セミナー
2025年6月6日(金) 13:00-15:00
講演者: 後藤 良彰 氏 (小樽商科大学)
場所: 金沢大学 角間キャンパス 自然科学5号館, 223 大セミナー室
タイトル:リーマン面上の超幾何積分について
アブストラクト : 超幾何関数の Euler 型積分表示から自然に射影空間上の局所系が定まり, そのホモロジーやコホモロジー(twisted (co)homology)を考えることで, 超幾何関数の性質を調べるられることがよく知られている. 一方で, Gauss の超幾何関数はテータ関数のべき積による積分表示を持つことが知られており, Wirtinger 積分と呼ばれている. Wirtinger 積分からは楕円曲線から2分点を除いたリーマン面上の局所系が得られるので, その(コ)ホモロジーを使った研究が渡辺文彦氏らによって行われてきた. このような「射影空間以外の空間上の超幾何積分」に対する(コ)ホモロジーを用いた研究が, 近年徐々に進められてきている.
本講演では, リーマン面上で定義される超幾何積分とその(コ)ホモロジーによる研究について, 具体例を挙げながら紹介していきたい. 特に, Riemann-Wirtinger 積分(楕円曲線の一般の点配置に対応)とWirtinger 型積分(種数2の超楕円曲線の Weierstrass 点の配置に対応)に関する結果を報告したい.
【概要と目的】
現在の数学は細分化されていて、それぞれの分野において最先端の研究が進められていますが、その一方で、幾つかの分野・手法が交叉するところから新しい数学の展開が生まれることも期待されます。
ここでは特に、幾何学における代数的・組み合わせ論的な視点からの発展をテーマに、不定期でワークショップ・セミナーを開催しております。
当該テーマに興味をお持ちの研究者の方や、学生の方など、お気軽にご参加ください。
角間キャンパス地図:https://www.kanazawa-u.ac.jp/university/campus-guidance/map
アクセス:https://www.kanazawa-u.ac.jp/university/access
金沢大学角間キャンパス自然科学5号館へは、「金沢大学自然研前」バス停から橋を渡ってお越しになるのが便利です。
セミナー
2025年2月7日(金) 14:00-16:10 (途中10分の休憩あり)
講演者: 根岸 崚 氏 (北海道大学)
場所: 金沢大学 角間キャンパス 自然科学5号館, 209A 中セミナー室
タイトル:一般化Dwork 族のPicard-Fuchs 方程式
アブストラクト : 代数多様体の周期が満たす微分方程式は Picard-Fuchs 方程式と呼ばれ, 関数論や複素代数幾何学において古くから研究されてきた対象であるが, 1960 年代に Dwork により数論との関係が見出された. 特に Dwork は特別な射影超曲面の族 (Dwork 族) の Picard-Fuchs 方程式が一般化超幾何微分方程式となることを示し, ゼータ関数の研究に応用した. 2009 年にKatz は Dwork 族をより一般化した族について, その Picard-Fuchs 方程式が一般化超幾何微分方程式となることを$\ell$進的な手法を用いて示した. しかしその証明は抽象的であり, 与えられた周期 (コホモロジー類) の満たす微分方程式の具体的な形は特別な場合を除いて得られていなかった. 本講演ではKatzが定義した一般化Dwork 族の Picard-Fuchs 方程式の明示的記述を与える. 講演内容は前後半に分かれ, 前半ではPicard-Fuchs方程式の定義や計算アルゴリズム, 具体例について触れ,その後主結果を述べる. 後半では主結果の証明に必要となるKatzによる超幾何$\ell$進層の理論について概観し, 主結果の証明を解説する. また, Picard-Fuchs方程式とp進コホモロジー理論の関係を説明し, p進コホモロジーのフロベニウス作用に関する計算の具体例を紹介する.
セミナー
2025年1月14日(火) 11:00-12:00
講演者: 伊藤 陸統 氏 (名古屋大学)
場所: 金沢大学 角間キャンパス 自然科学5号館, 209A 中セミナー室
タイトル:虚数乗法を持つK3曲面に付随した代数的Hecke指標の明示的構成
アブストラクト : 虚数乗法を持つK3曲面は古典的な虚数乗法を持つAbel多様体のK3曲面的類似である。このようなK3曲面はAbel多様体と類似した(代数幾何的、数論的)性質を持つ。その一つが多様体に付随したL関数の、いくつかのHecke L関数(Hecke指標に付随したL関数)による記述である。そのようなHecke 指標の存在性は、Abel多様体の場合はShimuraとTaniyamaにより、K3曲面の場合はPiatetski-ShapiroとShafarevichにより証明された。近年ではこれらHecke指標の明示的な記述が試みられており、例えばFermat4次曲面や、より一般に円分体上虚数乗法を持つ重み付きの滑らかな4次曲面などはJacobi和から来ることが知られている(Gvirtz, Skorobogatov(2019))。本講演では、K3曲面の虚数乗法論(Rizov 2010)の応用として数体上虚数乗法を持つK3曲面に付随するHecke指標の明示的な記述を与える。
セミナー
2024年11月27日(水)
第1部 14:45 - 16:15 ; 第2部 16:30 - 18:00
講演者: 渋川 元樹 氏 (神戸大学), 土見 怜史 氏 (神戸大学)
場所: 金沢大学 角間キャンパス 自然科学5号館, 223 大セミナー室
タイトル: $¥mu $ 函数の基礎とその展開
アブストラクト : $¥mu $ 函数はモックテータ函数の研究を背景として, Zwegers (2002) によって導入された.
