奄美市長
志塾・西郷塾会員
荘内南洲会会員
平素からの「南洲翁龍愛未来塾」のご活動に心より敬意を表します。
私が西郷南洲翁に興味を持ち、学び始めたのは、20代半ば頃に神奈川県にある松下政経塾に入塾した際、同期生をはじめ周りの方々に南洲翁を敬愛している方が多く、鹿児島県出身者としてこれは学ばなければと痛感したことがきっかけとなり、まずは『南洲翁遺訓』を読み出しました。
奄美に帰省する前に鹿児島に寄り、南洲顕彰館や南洲墓地を訪ねて学びを深めていきましたが、しばらくするうちに、熊本県菊池市からの視察団が龍郷町を訪ねて来られ、両地域による交流の機運が高まり、ご縁があって私もその活動に参加させていただきました。
当初は町の生涯学習講座として始まった「西郷塾」で私も学びましたが、南洲翁が3年間を過ごしたとはいえ、いかにその研究が乏しかったか、または、きちんと継承されていなかったかを、講師役の父とともに共有しながら、南洲翁の遺した書簡などをもとに、奄美で過ごした日々のことを少しずつ掘り起こしていきました。これらのことも土台となって、「志塾・西郷塾」の紙芝居になったり、「菊次郎ミュージカル」につながっているとすれば、とてもうれしいです。
また、私は菊池市や沖永良部島和泊町、さつま町永野や山形県荘内南洲会との交流を経験しましたが、南洲翁や愛加那さん、菊次郎さん、菊草さんが結び目となって、今も各地との交流が続いていることは本当に素敵なことだと思います。地域にとって素晴らしい功績や教え・生き方・遺徳をのこされた先人を大事にして、自分自身の思考・行動や生き方の参考にしたり、子どもたちの教育や生涯学習の教材にしたり、また、他地域と交流することでそれらをお互いに高め合ったりすることは、私たちが郷土の先輩たちを誇りとし、模範としてよりよく生きるために重要なことだと思います。
これからも「南洲翁龍愛未来塾」の皆様には、このような観点からも活動を積み重ねていただき、南洲翁一家のような、地域や周りの方々のために貢献し、多くの方々に愛される人財を生み出してほしいです。また、南洲翁の心を癒し、育んだ奄美・龍郷の地力や魅力を引き出して、学校や集落のさらなる活性化に結び付けていってほしいと願っております。奄美をさらに素晴らしい地域にしていくためにも、「ムンぬ知り果てやネン」という気持ちで、ともにがんばっていきましょう。今後とも、よろしくお願いいたします。