刊10ページ)


・「理学部3年の男子学生(20)は、アパートの家賃を親に負担してもらっている以外は、貸与型の奨学金とアルバイト代で授業料と生活費を捻出してきた。」(読売新聞2020年6月21日 朝刊25ページ)


新型コロナウイルスによってアルバイトの収入が減少し、奨学金を使わざるをえない状況になっています。

4政府の対応

以上、新型コロナウイルスによって影響を受けた学生の生活実態や業界の動向について調査を行ないました。ここからは、この現場を踏まえ与野党がどのように対応策を講じているのかについて紹介してまいります。

与党の対応策

与党の基本方針として、ワクチン接種の加速と経済に対する対策の2つの軸で新型コロナウイルスへの政策を行なっています。

保健衛生についての政策では、病床、医療供給体制の確保や自宅療養者の対策強化を基本指針としてあげています。また、ワクチンの三回目接種の無料化や治療薬の開発・実用化、PCR検査の更なる拡充を与党で行なっています。

経済再生についての政策では、雇用調整給付金などの雇用を守る特例措置を引き続き継続していくこと、また特に影響の大きい宿泊観光業、飲食業を対象とした新・GoToキャンペーンの実施を検討しています。

野党の対応策

また、野党の提案で授業料の半額免除、負担軽減のための現金再給付、奨学金の返還免除などが議論されています。

その他には、教育の無償化や、所得税・消費税軽減といった制度の方面からの解決を図る動きもあります。

それらの中で、私たち現役の学生が今、本当に求めるものとは何なのでしょうか?

5Youth Netからの提案

私たちは、今回調査を行なったところ、学生個人への学費や家賃などの負担が大きいため、学生への経済的な継続支援が必要だと考えます。

昨年、大学生を対象に特別給付金が給付されましたが、学生にとっては、一度だけの支援ではなく学費の一律補助などが必要ではないのでしょうか。