Designer enzyme (=人工酵素) はタンパク質の内部に合成触媒を導入する、あるいはタンパク質の内部で非天然の触媒活性中心を設計することで構築される。均一系触媒と生体触媒のイイトコ取りをめざし、数々の高機能な触媒機能を有する人工酵素が開発されてきた (詳細は岡本も構築に携わった人工酵素のデータベース参照)。
生命現象が化学反応の総和であるとするならば、人類が見出してきた数々の非天然の化学変換で生命現象に介入できないだろうか?しかし、様々な生体分子が存在する夾雑環境下では合成触媒の多くが失活するため、そのまま利用することはできない。これに対して、我々は人工酵素の示す生体適合性の高さを世界に先駆けて証明してきた (人工酵素の細胞内利用の第一例)。このように、合成化学への貢献を志向する人工酵素研究がほとんどである中、我々は独自の人工酵素を開発し、生命科学研究に切り込むことを目指している。
より具体的には下記のプロジェクトを並行して進めている
(1) Designer enzyme, designer biomoleculeの核となる合成触媒の開発 (有機化学、錯体化学)
(2) 合成触媒の統合あるいは構築のためのタンパク質の設計 (タンパク質工学、計算機科学)
(3) Designer enzymeの機能評価 (触媒化学、酵素化学)
(4) Designer enzymeと他の酵素や蛋白質、生体分子との協奏的利用法の開拓 (合成生物学)
これまでの成果は下図のリンクを参照ください。
For more details, please refer following papers
J. Am. Chem. Soc. 2016,138, 5781-5784.
ChemCatChem 2020, 12, 4512-4516.
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Chem. Comm. 2014, 50, 3421-3423.
Inorg. Chem. 2013, 52, 13014-13020.
For more details, please refer following papers
Chem. Rev. 2018, 118, 142-213.
ACS. Catal. 2023, 13, 4134-4141.
Comprehensive Supramolecular Chemistry II, 2017, vol. 4, 459–510. Atwood, J. L. Eds., Elsevier.
For more details, please refer following papers
ACS. Catal. 2016, 6, 3553-3557.
J. Am. Chem. Soc. 2016,138, 5781-5784.
Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 10156-10160.
Nat. Commun. 2018, article number 1943.