これはその後大きなブレイクスルーになった調和 Maass 形式によるモックモジュラー形式の研究 (Bruinier-Funke (2004), Bringmann-Ono (2006), Zagier (2007)) の端緒を開いたが, 他方これらのモックテータ函数の文脈とは独立に, $¥mu $ 函数それ自身が特殊函数として非常に基本的かつ重要であることがわかってきた.
本講演では, 講演者らの研究に基づき, 特殊函数の立場からの $¥mu $ 函数の入門的解説, 及び最近の展開の紹介を行う.
第1部 基礎編 (講演者:渋川氏)
オリジナルの Zwegers’ $¥mu $ 函数の簡単な紹介からはじまり, $¥mu $ 函数の特殊函数論的理解に必要となる $q$ 特殊函数( $q$ 超幾何), $q$ 解析( $q$ 差分方程式, $q$-Borel, Laplace 変換)の必要事項の解説を行う.
これらのセッティングの下で Zwegers’ $¥mu $ 函数の 1 パラメータ変形である一般化 $¥mu $ 函数を導入し, 対称性, 明示公式, 隣接関係式, 接続公式等の基本的性質を紹介する.
特に一般化 $¥mu $ 函数と $q$-Hermite 多項式(函数)の関係を述べる.
第2部 発展編 (講演者:土見氏)
本講演の後半では, 前半で導入された一般化 $¥mu $ 関数に関する応用を紹介する.
1つは高階 $q$ 差分方程式に関するもので, 一般化 $¥mu $ 関数は因子化された高階 $q$ 差分方程式の特殊解として現れることを述べる.
また一般化 $¥mu $ 関数は, $(A_2+A_1)^{(1)}$ 型の$q$-Painlev¥’{e}方程式の $¥tau $ 関数と密接に関係することを述べる.
セミナー
2021年6月28日(月) 15:30 - 17:00
講演者: 関口 次郎 氏 (東京農工大学)
形態: Zoom によるオンラインセミナーで行います。
参加ご希望の方にはzoom 情報をお送りします。
atsuhira-nagano [at] se.kanazawa-u.ac.jp
までご希望をお教えください。
タイトル: E_n 型単純特異点の変形と代数的Frobenius ポテンシャル
アブストラクト: こちらをクリックしてご覧ください。
第3回テーマ: 不変式・保型形式と幾何学
2019年12月21日(土)
詳細なスケジュール, 講演タイトルはこちらをクリックしてご覧ください。
場所: 金沢大学サテライトプラザ1階会議室
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講演者 (あいうえお順):
大浦 学 氏 (金沢大学理工研究域)
久保田 絢子 氏 (早稲田大学基幹理工学研究科)
長岡 昇勇 氏 (近畿大学総合理工学研究科)
森山 知則 氏 (大阪大学理学研究科)
第2回テーマ: トロピカル幾何学
2019年3月8日(金) - 3月9日(土)
詳細なスケジュール, 講演タイトルはこちらをクリックしてご覧ください。
場所:金沢大学
(交通事情やイベントの都合上、日時によって場所が変わるのでご注意ください)
3月8日 金沢大学 角間キャンパス 自然科学5号館(C4) 2階 209 室
3月9日 午前 金沢大学サテライトプラザ 1階会議室
3月9日 午後 金沢大学サテライトプラザ 2階講義室
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講演者 (あいうえお順):
景山 友樹 氏 (首都大学東京理学研究科)
宋 珠愛 氏 (首都大学東京理学研究科)
筒井 勇樹 氏 (東京大学数理科学研究科)
中島 康仁 氏 (首都大学東京理学研究科)
西納 武男 氏 (立教大学理学研究科)
山本 悠登 氏 (東京大学数理科学研究科)
第1回テーマ: 代数幾何学と表現論
2019年1月9日(水) - 1月11日(金)
金沢大学 角間キャンパス 自然科学5号館(C4) 2階 209 室
詳細なスケジュール, 講演タイトルはこちらをクリックしてご覧ください。
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講演者 (あいうえお順):
伊藤 敦 氏 (名古屋大学多元数理科学研究科)
井上 大輔 氏 (東京大学数理科学研究科)
奥田 伸樹 氏 (東京大学数理科学研究科)
小林 健太 氏 (東京大学数理科学研究科)
原 和平 氏 (早稲田大学基幹理工学研究科)
三浦 真人 氏 (Korea Institute for Advanced Study)
森村 勇人 氏 (東京大学数理科学研究科)
世話人: 大浦学, 永野中行 (金沢大学理工研究域数物科学系)
連絡先: 永野 中行
atsuhira-nagano [at] se.kanazawa-u.ac.jp